皆様、初めての方は初めまして、見たことのある方はお久しぶりです。
今回は、ついこの前妄想しだしたものを一発ネタとして書いてみようと思って投稿したいと思いました。
ネタとしてオリ主、転生、憑依(?)といったネタを私が書いたらどうなるかといった感じの内容です。ちなみに、(?)の部分はそういったものに当たるか自分でも不安なため(?)とさせていただきました。
あくまで一発ネタですので続きは期待されないようにご注意ください。まあ、期待出来るようなシロモノではないですが……。
以下注意点です。
①主人公がフリーダムです。
②戦闘時は○○○無双が起きるかもしれません。
③以前書いた作品である「魔法少女リリカルなのは剣」のような展開を期待すると
火傷します。
④私がものすごく勢いで書いていくため、皆様の感想に書かれた案が普通に出てくる可能性があります。
⑤おろかにもチラシの裏からとらハ板に移動しました。ご忠告しだいでチラシの裏に戻ります。
⑥仮面ライダーネタが結構出てきました。
⑦なのはとフェイトがポンコツになってきました。
さて、それでは皆様、心臓にご病気を持ってはいませんね?持っている方、薬の準備は万全ですか?それでは紳士な主人公の物語をお楽しみください。
第1話「死んじまった俺、乙……いや、乙じゃねえって!!!衝撃のダメ神との出会い」
「あのぉ……起きてください」
誰かが肩を叩きながら声をかけてくる。
聞き覚えは……ないな。なら、一体誰だ?
「あのぉ……大切なお話があるんです」
大切?いや、それよりも重要なのは、俺は確か姉さんに言われてパシッている途中だったんじゃないか?
パシられているんじゃなくてパシッているか……とことんパシリ根性が染み付いてきたな。
まあ、それはいいか。
それよりも今は急いでゲーセンに行って、ガンバライドのカードを買ってこなくては。
畜生、いくらもう良い年齢だからって俺に買いに行かせるなよ。俺だってもう大学生で二十歳超えてるんだからな。
しかもモモタロスのレジェンドレアが出るまで帰って来んなって、姉さんは鬼か?ファングジョーカーじゃダメなのか?俺は電王よりW派なんだよ。
あ、ちなみにレジェンドレアってのはカードの裏に星が5個あるカードのことだ。星が多いほどレア度が高い分、なかなか当たらないんだよなぁ。
俺もレジェンドレアが当たったのって1回だけだし……今はそんなの関係ないな。
「えっと、そろそろ本当に起きて欲しいんですけど……」
「うっせぇよ!!!」
うるせえったらねえな。こっちは今日中に家に帰れるかどうかも怪しいってのによ。
「うぅ~、そう言われてもこっちだって重要なんですよぉ~」
涙目のような感じの声が聞こえた方向を見てみると、そこには一人の人間の女性……らしきものがいた。
整った顔立ちに蒼い瞳、ストレートに伸ばした金色の髪、服というよりは衣と言った方がいい真っ白くて生地の薄い衣服、手に持た槍なのか杖なのか剣なのかわからないとりあえず長い得物、背は俺より低いな、胸は……結構でかい。
パンツは……うん?もしかして……穿いてないのか?
白い衣の奥には薄手のためか、肌色しか見えない。
……気のせいだな、きっと判別しづらいパンツでも履いているんだろう。
それ以外は……よし、メッチャ好みのタイプだ。
でも、一番目立っている背中に広がる6枚の白い翼、これって……アレですか?
「……天使?」
「はい、その通りです。よくおわかりになりましたね。あ、でもどちらかというと女神と言った方がいいかもしれません」
いや、そんなに手をポンと叩いて喜ばなくても……いや待て、天使?んなもん普通なら見える訳ない。
ということは……どういうことだ?
いや、何となく意味というか結論はわかるんだが……つまり、えっと……どういうことだ?
