朝に目覚めて、いきなり目にしたものが女性用の下着ならば、男性の身としては喜ぶべきなのだろうか。俺としては「ああ、やっぱり夢じゃなかった・・・」と思う光景でしかなかった。その下着は達也の現在の主、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールのものであることは語るまでもなかった。そのルイズは今だ夢の中。寝ている姿は見たことはないが正に天使のようだと思えるし、見ている分は本当に可愛い。そう、可愛かったのだ。ところで話は変わるが、『可愛さ余って憎さ百倍』という諺がある。かわいいという気持ちが強いだけに、ひとたび憎いと思うようになったら、その憎しみは非常に強くなるということだ。ルイズは美少女である。それは認めよう。昨夜も俺が元の世界に帰る手段がないか調べるとまで言ってくれたことだし性格もそこまで鬼ではないようだ。少々うっかり発言もあるが、それも可愛いものなのかもしれない。行動もそれなりに愉快なものがあるし。見方によればこれ程愛すべき女の子も珍しいのかもしれない。しかし俺をRPGゲームに出てくるようなモンスターがうようよいるらしいファンタジックな世界に誘い、結果的に俺の初デートという夢のような時間を完膚なきまでに破壊したのもこの女である。そう思うと、沸々と憎しみの感情が渦巻いてくるのも無理はないと思う。俺がこの悲しい現実に打ちひしがれているのにもかかわらず、お前はなにを幸せそうに寝てやがる。俺のこのやり場のない怒りを思い知るといいよ!喰らえ!俺は寝息を立てるルイズの鼻を塞ごうと手を伸ばした。「何をしようとしているのかしら?」いつの間にか目を覚ましていたルイズの放った拳は俺の顎に綺麗に吸い込まれていき、突然の事でなす術なかった俺は回避も出来ず綺麗な放物線を描くように吹っ飛んだのだった。また狸寝入りだったのか・・・「全く、いきなり使い魔に寝首をかかれそうになったなんて笑い話にもならないわよ。服」「俺も悲鳴より先に鉄拳が飛んでくるなんて思わんかった。・・・これか?」椅子にかかった制服を俺はルイズへ放り投げた。その事についてはルイズは抗議などはしようとはしなかった。「これも使い魔に対する教育の一環と考えなさいな。しかし、やっぱり夢じゃなかったのねと思うわよ、アンタ見てると・・・ふぁぁぁ・・・・・・ッハ!?しまった・・・私は何を・・・!」欠伸をするのは良いが、尻を掻くな。そして今自分がやった事に気づいて自己嫌悪に陥るな。「はぁ・・・そこのクローゼットの一番下の引き出しに下着が入ってるから、適当に選んで渡したら一旦部屋から出なさい」ルイズが指示した通りに俺はクローゼットの引き出しをあけた。その中には下着がたくさん入っていた。「黒の紐パンとか・・・下着は妙に大人っぽいじゃねーか」「ふふん、いい女というのは下着から違うのよ」「自分で言ってて恥ずかしくないですか?」「う、うるさいわね。とっとと選んで、とっとと退室しなさい。着替えたら呼ぶわ。本来なら貴族は下僕がいる時は自分で服なんて着ないんだけど、アンタは何をするか分からないからね」ちっ、こっちの動きを読んでやがる。さっき異性の前でケツを掻いていた女とは思えん。まあ、ここは素直に退室するか。女の子の着替えをガン見するのは紳士的ではないからな。俺が外に出ると、部屋の中から、「ぬぅおおおおおお!!何がいい女だ私ーー!完全に外したぁーーー!!」・・・やはり恥ずかしくなっていたようである。というか女の子が「ぬぅおおおおお!」とか叫ぶんじゃありません。程なくルイズは制服姿で部屋から出てきた。「さ、朝食を摂りに行くわよ。着いて来なさい」先程の醜態なんて無かったかのように俺に命令するルイズ。