どうにか騒ぎを沈静化させ、インデックスや一方通行達に、魔術師や絶対能力者進化計画の詳しい概要など、今は知らせない方がいい情報を隠しながら自己紹介を終えた後。
「おィ……なンでこンなことになってやがる」
「まあまあ、落ち着けって。美琴の料理はどれもこれも美味いぞ。食わねえと損するぞ」
苛立たしげにテーブルに片肘を立てている一方通行(アクセラレータ)に、上条は料理を取り分けた小皿を差し出した。
のんきに仲良しごっこをする上条に、一方通行の眉間に更に皺が寄る。
向かいの席ではインデックスと打ち止め(ラストオーダー)が小競り合いをしていた。
「うわぁ! うわぁ! お姉様の料理ってすぅっごくおいしいね、ってミサカはミサカは感謝感激雨あられ!」
「あっ、アホ毛! それ私が狙ってたのに! 返してよっ!」
「ふっふーん、一度口に入ったものは返せないんだよ、ってミサカはミサカはすかさず残りを平らげ……って、いつの間にかなくなってる!」
「ふんっ、食卓は戦場だよ。油断した人間から死んでいく運命なんだよ」
「神の恵みに感謝しながら食べる場が、どうして生死を懸けた戦場になるんだ」
「なにいってるのとうま? 人は食べないと死んじゃう生き物なのに」
心底不思議そうに首を傾げるインデックス。
暴食は七つの大罪の一つじゃなかったのかよと上条は思うが、機嫌を損ねて囓られるのは嫌なので黙っておいた。
肩を竦め、隣の一方通行に料理を勧めることに戻る。代わりに一方通行が、ますます不機嫌になる。
「チッ、クソが……」
本当に、どうしてこうなったのか。一方通行は考える。
自分は隣に引っ越してきた三下達に、挨拶もとい躾をしにきたはずだった。
打ち止めの件以来、隣でへらへら笑っている少年は、どうも自分に気安くなった気がしてならない。
だからこそ、こうしてわざわざ出向いて調教しにきたというのに。
隣をじろりと見る。上条が「これなんてどうだ」といいながら、箸でホウレンソウとモヤシのおひたしを摘んでいた。
モヤシというチョイスに、意図しない悪意を感じる。
脳に損傷を負い、チョーカーによるミサカネットワークの補助なしには、能力を使うどころか言語機能さえままならない身だが、それでも一方通行が学園都市最強の能力者であることに変わりはない。
上条は能力を振りかざせば怯えるし、一方通行が今まで何をしてきたか知っているはずだ。
なのにどうして、先ほどからこいつは、ガキに餌付けするように箸を差し出してくるのか。
「最弱よォ、舐めてンのかァ? 学園都市最強に、さかったメスがやらかす恥ずかしイベントを実行ですかァ? ……ブッ殺されてェのか」
チョーカーのスイッチを能力仕様モードに切り替えようとする一方通行に、上条が慌てて首を振る。
「ち、ちげえって! 上条さんはただ、せっかく食卓を共にしてるんだから、美味いものを共有しようとしてですね」
「とうま、それいただき!」
「アナタが食べないのなら、ミサカが全部食べるよ、ってミサカはミサカは小皿を強奪してみたり!」
インデックスが上条の箸から直接、打ち止めが一方通行用の小皿を勝手に取っていく。
「共有したがらない人間の方が、多い気がすンだがよォ」
大して気にした風でもなく、ただ上条への嫌みを込めて呟く。
「……申し訳ない。うちのインデックスのマナーが悪くて」
一方通行は未だ猛威を振るう暴食シスターと、それに張り合おうとする打ち止めを見る。
どちらも食器をかちゃかちゃ鳴らし、口の周りに食べかすをつけていて、大変行儀が悪い。
(クソガキには食事の躾が必要みてェだな)
父親みたいなことを考える一方通行であった。
「アンタ達、追加料理できたわよ」
美琴がお盆に何品か乗せ、オープンキッチンから出てきた。
「待ってたんだよ、みこと!」
「うわぁい! ありがとうお姉様って、ミサカはミサカは感謝してみる!」
まだまだ飢えを満たせないでいる野獣達が、テーブルに置く前に強奪していく。
「あっ、コラ。焦らないの」
美琴がそう窘めるが、二人はまるで聞いていなかった。
「ほんとうにもう、仕方ないわね」
苦笑しながら、美琴も席に着く。
「お疲れさん」
上条が美琴にねぎらいの言葉を掛ける。一方通行はそっぽを向いたまま何もいわなかった。
