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No.18329の一覧
[0] とある『海』の旅路(オリ主によるFate主体の多重クロス)【リリカル編As開始】[よよよ](2018/03/19 20:52)
[1] 00[よよよ](2011/11/28 16:59)
[2] Fate編 01[よよよ](2011/11/28 17:00)
[3] Fate編 02[よよよ](2011/11/28 17:03)
[4] Fate編 03[よよよ](2011/11/28 17:06)
[5] Fate編 04[よよよ](2011/11/28 17:16)
[6] Fate編 05[よよよ](2011/11/28 17:23)
[7] Fate編 06[よよよ](2011/11/28 17:26)
[8] Fate編 07[よよよ](2011/11/28 17:30)
[9] Fate編 08[よよよ](2011/11/28 17:34)
[10] Fate編 09[よよよ](2011/11/28 17:43)
[11] Fate編 10[よよよ](2011/11/28 17:49)
[12] Fate編 11[よよよ](2011/11/28 17:54)
[13] Fate編 12[よよよ](2011/11/28 18:00)
[14] Fate編 13[よよよ](2011/11/28 18:07)
[15] Fate編 14[よよよ](2011/11/28 18:11)
[16] Fate編 15[よよよ](2011/11/28 18:22)
[17] Fate編 16[よよよ](2011/11/28 18:35)
[18] Fate編 17[よよよ](2011/11/28 18:37)
[19] ウィザーズクライマー編[よよよ](2012/08/25 00:07)
[20] アヴァター編01[よよよ](2013/11/16 00:26)
[21] アヴァター編02[よよよ](2013/11/16 00:33)
[22] アヴァター編03[よよよ](2013/11/16 00:38)
[23] アヴァター編04[よよよ](2013/11/16 00:42)
[24] アヴァター編05[よよよ](2013/11/16 00:47)
[25] アヴァター編06[よよよ](2013/11/16 00:52)
[26] アヴァター編07[よよよ](2013/11/16 01:01)
[27] アヴァター編08[よよよ](2013/11/16 01:08)
[28] アヴァター編09[よよよ](2011/05/23 20:19)
[29] アヴァター編10[よよよ](2011/05/23 20:38)
[30] アヴァター編11[よよよ](2011/05/23 22:57)
[31] アヴァター編12[よよよ](2011/05/23 23:32)
[32] アヴァター編13[よよよ](2011/05/24 00:31)
[33] アヴァター編14[よよよ](2011/05/24 00:56)
[34] アヴァター編15[よよよ](2011/05/24 01:21)
[35] アヴァター編16[よよよ](2011/05/24 01:50)
[36] アヴァター編17[よよよ](2011/05/24 02:10)
[37] リリカル編01[よよよ](2012/01/23 20:27)
[38] リリカル編02[よよよ](2012/01/23 22:29)
[39] リリカル編03[よよよ](2012/01/23 23:19)
[40] リリカル編04[よよよ](2012/01/24 00:02)
[41] リリカル編05[よよよ](2012/02/27 19:14)
[42] リリカル編06[よよよ](2012/02/27 19:22)
[43] リリカル編07[よよよ](2012/02/27 19:44)
[44] リリカル編08[よよよ](2012/02/27 19:57)
[45] リリカル編09[よよよ](2012/02/27 20:07)
[46] リリカル編10[よよよ](2012/02/27 20:16)
[47] リリカル編11[よよよ](2013/09/27 19:26)
[48] リリカル編12[よよよ](2013/09/27 19:28)
[49] リリカル編13[よよよ](2013/09/27 19:30)
[50] リリカル編14[よよよ](2013/09/27 19:32)
[51] リリカル編15[よよよ](2013/09/27 19:33)
[52] リリカル編16[よよよ](2013/09/27 19:38)
[53] リリカル編17[よよよ](2013/09/27 19:40)
[54] リリカル編18[よよよ](2013/09/27 19:41)
[55] リリカル編19[よよよ](2013/09/27 19:56)
[56] リリカル編20[よよよ](2013/09/27 20:02)
[57] リリカル編21[よよよ](2013/09/27 20:09)
[58] リリカル編22[よよよ](2013/09/27 20:22)
[59] リリカル編23[よよよ](2014/09/23 00:33)
[60] リリカル編24[よよよ](2014/09/23 00:48)
[61] リリカル編25[よよよ](2014/09/27 01:25)
[62] リリカル編26[よよよ](2015/01/30 01:40)
[63] リリカル編27[よよよ](2015/01/30 02:18)
[64] リリカル編28[よよよ](2016/01/12 02:29)
[65] リリカル編29[よよよ](2016/01/12 02:37)
[66] リリカル編30[よよよ](2016/01/12 03:14)
[67] リリカル編31[よよよ](2018/03/19 20:50)
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[18329] リリカル編01
Name: よよよ◆fa770ebd ID:55d90f7e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/01/23 20:27

