アンリエッタがラ・ヴァリエール城へ到着した時には、既に達也は包帯まみれの姿だった。とりあえず命には別状は無く、数日もすれば目覚めるらしい。色々言いたい事もあったのだが、ひとまず達也が目覚めるまで、ラ・ヴァリエール家に来た目的の一つを先に済ませておこう。「・・・虚無?今、虚無といわれましたか?」「はい。ルイズの目覚めた系統は、間違いなく『虚無』なのです」ラ・ヴァリエール家の居間では女王を囲み、秘密の告白が行なわれていた。この場にいるのはアンリエッタ、アニエス、ルイズとその家族だけである。達也は別室で寝ているし、キュルケとタバサも同様である。彼女達は達也を看てるのであろう。「間違いなく・・・ですか・・・」「信じられません・・・あのルイズが・・・」「信じられぬのは、わたくしも同じでした。しかし、これは事実なのです。『虚無』は蘇り、また、その担い手はルイズだけではありません」「・・・他にもいるという事ですね」一家は沈黙に包まれた。その沈黙を破ったのはラ・ヴァリエール公爵だった。「それで?陛下のご訪問の意図は?」「・・・わたくしに、ルイズをお預け下さい」「これはおかしな事を。私の娘ですよルイズは。陛下に身も心も捧げています」「建前ではありませんわ」アンリエッタはアニエスを促すと、アニエスは大きな革鞄をあけ、黒いマントを取り出した。そのマントを見て、ラ・ヴァリエール公爵とカリーヌが反応した。「・・・その百合の紋・・・マリアンヌ様がお若い頃に着用に及ばれたマントでしょう?」「これをルイズに着用させます」「ええ!?」「・・・ルイズを陛下の姉妹にするおつもりですか?娘への厚遇は感謝いたしますが、素直に喜べませんね」「陛下。娘の『虚無』を得て、陛下は何をするおつもりですか?よもや、他国との戦争に使うので?」「前例がありましたものね。婿殿が代わりに行かなければ、ルイズはどうなっていたことやら」「我が娘は大砲や火矢ではないのです。陛下が娘に対してなんらかの勘違いをなさっておられるのならば、我々は悲しい事に、長年仕えた歴史を捨て、王政府と杖を交えねばなりません。例え陛下が、ルイズの力を正しき事に使いたいとお考えになっても、強い力を持つ者はその力を飾りで終わらそうとしないのですよ」「公爵のおっしゃるとおりです。ですがルイズの力を欲して、我らに手を伸ばそうとしている輩がいるのです。そのような輩からルイズを守るために、彼女を手元においておきたいのです。強い力を欲する敵がいるという事は、自分がそうなるかもしれないという懸念は勿論あります。・・・ですがわたくしは心から信用できる友人を側に置いておきたいだけなのかもしれません。わたくしがもし、そのような事になった場合に遠慮なく杖を向ける事の出来る存在を・・・」「それが、ルイズであり・・・婿殿というわけですね」「・・・ルイズ。父が知らない間に、お前は大きくなっていたのだな・・・ああ、身体的な意味じゃないぞ?」「喧嘩売ってるんですか、父様」「ルイズ、お間違いを指摘するのも忠義。間違いを認めることが本当の勇気だ。それを忘れるな。私の小さなルイズ。辛ければ何時でも帰ってくればいい。此処はお前の家だ。そして我々はお前の家族だ。私たちはいつでもお前の味方だからな」「父様・・・」「陛下、ふつつかな娘でありますが、貴方の歩まれる王道のお手伝いをさせてやってください」アンリエッタは静かに頷く。これで目的の一つは果たした。後は達也が目を覚ますのを待つだけだ。目覚めた場所は知らない場所だった。いつの間にか自分はベッドの上で寝かされていた。身体の状態は少しだるいといった程度だろうか?・・・此処は何処だろう?見知らぬ部屋だ。窓から見える景色は夜空である。