かつて自分達を深く傷つけた人間と、自分を守ってくれる人間が傍目仲良く並んでいるのを、美琴は複雑そうな顔で見た。
胸の奥底から嫌な気持ちが湧いてくる気がする。
それを少しでも払拭するために、美琴はとにかく話をすることにした。
「で、なんでアンタ達がここにいるわけ?」
「俺がここに住ンでンのに、いちいち超電磁砲様への報告が必要なんですかァ?」
「……むか」
一応は美琴の問いに答えたものの、一方通行の態度は非常に悪かった。放電しそうになるが、どうにか堪える。
美琴の代わりに上条が訊ねる。
「ここに住んでるのはわかったけど、どの部屋だ?」
「……805号室だ」
「って、隣じゃない!」
レベル5が同じマンションに住んでいることも驚きだが、まさか隣同士だとは。だから昼寝の邪魔云々言い訳をしていたのか。
せっかく三人で暮らせると思ったのに、とんだ邪魔者がいたものだ。
「よりにもよって、なんでこのマンションを選んだのよ」
思わず邪険な声で別の問い掛けをする。
「セキュリティーが、まだマシな方だからだ」
「ああ、一方通行の能力が制限されたって聞きつけた奴らの襲撃対策か」
上条の問いに、しかし一方通行は是とは答えない。
上条が不思議に思っていると、代わりに打ち止めが答えてくれた。
「それはね、ミサカ達があの時みたいに利用される可能性があるからだよ、ってミサカはミサカは説明してみる。シスターズの上位個体を欲しがる研究所が、まだないとは言い切れないからね。まったく心配性なんだから、ってミサカはミサカはと思いつつ、こっそり頬を赤く染めてみたり」
「染めンなクソガキ」
「まったく、素直じゃないんだから、ってミサカはミサカは暖かい視線を送ってみる」
「勝手にしろ。……なにテメェらまで生暖かい目で見てやがンだ?」
一方通行がこめかみをひくつかせながら、上条とインデックスを見る。いや、よく見ると美琴までも若干微笑ましげな顔をしていた。
今までにない複数からの好意的な視線に、居心地の悪さを覚える。
不快とまではいかないのだが、それでもこの空気をどうにかしたくて、逆に一方通行が問いかけた。
「ンじゃァよ。テメェらはなんでこのマンションに引っ越してきたンだ。夫婦の予行練習でもしてンのか?」
「い、いやいや上条さんはまだ住むと決めた訳じゃありませんから!」
「ふ、ふ、ふう、夫婦?」
それぞれに異なる動揺をする二人を、一方通行は冷ややかな目で見る。
「お、おほん。まあ詳しい事情はいえねえけど、お前と似たような理由だよ」
打ち止めが話している隙に、全ての料理を自分の手元へ持ってきたインデックスを、上条は目を細めて見つめた。
「……ハッ、そうかよ」
鼻で嗤いながらも、一方通行もインデックスに文句をいう打ち止めを見る。
全く持って、過保護な父親達であった。
「そういう事情なら、まあいいわ。ご飯に困ったら家に来なさい」
男二人に苦笑しながら、美琴が一方通行にいう。
「あァ? テメェに施して貰うほど、一方通行は落ちぶれてねェよ」
「なにいってんの。私はアンタを心配してるんじゃなくて、打ち止めを心配してんのよ。アンタ、あの娘にちゃんとしたモノ食べさせてるの? まさか外食ばっかじゃないでしょうね」
美琴の疑りに、一方通行が無言で渋い顔をする。やれやれと、美琴は肩を竦めた。
「あのぐらいの年の娘は、栄養バランスが大事なんだから。どうせもうすでに二人賄ってるんだし、今更二人増えても平気よ」
「あのー、美琴さん。まだ一言もここに住むっていってないんですが……」
上条の弱々しい言葉を、美琴は聞こえていないふりをしてスルーする。
「とにかく、つべこべいわずに家に食べに来ること。いいわね」
「……チッ」
舌打ちしながらも、一方通行は美琴の言葉に反論することもしなかった。
向かいではしゃぐ打ち止めを見ていると、断ろうとする気が何故か起きなかった。
しかし意地でもわかったとはいわない。
自分は一方通行だ。生ぬるい馴れ合いなんてこっちからごめんだ。
そんな一方通行の心境を余所に、上条は清々しいまでの笑みを送ってくる。それが無性に腹が立った。
(本当に血流を踊らせてやろうか)
しかしこんな三下相手に本気になるのも馬鹿らしい。
(勝手にしやがれってンだ、クソッタレ!)