「えっと、大変申し訳ないんですが……あなたは死んでしまいました」
「……死んだ?それって俺がか?」
俺の言葉に女天使は申し訳なさそうに頷いた。
死んだ……つまりガンバライドのカードを買いにいけない……じゃなくって、俺の人生ここで終わり?
「ちょ、ちょっと待てよ!!!俺は普通に外に出ていただけだぞ?なんでそれで死ぬんだよ!!!」
歩いていた場所は車の通りも少なかったし、俺自身は体のどこかが悪いなんてことはない。
いきなり死ぬなんてことは無いはずだ。
そんなことをまくし立てた俺にすまなそうな視線を投げかけてくる女天使は怖ず怖ずと口を開いてきた。
「ほんと~に憶えていませんか?」
「……俺に問題でもあったのか?」
「いえ、そういうわけじゃないんですけど……ほんと~に憶えてないんですか?」
「そういえば……ゲーセンに行く途中で何か光っていたような?」
確か二つくらいの光が空でぶつかってたような……でも、それが一体何の意味があるって言うんだ?
「えっと、それの一つが私です」
「……は?」
光の一つがこの女天使だか女神らしき女だって?
「実は……」
ここから先の説明は長いので簡単にまとめようと思う。
なぜなら、何故か説明に入るとこの女の言動が挙動不審で、俺自身も意味を理解するのに時間がかかったからだ。
まず最初に、この女天使だか女神だかダメ神の名前はライア。なんだか訳がわからないが、とある人物を追っかけてきたらしい。
そんでもって、ターゲットを見つけて戦闘に入ったのはいいんだけど、その時に偶然通り掛かった人間、すなわち俺を巻き込んでしまった……らしい。
つまりだ、今の俺がこうなったのは全てというか半分は……
「お前のせいかあああぁぁぁ!!!」
あ、もう半分はそのターゲットとかいう奴だ。
「ゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさい!!!」
とりあえず、死んだ理由がわかってライアに掴みかかった俺は悪くないはずだ。
掴みかかった拍子に薄い衣がはだけて豊かな胸の先端についていた桃色の突起とかがチラッと見えたのも俺のせいじゃない。……うん、役得だとは思ったけどな。
とりあえずそれは俺の脳内に記録しておくことにしておこう。
いらんことを言ってトラブルになるのも面倒だ。
互いに言いたいことを言い終えたのか、俺とライアは肩で息をしながら息が落ち着くのを待った。
「それでですね、流石にこれでは申し訳ないと思いまして、あなたを別の世界に転生させようと思うのですが……」
「それなら今すぐ生き返らせてくれ」
そう言ったらライアが固まった。
いや、自由に転生とかできるんなら生き返らせることもできるんじゃね?
「それはできないんですよぉ~、一度死んだ魂が同じ世界に戻るには輪廻の輪をくぐって転生しないといけません。それをした場合は前世の記憶も無くなっちゃいます。それに少し時間がかかるんですよ?」
「少しってどのくらい?」
一年やそこらなら記憶が残るようにしてもらって転生させてもらうのも悪くないかもしれない。
「そうですねぇ、ざっと……たったの500年くらいですね」
たったの500年って……ニッコリと見惚れるような笑顔で言い切りましたよ、この堕天使だかダメ神は!!!
「長すぎじゃ!!!」
俺がこいつの頭をはたいたのも悪くない……はずだ。
「いった~、短いじゃないですか。私の生きてきた時間のホンの10分の1にも満たない時間ですよ?」
「俺は人間なんだよ!!!人生長くて100年くらいしか生きられないんだよ!!!」
そんな長い時間待ってたら干からびるわ!!!