夜空に浮かぶ月は一つ。・・・一つ?俺はベッドから飛び起きて、窓から外を見る。二階と思われる高さからは、道路を走る車の群れと、行き交うスーツ姿の人間が見えた。周りには一軒家や、マンションのような集合住宅も見える。・・・・・・どういうことだ?元の世界?・・・にしては知らない場所だし・・・・。とにかく此処が何処か知らないと・・・。そう思っていたら、俺がいる部屋の扉が開いた。「あら、目が覚めたのね。お早うというには遅い時間ね」大人びているが、懐かしい声が響いた。「店の前で倒れているから、介抱してたんだけど・・・救急車の方が良かったかしら・・・?」「あ、いえ・・・」「ああ、御免ね!此処が何処かって顔してるようね。此処は私と夫が経営している喫茶店の二階のオーナーの部屋なの」「喫茶店・・・?」「ちょっとこの辺りでは有名なのよ?常連さんも結構いるし。あ、私はこのベーカリー喫茶、『真心喫茶』の副店長にして初代看板娘の因幡杏里、27歳よ」自分の苗字と、自分の想い人の名前を冠した女性は優しい笑顔で自己紹介をした。彼女に促されて一階に降りる。もう夜なのに、店の中には客の姿もそこそこある。「ちょっと此処に座っててね」俺を空いてる席に座らせ、副店長はカウンター内に入っていく。「あなた、あの子、目を覚ましたわよ」「今、俺はカレーパンを焼いているわけだが」「それは真琴ちゃんに任せなさいよ」「兄さん兄さん!私に任せようと思わない?」「お前がパンを焼くと、ばーさんのような造形だけは素晴らしいパンが出来上がるので却下だ」「お姉ちゃん、諦めて私に任せてよ」「うおおおお・・・!!!何故だ!?何故普通の料理は作れるのにパンだけはこうなるの!?」「・・・血筋だろ」「血筋の宿命には抗えないのか・・・!?」「じゃあ、真琴、パンは頼む。瑞希はアイスでも御作りになってください」「生温かい目で言うなー!?」幸せそうな会話が聞こえてくる。会話は良いんだ。何故だ?心臓の鼓動がはっきり聞こえる。「さて、と。アイツだったな。やっぱり似てるな。少し体つきががっしりしているがな」姿を現したのはコック帽を被った青年だった。俺を少し胡散臭そうな表情で見ている。青年が現れると、常連と思われる客が、彼に言った。「おい、店長!瑞希ちゃんとの交際は何時になったら認めてくれるんだよ!」「うるせえ!知ってるんだぞてめえ!お前が最近キャバクラに嵌ってそこの『ナミ』とか言うキャバ嬢と最近お泊りデートしたとか、出会い系であった女と遊びまわってるとかよ!そんな軟派野郎に瑞希はやらん!というか瑞希はお前をキモいと言ってたぞ」「マジか!?」「キモイじゃない、女の敵と言ってた。平賀さんは好奇心が旺盛、そして性欲も旺盛と」「それはアンタの感想だろう!?」「うん」「認めるの早ッ!?」「だってお前、俺の嫁に惚れかけてたし、まだ中学生の真琴にマジ告白して玉砕したじゃん。見境ないよね」「仕方なかったんやー!余りにも可愛かったからー!」「可愛いは正義だな。おう、少年。騒がしい店ですまんな。俺はこの『真心喫茶』店長、因幡達也、27歳だ」俺の向かい側の椅子にどっかりと座る店長。・・・同姓同名だと?「少年、俺が名乗ったんだ。お前も名乗れ」店長が耳を穿りながら言う。「・・・俺は、因幡達也・・・17歳です」「何?」店長は耳を穿るのを止めて言った。『何?』と言いたいのは俺もだ。・・・もしかしてこれはルーンの仕業か!?左手のルーンは・・・あれ?前見た時と形が違う?タバサとキュルケは達也の看病をしていた。別段うなされたりはしていないが、体中に巻かれた包帯が痛々しい。タバサはこれが達也が自分を助けに行くために無茶をしたツケであると知らされた。「気にしないで、タバサ。