横島を書いていると変なテンションになる作者です。
とりあえず落ち着きましょう。
博麗の巫女御用達のお茶でも、口に含んでご覧ください
ササ、ドゾドゾ♪ (*`▽´)_旦~~
第6話
紅魔館の地下へと続く階段。
「ふははははははーー!!」
そこを、奇声をあげながら駆け下りる変質者が一人、横島忠夫である。
「運命!! ああ、何と甘美な響き! それは男と女を結びつける赤い呪縛! そう、そして運命が導く先にあるのは――」
『美鈴さん、咲夜さん、きっと僕と君達が結ばれるのは、赤い糸が定めた運命だったのさ』
『『横島さん……』』
「ハーレムじゃぁぁあああーーー!!」
更に加速し、砂埃を撒き散らしながら地下へ駆け下りる。
そして地下へと降り立った横島の視線の先、地下道の最奥に、大広間にあった扉より更に重厚な作りの扉がある。
周囲の暗さも相まって、不気味な雰囲気を醸し出している。
もっとも、今の横島にはそれがハーレムへの扉にしか見えなかったが。
「おっじゃまっしまーーす!!」
何の躊躇もなく、というより勢い良く横島は扉を開け放った。
元気よく扉を開け放った先、ベッドの上にちょこんと座る少女が一人。
「あなた、誰?」
フランドール・スカーレットはきょとんとした様子で闖入者を見つめた。
「はじめまして! ぼく横島っていいまーす! 君のお姉さんに一緒に遊ぶよう頼まれました!」
邪を宿した横島はハイテンションで、知らぬ間にドでかい死亡フラグを打ち立てた。
「私と遊んでくれるの?」
フランの目が怪しく光っていることに、横島は気付かない。
「もちろん。俺は遊びの達人だからな、どんな遊びでもいけるぞ。んじゃ、何して遊ぼうか?」
「えーっとね」
フランは嬉しそうに羽をパタパタと動かしながら。
「弾幕ごっこ!」
満面の笑みで言った。
「――はい?」
横島の思考が一瞬静止する。
「じゃあ、いくよー」
止まった横島などお構いなしに、フランは嬉々として妖力弾を作り出し、
「それ!」
横島へと放つ。
「のわッ!?」
反射的に飛来してきた妖力弾を避ける横島。
ドンッ
妖力弾はそのまま扉に直撃し、大穴を空けた。
「……え゛」
唖然と、引き攣った顔で横島はそれを見つめる。
「あはは、ちゃんと避けたね。じゃあ、もっといくよ?」
楽しそう、否、愉しそうにフランは笑いながら、幾つもの妖力弾を周囲に展開する。
その全てが、今しがた扉に大穴を空けた妖力弾。
あんなもんで弾幕張られたら命がいくつあっても足りやしない。
「ああああのー、もっと安全な遊びを致しませんでございましょうか!?」
「ヤダ」
動揺する横島の提案を一蹴するフランの目はギラギラと輝いている。
ヤバい。何がって、目がヤバい。
横島はフランのような危ない目をした奴を何人も見てきている。
たとえば、
『倒幕派だなっ!? 不穏分子だなっ!? 斬る斬る斬る斬るーーーッ!!』
某映画の登場人物とか。
『実を申しますと私、生きた人間を斬るの初めてなんですの。ああ、楽しみですわ……!!』
GS試験の時にいたねーちゃんとか。
『ふふふ、美しい! なんて美しいんだ俺は!! ママァーーーーッ!!』
雪乃丞とか。
ちなみに共通点は、みんなしてアブない連中。
フランが知れば「あんなイロモノ連中と一緒にするな!」とキレるだろう面々を思い浮かべながら。
「フ……」
横島は諦めの気持ちで、でもどこか納得したような表情で息を吐き出し。
「結局こういう運命かぁーーー!!」
クイックダッシュで逃げ出した!