「でも~、他の世界に転生するにしても問題はあるんですよ?」
……他にもあんのかよ。
「他の世界に転生する場合はすぐに転生できますけど、もちろん記憶はなくなります」
まあ、転生するなら記憶は普通無くなるよな。
そう考えれば、そこら辺はどこをとっても変わらんのね。
「それに私は別の世界に逃げた相手を追わないといけませんし……。ですので、私はその世界に向かいます。ですから、早く決めて欲しいんですが……」
決めろって、今まで生きていた世界に500年待って転生するか、他の世界に今すぐ転生するかだよな?どっちでもかまわないいっていえばかまわないんだよな。
どうせ記憶を失っちまうんだし……。
そんな風に悩んでいると、ライアが下からすがるような視線で見上げてきた。
「一つだけ……記憶を失わないやり方が無いわけじゃないんですけど……」
「ホントか?」
あまりの意外な言葉に俺はライアに掴みかかった。
やっぱり今までの記憶があったほうがいいとは思うからな。
「どうやって?なあ、どうやって?」
肩を掴んで揺さぶっていると、ライアは目を回したのかグルグルといった表現が似合うかのような目をしている。
……やりすぎたか?
「はら~……あ、えっとですね、私の行く世界にあなたも一緒に転生するんです。その際に転生する体に私を使えば神の御加護で記憶を失うことも無くなるはずです」
「よし、それでいこう!!!」
ライアの行く世界に転生するだけでいいのか、なんだかその後に色々言っていたみたいだけど、よく聞き取れなかったから問題はないとしよう。
「……いいんですか?」
「ああ、そっちなら記憶は無くならないんだろう?」
今まで生きていたのが無駄になんねえならむしろ大歓迎だ。
……あんま大したもんじゃないけどな。
「わかりました。お名前は今までの名前の篤志でいいですね」
「ああ……って、なんで知ってるんだ?」
俺の名前なんて一度も言ってねえよな?
「わ、私は女神ですからそれくらいのことはあ、朝飯前です」
ライアは今まで以上に慌てた様子だけど、なんかあったのか?
「いいからさっさとやっちゃいますよ!!!」
両手を前に突き出したライアの手のひらから光を発し始めたのを見ながら、俺は今度の人生ではパシられなきゃいいなぁなんてアホなことを考えていた。
あれから9年、俺は無事に今の世界を生きている。
生まれたときは赤ん坊だったせいか、ところどころよく憶えていなかったけど、一歳ころから少しずつだけど昔……前世のことも思い出してきた。
まあ、一番ショックだったのはオムツを変えられるときだったけどな。
一応物心ついているから羞恥心ってもんはある。
それなのに、それなのにオムツを変えられるあの瞬間は辛い。
一緒に生まれた双子の姉は漏らしたときに泣いていたけど、俺はオムツを変えられるときに一番抵抗していた。
まあ、母さんが普通のオバちゃんみたいな感じだったら、そこまで気にしなかっただろうけど、こう言っちゃなんだが母さんは実の子である俺が贔屓目に見ても美人だ。
想像してみてほしい。羞恥心を持っている自分が見目麗しい女性にオムツを変えられるというあの絶望感を。
そんな状況の中、よろこんでオムツを変えてくれと言う奴はいないだろう。
あ、事故紹介がまだだったな。今の俺の名前は高町篤志。私立聖祥大付属小学校3年A組の生徒の一人になっている。
これまでの人生は……いや、転生してからの9年間は一応平穏無事に過ごせたことにまずは感謝したい。
まあ、父親が事故って入院したとか色々あったけどな、それ以外は至って平凡な生活を送れたと思う。
俺の父親の高町士郎と高町桃子は海鳴商店街にあるとある喫茶店『喫茶翠屋』を営んでいるんだ。
俺の篤志という名前も父親である士郎の一字をもらった……ということになっている。
でもさ、士と志って明らかに字が違うよな?