根源、神の座呼名は沢山あるけれど、神様の元そこでおよそ四十年程の間、世界の崩壊とかを防ぐ手伝いをして来たのはいいとして。
元の世界に戻ってから勉強は解らなくなっているわ、アルバイトの日程なんかもすっかり忘れてしまい、一成やコペンハーゲンの店長やネコさんに心配をかけさせて悪い事をしたと思う。
ただ―――アーチャーの奴は、急に記憶が欠落したような感じだけなら投影魔術の使い過ぎによる影響とか判断出来たそうだけど、神の座での作業の合間にルビナスや元救世主達から剣とか魔術とか色々と教わっていたから、剣技がアーチャーの予想よりも遥かに上がっていてそれを訝しんでいるようだった。
まあ、アヴァターや根源での四十年は、こっちの方では一瞬でしかないから……アーチャーからしてみれば突然技量が上がったとしか感じられないので不自然に思えるのだろう、な。
それでも二週間が過ぎ、八月になると勉強にしてもバイトの仕事にしても徐々に思い出せていたから何とかなり始めて来ている。
だが、いくら俺に余裕がないといってもアリシアの世話をセイバーやアサシンに任せっきりなのも兄貴として問題あるだろう。
そこまで考えると既に集中力が無くなってのが解り、「ふう」と息をはいて腕を伸ばし朝の勉強を止めて居間に向う。
まだ午前中とはいえ、八月の陽気は強く日の当たる庭の熱気がそよそよと吹く風と共に合わさり熱風となりやって来る。

「……涼を求めて海やプールとかも良いんだけれど」

考える事は皆同じなのか真夏の炎天下の中人々は涼を求め海やプールに向う、したがい海もプールも芋を洗うような混雑振りが連日続いていたりする。
そういえば、新都に『わくわくざぶーん』とかいうプールとか出来そうだったけど、何でも建設途中にオーナーが失踪したとかで工事は止まったままだとか。
聞くところによれば、あのプールは何やらテーマパークのように色々充実していたみたいだからオープンさえしていれば普通の市営プールは少しは空いていたかもしれない。
まあ、無いものねだりしても意味が無いなと結論付け居間に向うと、居間からやや手前の廊下でアサシンが座り込み両足を水の入ったたらいに浸けている。
日よけのタテスによる日陰に、足元から伝わってくる涼しさに加え、吊るされている風鈴の音も合わさりいかにも涼しそうだ。
そういえば、行軍中の鎧の蒸し暑さに比べればこの程度とかセイバーはさして問題にしていなかったが、今日も仕事で居ないライダーは「日本の夏の暑さは異常です」とか言っていたからな……確かライダーはギリシャ神話に関する英霊で、地中海辺り出身だったはずだから湿度が高い日本の夏は辛いのかもしれない。

「―――士郎、勉学の方はよいのか」

僅かに顔を動かし視線を向けて来る、如何やらアサシンにも心配させてしまったみたいだな。

「一時休憩ってところかな」

「順調ならば結構―――ならば、昼も楽しみにさせてもらうとしよう」

「ああ、期待していてくれ」

俺や桜の作る食事は、セイバーやアサシンにとって楽しみの一つになっているらしいから期待には応えないといけないだろう。
そう意気込みながらアサシンの後ろを通る時、ふと思い出す―――今日は羽織を脱いでいるが、何でもこの前行った海外では初めての外国という事に加え、慣れない仕事という事もあってかアサシンにしては珍しく緊張していみたいで、聖杯戦争の時と同じ傾いた格好をしていたそうだ。
その……いかにも剣客というか、武芸者風の格好は目立つというか、アサシンが言うには行く先々で「ジャパニーズサムライ!」とか言われながら何故か行く先々で人々に懐かれたとか。
でも、仕事は死徒関連だったらしいから隠密行動が必要だったらしくて、なんと言うか……色々と噂が広がってしまい逃げられてしまったらしい。
それで、今は言峰から新しい仕事としてアリシアの護衛をしているそうだ。
居間に入ると廊下とは違い何処か涼しげな感じがしてくる……客間にはエアコンはあるが、ここ居間にはエアコンは無い筈なんだけどな?
そう疑問に思い見渡せば、居間ではセイバーとアリシアが扇風機に煽られながらゲームをしている。
アリシアは勉強が余り好きじゃないみたいなので兄貴としては注意するべきなのだが、宿題とかはしているし、まだまだ小学校一年生なのでもう少し様子を見てからでいいか迷う処だ。
一緒にゲームをしているセイバーとアリシアの邪魔にならないよう後ろ歩きつつ台所へと入り、麦茶を飲もうと冷蔵庫を開けふと、今日も暑いので俺だけじゃなくセイバー、アリシア、アサシンの三人にグラスを用意すると冷えた麦茶を注いでそれぞれに渡した。
三人から「ありがたい」とか「ありがとう」とか「これはこれは、かたじけない」とかそれぞれ謝意をかけられる。