一方通行はテーブルを思い切り叩いて、立ち上がった。
「もう帰るのか?」
上条が名残惜しそうにしているが、一方通行は無視を決め込む。
「帰るぞクソガキ」
「ま、待って、まだあと少し料理が残って、ってミサカはミサカはいってるのに、アナタは容赦なく引きずるんだね、って最後の一口がっ!」
「私のご飯は私のモノ、アホ毛のご飯も私のモノなんだよ。出直しておいで」
「くぅ~~~、この白シスター! くやしい、ってミサカはミサカはだだっ子のように暴れてみる!」
「暴れンな。外に放り出すぞ」
「うわーい、そのまま放置プレイなんだね、ってミサカはミサカはアナタの性癖を心配してみたり」
「幼女趣味はダメだと思うんだよ」
打ち止めとインデックスのいわれなき誹謗を一身に浴びても、漢一方通行は黙って打ち止めを引きずっていく。いつ切れるかわからない血管を抱えたまま。
「ちょっと、アンタ待ちなさいよ」
それを無謀にも美琴が引き留めた。
「……ンだよ、超電磁砲」
地獄の悪魔でもこうはいかない恐ろしげな声で、一方通行が返事をする。
「ドアの弁償、しなさいよね。あと壁の修繕費も頼んだわよ」
面白くもなさそうにいう美琴に、一方通行が一瞬とまる。
しかしすぐにやけくそな顔になって財布から万札を何枚も取り出すと、アホ面している上条に投げつけた。
「ぶほあ!」
上条が普段手にもできないようなお金に溺れている内に、一方通行は打ち止めを連れて出て行った。
翌日、とある喫茶店にて。
「一大事ですの!」
喫茶店のテーブルをばしばし叩きながら、白井黒子は言い放った。
「一大事っていわれても……」
「私たちにはなんのことだが、さっぱりわかりませんよ」
向かいの席に座る佐天涙子と初春飾利は、わけがわからないと困惑した声で返す。
昨日の深夜、黒子から急に電話が掛かってきた。明日会えないかと鬼気迫る勢いで、意思確認もせずに約束を取り付けられ、待ち合わせの喫茶店に来たのであるが――
「とにかく、一大事でしたら一大事ですの!」
「……初春、風紀委員(ジャッジメント)でなんかあったの?」
「いえ、特に大きな事件はなかったはずですが……」
「じゃあ、なんのことだろう?」
「どうせ白井さんのことですから、おそらく――」
二人がひそひそと話しているのを気にもとめず、黒子は頭を抱え悶える。
「お姉様が、お姉様がぁ!」
ホラー映画の化け物が実体化したような迫力に、二人の身体が震え上がった。
「……お、お姉様が?」
佐天が生唾を飲み込み、恐る恐る訊ねる。
「お姉様が、黒子のことを捨てたのですのぉーーー!」
喫茶店内の客の視線をものともせず、黒子は絶叫した。
佐天は驚き身を竦め、初春も硬直していたのだが、やはりそうですかとため息をついた。
「す、捨てられたって、ど、どういうことですか?」
野獣のように唸りながら滝のような涙を流す黒子は、ぐるんと首を回し、佐天を真正面から見つめた。
それだけで鳥肌が全て立ち、心臓が鷲づかみにされるような圧迫感を覚える。
黒子は真っ赤になった目を見開いたまま、佐天の肩を掴んだ。ものすごい握力で、ぐいぐい食い込んで痛い。
「お、お姉様が、寮から引っ越して、ほ、他の、他の女と同棲生活を始めましたの~!」
「それをいうなら、同居ですよ」
初春がいうが、白井は佐天を前後に揺らして話を全く聞いていない。
「ちょっ、お、落ち着いて、下さい。そん、なに、揺らされると、き、気持ち悪、い……」
高速で頭をシェイクされ、佐天がうめく。
