『朝~、朝だよ~。朝ご飯食べて学校行くよ~』
「う、う~ん……」
『朝~、朝だよ~。早く起きないと遅刻しちゃうよ~』
「あ、あと五分……」
『朝~、朝だよ~。起きてってば~』
「待って……」
『……朝だよ? いいかげん起きようよ』
「もう少し……」
『……起きないとエロイ単語を大声で連呼するよ?』
「ん、んん、それだけはやめて──」
『おっぱい! おっぱい! おっぱい! ボインボイ──』
ガバッ!
「どこだ! ボインはどこにいる!」
「おー、やっと起きたっすか主。もうみんなリビングに──」
目標発見!
「いただきます!」
むにゅ。
「……おい、おっぱい魔人。起きたんならさっさと出発の準備しろや」
「うへへ……ん、あ、おはようござます。シグナムさん」
「挨拶の前に胸から手を離せ、エロス」
「おっと、これは失礼つかまつった」
本能に逆らえない神谷ハヤテです。
今日は待ちに待った温泉旅行当日。新しく買い替えた目覚ましで目を覚ました私は、シグナムさんに着替えを手伝ってもらった後、脇に置いてあるグレン号に乗り込み、すでに起床してリビングで待機しているみんなの下へと向かう。
「皆さん、おはようございます。早いですね」
リビングの扉を開けると、そこにはすでに旅支度を済ませて雑談にいそしむみんなの姿があった。ヴィータちゃんとシャマルさん、それにリインさんがソファーに座っており、まだ狼形態のままのザフィーラさんはこたつに潜り込んで頭だけ出しているという状態だ。
「なんか目覚ましが鳴る前に起きちまったんだよな」
「まあ、昨日は早くに寝ましたからねぇ。でも、私は興奮して寝付けませんでしたよ」
みんなで泊まり込みの旅行というのは今回が初めてということもあって、昨夜は気が昂(たかぶ)ってしまっていた。まるで遠足に出かける前日のガキみたいで少し恥ずかしい。……いや、それだけ楽しみってことなのかな。
「朝ご飯は列車の中で食べるのよね?」
「ええ。こんな早朝にシャマルさんにご飯を作ってもらうのは悪いですから」
時刻は午前六時。少々起床時間が早すぎる気もするが、これから向かう場所は結構離れている上、旅館に行く前にその周辺を散策するというプランが含まれているから、そんなに問題は無いだろう。
軽くみんなと朝のあいさつを交わし、出発の準備を整えた私は最後の確認をする。
「さて、お待たせしましたね。それではそろそろ出発しましょうか。ヴィータちゃん、ハンカチとティッシュはちゃんと持っていますか?」
「おう」
よしよし。
「シャマルさん、戸締りと火の元の確認は大丈夫ですか?」
「抜かりは無いわ」
うんうん。
「リインさん、久々の外出で羽目を外しすぎないようにしてくださいね?」
「私は主の中でどんなキャラ設定なのだ」
いや、なんとなく。
「シグナムさん……は言っても無駄っぽいですが、他人の迷惑になるようなことは極力控えてくださいね」
「あれ? なにこの扱い」
自分のおっぱいに手を当ててよく考えるんだな。
「ザフィーラさんは……って、いつまでこたつに潜ってんですか。早く人間に変身してくださいよ」
「むう、すまん。あまりの気持ち良さに我を忘れていた。む? 我が、我を忘れる? 今うまいこと言った?」
「言ってねーよ」
ヴィータちゃんの辛辣な突っ込みにへこみながらもこたつから這い出たザフィーラさんは、ネコのように一度大きく伸びをしてから人間に変身する。……ブーメランパンツ一丁の人間に。
「ふう。……驚くがいい。我はあと二回も変身を残しているのだぞ?」
「それは初耳ですね。でもそんなんどうでもいいですから、普通の服を着てください。そんな格好してたら近所のおばさま方が札束持ってそのパンツにねじ込みに来てしまいます」
「その前にサツに通報されるでござる」
「いや、その前にそのまま外に出ようとしたらあたしがハンマーでボコるけどな」
「むしろその前に服を着せてあげなさいよ」
「その前になんでそんなデザインの騎士甲冑があるのだ?」
「見よ! この鍛え抜かれた肉体を!」
『その前に早く着替えろ』
なぜか普通の服を着ることを渋るザフィーラさんに無理矢理着替えさせ、ようやく全ての準備を終えた私達は、はやる期待を抑えつつ玄関の扉を抜けるのだった。
「さぶ」
外に出ると同時に、冷え込んだ空気が私達を包み込む。冬の早朝なだけあって気温はかなり低く、吐き出す空気は当然のように真っ白だ。手袋+ホッカイロを装着していても剥き出しの肌に寒風が突き刺さってくるから、寒さに弱い私にはなかなか堪える。
「あるじ~、見て見て。……かがやくいき!」
寒さに震える私の前で、ハア~っと大きく口を開けて白い息を吐きだすヤンチャガール。近所の小学生がよくやる行動だけど、それと同じ行動を取る大人ってどうよ。
「ならば我はこうだ。……しゃくねつ!」
ボハアアアァァ!