「かき氷もいるなら作ろうか?」

まだ、お昼の準備には少し早いので甘いものを出しても大丈夫だろう。
台所に置かれているペンギンの形を模したかき氷機は、土蔵の整理をした時に出てきた物だが、長き眠りから覚めたペンギンは今年の夏を乗り切る切り札になり得るのか―――冷蔵庫にはイチゴとメロンのシロップが入っているという気合の入りようだ。
時々ポチが作ってるのを見るけれど、今は構って欲しいのか解らないがセイバーとアリシアの間を行ったり来たりしている。
と、いうか……ポチはアレでいて、お茶やお菓子の用意とかもするので意外に気が利く奴だったりする。
むしろ飼い主のアリシアの方が問題が在るんだけど………倫理面とか道徳とかが気になるので学ばせるにしても、肝心の神父である言峰はアリシアを神と崇め仕えている身だとかで「仕える身でありながら、その神に説法とは何事か」とかで無理があり、教師の葛木は前に朽ちた殺人鬼とか言っていたからな………藤ねえはアリシアの道徳面が変な方向にぶっ飛ぶというか虎化しそうで怖い、何ていうか碌な先生が近くに居なかったりす―――ん?
俺が溜息をついていると呼び鈴が鳴ったので向かい玄関を開けると。

「こんにちは衛宮君」

そこには俺の姉弟子に当たる遠坂と。

「ふ~ん、ここがマスターとシロウの家ねぇ」

何故か根源で分かれた筈のニティが居た。

「そこで、道に迷っていたから案内したけれど知り合い?」

「ああ……」

とはいえ、魔術の師である言峰の妹弟子とはいえ魔術師とは根源を目指す者なのだ、幾ら遠坂と云えど根源で分かれたとは言い辛い。
そのニティだが、流石にこの世界の情報を得てから来たのだろう、アヴァターや根源で見た服装とは違い、黒いシックなワンピースと手にバッグといった出で立ちなので、なんというか女性の艶を意識させ。
遠坂にしても赤いのはいつもと同じだけど、元々がアイドル顔負けの美人なのに加え、夏服による薄くて柔らかな感じのブラウスが何となく無く艶っぽさを際立たせている。

「取り合えず中に上がってくれ」

この場にて何か起きた場合、俺一人だと対処出来ないかもしれないので居間へと案内する。

「私はいいわ、この娘が道に迷っていたみたいだから案内しただけだし」

そう言って背を向けようとする遠坂だが、「貴女、この地の管理者遠坂凛でしょ?」疑う様な視線を向けながら「悪いけど貴女にも用があるのよ」とニティは遠坂を引き止め。

「ふ~ん、やっぱり……か。
(尻尾を出さないならそれはそれ。
アーチャーに読唇術を使わせて、衛宮君との会話を読み取ればいいだけだったんだけどね……)」

ニティの反応に、遠坂は髪をかき上げると探るような視線を向け。

「ホント言うと、私も偶然会った訳じゃないの。
貴女を捜したのは、キャスターから魔力も隠していない三流魔術師が来ているって連絡を受けたからなのよ」

言われてみれば、遠坂が指摘するようにニティからは結構な量の魔力が溢れている。
………アヴァターや根源では魔法とかの隠蔽とかなかったからな、俺は魔術師としても不味い感じになってるのかもしれない。

「―――で、何の用でこの地に来たのかしら?」

「まてまて、魔術に関する話だろ、こんな玄関先でする話じゃない筈だ」

「それもそうね」と言う遠坂に対し「この世界の魔術師って色々面倒なのね」とか言ってニティは何処か呆れ顔だった。
アヴァターでは日本のような文化は無かったのだろう、遠坂が玄関で靴を脱ぐのを物珍しそうに見ていたニティは廊下でも興味深い眼差しで邸を見回している。
そういえば、もう随分昔になるけれど、遠坂やイリヤも初めて邸に来た時は物珍しそうに、いや、まて……確か半年前なんだよな聖杯戦争があったのって。
不味いな、根源から戻って来てから時々浦島太郎のようになってるぞ。
未だ年月の感覚が狂っているのが解り、学校が始まる前に直せるのかと一抹の不安を抱きながらニティと遠坂を居間へと案内する。
居間でゲームをしていたセイバーとアリシアの二人は入ってきた二人の内、遠坂は一緒に住んでいる桜が食事を作りに来るのと、アーチャーが俺にとって色々な意味で師匠のような感じであるからして、血圧の問題とかで朝こそ来ないが、晩御飯は食べに来ているので珍しくはない。
しかし、根源で分かれたニティは世界の精霊の片割れであるから余程の事が無い限り来ない筈だ。
「ニティちゃん、凛さんこんにちは」と幾ら根源に行ったりや、『原初の海』とかいう神として概念化すらまでしている存在の力を扱えたりするものの、まだまだ子供だからだろう普通に挨拶しているアリシアは兎も角。