どうやら落ち着いたようだ。と、その時壁に並んだ三つ木製ドアのうち一つが開き、中から燃えるような赤い髪の女が出てきた。ルイズより高い身長で、むせるような色気を放っている。彫りが深い顔も印象的だ。そして何より、その突き出たメロンのようなバストが凶悪すぎた。ブラウスの一番上と二番目のボタンを外し、胸元を強調しているあたり、彼女自身も、バストには自信があることを想像させる。更には褐色の肌に、健康そうな印象と色気を感じられる。ルイズが「少女」として魅力的であるとするなら、このけしからんバスト魔女は「女性」の魅力をこれでもかと放っていると表現せざるを得ない。まあ、俺は清楚な女性がタイプだから、目の前のバスト魔女のような女は少々苦手な分類と言わざるを得ない。ルイズも彼女に対してはあまり良い印象を持っていないのか、「出たよ、オイ」と今にも言いそうなほど嫌そうな表情をしていた。その彼女はルイズを見るとニヤリと笑った。いじめっ子のような雰囲気である。「おはよう。ルイズ」ルイズは彼女を相手にもしたくない様子だったが、挨拶をされた以上、挨拶を返すしかなかった。「はぁ・・・おはよう、キュルケ」「あなたの使い魔って、それ?」俺を指差して、馬鹿にした感じで言うキュルケ。「そうよ」ルイズは表情一つ変えずに肯定した。内心腸が煮えくり返っているのかもしれない。「あっはっは!ホントに人間なのね!すごいじゃなぁい!」その凄いはどう考えてもいい意味じゃないよね?ルイズは「また始まったよ・・・」とばかりに溜息をついている。「『サモン・サーヴァント』で平民を呼んでしまうなんて、あなたらしいわ。流石はゼロのルイズね」『ゼロのルイズ』という単語にルイズは一瞬反応したかに見えたが、すぐに不敵な笑みを浮かべた。「平民?これはお笑いねぇ、キュルケ。男遊びが過ぎて脳と目が熱でやられちゃったのかしら?」「・・・なんですって・・・?」ぴくっと反応するキュルケを見てルイズはニヤリと表情を歪める。ルイズはそのままの表情で俺を見ながら話を続けた。「私も最初はただの平民と思ったけどねぇ。この子はただの平民なんかじゃなかったわ」「・・・どういうことよ」「ふふん、男に狂って脳がやられたアンタに説明してやるほど私は暇じゃないの。この子をただの平民と思うならそう思っておきなさい。まぁ・・・私から言えることは唯一つだけかしら。キュルケ、あんた、男を見る目がないわねぇ!あーはっはっはっはっはっはっは!!」「言って・・・くれるわね。ゼロのルイズ」「ええ、言うわよ。微熱のキュルケ」・・・怒涛の展開で俺も混乱している。黙っているのはルイズが「話を合わせて」とばかりにアイコンタクトをしてきたからだ。恐ろしい事に、確かに俺は『別の世界から来た』平民で、ルイズ達の世界からすればオーバーテクノロジーにも程がある『科学』の結晶である携帯電話を所持している平民が、この世界からすれば『ただの平民』であるはずがないので、ルイズの言っている事は嘘は無いという事である。能力的にはただの平民と同様であるが。ルイズの誇張大の挑発の効果は覿面であり、先程まで嘲笑していたキュルケの表情は憤怒一色であった。対照的にルイズは余裕の笑みを浮かべていたが。しばらく睨み合ううちに冷静になったのか、キュルケはふんっと鼻を鳴らし「で、でもねルイズ。あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」「へえ・・・」「どうせ使い魔にするなら、人間なんかより、こういうのがいいわよねぇ~。フレイムー」キュルケはどうだと言わんばかりの態度で、使い魔を呼ぶ。ドアの中から大きな赤いトカゲらしきものが出てくる。