まあ、それとは別に恭也兄さんと美由希姉ちゃんは御神流とかいう剣術をやっているけど、俺自身はそれをやっていない。
剣術そのものは別の人……人なのかはわからないけど、一応師匠というか相棒のような奴に教えてもらっている。
もっとも、俺は今のところは平穏無事に生きられたらそれでいい。
そりゃ、確かに力があれば何かを守れるかもしれないさ。
だけど、俺ともう一人の片割れとも言える双子の姉が本当に小さかったときに、その力は俺達を守ってはくれなかった。
父さんが事故ったときに母さんは店の経営で忙しく、兄さんはその手伝い、姉ちゃんは父さんの身の回りの世話で家にいないことが多かった。
必然的に家には俺ともう一人の片割れだけが残されることになる。
幸い、食事などは前もって用意してくれていたから飢えることとかはなかったけど、それはこの際は問題じゃない。
少なくとも転生しても前世の記憶のある、つまりは家庭の事情をある程度の理解できる俺はともかく、もう一人の片割れはそんなんじゃないはずだから、母さん達がいなくて本当に寂しかったはずだ。
そのせいか、家にいるときはよく片割れがひっついてくることが多かった。
だから俺はもう一人の片割れだけでも幸せになってくれたらとは思う。
別に父さんや母さん、兄さん姉ちゃんが嫌いなわけじゃない。ただ、優先順位で言えば父さんたちよりももう一人の片割れが上なだけだ。
(篤志さん、そろそろあの子を起こしにいかないと)
(……そうだな)
心の中に9年間の苦楽……いや、苦はそこまで多くはなかったな。
とりあえず9年間を共に過ごしたライアの声が響く。
どうやら転生するときにライアの体を使って転生したため、ライアの意識も俺の中にある。いや、俺の意識がライアの体の中に入っているのか?
体も子どもの体格だが、顔立ちはどことなく出会ったときのライアに似ているような感じの女顔とでも言えばいいのか、やや目つきの悪い面が目立っているが顔立ちだけは整っているのだろう。
この目付きが悪いのって……俺だからだよな?
ちなみに、転生前は金色だった髪と蒼い瞳は転生した際に黒髪に黒い瞳になった。まあ、これで金髪だったりしたら隔世遺伝だなんだで問題がでてくるかもしんねえかんな。
髪の長さはライアに涙目での懇願……髪は女の生命と言われて、長くしている。まあ、後ろで束ねる分にはそこまで邪魔になんないからいいけどな。
そんでもって可愛いリボンをつけろと言われた時は、ハサミを持ってこの髪を切ると提案したらライアは諦めてくれた。髪を伸ばすのだけでも嫌なのに、リボンなんてつけてられっかってぇの。
でもこの顔って、目つきを除けばどっかでも見たことがあんだよなぁ。それも死んでライアと出会う前に……別にいいか、そんな思い出せないことは。
そんでもって、顔のことだが、そのライアに似すぎているせいか、双子の片割れとはあまりというか全然似てない。でも、双子であることは確かなんだよな。母さんの腹から一緒に出てきたし……二卵性双生児というやつか?
そういえばこの体だけど、主導権は俺にある。どうやらライアが気を使ってくれたようだ。
でも、何かを追うとかって転生前に言ってたような?まあ、何も言ってこないようだし、それも問題ないのかな?
あ、言い忘れてたけど、俺の剣術の師匠が実はライアなんだ。
その修行方法というのは、ライアが剣を振っているイメージを俺の心の中に投影して、それを実際に木の棒を持って延々と続けるだけ。それだけだから兄さんたちには全く敵わない。
ライアにこんなことを続ける理由を聞いてもいつか必要になるっていうだけで、何も説明してくんねえんだもんな。……いつか犯したろか?よし、そうしよう。
もっとも、そう言ったらライアにどうやってってニッコリと言われちまった。そうなんだよな、俺とライアってニ心同体みたいなもんだから、ライアに何にもできないっちゃできないんだよな。
この体になんかしても被害を被るのは主導権を握っている俺だし、体も男だからアレがある……くっ、いつか欲求不満が爆発しないだろうな?
でも俺は諦めない。いつの日か俺がライアに○○○して×××して□□□するまでぜってぇに諦めない。
おっと、無駄に時間が過ぎちまったな。
そろそろもう一人の双子の片割れでも起こしてくるとしますか。
俺の部屋のすぐ隣に俺の片割れが今もなお惰眠を貪っている。
ムダとは知りながらもドアをノックする。
返事はない……死んでいるもとい、いつものように眠っているようだ。
携帯のアラームをかけているとはいえ、それだと少し遅くなる。
仕方なく俺は閉じられているドアを開いて中に突入した。
そして目の前にいる巨大なみの虫……いや、一応俺の双子の姉である高町なのは。
なぜか俺と同じクラスでもある。
普通は双子とかってクラスを分けないか?
