魔法学院寮。ルイズの部屋。そこではレイナールが真琴に言い寄っていた。「マコトさん!僕は君の存在に心奪われた!この気持ち、まさしく愛だ!僕と添い遂げてくれ!」「レ、レイナールさま・・・いけないわ・・・わたしには・・・」「昔の男の事など、この僕が忘れさせてやろう!」そう言って顔を近づけるレイナール。もう少しで唇が触れ合う・・・その時だった。扉が勢いよく開けられ、達也が入ってきた。「真琴!」「お、お兄ちゃん!」「真琴!俺が悪かった!もう一度やり直そう!」「お兄ちゃん・・・」くしゃりと歪む真琴の顔。「貴様・・・!彼女をあれ程傷つけておいて今更のこのこと・・・!恥を知れ、俗物!」「お前こそ、俺の真琴に無理やり迫っていいご気分だろう。喜べ、今から俺がもっと気分のいい場所に連れて行ってやるよ・・・あの世になぁ!!」「やめて!二人とも!わたしの為に戦わないで!」「真琴・・・」「マコトさん・・・」「レイナールさま・・・ごめんなさい・・・わたし・・・やっぱりお兄ちゃんのことが大好きなの・・・」「君たちの行く手には様々な障害があると分かっていても君は奴と添い遂げるというのか!?」「はい・・・たまたま愛したひとがお兄ちゃんだっただけ・・・それだけなの・・・」「そうか・・・」諦めたように微笑むレイナールは達也の方を見る。「タツヤ、マコトさんを幸せにしろ。彼女を泣かせる事があれば・・・僕が許さん!」「ああ・・・」達也は頷く。これで一件落着かと思われたその時だった。扉がゆっくりと開き・・・ゆらり・・・と入ってきたのはフライパンを持ったシエスタだった。「シエスタ!?」「シエスタお姉さま!?」「兄妹が添い遂げるなんて・・・幸せになれる筈ないじゃないですか・・・」シエスタはゆっくりと顔をあげる。冷たい笑みを浮かべ、単色の瞳が見開かれている。「妹の癖に・・・妹の癖に・・・タツヤさんを惑わすなんて・・・許せるわけないじゃないですか・・・」シエスタは一歩一歩、ゆっくりと近づいてくる。「そうよ、そんなの可笑しいわ。そんなの許せない。だったら●せばいいの。そんないけない泥棒猫には天罰を下すべきだわ・・・あは・・・あははははは!!!」「お姉さま、やめて!」「やめないいいいいいいい!!」そう言ってシエスタはフライパンを振り下ろした。その時、身を挺して彼女を守ろうと達也が彼女の前に立ちはだかった。だが、その前には・・・「ぐわあああああ!」フライパンの一撃を達也達を庇ってレイナールが背中で受けた。崩れ落ちるレイナール。シエスタがフライパンを落とした隙に達也はシエスタを拘束した。レイナールに駆け寄る真琴。「レ、レイナールさま!どうして・・・!」「君たちは・・・幸せにならなければ・・・許されない・・・幸せ以外の選択など・・・あってはならない・・・マコトさん・・・僕は・・・貴女の幸せだけを・・・それだけを・・・」そう言い残してレイナールの身体から力が抜けた。「レ、レイナールさま・・・・・・!!」「・・・友よ・・・お前も愛した我が最愛の女は俺が幸せにする・・・」「う、うわああああああああああん!!」真琴の慟哭が部屋に響く。「ハイ、お疲れー」壁に立てかけられたデルフリンガーがそう声を掛けると、達也はシエスタから手を離し、レイナールはあっさり起き上がった。真琴にいたってはレイナールから離れて達也に抱きついてきた。「ねえねえ!お兄ちゃん!わたしちゃんと出来てた?出来てた?」「ああ、上手だったよ。レイナール、ご苦労さん」「これで次の飲み会での主役は貰ったね」「シエスタもいい演技だった・・・ん?