「ニティ、貴女が来るとは―――何かあったのですか?」

ニティの姿を目するセイバーは、それまでの緩んだ空気が一転し引き締まる。

「何も―――って言うより、向こうからでもこの世界の情報は視れないから、ちょっと行って見て来いって言われたのよ」

恐らく上司である神に言われたのだろうニティの表情はどこか哀愁が漂い。
それを聞いた遠坂は「世界?」って怪訝な表情をしていた。
ゲーム機を片付けるセイバーとアリシアを尻目にしながら、ニティと遠坂に「遠慮せず座ってくれ」と座布団を用意し座って貰い、俺は台所に行って飲み物を用意する。
紅茶党の遠坂はアイスティーに決まりだが、ニティには麦茶とアイスティーどちらにするか僅かに迷うものの取り合えず同じものを出す事にした。
遠坂とニティの二人はテーブルで対峙するようにして座っているけど、外は容赦無い太陽の熱線が降り注いでいたから余程暑かったのだろう、出された飲み物をそれぞれ口にすると「―――で、如何いった用向きでこの地に来たのかしら」と先ずは遠坂の口が開く。

「簡潔に言うと、冬木の管理者である貴女には大聖杯の解体を頼みたいの」

「っ、言うに事欠いて大聖杯の解体だなんて……」

聖杯戦争そのものの解体、そう語るニティに片手で顔を押さえる遠坂だが。

「それは―――どの組織が言ってるのかしら……時計塔ならロンドンに行ったときに言われるから違うとして、アトラス院それとも彷徨海?」

俺も知らない魔術協会の組織名を連ねる遠坂に、ニティは「そのどちらでも無いわ」と告げると遠坂を見据え。

「これは神の次元、貴方達魔術師からすれば根源での決定よ」

「はぁ?」と何言ってるのこの娘といった表情でニティに視線を向ける遠坂、しかし、当のニティは飲み物を一口すると。

「この世界の冬木市は、他の世界のとは違って特異点的な所だから―――もし、次に聖杯戦争が起きれば何が召喚されるのか分かったものじゃないわ」

その事なら根源からの帰り際、神から言われたから俺も知っている、しかし、事情を知らない遠坂は情報を上手く整理できないのだろう顔を顰めていた。
無理もないか、魔法を目指し根源に向うのが目的の魔術師に、根源の方から使者が来るなんて夢にも思わないの筈だ……

「だからそうなる前に、不安要素は取り除こうと言う訳よ」

そう告げると遠坂をじっと見詰め。

「もし、この話が受け入れられないのなら、貴女達で言う処の魔法使いを何人か派遣して大聖杯を壊させてもらうけど。
話し合いで事足りるならその方が良いでしょ?」

「―――っ、何人かの魔法使い!?」

イリヤから聞いて限りだと、魔法は今では五つしか存在しないらしい、だからだろう魔法使いという言葉に遠坂は反応する。

「別に珍しい訳でも無いでしょ?
貴女も遠坂凛なら、並行世界への干渉は少なからず出来てるだろうし」

涼しい顔でニティは遠坂を第二魔法の使い手だと語るが、当の遠坂は「はぁ?」といった感じで訳が解らないようだった。

「凛、まさか貴女は魔法に至ったのですか?」

「―――そんな訳無いでしょ!?」

セイバーは第二魔法を習得しているというニティの言葉に驚きを隠せないまま遠坂に視線を向けるが、当の本人はガーという感じで否定する。
その遠坂の反応が予想外だったのかニティは「え?」と怪訝な表情をすると―――

「まさか、貴女……遠坂凛なのに使えないの?
変ね、並行世界に関する業を持った者なら一人見つけたら十人はいる筈なんだけど……」

とか、第二魔法の使い手を台所に現れる黒い奴と同じような感じで口にしていた。

「そう、私の観測した世界の遠坂凛は使ってたから、この世界の遠坂凛も使えるだとばかり思ってたわ」

「っ、観測ってまさか」

ニティに対する見方が変わったのか、遠坂から余裕の表情が消えるなかニティは「なら」とバッグを開けると、多角的な宝石がまるで刃の様にも見受けられる短剣の様なモノを取り出しテーブルの上に置く。
剣の形をしていたので、つい条件反射でソレを解析しようとした俺は、軽い頭痛が走るもののあの得体の知れないモノを理解した。
まあ―――理解したといっても、アレで何がどのように出来るとかでは無く、逆に衛宮士郎では到底理解する事など不可能なモノなのだとという意味でだけど。

