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No.17066の一覧
[0] 【ネタ・ギャグ】まったりヴォルケンズ(はやて憑依、原作知識無し)[ネコスキー](2011/01/03 22:37)
[1] プロローグ[ネコスキー](2010/06/11 16:05)
[2] 一話[ネコスキー](2011/01/03 22:50)
[3] 二話[ネコスキー](2011/03/25 20:37)
[4] 三話[ネコスキー](2010/06/24 11:14)
[5] 四話[ネコスキー](2010/06/01 12:16)
[6] 五話[ネコスキー](2011/01/03 22:52)
[7] 六話[ネコスキー](2010/08/15 00:07)
[8] 七話[ネコスキー](2011/01/03 22:54)
[9] 八話[ネコスキー](2011/03/27 03:52)
[10] 九話[ネコスキー](2011/01/03 22:57)
[11] 十話[ネコスキー](2010/08/15 00:13)
[12] 十一話[ネコスキー](2010/08/15 00:14)
[13] 十二話[ネコスキー](2010/08/15 00:15)
[14] 十三話[ネコスキー](2011/01/03 23:01)
[15] 十四話[ネコスキー](2011/01/03 23:02)
[16] 十五話[ネコスキー](2011/01/03 23:06)
[17] 番外編 一話[ネコスキー](2010/08/05 14:33)
[18] 番外編 二話[ネコスキー](2010/08/15 01:23)
[19] 十六話[ネコスキー](2010/08/05 14:40)
[20] 十七話[ネコスキー](2010/08/05 14:41)
[21] 十八話[ネコスキー](2010/08/05 14:43)
[22] 十九話[ネコスキー](2010/08/05 14:45)
[23] 二十話[ネコスキー](2010/08/05 14:46)
[24] 二十一話[ネコスキー](2010/08/05 14:50)
[25] 二十二話[ネコスキー](2010/08/05 14:53)
[26] 番外編 三話[ネコスキー](2010/08/05 14:58)
[27] 番外編 四話[ネコスキー](2010/08/05 15:00)
[28] 二十三話[ネコスキー](2010/08/05 15:02)
[29] 二十四話[ネコスキー](2010/08/05 15:04)
[30] 二十五話[ネコスキー](2010/08/15 00:04)
[31] 二十六話[ネコスキー](2010/08/21 02:47)
[32] 二十七話[ネコスキー](2010/08/14 23:56)
[33] 二十八話[ネコスキー](2010/08/15 00:02)
[34] 二十九話[ネコスキー](2010/08/15 00:24)
[35] 三十話[ネコスキー](2010/08/15 00:34)
[36] 三十一話[ネコスキー](2010/08/15 00:40)
[37] 三十二話[ネコスキー](2010/08/15 00:47)
[38] 三十三話[ネコスキー](2010/08/15 00:53)
[39] 三十四話[ネコスキー](2010/08/15 00:59)
[40] 三十五話[ネコスキー](2010/08/15 01:05)
[41] 三十六話[ネコスキー](2010/08/15 01:08)
[42] 三十七話[ネコスキー](2010/08/15 01:12)
[43] 外伝 『賭博黙示録ハヤテ』[ネコスキー](2010/08/15 01:14)
[44] 番外編 五話[ネコスキー](2010/08/15 01:24)
[45] 番外編 六話[ネコスキー](2010/08/15 01:20)
[46] 三十八話[ネコスキー](2010/08/15 01:27)
[47] 三十九話[ネコスキー](2010/08/15 01:32)
[48] 外伝 『とあるオリ主の軌跡』[ネコスキー](2010/08/15 01:33)