いや、それもどうでもいいか。この地球ではそういうものなんだろう。
ちなみに、どうやらこの世界は俺が生きていた地球とはまた別の世界の地球らしい。
もっとも、俺の生きていた世界とほとんど変わらないから、転生した後も普通に過ごすことができたのはラッキーだったな。
おっと、それよりも今はこのみの虫を起こすとしますか。
「みのむ……じゃなかった、起きろなのは」
思わずみの虫って言いそうになっちまった。
姉さんとは言わない。精神年齢的には俺が上……のはずなんだけど、どうもなのはは少し実際の年齢よりも大人びた感じがするんだよな。
それが実年齢よりも年上に見えるときがある。
まあ、俺と一緒のときと体つきはお子様なんだがな。それに比べてライアのあのときの胸は……素晴らしかった。
母さんもスタイルはいいよな……別に欲情するようなことはないけど。俺としてはライアのほうが好みだし。となると、俺の好みのタイプって……自分自身?
ヤバイじゃん、それじゃ俺ってナルシストだよ。これはヘコむな。
「ん~……あっちゃ~ん、なのはは~お姉ちゃん~なんだよぉ~」
寝ぼけながら自分が姉であると主張する一応我が姉、高町なのは。
だが、俺がなのはを姉と呼ぶことはないだろう。
「く~」
自分の主張が終わったのか、再び布団の中に潜り込み寝息をたてる我が姉……らしき者を現世へと引き戻すべく、俺はいつもの手を使う。
「いいから……起きろ!!!」
おはようのキスでもなく、枕を取る簡単なイタズラなわけでもなく、かけ布団を引っ剥がすでもなく、なのはの寝ているベッドに敷かれているマットレスを思いっきり引っ張る。
柵がなくて摩擦の少ない台のおかげか、9歳児の俺の腕力でも引っ張ることのできたマットレスは、なのはを載せたままベッドから床へとずり落ちる。
そして、少しの間が開いて聞こえてくるドシンという轟音……いや、なのははそこまで重くないからドンという音程度にしておこう。そんな音が聞こえてくる。
……何故だろう?これをやらないと朝が来たって感じがしない。
(今日も……いい朝ですね)
どうやらライアもそう思っているようだ。
これが決まらないと、どうも調子が出ないんだよなぁ。
「いった~、お尻打っちゃったぁ」
さて、目が覚めたようだし俺も下に降りるとするか。
「なのは、早く着替えて降りてこいよぉ」
「なのはじゃなくてお姉ちゃんだってば、あっちゃんのバカ!!!」
なのはの投げた枕が俺が閉じたドアより少しだけ外れるのも、俺となのはの朝のお約束とも言える一幕だった。
そんなこんなで朝食を食べ終えて、途中まで美由希姉ちゃんと一緒にバス停まで向かう。
恭也兄さんはどうやら大学の講義が午後かららしくて、それまで家でのんびりしていくらしい。
バス停で美由希姉ちゃんとも別れて、なのはと一緒に学校に向かうバスに乗り込む。
しばらくバスが走ると、途中の停留所で幼馴染とでもいうべき女の子が二人バスに乗り込んできた。
「アリサちゃん、すずかちゃん」
「なのは、篤志おはよう」
金髪幼女のアリサ・バニングスが勝気な笑みで挨拶してくる。
やはり同じ金髪でもライアとは違うな。俺はライアのあの巨乳の方が好みなんだよ。
あれ?なんか話の内容が金髪から胸の話に変わってないか?ま、いっか。とりあえず貧乳のアリサはどうでもいい。
「なのはちゃん、あっくんおはよう」
青いロングヘアの月村すずか。お淑やかで他人を立てる、まさに典型的な大和撫子とでも言えばいいのか?