ひとしきり身体を揺らされた後、ようやく解放された佐天は、口元を押さえて青白い顔をしていた。
少しは落ち着いたのか、呼吸を整えている黒子に、初春が質問する。
「それで白井さん、いったいどういうことですか? 白井さんの取り乱し具合から察するに、御坂さんの引越しは急なものだったんですよね?」
「……ええ、わたくしが風紀委員の仕事から帰ってきたら、それはもう神隠しに遭ったかのように、家具一切まとめて、忽然と姿を消していましたわ」
黒子はそういい終わった後、ゴージャス・ミラクル・レインボー・リゾート・熱海という名の、怪しげなミックスジュースを一気に飲み干した。
渇きを潤し、補足説明をする。
「寮監様の話では、外からお姉さまの知り合いの小娘が引っ越してきたらしいですの。常識に疎いらしく、だから一緒に住むことにした、とのことですけど――」
小娘という言葉に強烈な嫉妬の念を込めながら、言い切る。
「理由はそれだけじゃありませんわ。絶対、絶対、あの類人猿が絡んでいますの!」
黒子の握力で、コップにひびが入った。
「えっ? 上条さんが、ですか?」
黒子命名の仇名を知っている佐天は、驚きながら問い直す。しかし良く聞くと、その声は普段より明るいものだった。
(……ほんとに、あのクサレ外道はぁぁぁ)
怒れる黒子に握られ、哀れなコップが悲鳴を上げている。
「上条さんがどう関わっているっていうんです? 上条さん自身は関係なさそうに聞こえるんですけど」
初春は勝手に黒子に恨まれている上条に同情しながら、その真意を訊ねた。
「いいえ、間違いなくあの殿方が関わっていますわ。一週間前、お姉様が入院した話を貴女方も知ってらっしゃるでしょう。実はその日、お姉様は殿方と一緒にいましたの。それだけなら、まだお姉様を事件に巻き込んだことで、半殺し程度で済ませてあげようと思ったのですけど」
「いやー、さすがに風紀委員が半殺しとかまずいですよ」
「風紀委員じゃなくても犯罪です」
佐天、初春が突っ込むが、黒子はまるで聞いてはいなかった。
「あの日から、お姉様はぼんやりしていると思ったら、急に顔を赤くして取り乱したり、ふとした拍子に切なそうな顔をして、小声で殿方の名を呼んだり、それはもう、ええ。……あんの類人猿がぁぁぁぁぁ! お姉様に何しやがったぁぁぁぁぁ!」
「ちょ、ちょっと白井さん、落ち着いて! 顔が凄いことになってます」
「ほ、ほらほら白井さん、これでも飲んで落ち着いて下さい」
初春のアイスティーを受け取り、またも一気飲みした黒子だが、それでも気が収まらずに喚き散らす。
「あの類人猿、どうせまた女性絡みの厄介事に首を突っ込んだに違いありませんわ! その結果行き場のない小娘を拾って、甲斐性がないからお姉様に押しつけたに違いありませんの! だからお姉様は可愛い黒子を捨てて引っ越しなんか……ドチクショウがぁぁぁっ!」
「上条さんがそんな薄情なまね、するとは思えませんけど」
初春はそういうが、実際に上条の甲斐性っていうか、運がないせいで美琴がインデックスを養うことになったのだが。げに恐ろしきは黒子の嗅覚か。
「あのう、お客様、店内ではお静かにしてほしいのですが」
さすがに見ない聞かないふりもできなくなったか、ウェイトレスがお盆を盾にしながら控えめな注意をする。が、奮闘むなしく黒子の一睨みで退散した。
「ご、ごゆっくりどうぞー!」
ウェイトレスの後ろ姿を見送りながら、乙女らしからぬ鼻息を鳴らす。