「アチイイイイ!?」
今度はザフィーラさんまでマネしだしたのだが、対抗心を燃やしすぎたのか、魔法まで使って実際に炎を吐きだしてしまった。そして、運悪く吐き出した炎の延長線上に居たヴィータちゃんがその犠牲になってしまう。
「うおおおお! あたしの手袋が真っ赤に燃えるぅぅ!?」
「あ、スマン」
「スマンで済むか! シグナム、水、水出せ!」
「百万円になります」
「お前を倒せと轟き叫ぶぅ! ばーくねつ! ゴッド──」
「じょ、冗談じゃん。ほれ、アクア・クリエイト(浄結水)」
燃え盛る手で顔面を掴まれそうになったシグナムさんが慌てて魔法を発動し、ヴィータちゃんの眼前に水の塊を出現させる。
ジュウウウウ。
「ヒ、ヒートエンド……」
それに手を突っ込みなんとか事無きを得るヴィータちゃん、……なんで出発一分でこんな騒ぎが起こるんだろうか。
「おい、ザフィーラ。あたしのお気に入りのあゆあゆの手袋が燃えちまったじゃねえか。ついでにちょっと火傷しちゃったし。どうしてくれるんだよ」
「まあまあ、ヴィータちゃん。そんなケンカ腰にならないで。手袋だったらまた買えばいいし、火傷はザフィーラさんに直してもらえばいいじゃないですか」
「それは、そうだけど。……お、そうだ。おいザフィーラ。今度背中に乗せて散歩させてくれ。そうすればさっきのはチャラにしてやる」
「我は子どものオモチャではないのだが……致し方あるまい」
「自業自得やんけ」
そんないつかどこかで見たようなやりとりを交えながら、私達は騒がしくも楽しく駅への道を歩くのだった。
駅に到着した私達は、さっそく券売機にて切符を購入する。
「ヴィータちゃんは、子供料金でいいですよね」
「これ、違反してることになんのかな?」
「いっそ全員子どもに変身して乗っちまいましょうぜ」
「むしろ転移で一気に旅館まで行ってもいいんじゃない?」
「それは風情が無さすぎです。列車に揺られながら流れる景色を楽しむ事こそ旅の醍醐味じゃないですか」
そんなこんなで会話をしながら切符を買って改札を抜けた私達は、発車間近の電車(車椅子用車両)に乗り込み、ガラガラな車内のはじっこの席に向かい合って座る。階段からここまでザフィーラさんにグレン号ごと運んでもらったけど、エレベーターを使えばよかったよ。コスプレ以外で目立つのは私の趣味じゃないってのに、少々目立ってしまった。
「それじゃ、ご飯を食べるとしましょうか」
席に着いた私達は、途中で寄ったコンビニで買った弁当やおにぎりなどを取り出し食べ始める。私は無難にシャケ弁を選んだが、シグナムさんなんかはどう見てもキワモノである、『美味い握り飯』という具が何も入っていないおにぎりを買ってパクついている。
プシュー、ガタン。
私達が少々味気ない朝食を食べ始めると、それを待っていたかのようなタイミングで電車が動き出した。
「電車でGO!」
「おい貴様、米粒飛ばすんじゃない」
「あー、一回電車動かしてみたい」
「話を聞け」
顔に米粒を張り付けたリインさんがシグナムさんの頬をピシパシと叩いている。が、なぜかシグナムさんも負けじとリインさんの額にデコピンをし始めた。食事中はあまり動き回らないでほしいものだ。
「なあ、ハヤテ。どのくらいで着くんだっけ」
サンドイッチを頬張っているヴィータちゃんが、そんなじゃれ合いの様な光景を見ながら質問してきた。
「うーん、一度乗り換えますから、待ち時間を考えますと……三、四時間くらいですかね。それと、しばらく旅館周辺にある温泉街を歩き回るので、旅館自体に着くのは夕方近くになりますね」
「旅館に到着したらすぐに温泉に入りましょ。長旅の疲れを癒すのは温泉以外にあり得ないわ」
シャマルさん、おそらく今回の旅行を一番楽しみにしてるんじゃないだろうか。前々からよく温泉に入りたいってこぼしてたし。まあ、温泉は私も楽しみだけど。……いろんな意味で。
「勿論です。メインは温泉ですからね。みんなで一緒に入りましょうね。……そう、みんなで、ね」
リインさん、シャマルさん、シグナムさんのおっぱいを同時に楽しめる。これほど心躍るイベントはそうそうあるまいて。ククク。
「この胸に注がれるねっとりとした視線……主、貴様見ているな!」
ちい! 気付かれたか!