タツヤは自分のした事に後悔なんてしていないわ」「・・・・・・」「大丈夫よ、大丈夫。一時死に掛けたけど、今はすやすや寝てるじゃない。タツヤは今は休むべきなのよ」「・・・・・・うん」キュルケはタバサを宥めるように言った。カリーヌの少しやりすぎた制裁により、達也は頭蓋骨陥没、全身に裂傷と打撲、アバラ骨の半分以上を骨折、うち一つが肺に刺さっていた。肋骨、背骨もヒビがあったが、水のメイジの懸命の治療により、一命は取り留めた・・・。だが、もはや再起不能ではないのか?キュルケとしてもここまでやる必要はないだろうと思っていた。定期的に水のメイジが回復魔法をかけにくる。キュルケとタバサはそれにずっと立ち会っていた。ルイズもしばらく部屋にいたが、先程アンリエッタが来たからと出て行った。「・・・トンでもない一族を相手にしてたのね。家の一族は・・・」いえ、トンでもないのは奥さまだけです。年齢が違うだけの同姓同名の存在に、店長の感想は、「ふーん」だけだった。「いや、店長、それだけかよ!?見ろよ!店長の若い頃にそっくりなだけでも珍しいのに、名前も同じって・・・!」「確かにいい男だが、俺のほうが渋みもあって格好いいのは誰の目にも明らか」「はいはい、私はそんな渋い貴方と結婚できて幸せですよー」「畜生!この夫婦、どんな状況でも惚気やがる!!お前らなんか子宝に恵まれてしまえ!そして子供たちに看取られて死ね!」「ぬははははは!この因幡達也、子の死に様も看取るぐらい長生きしてやるわ!」「老害宣言しやがったよ、この27歳児!!」店長と常連客の平賀はそのような馬鹿話を続けている。「で、俺と同じような顔をした少年達也君。お前の肩に纏わりついている幼女は一体何者だ?」「あー、それ私も気になってた。この子の側にずっといたから声をかけたんだけど、名前を言ってくれないのよ」俺が横を見ると、確かに幼女はいた。ただしスクール水着ではなく、ブレザー姿にランドセル、そして何故か縦笛を咥えていた。『どうです。縦笛を咥える姿に萌えとエロスを覚えるでしょう。このロリコンどもめ』「黙れ変態幼女!!」「あん?やっぱり知り合いかよ?」『その通りです27歳店長。私と彼は最近関係が進展した仲です』ざわ・・・ ざわ・・・ ざわ・・・「誤解を招く説明はやめてください」「・・・何か事情があるみてえだな。二階で話すか?」店長が俺たちを二階に行くように促す。副店長も俺たちについて来る。先程俺が寝ていた部屋に連れてこられた俺。店長は俺と幼女の関係、俺がこの店の前で気絶していた理由を尋ねた。正直俺もそれは知りたいのだが、どう説明しようか・・・。『ならば私が説明しましょう』小学生姿の幼女が荒唐無稽ながら全て事実のハルケギニアでの話を店長夫婦に話した。俺が杏里とのデートの日に異世界に召喚されたこと。ギーシュとの戦いでルーンが発動したこと。杏里とそっくりな姫がいたこと。その姫が愛した王子と仲良くなったこと。王子は二度死んだこと。紫電改が異世界にあったこと。七万相手に戦ったこと・・・。エルフの少女と出会ったこと。エルフと戦った事。そして、カリーヌによってお仕置きされたと思ったら此処にいたこと。『まあ、信じられないでしょうけど、これは全て事実です。私はこのタツヤ君の専用ルーンです。わけあってこのような姿ですけど。人間じゃない証拠に、お尻が光ります』「蛍かお前は」「異世界とか・・・なんだそりゃ・・・よーわからんな」『ぶっちゃけて言いますと、異世界に呼ばれた人生を送っているのがここにいる17歳のタツヤ君で、異世界に呼ばれずにデートをこなした世界のタツヤ君の未来が27歳の店長、貴方です』「はあ!?」「何だかよく分からないけど、何?