どうした?」「このシエスタ・・・タツヤさんにこれ程密着し、押し倒されて拘束され・・・これがままごとでなければ!!」このメイドは無視しよう。俺はそう判断した。家庭科の授業の一環として核家族について説明していた筈なのに、いつの間にか『昼ドラ』の話になり、『昼ドラ』って何?と聞いたレイナールとシエスタに体験してもらう為に急遽やる事になった『昼ドラごっこ』。何か途中から飲み会での宴会芸になってしまった。まあ、このお遊びを通じて分かった事は、やはり真琴は可愛いということだけだった。達也達が平和に昼ドラごっこに勤しんでいる頃。男達は夢と希望と己の正義の為に全身全霊をかけてとある呪文をかけていた。ヴェルダンデが掘りあげた坑道に横一列、腹ばいで並んだ勇者たちは己の杖の先に神経を傾けていた。『錬金』。土系統の基本呪文である。その錬金をキリとなし、厚さ20サントはある浴槽の壁石に、小さな穴を空けるのである。万一にも探知されればそれは死を意味する。かつて、男達は夢に挑み、戦い、敗れ、そして散っていった・・・。その多くの英霊達の無念を晴らす為にも彼らに失敗は許されない。男達は思った。何故俺たちはこんなに精神を消耗してまでこんな事をしているのだ?男達の魂が答えた。決まっている。そこに楽園があるからさ、と。小さな穴を開ける為の繊細な作業。咳き込みながら、涙を垂らしながら、汗を噴出しながら彼らは理想郷へ通じる穴を通そうとしていた。彼らの涙ぐましい努力は一筋の光が差した瞬間、実を結んだ。光が、次々と差し込んでいく。理想郷の光だ。勇者達は無言で、しかししっかりとお互いの努力を称えあった。「向こうからは、この穴は分からないのかね」「よほどのことがない限り、大丈夫だ。浴場の壁面には彫刻が彫ってあり、彩色までされている。こんな小さな穴、模様同然さ」「ミスタ・ギムリ。お主は天才だ。ワシは君を誇りに思う」「さあ、諸君、お待ちかねの時間だ」万感の思いを込めてギムリが言う。勇者達は一斉に己があけた穴に突撃した。果たして其処は正に楽園であった。裸の女子たちが、気持ち良さそうに入浴している。タオルのような布を巻いているのが大半だったが、無論完全に全裸の者もいた。うん、プライバシーとかそういうものは無粋だと思うよね、男性諸君。まあ、大体誰が全裸なのかはわかるよね、うん、そうさ。そういうのは大体自分の身体に自信があるのが惜しげもなく披露するんだ。歓喜したまえ勇者達よ。キュルケは全裸だ。ええい!湯気が邪魔だ!晴れろおおおおお!!あ、ついでに言えば、ルイズも全裸だよ!でも直接描写は出来ないよ!大人の事情だね!男達はその純粋なる瞳から溢れんばかりの涙を流しながら楽園の妖精たちを眺めていた。ああ・・・確かに元気になるよ・・・心がオアシスだらけさ・・・見てみなよ、オアシスに滞在するためのテントだってばっちり皆張ってるじゃないか。そして、マリコルヌは見つけた。見つけてしまった。壁を背にして湯に使っている為胸から下は水面下で見えないがたしかにいた。ルイズとティファニアである。小刻みに震えるマリコルヌ。叫びたい衝動を必死に押さえる。見たまえ、半分しか見えないがあの胸は正に神の領域だ。聞こえる、聞こえるぞ!同志達の心の咆哮が!あの胸が教えてくれる!『これが史上最強の神の力というものだよ、ヒューマン』マーヴェラス!そんな神ならば是非とも今すぐ称えよう!マリコルヌはこの時女神信仰を志した。一方、ギーシュは自分の彼女のモンモランシーをずっと見ていた。