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No.18472の一覧
[0] ―― EDGE ―― ネギま(オリ主) [紅月](2010/07/10 18:15)
[1] 第1話[紅月](2010/04/30 00:17)
[2] 第2話[紅月](2010/04/30 11:48)
[3] 第3話[紅月](2010/05/05 21:33)
[4] 第4話[紅月](2010/05/08 01:49)
[5] 第5話[紅月](2010/06/22 17:38)
[6] 第5.5話[紅月](2010/05/15 11:52)
[7] 第6話[紅月](2010/05/21 10:41)
[8] 第7話[紅月](2010/05/22 18:29)
[9] 第8話[紅月](2010/05/28 17:16)
[10] 第9話[紅月](2010/06/07 15:28)
[11] 第10話[紅月](2010/06/21 15:57)
[12] 第11話[紅月](2010/06/21 16:00)
[13] 第12話[紅月](2010/06/28 09:51)
[14] 第13話[紅月](2010/07/05 17:07)
[15] 第14話[紅月](2010/07/10 18:15)
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[18472] 第3話
Name: 紅月◆a3e744a8 ID:3903c47e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/05/05 21:33

第3話 「対面」






午後8時


街灯を含める全ての電気が落ちていく。

現代に於いて、人工の光がない場所などほとんどない。戦時統制下かジャングルなどの僻地だけだろう。

そんな時代に、科学の街の全てが暗闇にのまれていく様は、ある種幻想的でさえある。


そんな時、停電と共に対魔封印結界が落ちた。


そういう仕様なのか、何かがあったのか。しかし、チャンスではある。

内部の一部も騒がしくなり始めた。他にも侵入者がいたのだろう。

エッジは様子を見て、この騒ぎを期に侵入を決めた。






――――――― 学園内





「氷爆!!」


宙を舞うエヴァンジェリンから魔法が放たれる。

空間を爆破し、氷結させる魔法は防御を超え僅かに体表を凍らせる。


ネギ・スプリングフィールドは劣勢であった。


本よりネギとエヴァンジェリンには覆しようのない実力差が存在する。

それは、魔法運用技術であり体術であり戦闘経験である。

如何に“天才”などと呼ばれていても、600年にも及ぶ経験差は如何ともし難い。

つい先刻まであった僅かな勝機である魔力量の差は、結界が落ちたと同時になくなっている。


(すごい力だ。とてもかなわない! でも、あと、あと少しで・・・)