「どうせ温泉でみんなの胸を同時に揉もうとかエロイこと考えてたんだろう? ええ? このおっぱい大臣め!」
「ありがとう、史上最高の褒め言葉だ」
「ハヤテ、もはや病気だよ、それ」
ふふん。なんと言われようとこれが私の生き様だ。自分の気持ちに正直になって何が悪い。欲望に忠実で何が悪い!
「以前から思っていたんだが、なぜ主は女の胸を揉みたがるのだ?」
シグナムさんとの抗争を終えたリインさんが、顔に張り付いた米粒を取りながら不思議そうに尋ねてきた。
……なぜ胸を揉むのか、だって?
そんなの決まってる!
「そこにおっぱいがあるからです!」
「……そ、そうか」
どうやら私の回答に満足いったようで、リインさんは再び弁当を食べ始めた。まあ、理解はしていないだろうが、そんなのはどうでもいい。同士なんてはやてちゃん以外に見付けたことないしね。ああ、はやてちゃん、君と語り明かしたいよ……えっと、勿論おっぱい的な意味で!
【MGS】
「ダンボールで敵兵やり過ごすって、一体誰が考え付いたんだろうな」
「というかこのゲームの一般兵はバカすぎでしょう。麻酔銃くらって昏倒したのに、時間が経って起き上がったら何事も無かったように歩き出すとか舐めてんでしょうか」
「それもそう……あ、こらシグナム。貴様何回フレンドリーファイアすれば気が済むんだ。もう私のライフはゼロだぞ」
「フヒヒ、サーセン」
「わざとか貴様!?」
【VS ポケモン】
『ザフィーラのはかいこうせん。きゅうしょにあたった。リインはたおれた』
『ヴィータのしたでなめる。ザフィーラはたおれた』
『シグナムのまきつく。まきついている』
『ヴィータはまきつかれてみうごきがとれない』
『シグナムはまきついている』
『ヴィータはまきつかれてみうごきがとれない』
「……なあ、自分の名前つけるのやっぱやめね?」
「面白いと思ったんですけどねぇ」
「到着です。皆さん、降りましょう」
「やっと着いたか。肩がこっちまったぜ」
暇つぶしとして持ち込んだゲームをやりながら電車に揺られていた私達は、四時間ほど経ってようやく目的の駅に到達した。
「お~、いかにも温泉街って感じですね」
「なんか古くさい建物ばっかっすね」
駅を出ると、そこには雑誌やテレビでしか見たことのないような光景が広がっていた。
「あら、こういう雰囲気結構好きよ、私」
洋風木造多層の旅館がずら~っと軒を並べており、昔ながらの独特な景観を味わうことができる。シグナムさんは古くさいとか言ってるけど、こういうのを味があるって言うんだと思うな。どの旅館も歴史を感じさせる立派な建物だ。
「さて、それじゃ旅行者らしく色々と見て回るとしましょうか」
「こういう所は和菓子とかが美味いってのが相場だよな。甘味処に行こうぜ」
「それには私も賛成だ。甘いものは良い。実に良い」
「我はようかんが好物だ。栗ようかんを所望する」
と、大多数の人間が甘味処をプッシュするので、お昼を済ませた後に行こうと思っていた甘味処に勢いに押されて赴くことになった。
そうして適当な甘味処を探していた私達は、旅館街ならどこにでもありそうな一軒のお茶屋さんを発見し、そこにお邪魔することにした。
そのお店の名前は、『和風喫茶・日向』
「ん、日向(ひなた)? 私達が止まる旅館もひなたでしたよね。ひなた旅館が経営しているお店でしょうか?」
「そんなんどうでもいいじゃん。入ろうぜ」
ヴィータちゃんに急かされて扉を開けたのだが、中はがらんとしていて客どころか店員さえ居なかった。休業中かな? でも鍵は開いてるし……
「ん? おお、客かいな。珍しいこともあるもんやな」
いや、居た。奥の座敷に寝っ転がって新聞と睨めっこしているお姉さんが一人。そのお姉さんは、私達の姿を確認すると体を起こしてこちらにやって来て、キツネのように細い目をさらに細くしながら笑い掛けてきた。
「いらっしゃい。へー、べっぴんぞろいやないか。旅行で来たんか?」
「ええ、そんなとこです」
初対面の客にする対応とは思えないほどフレンドリーだな、この人。まあ、そういう性格の人だと思っておこう。
……ん? この人、よく見るとシグナムさんに負けず劣らずのナイスボディだ。ほほう、これはこれは。
「あのー、ここってシュークリームとか置いてますよね?」
「嬢ちゃん、表の看板見なかったんか? ここは和風喫茶やで。そんなん置いとるわけないやろ」
「なに言ってるんですか。あるじゃないですか、ここに美味しそうなシュークリームが……二つもぉっ!」