こういうのが出てくるといよいよもってここが異世界であると痛感する。俺の反応を見て、キュルケはクスリと笑って、「ひょっとしてあなた、この火トカゲを見るのは初めて?」「現物を生で見るのはな。意外におとなしいんだな」「ふふん、当たり前よ。この子はあたしが命令しない限り、暴れもしないし、襲いもしないわ」火トカゲといっても尻尾に火が灯っているわけではないらしい。「これって、サラマンダー?」特に表情を変えず、ルイズは言った。「そうよー。火トカゲよー。見て? この尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ? ブランドもんよー。好事家に見せたら、値段なんか付けらないわよ?」「それは大層素敵ねぇ」はいはいと流すようにルイズは言った。「そうでしょう~?あたしの属性にぴったり」「あんた『火』属性だものね」「ええ、微熱のキュルケですもの。ささやかに燃える情熱は微熱。でも、男の子はそれで、イチコロなのですわ。あなたと違ってね」キュルケ嬢は得意げに胸を張る。・・・ルイズも対抗して胸を張る。まあ、頑張れとしか言えないよ。しかし、俺のご主人様はただ単に対抗するだけではなかった。「ハッ!色に簡単に狂う男達を侍らせた所で、女の価値を下げるだけよ。私はアンタみたいにそこら辺の雑魚に愛嬌を振りまくほど安い女じゃないのよ、お解かりキュルケ?使い魔の事でもそう。ブランド?値段?お笑いね。そんな外面のみに拘る、それがアンタの限界じゃなくて?ミス・ツェルプストー?」「笑わせてくれるわねぇ、ルイズ。男は内面とでも言うのかしら?そんな見えないものに縋っていると、裏切られたとき辛いわよぉ?所詮他人なんて内心何考えているかなんて完全に分かりはしないんだからねぇ。そんな不確かなものより、私の美貌に熱をあげて近寄ってくる、欲望に正直な男達のほうが可愛いものよ?」共に笑っているが空気は最悪である。女の喧嘩は胃に悪い。早くこの場から去ってしまいたい。俺がそう思っていたらキュルケが俺を見つめていた。「そういえば、あなたのお名前を聞いてなかったわね?」「人に名前を尋ねる時は自分が先に名乗るのが紳士淑女の礼儀なんじゃないのかい?」「あら、それは失礼。私は・・・「俺の名前は因幡達也。よろしく」・・・ちょっと」相手より先に自己紹介をするのが紳士としての礼儀であるので問題は無い。「ぷっ・・・くくく・・・」ルイズは笑いを噛み殺していた。別に出し抜いた訳じゃないが、ルイズには俺がキュルケを出し抜いたように思えて痛快だったのだろう。「イナバタツヤ・・・何だか妙な名前ねぇ・・・まあ、そちらが先に名乗った以上、あたしも名乗るべきかしらね。わたしは・・・「タツヤ。この女のフルネームはやたら長いからキュルケで覚えてていいわよ。私が許すわ」ちょっとルイズ?」「何か問題でもあるのかしらキュルケ?あんたはこの子をただの平民として見てるのでしょう?ただの平民にあんたのフルネームを教えても時間が経てばすぐ忘れると思うわよ?この子もこれから覚える事がたくさんあるのだから、無駄な情報は極力減らして、必要な情報を詰め込むべきなのよ。お解り?」ルイズとキュルケの間に再び緊張が走る。この場において気まずいのは双方の使い魔の俺と、フレイムと呼ばれたサラマンダーの1人と1匹であろう。「ふん・・・まぁ良いわ。それがあなたの教育方針だというのならば、あたしが口を挟む義理はないわね」「そういう事よ」「そう・・・なら・・・お先に失礼」そういうと赤い髪をかきあげ、颯爽とキュルケは去っていった。その後ろを巨体に似合わない可愛く機敏な動きでちょこちょことサラマンダーは追っていく。和む。キュルケがいなくなるとルイズは深い溜息をついた。