何気に律儀な男である。彼女は正にギーシュの目の前で身体を洗っている。ギーシュはただ静かに、愛する女が身体を磨く所を観察していた。そして、ただ一言。「美しい・・・」そうは言うがやってる事は犯罪だった。勇者達は血走った目を穴に押し付けて見ていた。ティファニアが膝を組み、その小高い丘が盛り上がった所で彼らの熱き衝動が限界を突破した。切ない溜息が飛び交う。「ブラボー・・・おお・・・ブラボーとしか言いようがないじゃないか・・・」「ワシの人生・・・今を持って終焉を迎えても悔いはない」勇者達の息遣いが荒くなる。夢のような時間を堪能する勇者達。だが、夢はいつか終焉を迎えるのだ。身体を洗っていたモンモランシーが、壁に空けられた不自然な小さな穴に気付いた。彼女は無表情のまま、浴場にいる者たちに言った。「みんな!壁に穴が開いているわ!」モンモランシーがそう叫ぶと壁の向こうから、撤収!という声が響く。入浴していた妖精たちは一斉に叫んだ。「覗きだわ!」「皆、急いで!杖よ!」「この魔法学院で覗きを敢行するなんて、とんだ自殺志願者ね!」「皆さん!絶対逃がしてはなりません!私たちの平和を乱す汚物のような輩は一匹残らず●しましょう!」覗きと聞いて怒り心頭に発した女生徒達は般若のような表情で脱衣場の方へ駆け出していく。ルイズもティファニアも、顔を見合わせて駆け出す。水精霊騎士隊の騎士たちはわれ先にと逃げ出した。穴を飛び出した先は、火の塔の隣の茂みであった。オスマン氏の姿はない。敢行したのが朝だったため、周囲は明るい。最悪である。だが、最悪だからどうしたというのだ?男は困難に対して全力で挑むべきだ!「諸君!固まっていては一網打尽にされる!散開するぞ!幸運を祈る!」ギーシュがそう言うと、少年たちは頷き合い、散開して行った。女子生徒の反応は素早い。ならば此方も早く動かねばならない!ここに勇者軍対狩人達の壮絶な追いかけっこが始まったのだった。何やら外が騒がしくなってきた気がする。男子の悲鳴の後、魔法が飛び交う音がして、何かが潰れるような音。そしてまた悲鳴、命乞いの声、何かが弾ける音。お昼寝中の真琴には聞かせられないものだった。「おそらく見つかったんだと思う」「まあ、自業自得と言うべきだな」レイナールは達也について行ってよかったとこれ程思ったことはない。あの時騎士団について行けば、自分もあの凄惨な追いかけっこに参加していたのだから。さて、それからしばらく時間が経ったころ、覗きを追う狩人軍の一員であるルイズたちは覗きをしていた者たちの素性を知らされていた。「何人ぐらい捕まえたかしらね」「さあ?半分以上は捕まえたみたいだけど?それにしても水精霊騎士隊の連中とはね」キュルケが目を細めて言った。この場にはルイズ、キュルケ、タバサ、そしてティファニアがいる。『ただで私の裸体を見れたのだもの、もう生きる目的は果たしたわよねェ』キュルケはそう言って容赦なく炎の魔法を打ち続けていた為、彼女に狙われた男は哀れと言うしかなかった。ルイズやタバサに狙われたものは凍らされたり、爆発で戦闘不能にされたり・・・お前たちの勇姿は忘れない。水精霊騎士隊・・・女王陛下直属部隊が嘆かわしいことである。四人は考えていた。水精霊騎士隊が覗きの主犯ならば、その中に副隊長の彼はいたと考えるのが自然ではないかと。実際はその場におらず、食堂やルイズの部屋などにいた為いるわけなかったが、ルイズ達は聞き込みをしていなかった。「ぎゃあああああああ!!」