「確か並行世界の遠坂凛やキシュア・ゼルリッチ……エッチだったかしら?」

「キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグよ」

ちゃんと覚えてなっかのだろう、言葉につまるニティに遠坂は即座に訂正を入れ。

「まあ、そんな名前の魔法使いが使ってるのと同じ礼装よ」

「宝石剣ゼルレッチ…それを持つ貴女は魔法使いと考えていい訳なのかしら?」

コホンと咳をして誤魔化すニティに対し、緊張を隠せない遠坂は厳しい視線を向けるものの、手にしたグラスが流す汗がまるで自身を現すかのような錯覚すら覚えさせている。
横ではアリシアがキラキラしてるのが珍しいのか、それとも実用性の欠片も無さそうな短剣として珍しいのか判らないが「お~」と物珍しそうな視線を向けていた。

「私は違うわ。今回は兎も角、本来なら私に並行世界への干渉する権限は与えられていないもの」

「だったら、偽物って事?」

「それも違う。
これは正真正銘第二魔法に関する礼装、創ったのが神だから間違いない筈よ」

「………神?」

「そう、この世界に来る前に他の並行世界を観測して冬木がどんな所か調べてから来たの。
その観測した世界の遠坂凛が、この剣と同じ物を使ってたから、取り合えず交渉の材料として神に創って貰ったのよ」

ニティは「まあ―――」と一旦区切るとセイバーに視線を向け。

「セイバーやバーサーカーがサーヴァントっていう英霊だったのには驚いたけどね」

「ニティ、貴女が観測した世界とは一体どの様な世界だったのですか?」

「……そうね、私が観測した世界は並行世界だからかしら、セイバーが何だか黒くてシロウや遠坂凛と敵対していたわ。
(他にも桜って娘がバーサーカーや、在ろう事か黄金の戦士らしきモノすら取り込んでいたのには目を疑ったけど……)」

「黒い、私ですか」

黒いセイバーか、というかそれだけだと姿が黒いのか腹黒いのか判らないな……
まあ、腹黒いアーサー王ならそもそも騎士達と上手く行かないだろうから、その辺りの理由で聖杯を求めても変じゃないのかもしれない。

「話を戻すけど、もし大聖杯の解体を了承してくれるのならこの剣をあげるわよ」

「―――っ!?」

「コレって、権限の無い私が持っていても意味の無い物だし神に返しても使わないないもの」

視線を遠坂に戻すニティからは緊迫した空気が漂い、硬い表情のままの僅かばかり沈黙していた遠坂は。

「―――分かったわ。
(協会は大聖杯の復興を望んでいるみたいだけど……大聖杯を調べた限り、あの銀色に腐食し崩壊させている原因が何か解らない以上、存続させるのはほぼ無理―――というか、現在進行形で崩壊している真っ最中、来年辺りには土台しか残らない感じだし。
それよりも、目の前の宝石剣が本物ならそちらの方が価値が高いわね)」

重大な決断だったのだろう、僅かに俯かせていた表情を上げ重々しく口を開ける。

「でも、これが本物か如何か確認してからよ」

その言葉にニティは表情を明るくさせるが「―――それから、衛宮君」と何故か遠坂は俺に視線を変え。

「このニティって娘との関係、洗いざらい教えて貰うわよ」

などと言いながら満面の笑みをたたえる遠坂だけど、その纏う雰囲気は笑顔とは程遠かった。



とある『海』の旅路 ~多重クロス~

リリカル編 第1話



「―――それで、俺達は根源から戻って来たという訳なんだ。
(幾ら遠坂とはいえ、アリシアが神様と拳で語り合ったとか言えないも―――いや、そもそも信じないか)」

かつまんで話すお兄ちゃんに、目つきは鋭いけど凛さんは腕を組みじっと聞いていた。

「根源にもっとも近い根の世界アヴァター、世界しか救えない救世主……
(そりゃ、衛宮君の邸にアインツベルンの城に繋がる通路があるからキャスターと同じ神代級の魔術師だとは思っていたけれど……)」

話を聞き終わった凛さんは、思うところがあるのか、口元に片手を当て虚空に向けていた視線を戻すと。

「それに、イリヤが第三に至りアインツベルンにも魔法が伝えられてる、か。
(アインツベルンの求める第三魔法、天の杯(ヘブンズフィール)。
それって確か、魂そのものを生き物として物質化させる高次元の存在を作る業だったわよね)」

「でも、イリヤの求めていた第三魔法、高次元生命体になる業だけど結構メジャーな感じよ。
なにしろ、邪神とか呼ばれている連中は最低でもソレを使えるし、中には眷属にだって会得しているモノは居るもの」

凛さんの呟きに答えるニティちゃんは「それに」と飲み物を含み話を続ける。

「確かに不老不死には成れるでしょうね。
でも、より高次元の相手に襲われたり、魂そのものを壊す方法で傷つけられれば滅びは免れない業なの。
私達にとっては、どちらか問われれば不老不死の業なんかよりも、並行世界や時間への干渉を行う業を持っている方が都合が悪いわ」