もしかしてこの子は家の夫の過去の姿というわけ?それなんてSF?」『違いますよ杏里さん。正しくは旦那様が送る可能性があった姿がこの17歳のタツヤ君です。旦那様は留年などしていないでしょう?』「馬鹿にすんなよ。もうとっくに大学も出てるっての。・・・あれ?お前もしかして留年してるの?」「・・・1年以上も異世界にいればそうなる」「まあ、元気出せやとかしか言えんぞ」『既にこの世界は、此処の17歳のタツヤ君の人生とは違うものになっています。そう言う意味では旦那様とこのタツヤ君は別人ですね。DNAは同じですが』「とことんSFだな・・・まあ、お嬢ちゃんがただ者じゃねえのは分かったぜ。で、何で家の前に倒れてたんだ?」『幽体離脱ついでに、タツヤ君に原点の再確認をさせるためです。最近彼の周りがラブコメっぽくなって鬱陶しいですから。見ている分は面白いんですが』「原点?」『そうです。で、どうですか?貴方が送れたはずだった未来の姿を見て』幼女は俺を見て言った。・・・召喚されなかったら俺は杏里と一緒に店を構えてたのか・・・・・・召喚された俺は今後帰れたとして、このような人生を送れるのだろうか?「あの、店長」「あん?自分に店長って言われるのも変な気分だな。何だよ?」「・・・幸せですか?」「抽象的な質問だな。まあいいや。答えてやろう、若かりし俺よ。俺ほど幸せな男は居ないぜ。店を持って、隣には愛する嫁がいる。今は目立たないが、妻の腹には新しい命も宿ってる。最高じゃねえか」店長は肩を竦めて答える。副店長は優しく微笑んでいる。「若き俺よ。俺は今まで幽体離脱やら異世界訪問やら七万と戦ったりなんてした事はねえし、こんな事言えねえかもしれないがな、諦めるなら早く諦めろ。異世界に来て、帰れないと感じたら割り切れ。いつまでもずるずるとしていたらもし元の世界へ戻れても留年キング確定だからな。それが嫌ならその異世界で嫁を見つけろ」「でも皆が心配を・・・」「他人を理由にするなよ。お前がどうしたいかが問題だろう。聞けばその異世界にも友人は結構いるじゃねえか。お前はその友人を捨てて、元の世界に帰ると言うのか?土地持ってるんだろう?すげえじゃねえか。環境のいい方に住めよ」「環境のいいほうか・・・」「おうよ、人間は厳しい環境より、より良い環境で過ごした方がいいに決まってるからな。俺はまだ27年しか生きてねえが、自分が一番過ごしやすい環境が何なのかは分かっているぜ?で、どうよ若き俺よ。17歳という不安定な年齢のお前でも分かるだろうよ?お前にとってどちらが良いのかなんてよ?」店長は俺の答えを待っている。俺の過ごしやすい環境?そうだな、環境がいい方に俺はいたいからな。「俺はまだ17年しか生きてませんが・・・自分の一番過ごしやすい環境はもう分かっています」「ほう。まだ考えてもいいんだがなぁ?いいぜ、言ってみな」「当然、三国杏里がいる環境に決まってるでしょう?」店長はニヤリと満足そうに微笑み言った。「だよな。やっぱりお前は俺だぜ」「なら、絶対諦めないで。絶対挫けないで。絶対、帰ってあげて」副店長が俺に言う。「若き俺よ、教えてやるぜ。杏里は・・・俺が知る限りで最高の女だからな」「教えられるまでもないですよ」『・・・さて、杏里さんへの愛を叫んだところで、そろそろ幽体離脱タイムは終わりますよ。お二人とも、お邪魔しました』俺の身体が青白く輝きだす。同時に俺のルーンも形が定まってきた。ルーンの文字はよく分からない。調べてみようかな・・・?異世界から来たと言う珍客は俺達の前から消えた。嘘みたいだが、本当に消えたのだ。彼らは彼らの人生を送るのだろう。さて、まだパンを焼かないとな。俺は一階の厨房へ戻ろうとした。「ねえ、達也」「何だよ?