少なくともアリサよりは性格的に付き合い易いだろう。俺から見てだけどな。もっとも、こっちも貧乳だからどうでもいい。
「おはようアリサ、すずか」
まあ、確かに可愛いとは思うけどな。
それだったら恭也兄さんの彼女の忍さんやすずかの家のメイドさんのノエルさんやファリンさんのほうが断然いい。
まあ、兄さんから忍さんを取る気はないから、興味があるとしたらノエルさんやファリンさんだけどな。……ああ、そうだよメイドさんが好きだよ、大人の女の人が好きだよ。ノエルさんとファリンさんのガーターベルトに興味津々だよ、なんか文句あっか?
……いかんいかん、どうやら話が脱線した。ともかくお子様には興味はないんだよ。まあ、10年後とかは知んないけどな。10年後、巨乳になったりしてたら……うん、楽しみだ。
ちなみに、なのはや俺より誕生日の早いアリサにもお姉ちゃんと呼ぶように命令されたことがある。そんときはスカートめくってから、もっと大人っぽいパンツ履いてから出直してきなって言ったけどな。
ちなみになのはとすずかもそれを聞いて、なんだか物陰に行ったかと思うと、戻ったときには何か落ち込んでいた。……なんでだ?
そんなこんなで今日も平凡な一日が始まっていく。
そう、俺の愛すべき、平凡で普通な生活が今日も……
続いていく…………はずだったんだけどなぁ、どこで何を間違ったんだろう?
夕飯のときになのはが怪我をしたフェレットを見つけたって話をして、それを家でしばらく飼うことになったのはいいんだけどさ、夜中にいきなりなのはが飛び出していくのを感じた俺はすぐになのはを追っかけたわけさ。
その途中でなんだか嫌な予感をしたんで、急いでなのはを連れ戻そうとしたんだけど、こんなときに限って運動音痴のはずのなのはは異様に足が速いわけよ。
いや、なのはが速いんじゃなくて、俺がただ単になのはを見失っただけだけどさ。んでもって、今はなのはを探している真っ最中ってわけ。
「どこいったんだ、なのはの奴」
あのみの虫め、こんなときは積極的に動きやがって、帰ったら泣くまでウメボシしてやる。
(篤志さん、もしかしたら夕ごはんの時になのはちゃんが言っていたあの槙原動物病院に行ったのではないでしょうか?)
そういえば、フェレットは動物病院で預かってもらっているって言ってたな。
他に手がかりもないし、まずは行ってみるか。
俺は急いで元来た道を引き返して、槙原動物病院に急いだ。
そして、辿りついた俺が見たのは、学校の制服をアレンジしたようなコスプレをして杖を持ったなのはと、訳のわからん黒い化け物だった。
「なんだよ、あれ?」
(なんていう禍々しい気……篤志さん、気をつけて)
ライアも何か感じたのか、警戒心を強めている。
もっとも、そんなのお構いなしに俺はなのはの元へと駆け出した。
「あっちゃん、何で来てるの?」
なのはも俺のことに気がついたのか、驚きながら声をかけた。
「んなもん、いきなり家を飛び出すバカを追っかけたに決まってるだろ!!!」
「バカって言う方がバカなんだもん、あっちゃんのバカ!!!」
「それならなのはもバカだろう!!!」
「なのはじゃないもん、お姉ちゃんだもん!!!」
お互いに今話すことじゃないことを一気にまくし立てた。そのおかげで化け物が近づいてくるのに気付かなかった。
(篤志さん、後ろです!!!)