[49] 四十話[ネコスキー](2010/08/15 01:37)
[50] 外伝 『シグナム観察日記』[ネコスキー](2010/08/15 01:49)
[51] 四十一話[ネコスキー](2010/08/15 01:56)
[52] 四十二話[ネコスキー](2010/08/15 02:01)
[53] 四十三話[ネコスキー](2010/08/15 02:05)
[54] 四十四話[ネコスキー](2010/08/15 02:06)
[55] 四十五話[ネコスキー](2010/08/15 02:10)
[56] 四十六話[ネコスキー](2010/08/15 02:12)
[57] 外伝 『漢(おとこ)達の戦い』[ネコスキー](2010/08/15 02:15)
[58] 四十七話[ネコスキー](2010/08/15 02:18)
[59] 四十八話[ネコスキー](2010/06/08 22:47)
[60] 外伝 『とあるオリ主の軌跡2』[ネコスキー](2010/06/12 16:11)
[61] 四十九話[ネコスキー](2010/06/13 15:18)
[62] 五十話[ネコスキー](2010/06/19 23:30)
[63] 五十一話[ネコスキー](2010/08/15 02:24)
[64] 五十二話[ネコスキー](2010/08/15 02:32)
[65] 五十三話[ネコスキー](2010/08/15 02:33)
[66] 五十四話[ネコスキー](2010/08/15 02:39)
[67] 五十五話[ネコスキー](2010/07/01 12:48)
[68] 五十六話[ネコスキー](2010/07/04 14:42)
[69] 外伝 『とあるオリ主の軌跡3』[ネコスキー](2010/08/15 02:45)
[70] 外伝 『とあるオリ主の軌跡4』[ネコスキー](2010/07/21 14:38)
[71] 外伝 『それほど遠くない未来のとある一日』[ネコスキー](2010/08/05 14:51)
[72] 五十七話[ネコスキー](2010/08/15 02:48)
[73] 五十八話[ネコスキー](2010/08/05 14:07)
[74] 五十九話[ネコスキー](2010/08/06 17:11)
[75] 六十話[ネコスキー](2010/08/11 15:05)
[76] 外伝 『リーゼ姉妹の監視生活 その一』[ネコスキー](2010/08/15 02:54)
[77] 外伝 『リーゼ姉妹の監視生活 その二』[ネコスキー](2010/08/24 17:29)
[78] 外伝 『リーゼ姉妹の監視生活 その三』[ネコスキー](2010/08/30 13:06)
[79] 外伝 『リーゼ姉妹の監視生活 その四』[ネコスキー](2010/08/22 22:41)
[80] 六十一話[ネコスキー](2010/08/24 18:46)
[81] 六十二話[ネコスキー](2010/08/30 13:04)
[82] 外伝 『こんな感じでした』[ネコスキー](2010/09/02 14:29)
[83] 六十三話[ネコスキー](2011/01/03 23:08)
[84] 六十四話[ネコスキー](2010/09/05 22:46)
[85] 外伝 『ザフィーラと狼と弁当と』[ネコスキー](2010/09/12 22:36)
[86] 六十五話[ネコスキー](2010/09/18 13:28)
[87] 六十六話[ネコスキー](2010/11/11 22:55)
[88] 外伝 『バレンタイン』[ネコスキー](2010/11/12 12:49)
[89] 六十七話[ネコスキー](2011/01/03 23:54)
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[17066] 三話
Name: ネコスキー◆1fbd17da ID:478c24fd 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/06/24 11:14
「あ、牛乳……期限切れの」