遠くから、また、悲鳴が聞こえてきた。食堂の外でギーシュは身を潜めていた。もう何人が犠牲になったのだろうか?いや、何人が無事なのだろうか?分からない、自分には分からない。今、水精霊騎士団の戦力はどれほどまで消耗したのだろうか?正直自分はモンモランシーしか見ていなかったが・・・「そんな理屈が君に通用するわけないよな・・・モンモランシー」「覗きをした事実。これだけで貴方は極刑に値するわ。ギーシュ」人が殺せるような笑顔を浮かべたモンモランシーがギーシュの前に立ちはだかる。陽の光が彼女の背後に降り注ぎ、後光が差してるように見えた。自分がいる場所は建物の影。ギーシュは冷や汗を流した。「ギーシュ、安心して」聖母のような微笑を浮かべるモンモランシー。「何をだい・・・?」「貴方を始末した後、私も死ぬ!」「嫌だあああああああ!??」ギーシュは全力で逃走を開始した。モンモランシーは虚ろな表情で哂うとギーシュを追うように駆け出した。ギーシュが彼女以外の追っ手に自首したのはそれからすぐの事だった。夕方。傷だらけで縛られ晒し者にされている騎士団達。狩人軍たる女生徒達はそんな彼らをゴミを見るような目で見下ろしていた。何故かマリコルヌは嬉しそうだったが。水精霊騎士団の覗きという事実に失望感が広がっている。罵声が彼らに対して飛び交っている。「これで全員かしら?」キュルケがギロリとギーシュ達を見る。ギムリがキョロキョロ辺りを見回して絶望したように叫んだ。「おい・・・!レイナールの奴と副隊長殿は何故いないんだ!?」「そういえば・・・姿を見ていないぞ!・・・まさか!」「タツヤ!レイナール!よもや裏切ったのか!!」「おのれェ!誰の為にこの計画を練ったと思ってやがる!?」「レイナールもだ!昨日はあんなに乗り気だったのに!日和見主義か!」騒ぎ出す騎士団員達。ルイズたちは此処で達也がこの度の覗きに関わっていなかった事を知ってほっとした。何でこの馬鹿どもが達也の為に覗きを計画したのかは知らないが。「日和見も何もやはり覗きは破廉恥な行為だよ」その時、上空から声が響いた。一同が空を見上げると、夕陽を背に、黒い天馬が其処にいた。その背中から、一人の男が降り立った。「レイナール!!貴様あああああ!僕たちのあの誓いは何だったんだ!」マリコルヌは腹の底から咆哮する。レイナールは眼鏡を上げながら冷徹に言った。「マリコルヌ。残念ながら僕は『変態という名の紳士』ではなく、ただの紳士だったというわけさ」「見損なったぞレイナール!」といった罵声が彼に飛ぶが、彼はそのような罵声を鼻で笑う。「何とでも言うがいい。君たちは自分の欲望に負けた者たちだ!僕の非難や忠告を日頃聞かない罰と思いたまえ!」「おのれ・・・!おのれ・・・!!」ギムリとマリコルヌ、以下騎士団員が涙を浮かべて悔しがる。「そうだぞ、お前ら。レイナールのいう事にはキチンと耳を傾けるべきなのは確定的に明らかなのはこれで分かったろう?」「タ、タツヤ!?」「・・・僕の忠告を一番聞かないのは君なんだけどね」「従わないだけで聞いてるぞ?」「最悪じゃないか」俺は項垂れているギーシュに声を掛けず、親の仇の様に俺を見ているマリコルヌに視線を向けた。「マリコルヌ・・・俺は思うのだよ。君たちは悪い事をしたのは事実。だが、君たちは自分の知的好奇心を満たす為に行動したに過ぎない。それを俺は責めることはしない。俺たち男の性だからな。異性の身体に興味を示すのは生物にとって当然のことよ。君たちはその欲望のままに彼女達の裸体を覗いた。