ライアの声に後ろを振り向くと、目の前に黒い影が迫っていた。
「なのは!!!」
化け物となのはの間にいる俺は、化け物を見ながらもなのはを突き飛ばした。
「あっちゃん!!!」
そして、無駄とは知りながらも化け物に向かってせめてもの抵抗となるように腕を突き出す。
ここで少しでも時間を稼げれば、なのはの逃げる時間を作れるかもしれない。とか考えていたらかっこいいんだろうけど、実際にはそんなの考えないで突き飛ばしちまったんだよな。
はあ、第二の人生もこれで終りなのか。思えば楽しい9年間だったな。……パシらずにすんだし。
でも、何時まで経っても何にも起きないな。なぶり殺そうとでも考えているのか?
さすがにそれはイヤなんだけどな。
そぉ~っと目を開けてみると、俺の手から化け物に向かって金色の光が出ていますよ?
(篤志さん、このまま力を前に押し出すようにイメージして)
「お、おう!!!」
突然のことに戸惑いながらもライアの言うとおりに化け物を押し出すようにイメージする。
徐々に押し出されていく化け物を見た俺はさらに遠くに飛ばすようにイメージする。
(ダメです、それじゃあ強すぎます)
ライアの声に反応できずにより強い力をイメージしたら、案の定化け物は大きく弾き飛ばされた。
(いけない!!!)
その結果、化け物は郊外にある病院から弾き飛ばされて住宅街のほうに吹き飛ばされた。
「やべっ」
ここでは特に問題起きなかったけど、あれが吹っ飛んでいった先でなにか起きないとは限らない。
それに……
(篤志さん、急いで追いかけますよ)
そう、このお節介なライアのせいで追っかけることになるんだよなぁ。
しょうがねえ、なのはを先に帰らせてアレを追うとするか。
「なのは、お前は先に帰れ」
突き飛ばされたまんまで尻餅をついているなのはに声をかけるけど、何か様子がおかしい。
俺を見て固まっているのか?
「……あっちゃん?」
「どうかしたのか、なのは?」
何だか俺の顔や体を見て驚いているようだけど……そんなに変か?
「髪が……それに……」
「髪?」
なのはに言われて後ろで束ねている自分の髪を目の前に持ってきた。
そこにはいつもどおりの黒髪が……
「ねぇっ!!!」
黒かったはずの髪は金色の輝きを放っている。それに気がついて体を見てみると、服も変わっている。
恭也兄さんとどうやら同じ色が好きな俺は、普段着は大抵黒とか紺の暗い色合いの服を好んで着用する。その俺の着ている服が……あり得ないほどに白く薄い布地だった。
そんでもって、その白い布は転生する前に最後に見た物によく似ている。
「……まさか」
恐る恐る服の中を見てみると……そこにはついさっきまでは無かったはずのささやかな膨らみ。なのははぺったんこだけど、今の俺はなぜか膨らんでいる。
実際にその膨らみを触って確かめたから、これはホントだ。
なのはのも確かめたことがあるから間違いない。
つうことは、なのはより胸が……
「ある!!!」
(篤志さん、どこ触ってるんですか!!!)
突然の体の変化にパニックになると同時に、昔のことを思い出した。
確かライアの体を使って転生するって話だったよな?
「もしかして……」
俺は恐る恐る股間を触ってみた。
いや、なんとなくついている感覚がないから結論はわかるんだけど、やっぱり確認しときたいしな。
間違いって可能性もあることだし……。
そして、その結論は……
「ねぇっ!!!」
ねえよ、俺のシンボルが……いや、全世界の男のシンボルが……将来マグナムになるはずのイチモツが……俺の将来のマク□スキャノンがどこにもねえよ!!!
(篤志さんのエッチ!!!)
「あっちゃんが……女の子になっちゃった?」
最悪な結論となった。
魔法少年ならぬ、魔法少女?それとも女神の体だから魔法女神?
とりあえず始ま……
「始まらねえよ!!!」
(私の体のどこが不満だって言うんですか!!!)
「そういう意味じゃねえ!!!」
「あっちゃん……誰と話してるの?」
まずい、ものすっごいグダグダな内容ですね。オリ主ものや転生ものを書ける作者様達が本当に羨ましい。もしよろしければ感想……というか、ご批判等をよろしくお願いします。