神谷ハヤテ、ただいま冷蔵庫を物色中です……




非情な現実に絶望しながら乾パンを貪った私は、食料の備蓄を確認するため、キッチンにある棚や、冷蔵庫の中を調べまわることにした。

流石に三食乾パンはごめんこうむる。食料が無かったら買い出しに行かなきゃならないしね。……弁当を。

何で食材を買わないかって? そんなの決まってる。

蝶よ花よと両親に可愛がられながら育った私は、包丁なんて持たせてもらえるはずもなく、……なんてことはなく、

『花嫁修行? ごめん今レベル上げで忙しい~』

刺客(母様)から、ありとあらゆる手練手管を用いて逃げ続けたため、料理なんて一度も習ったことが無いのだ。

ん? ああ、そういえば前に一度だけ作ったことがあったっけ。



そう、あれは調理実習の授業の時、隣の席の生徒と二人一組になって玉子焼きを作れと言われた私は、無垢な表情で、「卵焼きってどうやって作るの?」と、ペアの生徒に聞いたのだ。

『はあ? そんなことも知らないのか?』

こいつ正気か? なんて感じの視線を向けてきたが、相手は女子のスカートめくってきゃっきゃと猿のようにはしゃぐようなガキ。ここは大人の対応を、と思い、

『……作り方、教えて』

額にバッテンマークを付けながら、慈愛の表情で聞いた私に、奴はこうのたまった。

『お前、本当に女か?……仕方ねえ、と・く・べ・つ・に教えてやるよ。感謝しな』

バッテンマークを顔中に張り付けながらも、淑女な私は料理の説明を聞き、初めて作ったとは思えない程の見事な玉子焼きを作ったのだった。

そういえば、あの時作った玉子焼きをペアの相手に食べさせたら、急にお腹抱えてトイレ行くんだもん、ビックリしちゃった。

『腐った牛乳を拭き取ったゾウキンの味がした……』

失礼しちゃうなぁ。



「おっと、昔を懐かしんでる場合じゃない」

目の前にある腐りかけの牛乳を見つめながら、正気に戻る。

「母様(刺客)から逃げ続けたツケを、今になって払うことになるとは……」

人生何が起こるか分からないもんだね。他人に乗り移るとか、その最たるもんだ。

ん、んん? そういえば今まで考えたこと無かったけど、今の……【神谷ハヤテ】の肉体ってどうなってるんだろう?

私の意識(魂?)はここにあるわけで。

考えられるとしたら……


1 今の神谷ハヤテの肉体は脱け殻。生命活動が停止しているかわからないが、良くて植物状態、悪けりゃ死体そのもの。

2 別の意識が芽生え、神谷家の一員として優雅な時を過ごしている。

3 神谷ハヤテに体を乗っ取られ、成仏するはずだった八神はやてが、恨みパワーで私の肉体を乗っ取り返し、神谷家の一員として以下略。


……1は遠慮したいなぁ。父様や母様を悲しませたくはない。…中身が私じゃなくても、神谷ハヤテの姿をした【誰か】でも、神谷家の一員として、家族を安心させていてほしい。

ベストはやはり3だろう。私も、はやてちゃんを(不可抗力とはいえ)殺した、という罪の意識に苛まれずに済むし、はやてちゃんも、何不自由しない家の長女として生まれ変われるんだから、文句は無いはず。オマケに美人だしね!


ふうむ、しかしここで考えてても何もわからん。

……いっそ、神谷家にグレン号で突入して、

『父様、母様、騙されないで! そいつは偽物よ!』

とかやってみるか?

でも1だった場合、お通夜ムードの神谷家に珍獣が紛れ込みました、なんてことになりかねんしなぁ……

……そうだ、ちょっと覗いて確認するだけでいいじゃん。

1だった場合は、……大人しく八神家に戻ろう。突然車椅子に乗った女の子が、

『父様、母様、私よ! 父様と母様の愛の結晶よ!』

なんてほざいた時にゃ、いくら温厚なうちの両親でもブチギレ確実だろう。


2だった場合は、……やっぱり大人しく八神家に戻ろう。

たとえ見知らぬ誰かが私の身体を好き勝手していたとしても、周りから見ればそいつこそが神谷ハヤテであり、異分子は私なのだ。

……父様、母様と疎遠になるのは辛いなぁ。

そして、3だった場合。もしこの状態だったならば、みんながハッピーエンドを迎えることができる。

私が考えたプランはこうだ。

下半身不随の身寄りの無い女の子が、神谷家に突入し、養子にして下さいと泣きつく。

情に厚く、お人好しな我が両親、号泣しながら承諾。

ハッピーエンド


……いや、少し虫がよすぎるか。プランBにしよう。


プランB

はやてちゃんと接触、交友を深める。

はやてちゃんを洗脳、私無しじゃいられない体にする。

我が両親に、

『私、はやてちゃんみたいな妹がほしいな~』

と、囁くように指示。

娘に甘すぎるマイペアレント、考えることもなく了承。

そして、新たな娘を温かく迎え入れようと、抱き締める父様、母様に挟まれながらこう呟くのだ。

『……計画通り(ニヤリ)』

……完璧すぎる。

新世界の神なんぞ目じゃないわ!




「考えはまとまったし、行こうか……な……!」

プランを実行すべく、家を出ようとして、気付く。

「なん……だと?」

あり得ない、何で?