どうやら夢じゃなさそうだぞ?」「いや、それは私も信じざるを得ないんだけど、あの異世界に今いるって言ってたアンタ、その世界でも仲が良い女の子がいるみたいじゃない?アンタなら勝手にそっちで嫁でも作れよって言うと思ったんだけど?」「ああ・・・それね」嫁の質問に俺は答える事にした。「どんな世界だろうと、お前を泣かせるわけにはいかねえからな」達也を看病しているキュルケ達は、眠気と戦っていた。もう駄目・・・と思ったその時、達也の左手を中心に青い光が広がっていくのが見えた。光は達也の身体全体を包んでいく。そして、眩い光が部屋を包んだ。「な、何よ!?」「・・・・・・!!」光が止む。青い光は淡い光を放ったまま、達也の身体を包んでいる。いや、待て。様子がおかしい。まるでミイラのように巻かれた包帯が石灰化している。「タ、タツヤ・・・?」キュルケとタバサが近づいて見る。達也の全身は繭に包まれたようになっている。繭状の物質は石灰の如き固さだった。一体彼の身に何が起きたの・・・?そう思ったその時だった。突如繭に亀裂が入る。青い光が其処から漏れる。亀裂はどんどん広がり・・・完全に割れた。中から現れたのは、達也じゃなかった。「「・・・・・・!!!!!?????」」中から飛び出してきたのは3メートル強の巨大なゴキブリだった。その圧倒的な存在感と醜悪さにタバサは気絶し、キュルケは後ずさる。何故達也が石灰化したのか、何故その中から巨大ゴキブリが出てきたのか、キュルケの理解の範疇を超えていた。ゴキブリはゆっくりとキュルケたちに近づく。キュルケは杖を振り、ゴキブリを燃やそうとした。だが、効果が無かった!ゴキブリは更に接近する。だが、急に苦しみだすゴキブリ。痙攣が激しくなる。そしてキュルケは見てしまった。ゴキブリの腹部から人間の手が飛び出している。いや、突き破ったのだ。そしてゴキブリは断末魔の叫びをあげて・・・破裂した。そのトラウマ的光景。キュルケはゴキブリの破片を顔に浴びながら気絶した。「・・・何か凄い散らかってるんですけど?」『演出上仕方なかったんです。破片はすぐ消えます。彼女達のトラウマは知りませんが』「お前はどういう演出をしたんだよ!?」俺の左手のルーンが青白く輝く。その光と、ルーンの新しい形が何を意味するのかは今は分からん。ただ、碌でもないのは分かる!!『まあ、汚いのもなんですから、片付けましょう。左手をかざしてみてください』「こうか?」俺が散らかった部屋に左手をかざすと、散らばった破片があっという間に消えた。『これぞ『釣り』の新技能、『過剰演出』です!攻撃力は特にありませんが、演出がとにかく過剰に出来ます。今回は貴方の身体を全回復する為の過剰演出として、こうなっちゃった。あのゴキブリの体内が回復ポッドだったんだよ!見た目は非常にグロイが。なお、その『全回復』は新しい『格闘』の新技能です。1日1回、体力が全快可能。ただ使っちゃたら以後3日使えない。これはルーンの私との関係が深まった記念の新技能です。これからもよろしくお願いします』全回復は使えるが、過剰演出は仲間の心に多大なダメージを与える。・・・気をつけて使わないとな・・・。あとそれは四日に一回じゃねえの?回復。カリーヌから与えられた肉体ダメージは本当に全快していた。・・・とりあえず、気絶している二人を看病しないと・・・。俺はタバサとキュルケをベッドに運ぶ作業に移るのだった。(続く)【ボヤキのようなもの】「一体どういうルーン文字にしたんだ・・・」『いや、結構ストレートですよ?』「そうなの?」『はい。面白みはないですけど、いい感じでしたので。それよりまさかのX話シリーズとの共演ですよ』「X話のXはクロスという意味だったのかよ・・・」