「……時間に干渉する魔法ねぇ、協会の上位、いえ特権階級くらいの人物なら何か知っていそうだけど」

「そう、その業を使うモノが何かしら世界に影響を与えたら、その世界は並行世界に移動してしまうから私達としては色々と困るのよ。
まあ、度が過ぎるのなら邪神達に命じて、その宇宙そのものを閉ざして逃げれなくした後、始末させる事になるけど」

「宇宙を閉ざすって―――何て滅茶苦茶、反則じゃない」

「でも―――稀にだけど、邪神の中にも閉ざした世界の中で、時間をループさせたりとか因果とかを操ったりして趣味に走るのもいるから大変なのよ」

頬を引きつらす凛さんとは対照的に、「ふう……」と溜息混じりに口を開くニティちゃんは、何だか色々と苦労しているらしく何処か愚痴っぽくなっていて、その話を私やお兄ちゃんにセイバーさんは黙って聞いていた。
何だか疲れが見え隠れするニティちゃんの態度を目にした凛さんは、両目を見開きポカンとしていた後「どんな所なのよ根源て……」とか呟くと「何て言うか、色々言いたい事はあるけど」とお兄ちゃんに視線を変える。

「衛宮君、解ってるの?
破滅の未来を変えたのもそうだけど―――根源に至った貴方達ってとんでもないのよ」

「お、おう」

「それに、根源に辿り着いたっていう協会だけの問題じゃないわ、白の救世主になったアリシアだけど、教会が神と対話したのを知ったら大事よ」

「大事って、何かお祭りでも始まるの?」

凛さんとお兄ちゃんの話しに、きっと大きいお祭りだから、屋台とかどんなのが出るのだろうと思い口を挟むと―――

「―――っ。
(この子、状況が全然分ってない!?
一体、こんな子供の何処が神霊級で神と対話すら出来たのかしら……)」

何やら想像したのか、凛さんは顔をしかめジロっと、何故か私に鋭い視線を投げて来る。
よく解らないので「如何したの?」って答える前に、ニティちゃんの視線が凛さんに突き刺さり。
「マスターは、学校に通ったりして普通の生活をしたいだけだと思うわ」と一旦区切ると。

「それなのに、周りが騒いで―――特に魔術協会が封印指定とか行うものなら、多分、バチカン辺りに神が現れて聖堂教会が更に大変な事になるんじゃないかしら?」

ニティちゃんの言葉に、一瞬、凛さんは「っ!?」と目を丸くする。

「そんな事になったら聖戦の勃発よ!
協会と教会の全面対決、いえ、それどころか死徒になった者や二十七祖すら出てきたら収拾がつかない事になる―――折角、破滅の未来が変えられたのに何の意味の無いモノになってしまうじゃないの!?」

「でも、この世界に神の次元からの制御は及ばないけれど、神がこの世界に直接赴くのにペナルティーとか無いのよ。
付加えるなら、星も霊長の抑止力も、全ての宇宙を管理している神を相手にしては意味の無いものだし」

「全能の神といっても反則過ぎでしょ……それ」

ニティちゃんの話しに、凛さんは苦虫を潰した表情をすると片手で顔を覆い呟く。
あう、私はただ普通に暮らしているだけなのに、何でそんな大変な事になるんだろう?
ん―――そうだ、いい事思いついた。
私に悪い事しようと企んでいて、その想いがある一定以上を超えたら、その人は私とそれに関連する記憶を忘れてしまうようにすれば、その人も何を忘れたのか解らないだろうから大変な事が起きなくて安心な筈だよ。
そう考えが纏まると、私はこの星そのものに制約をかける事にした。

「アーチャーは何か言いたい事は無いの?」

何だか疲れた感じの凛さんは、後ろで霊体化していたアーチャーさんへと僅かに視線を動かすと「ふむ」と答えながらアーチャーさんは実体化する。

「そこの小僧が破滅の未来を回避させたというのも驚くに値する。
しかし、それ以前の問題として……衛宮士郎が根源に辿りつけたというのには―――いささか無理があるのではないかね?」

何というか、アーチャーさんはお兄ちゃんに対し、お前が至れる訳が無いだろと目で語ってる。

「そうは言っても、俺はただの付き添いみたいな感じだったから、な」

「それは私も同じ事。
私やシロウ、アリシア、イリヤだけでは破滅を止める事は出来なかった。
あの場にいた全ての者達が協力したからこその功績だと判断します」

アーチャーさんの視線に対し、お兄ちゃんは何処と無く困った感じで、セイバーさんは皆が居てこそ成し得た事だとして見詰め返し。
私にしても根源にお兄ちゃん達を呼ばなかったら、今でもきっと破滅の猫さんといういもしない相手に待ちぼうけしていたと思う。

「そいえば聞いてなかったけど、衛宮君とセイバーは魔法が使えるの?」

「凛、君は私が魔術全般に関して上かと思うかね?」

「……その辺はアーチャーの言う通りだ遠坂。
根源に至ったとはいっても、休憩の合間に魔術の鍛練はしていたから魔術とかは上手くなったけれど、流石に魔法は無理があるだろ。
(ルビナスや元救世主達に教わりながら魔術の鍛練を積んだから、投影は兎も角としてミッド式魔術はかなり上達した筈だけど、魔法までは流石になぁ……)」