「そもそもあの殿方は、ちょろちょろちょろちょろお姉様の回りに出没して、お姉様を誑か――もとい惑わせて、それでお姉様がピンチの時に助けに来る? はっ、どこのヒーローきどりですの。そりゃあまあ、認められるところも、ほんの少し、欠片じゃなくて粉ほどはあるにはありますが、毎度毎度タイミングがよすぎませんこと? 狙ってるとしか思えませんわ。わたくしだって、お姉様の危機に颯爽と駆けつけたいですのに。……ちょっと初春、佐天さん、聞いてらっしゃるの?」
「……聞いてますよ」
「あ、はい。あはははは、そうですねー……」
上条への罵倒を再開する黒子を、もはや止められる者はいない。
あと何時間愚痴に付き合わされるのか。初春と佐天の心に絶望が過ぎった。
だが、彼女達はそれでもまだ、見通しが甘かったことを思い知らされる。
先ほどからマシンガンのように、上条への悪態やら不平やらをまき散らしていた黒子の口が、不意にとまった。
そのまま硬直した黒子に、二人はとうとう黒子が本格的におかしくなったのかと、失礼なことを考える。しばらく放っておくと、小刻みに震えだした。
佐天が救急車を呼んだ方がいいんじゃないかと提言し、初春がケータイで119番に連絡を取ろうとした、まさにその時だった。
黒子が恐ろしい真相に、勝手に辿り着いたのは。
「まさかお姉様、小娘の同居を盾に、殿方との同居をいい出したりとか……していませんよね?」
ゼンマイ仕掛けの人形のような動きで、首を二人に向ける。
「いくら御坂さんでも、さすがにそれは」
妙に焦った態度で否定する佐天であったが、初春の思いもよらない発言が、場の空気を凍らせた。
「でも、そういえば上条さん、学生寮から追い出されたらしいですね」
どこから仕入れたその爆弾情報。佐天が口をわななかせながら、初春の横顔を見る。
「ふふ、ふふふふふ……ふふふふふふふ」
子どもが聞いたら泣き出しそうな、不気味な笑い声が黒子から漏れ出す。
そこで初春は自分がいってしまった言葉の危険度を理解し、「し、白井さん、違うんですっ」というが、もう遅い。
「そうかそうですかそうですのねあのクサレ外道お姉様の心を惑わすだけでなく同棲まで企もうとはわたくしもびっくり驚天動地ですわお姉様のスレンダーなその身体をあの慎ましやかな胸をむしゃぼり尽くす気ですのねそうですわきっとそうに違いありませんわでしたらわたくしの取るべき行動はただ一つあんの類人猿塵も残さずブッ殺したらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ひぃぃぃ! と初春と佐天は抱き合って震えた。
その二人の肩を、凄絶な笑みを浮かべる黒子が、悪魔のように優しく叩く。
「手伝って、くれますわよね」
二人は首を縦に振る以外、生き残る道はなかった。
今回はいつもより早めに投稿できました。
上条一家と一方一家との交流が始まりそうですね。
しかしその裏ではツインテールの悪魔が仲間を引き込み、何かしでかそうとしていますが。
初春は前回に少し出ましたが、今回は佐天さんも出してみました。初春の性格は禁書よりにしてます。
次こそ満を持して姫神の登場……といきたいとこでしたが、作者暴走の為次々回にまわします。すまん、姫神。
次回、暗躍するツインテールは一人ではなかった。そして意外な腹黒さをみせるとある人物が。……正直、やろうか迷っていた話ですが。
上琴は出番なしで、半ば番外な話になります。