もにゅもにゅ。
「おっと、こいつは失礼。どうやら私の見間違いだったようですね」
もみもみ。うへへ~。
「……えっと、はたいてもええか?」
「ウチの主が大変な失礼をした。お詫びに我の鍛え抜かれた肉体を披露しよう」
『止めろ』
「ご馳走様でした~」
「おおきに。また来てなー」
ようかんやおまんじゅうをご馳走になった私達は、陽気な店員さんに別れを告げて散策を再開することにした。それにしても美味しかったな、あのお店の和菓子は。うん、美味しかった。特にあのシュークリームが。帰りにまた寄ってもいいかもしれないな。……うへへ。
「主、他人に迷惑掛けるなとか言っといて、自分はいいんすか。ふーん。ほー」
「うぐ……わ、分かりましたよ。自重すればいいんでしょう、自重すれば」
店を出た途端にシグナムさんの白い視線が私に突き刺さる。が、確かに今回は私の失態だったな。湯の町は美人が多いと聞くが、仕方ない。温泉に入るまではおっぱいに突撃は我慢しよう。
「主、あれは何だ?」
煩悩退散と頭の中で念じていると、リインさんがある物体を指差して質問してきた。指の先に視線を移すと、そこにはぼろっちいプリクラの機械が一台ポツンと置かれていた。
「あれはプリクラと言って、簡易的に記念写真を取ることが出来るんですよ。シールですが」
「ほう……」
じっと機械を見つめているリインさん。ひょっとして、取りたいのかな?
「デジカメも用意してきたんですが、たまにはああいうのも良いかもしれませんね。せっかくですから、みんなで写りましょうか」
「む……そういうことなら一緒に写ってやらんでもない」
素直じゃないなぁ、リインさんは。
「皆さんも写りますよね?」
こくりと頷くヴォルケンズ。というわけで、プリクラまで移動しさっそく撮影準備をする。
車椅子に乗ったままでは見切れてしまうので、私はリインさんにだっこされて中央に陣取る。ヴィータちゃんとシャマルさんを私の隣、ザフィーラさんとシグナムさんをななめ後ろに配置することで、なんとか枠内に収まった。
「タイトルをつけるとしたら、【ハヤテのハーレム】って感じでしょうか」
「そこはザフィーラだろ、ってツッコむとこだけど、あながち間違いでもないのが困るな」
惜しむべきはヴィータちゃんだな。もっと胸が大きければ完璧なのだが。まあ、多くは望むまい。
「それじゃ、取りますね。いきますよー。はい、チーズ」
パシャッ。
出てきたシールを確認すると、みんなが楽しそうに笑っている姿がキレイに写っていた。……あ、滅多に笑わないリインさんも微笑んでる。写る前までは仏頂面(ぶっちょうづら)だったのに。まったく、ほんとに素直じゃないんだから。
「いやー、結構歩き回りましたね」
「ようやく待ちに待った温泉に入れるわね」
プリクラで写真を取った後、私達は温泉街を練り歩き、お土産屋を冷やかしたり軽食を取ったりと、旅行客としての楽しみを十分に満喫した。
そんな風にしばらく散策にいそしんでいた私達は、そろそろメインの温泉を楽しもうということで、今は予約していた旅館へと続く長い石段を登っている。勿論私はグレン号ごとザフィーラさんに抱えられている。……目立ってるけど、しょうがないか。
「お、見えてきたでござる」
石段を八割方登ると、一際大きな建物がその姿を現してきた。
「へえ、雰囲気あるじゃない」
そして、やっと石段を登りきったその先には、木々が生い茂った山に囲まれた、風情のある木造建築の旅館、『ひなた旅館』が鎮座していた。うん、これは雰囲気あるわ。
「よし、チェックインを済ませれば後は温泉に入り放題です。レッツ&ゴーですよ」
グレン号を駆り、入口へと急ぐ私。
「あ、おい、そんなに急ぐなよ」
何を言うんだヴィータちゃんは。桃源郷はすぐそこまで迫っているのに、急がない理由はないだろう?
「失礼しまーす。予約した八神ですが──」
みんなより先んじて旅館に到達した私は、入口の扉を開けて絶句する。
「あ、いらっしゃいませ。ようこそひなた旅館へお越しくださいました」
中には着物を着た美人がたくさん。美人、また美人。しかも、ええ乳してるのが多いこと。
「八神様ですね。確かに承っております。それでは──」
「あのー、すいません」
「はい?」
こちらに近づいてきた美人なお姉さんの言葉を遮り、私は誘蛾灯に誘われる虫の様にふらふらと這い寄りながら、思いの丈を述べる。
「そのシュークリーム、私にいただけませんか?」
スパーン!
『自重しろ』
はたかれた……