「あはは、待てー」
その後を怖い笑顔を浮かべて飛んで追いかけるフランドール・スカーレット。
「待てと言われて待つ奴がいるかぁーーー!!」
……そんな返答できるあたり、意外とまだ余裕ありそうだった。
「ひぃーー! 死ぬぅーーー! 死んでしまうぅーーー!!」
泣きながら廊下を駆け抜ける横島。
「あははははは、逃げるの速いね! でも逃がさないよ!」
フランは弾幕を横島に放つ。
「のわーーーー!!」
弾幕が横島のすぐ傍の壁や階段に着弾して破壊するが、
「助けてーー美神さーーん!!」
泣き叫びながらも横島自身は大袈裟な動きでそれを避けていく。
……ギャグ補正の入っている横島に攻撃を当てることはなかなか困難なことなのかもしれない。
弾幕を避けながら廊下を曲がる横島。
「あはは! すごいすごい!!」
逃走しながらも弾幕を避けきった横島に、フランは更に上機嫌になってそれを追いかけ――。
「サイキック猫だまし!!」
「きゃっ!?」
曲がり角を曲がった瞬間、強烈な光がフランの視界を覆った。
「ううー、目がー」
「ふははは! 伊達に今まで生き残っておらんのじゃー!!」
一時的に視力を失ってよろけるフランを後目に、横島はドップラー効果を残しながらもの凄いスピードで逃げ去っていった。
「ふー、何とか撒いたか」
でっかい図書館みたいなところまで逃げて来て、ようやく横島は一息吐いた。
「あんな危険な奴と遊べるかってーの。今度雪乃丞でも紹介してやるか」
さらっと友人を生贄にしようと画策する横島。
まあバトルジャンキー伊達雪乃丞なら喜んで引き受けるかもしれないが。
「今のうちに、この館から脱出しなければ……」
新たに現れたニューバトルジャンキー(横島視点)から逃げる為、横島は今後の方針を考え始め、
「あれ、お客様ですか?」
「はじめましておれ横島忠夫っす!!」
「え? は、はあ、私は小悪魔と言います」
小悪魔を見た瞬間、脱出のことを忘却した。
美少女、美女との出会いは何よりも優先されるのである。
「あの、たぶん外来人の方ですよね? どうしてここに?」
格好から推測した小悪魔は横島に尋ねる。
横島の答えは、
「第5話を参照してください」
「メタな発言はやめてください」
いろんな意味で問題発言だった。
「小悪魔、誰か来ているの?」
そこへ、本棚の向こうから第三者の声がかかる。
「あ、パチュリー様」
小悪魔が本棚を一つ曲がると、テーブルに多数の本を載せて、椅子に座って本を読んでいるパチュリー・ノーレッジの姿がそこにあった。
「はい、外来人の方が――って、あれ?」
隣にいたはずの横島がいつの間にか消えており、小悪魔は首を傾げる。
その時、
「やあ、そこのお嬢さん」
上の方からやたらと爽やかな声が降り注ぐ。
反射的に二人が声のした上へと振り返ると、
「俺は横島忠夫って言うんだ」
本棚の上で目をキラキラとさせた横島忠夫がいた。
「……誰?」
「……何してるんですか、貴方?」
パチュリーは呆れた様子で、小悪魔はでっかい汗をかきながら問う。
というか、いつの間に登ったのだろうか。
そんな二人を余所に、横島スキャンはパチュリーを解析していた。
(読書の似合う図書委員タイプ、だが気弱さがなさそう。
あの冷たい感じ、性格はおそらくクール系と見た。今までに出会ったことのないタイプだな。
つまり未知との遭遇! 飛び掛かれば何が起こるかわからない。
……フ、何を恐れる横島忠夫。未知がどうした? そこに美女がいるのだ!
そっけなくフラれる? ゴミを見る目で見られる? それがどうした。悲しいがいつものことじゃないか!
未知とは突き進むもの、もしかしたらいい感じになる可能性だってあるのだ!
そして見よ、何より胸がでかい!
服に隠れてわかりづらいが、俺にはわかる。あの胸はでかい!!
何度でも言おう、あの胸は間違いなくでかい!!
そう、あの胸に向かって飛び込めばそこには素晴らしい世界が広がっているに違いないのだ!!
さあ、勇気を振り絞れ俺! 未知を照らせ! 今こそ飛び立つ時なのだ!!