「はぁぁぁぁぁぁ・・・朝っぱらから気分悪いわー。朝会うたびにこんなやり取りは流石に疲れるわよー」げんなりとした様子のルイズ。キュルケと対峙していた時の雰囲気は一体なんだったのかと思えるぐらいに緩い空気になる。「それより見た?私がアンタを『ただの平民じゃない』って言ったときのあの微妙な顔!傑作だったわ!」「愉快なのは分かったから俺の背中をバンバン叩くな」「ま、まあ正直あの馬鹿女が、サラマンダーで私があんたのような奴なのは未だに納得できないものがあるけど・・・まあ、『ただの平民』じゃないのは嘘じゃないしいいでしょう」「出てきたのが異世界の人間で悪かったなぁ。気になったんだが、もし、もしもだ。俺のような平民じゃなくて、魔法を使える・・・お前らの世界だとメイジだっけ。そういう人を召喚したら他の奴らはどういう反応するんだろうな?」「絶対気を使うでしょうねぇ。平民ってだけでも前例がないのに、それがメイジだったら・・・確かに夢は膨らむけど間違いなくこうして軽口は叩けないわね。そう思えれば、ラクよねー・・・ハハハハ」急に落ち込むのは止めてください。本当に感情の起伏が激しい女である。「ところで、ゼロのルイズって?」「ただのあだ名よ。響きはちょっといいかもと思った事も考えたこともあるけど、その意味を考えたらちょっとね・・・ま、今は知らなくても私の使い魔やってればいずれ解るわよ。その意味がね。ただ、私から説明すると私がヤな気持ちになるのよね。だから私の口から説明する事は多分無いわ」「そうかい・・・」俺が少し黙ると、ルイズは少し焦ったようになり、「言っとくけど、胸がゼロという訳じゃないから。ちゃんと成長してるから。」「思考を読むな!!」「うわっ、適当に言ったのに当たっちゃったわ。もしかして私ってば読心の才能があるのかしら?ふふ、隠された力を見つけたわ!」「自分で言ってて恥ずかしくないですか?ご主人様」「・・・・・・にゅわあぁぁぁぁぁ!!せっかくここまでいい感じに決まっていたのにぃぃぃぃ!!!」頭を抱え悶えるルイズ。そういえば何時になったら朝食を摂りにいくんだろう・・・・・・?トリステイン魔法学院の食堂は、学園の敷地内で一番高い真ん中の本塔の中にあった。食堂の中は異様なまでに長いテーブルが三つ、並んでいる。百人は優に座れるであろう。どうやらテーブルは学年ごとに分かれているらしく、二年生のルイズたちのテーブルは真ん中だった。学年ごとにマントの色は違うらしい。左側に並んで座ってる、ちょっと大人びたメイジは恐らく、三年生だろうか。だとすれば反対側の茶色のマントを身に着けているのはおそらく一年生だろうと俺は判断した。一階の上にはロフトの中階があった。大人メイジたちが歓談をしている。すべてのテーブルが豪華な飾り付けをされている。いくつもの蝋燭が立てられ、色とりどりの花が飾られ、籠にみずみずしいフルーツが盛られていた。「やたら豪華な食堂だな」「そりゃまあ、まがりなりにも貴族が使うところだし、ある程度豪華にしなきゃ、クレーム付ける馬鹿もいるからその対策で色々豪華なのよ。表向きは『貴族は魔法をもってしてその精神となす』のモットーのもと、貴族たる教育を存分に受けるってことになってるけど、実情はそうらしいわ」この世界にもモンスターペアレントみたいなもんがいるんだな・・・「貴族は贅沢して平民を扱き使ってまた贅沢して・・・こんな環境じゃそんな貴族が増えるだけじゃないの?と私は思うんだけどねぇ」随分と辛辣である。なら何故お前はこの学院にいるんだ。「ま、何だかんだ言って、学業のレベルは高いからね。