「家の住所が……わからない」


いや、住所を忘れた、とかじゃないよ? 知識として知っている筈なのに、家がどこにあるのか考えると、頭の中が真っ白になってしまうのだ。

何これ、何かの呪い?

「……無理、もうだめぽ」

十分ほどねばってみたが、一向に改善の兆しが見られない。頭痛が痛い…間違えた、頭が痛い。

「今は無理、か」

しょうがない、いつか思い出すでしょ。

楽観的だとはわかってるけど、どうにもならないしね。なるようになれ、ケセラセラってやつだ。




「さーて、と」

長い間考えごとしてたせいで、時刻はもう昼前だ。

流石に二日間放置してただけあって、冷蔵庫の中のものには消費期限が切れている物が幾つか見付かる。

しかしその中で一際異色を放つものがあった。

「何故ある、おでん缶」

しかも、側面にギャルゲに出てきそうな女の子がプリントされてるやつ。

買ったは良いけど勿体無くて食べられなかったの、はやてちゃん?

はやてちゃんの新たな一面を垣間見た瞬間だった。




冷蔵庫の中をあらかた整理した私は、それがあまり意味の無い行為だったことに気が付いた。

料理出来ないんだから、食材全部捨てるしかないじゃん……

生の人参や肉にかぶりつくわけにもいかないしなぁ。黙って腐るのを見ているわけにもいかない。

ポリ袋にポイポイと放り投げながら、お魚さん、お肉さん、恨むなら、私に料理の楽しさを教えられなかった、あのバカなクラスメイトを恨んでね? と念じてみる。食べ物の恨みは怖いって言うしね。

あれ、食材があるってことは、はやてちゃん料理出来るんだ。ほんとハイスペックな八歳児だなぁ。




「グレン号、お前に命を吹き込んでやる!」

いざっ、見知らぬ外の世界へ。

代わり映えのしない家並みを横目にグレン号を駆る私。風がきもちいい。

取り敢えずコンビニかスーパーを発見するまで、適当にグルグル探索しよう。

……しかし本当に気持ちいいなぁ。運動なんて滅多にしないから、頬を流れる風がこんなに心地いいものだなんて知らなかった。

チリンッチリンッ!

「お?」

なにやら背後からやかましいベルの音が……

身体をよじって背後を覗く。そこには、ママチャリにデカイ尻を乗せたパーマのおばちゃんの姿があった。

なるほど、邪魔だから横にどけと、そういうわけですな? いいですとも、どきましょう。

「……チッ」

私を追い抜く際、奴はわざわざ聞こえるように大きく舌打ちしていった。


……ババア、貴様は私を怒らせた。

「リミッターを外させてもらう」

本来、日本では車椅子の最高速度は時速六キロに定められており、日本製の車椅子はそれ以上の速度は出ないようにされている。

だがしかーし! このグレン号は一味違う!

外国製のオーダーメイド、日本円にして八十万は下らない、スペシャルな機体なのだ。(説明書に書いてあった)

その最高速度、なんと時速十四キロ!

まさか外に出て5分でその真価を発揮することになるとはね……

「燃え上がれハート、刻み込めビート!」

今が駆け抜けるとき!

「はぁぁぁーっ!」

忌々しいパーマを追走する。その勢い、修羅の如く。ぐんぐんと縮まる距離。こちらに気付いたパーマが恐怖で顔を引きつらせるが、もう遅い。

「グゥゥレイトォォ!」

パーマを追い抜き華麗にターンを決める。タイヤが焦げ臭いが気にしたら負けだ。

ガタガタと震えるパーマ。ふん、ざまあない。

「オバサン、人に道を譲ってもらったら、何て言うのかな?」

「……あ、……ありがとう……」

「良くできました」

マナーは大切だよ?

『あー、そこの暴走車椅子の子、ちょっとコッチ来てくれるかな?』

「……アディオス!」

権力の犬が、事件の匂いを嗅ぎ付けたようです。



なんとか白黒の車を撒いた私は、ようやくスーパーを発見し弁当をゲットしたものの、帰り道が分からなくなり、先程まで追いかけられていた相手に保護されるのだった。

「カツ丼、うま」

ちなみに、弁当とカツ丼交換してもらいました。こっちの方が美味しそうなんだもん。


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