「私にしても同じです、魔術師では無く剣士である私に魔法という奇跡を学ぶのは無理がある」

凛さんはお兄ちゃんとセイバーさんに質問するものの、溜息混じりにアーチャーさんが答え、続いてアーチャーさんの意見に相槌を打つようにしてお兄ちゃんやセイバーさんが口を開いた。

「二人して……何よそれ、根源に至っていながら。
特に衛宮君、根源に至りながら魔術の鍛練って………私もそうだけど他の魔術師が聞いたら嘆くわよ」

「そういえば言ってなかったけど、現在、神の次元は人を募集してないから。
無理に目指せば、この世界からだとまず抑止力を相手に、次に邪神達が立ち塞がり、それ等に勝ち続けられれば根源である神の次元に至り、最終的に元救世主達と神の両方を相手にするから止めて置いた方がいいわよ」

呆れた表情でお兄ちゃんとセイバーさんを見やる凛さんだけど、ニティちゃんが今は人を募集していませんと告げると凛さんは「何処の少年漫画の展開よ……」とか零していた。
ん~、初めに現れた邪神を倒しても直ぐに次の邪神達が現れて「よくぞ〇〇を倒した。だが、奴は我らの中でも最弱の存在よ、我らを〇〇と同じだと思うな」とか言うのかな?
私がそんな事を考えていたら、アーチャーさんは「それにしても」と外に視線を向け。

「盗み聞きという真似は、君の趣味では無いと思っていたのだがね―――アサシン」

壁があるから見えないし気配も無いけれど、存在力で視れば確かにそこに小次郎さんは座っている。

「―――なに、大した事では無い。
偶々ここで涼んでいたのだがな、客人が来たので場を変えようと思ったものの、肝心の手拭いを忘れていてな。
廊下を濡らす訳に行かず、とはいえ、客人が居る手前呼ぶわけにも行くまい、ならばと思いここで涼を取り続けているだけに過ぎんよ」

姿は見えないもののアサシンさんの声に、アーチャーさんは「む」と如何言ったらいいのか困った顔をして、凛さんも「アサシンって……」何だかあっけにとられてる感じがしていた。

「だが―――」と一旦区切ると、小次郎さんの纏う空気は僅かに変わり。

「およそ、女狐辺りに対する保険と踏んでいたが―――今の話であの神父が何故アリシアの護衛を頼んで来たのか解るというもの」

「―――そうね、サーヴァントが護衛についているなら、余程の相手で無い限り手を出そうとは思わないのは確か、ね。
(ようやく解った、聖杯戦争の時から綺礼はアリシアが神霊級である事を知っていた。
それを踏まえた上で、他の魔術師が手を出せないようサーヴァントが三騎も居る衛宮君の養子にしたって訳か。
イリヤとも仲が良いし、迂闊に手を出せばバーサーカーを含めた四騎ものサーヴァントを相手をしなければならなくなる……例え相手が二十七祖でも辛いわね、これ)」

「だとしたらいいのだがな……」

小次郎さんの言葉に口元に片手を当て思考を巡らしていた凛さんだけど、アーチャーさんは何処か思う処が在るのか顔色が優れなかった。

「処でニティ、俺達に話ってのは何なんだ?」

ニティちゃんの座っている所からだと見えるのか、「ふぅん、こっちだとアサシンは髑髏の面した奴じゃないんだ」とか呟いていたけど、お兄ちゃんに呼ばれ視線を戻す。

「そうね、聞きたいのはミッド式って魔術について」

ニティちゃんは思い出すようにしながら口を開き。

「私が観測した世界のシロウやセイバーは使ってなかったのに加え、並行世界の地球を担当していた班に聞いても、その魔術を使っているシロウやイリヤを見ていないって話だったのよ」

「それで―――」ニティちゃんは私達を見渡して。

「マスター、セイバー、シロウは時空管理局って組織に聞き覚えはある?」

「時空、管理局?」

「時と空間を管理するという意味からして、タイムパトロールとかに似た感じですか?」

お兄ちゃんは何だそれって顔で返し、セイバーさんはテレビでやっていた組織名を出す。
でも―――

「ふふん、私は知ってるよ。
時空管理局ってのは、警察みたいな感じの組織なんだ」

アリシアの記憶からだと、次元空間航行という星間移動技術が確立されていている時空管理局は、テレビに出てくる宇宙警察に近い感じの治安維持組織だとされていて。
その為、私が告げると皆は「えっ!?」といった表情になって私に視線が集まる。