学費は高いけど」「聞けば聞くほどセレブな環境だな」「まあ本当ならアンタみたいな平民は本来この『アルヴィーズの食堂』には一生入れないからねその辺は感謝してもいいわよ」「はいはい、嬉しくて涙が出そうですぅ。所でアルヴィーズって何だ?」「はいはい。アルヴィーズは小人の名前よ。ほら、周りに像がたくさん並んでいるでしょう」壁際には、匠の技と評価されてもいいほど精巧な小人の彫像が並んでいた。「・・・妙にリアルだな。あれ、夜中にタップダンスとか踊ったりしない?」「よく知ってるわねー。何?アンタの世界にもそういうのがあるの?」「踊るのかよ」是非日本人として、盆踊りとヒゲダンスを教えたい衝動に駆られる。「そんなことはどうでもいいから、椅子をひいて頂戴。これも使い魔の仕事よ、自称紳士の使い魔さん?」「おっと、こりゃ気がつきませんで。どうぞご主人様。お座りください」「座る直前に椅子を思いっきり引いたら殴るわよ?」「それはそれでオイシイ展開になるかもしれんが、しないからさっさと座れ」「あら、やらないの?私がキュルケにやった時は楽しかったんだけどね。けどまあ、そりゃそうよねぇ、何たって私の使い魔は自称とはいえ紳士ですものー」やかましい!ニヤニヤしてないでさっさと座りやがれぃ!しかし朝から無駄に豪華だ。でかい鳥のロースト、鱒の形をしたパイ、ワインなどが並んでいる。朝は白米に味噌汁に魚、たまに納豆なのが正義な俺にとっては、胃もたれが心配なラインナップである。というかこいつらは朝からこんなに食うのか?大食漢だなおい。どこぞの戦闘民族じゃあるまいし。「あんたの食事はアレよ」ルイズは床を指差した。そこには、皿が一枚置いてある。その皿には申し訳程度に肉のかけらが浮いたスープが揺れている。皿の端っこには硬そうなパンが二切れ置いてあった。わびしい。「本来使い魔は外なんだけどね。まあ人間のアンタを他の使い魔と同じ食事にしちゃ流石に私の良識を疑われるし。だからといって、貴族と同じ席に座らせるのも常識的にありえないから、床で食べて」「明らかに足りませんが。量的な意味で」「心配は要らないわ。冷静になって考えて御覧なさい。朝っぱらからこれだけの量よ?全部食べるなんてほぼ不可能に決まってるじゃない。私だってね、アンタを元の世界に戻すために動いてやるって言った手前、アンタに餓死でもされたら私や家の名前に傷がつくの。そんなの御免だから、余りモノで良いなら施してやるわよ」それでも結構であります!俺はこの瞬間、ルイズを間違いなく尊敬した。「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧をわれに与えたもうたことを感謝いたします」そんな祈りの声が唱和されていたが、どこがささやかやねん。ささやかなのは俺の食事のほうだ。いや、スープ自体はなかなか美味しかったんですけどね。ルイズがこっそり施してくれた鳥肉もかなり美味かった。だが、腹の立つごとに、メイジたちはこの豪華な、始祖や女王に与えられたらしい食事をかなりの量残して席を立っていってる。ルイズも「勿体ないわね・・・」と呟いている。まあ、当の本人も残してはいるが。これではせっかくお前らのために料理してくれた人々に失礼極まりないではないか。まあ、朝からこんな豪勢なモン出す方も、色々どうかしてるんですけどね。「それも貴族の見栄ってやつなのよ。」ルイズが自分が食べ切れない分を俺の皿に次々と渡しながらそう言った。・・・さっきから鶏肉ばっかりくれるなお前。「・・・最近体重が思わしくなくてねぇ・・・全く、少しばかり栄養が胸に行けばいいのに、増えるのは体重でバストじゃないとかありえないわ。そう思うでしょう?」知らんがな。 【続く】【あとがきのような反省】あれ・・・?ルイズが主人公みたいになってる?