それは君たちが彼女達の身体に多大に興味を持っていたからだ。・・・男性が女性の身体に興味をもつ・・・それは自然な事。では・・・その逆も当然な事だよなぁ?」俺はスラリとデルフリンガーを抜いた。騎士団員の顔が真っ青になる。周りの女子たちが凍りつく。「覗きなどけちな事は言わない。今この場で貴様らの衣服を切り裂き、お前らの生まれたままの姿を婦女子に観察してもらえ!そう、満遍なくとなぁ!!」「や、止めろ!タツヤ!正気か!?」「安心したまえマリコルヌ君。俺とレイナールは脱がんから全然恥ずかしくない」「やめろおお!そんな事をしたら俺達の社会的地位があああ!」「もう地に落ちてるよギムリ君。安心したまえ」その場は大パニックになる。悲鳴をあげて女生徒達は逃げ出し始める。しかし何人かは遠くから様子を伺っているようだ。見たいやつもやっぱりいるんだね。「レイナール、やれ」「了解」「う、うわあああああああああ!!!」悲鳴をあげる騎士団員。レイナールの唱える風が切り裂いたのは彼らの衣服ではなく、彼らを縛る拘束具だった。呆気にとられる騎士団員と遠くから様子を見ていた女子達。レイナールは軽く笑う。「水精霊騎士団の諸君、迫真の演技、感謝する!我が名は水精霊騎士団副隊長、タツヤ・イナバ!副隊長としてお前たちを解放しに参上した!諸君!何を俯く必要がある!何を諦める必要がある!其処に夢と希望がある限り、貴様らに反省と後悔などないはずだ!顔をあげろ!空を見上げろ!お前たちは今こそ自由だ!今の貴様らは変態という名の屑だ!この失態をバネに屑から人間になってみせろ!諦めたらそこで試合終了だ!案ずる事はない!神が貴様らに微笑まずとも、悪魔は貴様らに対して爆笑で迎えてくれる!立てよ若者!貴様らはまだ上ったばかりだ!この長く遠い変態坂を!さあ行け変態ども!俺とレイナールはその坂を果敢に上っていく貴様らを誇りに思うぞ!」おおおおおおおおおお!!!!という咆哮とともに立ち上がる変態たち。助けといてなんだがこうはなりたくないものである。変態どもは『フライ』の魔法で浮かびあがり、逃走を再開した。「しまった!やられた!逃がしてはなりません!彼らの体力は風前の灯の筈!」女子達もそれを追って次々と飛んでいった。ただ一人、ギーシュのみが項垂れたまま座り込んでいた。モンモランシーが彼に一言二言声を掛けると、ギーシュは涙を流して彼女と抱き合っていた。アホらし。俺がテンマちゃんに跨り、その場を去ろうとすると、ルイズが俺に尋ねてきた。「ねえ、タツヤ。アンタは今まで何処にいたのよ」「え?朝飯食った後にお前の部屋で宴会芸の練習を真琴たちと一緒にやってた」ルイズは世界に絶望した表情になりよろめく。「混ざりたかった・・・・・っ!!」そして彼女は絞り出すような声で言うのだった。「ふっふっふ、甘いのう。まさかこの穴の中にまだいるとは思うまい」オスマン氏は未だに浴場の外から内部を観察していた。警戒されている今こそが好機。浴場に入ってくる女の子も油断しているのか無防備である。「くっ・・・!もう少し、もう少しで秘密の場所が見えるというに・・・!あと少し足を広げれば・・・!ううぬ!」「楽しそうですわねぇ、オールド・オスマン」はて?いきなり明るくなった気がするのだが、何故だ?オスマン氏は明るい方向を見てみた。彼のいる場所から月が見えた。その月より近くに、素晴らしい笑顔のシュヴルーズが顔を覗かせていた。オスマン氏の目が見開かれた。その日のオスマン氏の行方を知るものは誰もいない。(続く)