それでも僅かずつ誘導を繰り替えし、橋へ向かってゆく。


「ハハハ! どうした! 逃げるだけか! もっとも、呪文を唱える隙も与えないがな!」

―――リク・ラク・ラ・ラック・ライラック


再び始動キーと共に呪文が唱えられていく。


「来たれ氷精 大気に満ちよ 白夜の国の凍土と氷河を こおる大地!!」

「っわぁー!!」


地より突き立つ氷柱に吹き飛ばされ、地面に投げ出される。

力量差は歴然。しかし、身をうつ伏せに横たえながらも、目は諦めていなかった。

何故なら、今まで逃げに徹していたのはこの一瞬のため。

決着をつけようと歩を進めるエヴァンジェリンへ、渾身の罠が発動する。


「なっ・・・!? こ、これは・・・捕縛結界!?」


地面が光を放ちながら魔方陣を描き、光のロープが四肢を絡めとる。

エヴァンジェリンと茶々丸は完全に捕らわれた。

罠の成功に「やったー!」と喜びを全身で表しながら、ネギは勝者として勧告した。


「これで僕の勝ちです! さあ、おとなしく観念して悪いこともやめてくださいね!」

「・・・・・・やるなあ、ぼうや。感心したよ」


そう零すと共に笑いだした。

そこには負の感情はなく、歓喜が見て取れた。


突然の笑いに不信が募る。

ネギのミスは、相手の降伏を見ずして勝利を確信したことだろう。

確かに、本来捕縛結界に捕らることが出来たならば、そうそうに抜け出すことは出来ず、勝利は確実だっただろう。

しかし、実戦において絶対など存在しないのである。

ことさら幼少から一人で過ごして来たネギにとって、勝負という経験がほとんど無い。

そして無いが故に、勝利条件を誤ったのである。


ガラスが軋むような音と甲高い音を響かせながら結界は破壊されてしまった。


そうなると一転、再び劣勢に立たされるネギである。

従者の茶々丸によって呪文詠唱を封じられ、杖も奪われて投げ捨てられてしまう。

結果、子供のような駄々を捏ね、泣き喚くに至った。

敗北の結果、エヴァンジェリンによって吸血されそうなところへ、二つの介入が起きた。



一つはネギ・スプリングフィールドの従者、神楽坂 明日菜である。

ネギの使い魔のオコジョから連絡を受け、救援に駆けつけたのだ。


そしてもう一つ。

麻帆良内での騒動の様子を伺いつつ、機会を見ていた存在が侵入を果たした。


「やれやれ、少女が少年を襲っている。これが噂に聞く痴女と云う奴か」






side:エッジ



侵入経路の選択と内部の騒動の位置を確認しつつ、結界越しに様子を伺っていた。

他の侵入者は囮である。

できるだけ麻帆良の戦力を引き付けてもらい、楽して侵入したい。

そして機会が来た。

どうやら他の場所で大規模の召喚を行ったようだ。

そちらに戦力が流れるのを確認して侵入を果たした。



「やれやれ、少女が少年を襲っている。これが噂に聞く痴女と云う奴か」


どうやら痴漢現場に出くわしたらしい。








――――――― 学園警備本部





学園長は焦っていた。

学園結界が落ちることにより侵入者が増える、ということは判っていた。

そのために対策もたて、警備配置・増援手配・戦力配分を行ってきた。

しかし、予想と現実は食い違うもので、敵戦力が予想を遥かに上回ってしまった。

というのも、普段は敵も少数精鋭で来るのである。

しかし、今回は相当力を入れたのか、かなりの数の召喚師がついてきたのである。

召喚師がいると敵勢力が多くなる。

召喚された魑魅魍魎の実力はともかく、数だけは多くなる。

戦場においては数がモノを云うこと自明の理である。

よって、そこに増援か一騎当千を送ることになる。

結果として、ネギとエヴァンジェリンの戦いの場に侵入者を許してしまった。


「高畑君、頼むぞい・・・」


学園長は祈るように呟いた。








「だれが痴女だ!!」


呟かれた言葉に幼女は激高して吼えてきた。

そんな彼女を抑えるように、側にいる少女(おそらくは従者だろう)は「マスター、侵入者です」と申告している。

その言葉にハッと気付き、一瞬で迎撃を行ってくる。

その対応の速さは、見事なものだったが、今度は逆に少年側に隙を見せてしまい逃がすに至ってしまった。


「くそっ、折角の勝負に水を差しおって!」


どうやら随分とお冠のようだ。


一方、無詠唱の『魔法の射手』を打ち払い、エッジは歩を進める。

もはや幼女は眼中にない。

先ほど向かい側から走ってきた少女が、少年に掛けた声。

その言葉は『“ネギ”! 無事!?』と問いかけていた。

そう“ネギ”だ。

名前に詳しい訳ではない。そんな名前の人間は他にもいるだろう。

顔を知っている訳ではない。男の子ということだけだ。

しかし、麻帆良にいる魔法使いで、10歳くらいの少年で、“ネギ”という名前。

侵入してすぐ、こんなにも早く、出会えるとは。

エッジは自身の運の良さに歓喜した。


しかし、確認しなくてはならない。

情報の一端にたどり着けるかもしれないという興奮を押さえ込みながら、声をかけた。




「お前がネギ・スプリングフィールドか?」




場はさらに混沌へと落ちていく。






第3話  了


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