「やはり……ミッド式魔術は、マスターが教えたのですね」

何故かニティちゃんは溜息をつく。

「私や他の者達が観測した世界では、マスターの姿は在りませんでしたので、恐らくとは思っていましたけど―――」

「でも、基本的にミッド式は魔力があれば誰でも使える魔術だよ?」

「しかしながらマスター、本来、私達が管理している世界ではミッド式、いえ、正確にはミッドチルダ式魔法というものは存在していないのです」

困った様な表情をみせるニティちゃんに、私は「ほえ?」としか答えられない。

「観測しました処、何故か私達とは異なる理を選択した世界と繋がりが在りまして。
そこが時空管理局が存在し、ミッドチルダと呼ばれている次元世界の中心都市が在る世界なのです」

ニティちゃんは私を見詰めて。

「私達の管理する世界にも似たような文明はあったのですが……母たる星が死してもなお戦い続ける生命体に対し、畏怖を抱いた星は地上の生命体を絶滅させてほしいという信号を他の星々に送ってしまい、それに応じた星達からそれぞれ最強種が送り込まれ滅んでいます。
しかし、時空管理局がある世界では、その星は数百年に及ぶ汚染により人が住めない土地となっているものの、文明は長らく存在し戦争を続けていました。
そして、互いに消耗し続け戦争の継続が出来なくなった頃に魔法技術の発展にて頭角を現してきたミッドチルダなる文明が、危険な質量兵器の断絶と、次元世界の交流、平和を旗印に平和組織を設立したのが時空管理局という組織という訳です」

「お~」

何ていうか、アリシアの記憶がある私よりも詳しいよニティちゃん……
なら、時空管理局の執務官ってテレビの宇宙刑事みたいなのかと思っていたけど違うのかな?

「そっか。そういえば、そんな感じの地球もあったけっか」

「ええ」

神の座での経験から、そんな可能性の世界を知っているお兄ちゃんはしんみりと口にしセイバーさんも頷く。

「ちょっと、まって―――その話が本当なら、アリシアはこの星の人間じゃなくて、異星人って事になるわよ!?
(そりゃ、綺礼からエーディルフェルトの関係者じゃないとは聞いていたけど……よりにもよって、異星人だったなんて予想の範疇外でしょ!?)」

でも、凛さんは何故か私が外国の人なのに驚いているんだ。
確か前に集めた知識からだと、日本は島国が原因なのか他国に対して閉鎖的な処があるらしいから凛さんもそういった考えなのかな?
だとしたら、最近はグローバル社会とかいって政治や経済でも様々な国々が繋がってるのに、このままだと凛さんは時代の波に乗り遅れちゃうかもしれない。

「凛が驚くのも無理は無い。
しかし、この宇宙には私達と同じような生命は沢山います」

「そうだ。それに、人を出自とかで差別するのは良くないことだ遠坂。
俺だって、アリシアは米国生まれと思っていたから少しは驚いているけど偏見なんて持たないぞ」

「セイバーは兎も角として、衛宮君アンタね……」

唇を尖らせた凛さんは、お兄ちゃんにやや非難じみた視線を向け。

「未知との遭遇よ、異星人とのファーストコンタクトなのよ!」

「―――凛、それは神秘に関わる物として如何かと思うぞ。
そもそも、ここには一般社会とは縁が程遠い、英霊だの、魔術師だのが既に居るのだ、今更、異星人が居たとしても不思議でも在るまい」

ガーと何だが激昂する凛さんをアーチャーさんは窘めると、凛さんは「―――ついでに未来人もね」となんだか納得しているようで、していないという難い表情をする。
でも、確かこの星には既に二十七祖のORT(オルト)っていう宇宙からの生命体が居るけれど、死徒って扱いだから数に入っていないのかな?
などと思うも、きっと凛さんは他の星の事を知らないだけだと思う―――なら、百聞は一見に如かずというように、私やニティちゃんが話すよりも実際に行ってみた方が解る筈だよ。

「なら、私が案内するからミッドチルダに行ってみる?」

私が提案すると、拳を握り締めた凛さんは一体何と戦ってるのか解らないけど「っ、わかったわ、何処だって行ってやるわよ!」とか意気込んでいて。
お兄ちゃんやセイバーさんは「そうだな、一度行ってみた方がいいかもな」とか「ええ、私達にしても、アリシアが生まれ育った世界がどのような文明なのか知った方が良いでしょう」とか言われミッドチルダに行く事が決まった。
そして、片割れとはいえ世界を構成する理の精霊であるニティちゃんは、この枝世界からは出られない代わりに、向こうの世界への転送や必要となる資金、身分を証明するパスポートを神の座で用意してくれるらしい。
なら、私は本体から神に転移と同時に世界の記録からその世界での基本となる情報を得る方法、聖杯戦争のサーヴァントシステムで使用された術を伝えとかないと。
私は兎も角として、他の人達はそうしないとミッドチルダに行っても、言葉とか文字とかが分らないから困ると思うんだ。
そんな感じで私も少し準備が必要だったけど、凛さんにしても準備とかがあるので出発は何日か後になった。


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