成功すればあの胸であーんなことやこーんなこともぉおお!!」
「火符『アグニシャイン』」
「ぎゃーー!!」
突如湧きあがった炎が、血走った目である一点を凝視していた横島を包み込んだ。
焦げた横島は本棚の上から地面へと落下する。
横島の未知への挑戦は、飛び立つ前に終わった。
「思ったことが口に出ているわよ」
本に目を落としながらパチュリーが口にする。ちなみにさり気なく青筋がたっていたりする。
「ズンマゼン……」
身体の所々が灰になりプスプスいった状態で謝る横島。
「あの、どうして生きてるんですか?」
引き攣った顔で尋ねる小悪魔の疑問は、答えるべき相手がピクピクと虫の息だったのでスルーされた。
「レミリアお嬢様に招待されたというのなら、お客様ですね」
「レミィも物好きね、こんなのを招くだなんて」
「なんかひどい言われようなんですけど?」
紅魔館に来た事情を説明したら、こんなの扱いされた横島。
「ところで、招待されたはずのお客様がどうしてここに?」
「いやー、なんか妹と遊んでと頼まれ――あ゛」
現状を思い出し、ピシッと固まり血の気が引いていく横島。
そして、タイミングを図ったかのように可愛らしくも恐ろしい声が大図書館へと届く。
「横島ー! どこに行ったのー!? 逃がさないよー!」
「ゲェ!? しまったぁーー! 追われてるの忘れてたー!?」
「それって忘れますか、普通?」
ついさっきまで命の危険に晒されていたことを素で忘れていた横島は思わず頭をかかえ、そんな横島に小悪魔は何度目かの汗を浮かべた。
「貴方、妹様に追われているの?」
「そーなんス! というわけで匿ってください!!」
聞こえてきた声の感じから、おそらくこの図書館の近くまで来ているのだろう。
かなり切羽詰った様子で懇願する横島に、パチュリーは軽く溜め息を吐いて奥にある扉を指差す。
「あそこの扉を開けるといいわ」
「ありがとうございます!! ああ、人の優しさが心に沁みる……!」
人ではなく魔法使いなのだが、横島が知る由も無い。
さっき冷たそうな感じって思ってごめんなさい。
クールな外見とは裏腹に心の中はおキヌちゃんとか小鳩ちゃんレベルの優しさに満ちているに違いない。
魔法使いの優しさに触れて綺麗な涙を流しながら、横島はガチャリと指差されたドアを開けて。
「あ、見つけたー!」
ドアの向こう側はフランがいる廊下でした。
「騙したなチクショォオオーーー!!」
裏切られた悲しい涙を流しながらパチュリーへ叫んだ。
フランは横島を見ながら嬉しそうに翼をパタパタと動かしている。
あと、さっきまでより目がギラついているように見えるのは気のせいだろうか。
「匿うなんて一言も言っていないわ。それに貴方がいると埃が舞うもの。私、喘息だから」
「俺の命は埃以下なのかぁああーーー!!」
「あはははは!」
笑いながら横島へと飛んで来るフラン。
「生き残ってやるー!! 埃だって生きたい気持ちがあるんやーー!!」
錯乱してよくわからないことを口走りながら逃げ出す横島。
再び始まった追いかけっこは扉の向こう側へと消えていき。
「……」
「……」
後には何事も無かったかのように読書を再開するパチュリーと、静かに横島の冥福を祈る小悪魔の姿だけがあった。
「待て待てーー!!」
「ひぃいいーー!!」
館の中に響き渡る無邪気な声と悲鳴。
「フフ、やっているようね」
「そのようです」
レミリアはテラスで紅茶を嗜み、咲夜はその給仕をしている。
「しかし、あの調子ではそう長くも持たないかと……」
「そうかしら?」
咲夜とは違った感想を持つレミリア。
「あー! あんなところにあんなものがー!!」
「え? なに?」
「戦術的てったーーい!!」
「あ、あー!? 騙したね!!」
「世の中騙し合いじゃー! 俺もさっき騙されたんやー!!」
「じゃあ私も。あー、あんなところに咲夜だー!」
「なにぃいいいーー!!」
「禁忌『クランベリートラップ』」
「ギャーー!!」
ドーン
ガシャーン
ドカーン
「ぬおぉおおーーー! 死んでたまるかぁーー!!」
「あははは! 私のスペルカード避けきった、すごいすごい! どんどんいくよー!」
「みっかみさぁーーーん!! おキヌちゃんでもいいから助けてぇーー!!」
ドカーン
パリーン
「……確かに、もう暫くは持ちそうですが」
そう答えた咲夜の声は、どことなくぎこちない。
「……」
レミリアは無言のまま、紅茶を口に運ぶ。
確かに、あの調子なら横島とフランの追いかけっこはもう暫く続くだろう。
館内を盛大に破壊しながら。
「……咲夜、後で廊下の修復をお願い」
「……畏まりました」
レミリアは顔を少し引き攣らせてティーカップをテーブルに置く。
咲夜は恭しく頭を下げていた為、その表情を見ることはできなかった。
「ふふ、とうとう追い詰めたよ?」
「ひぃいいーー!」
廊下の行き止まりにまで横島を追い込んだフラン。
「久々にとても面白かったから、最期はとっておきのスペルカードで遊んであげるね」
「イヤー! 最期って漢字がもうアウトやないかー!」
最期:命の終わるとき。死にぎわ。臨終。
「それじゃ――コワレナイヨウニガンバッテネ」
「あ、あぅ!」
もうアカン。何がって、目がアカン。
あの目は、あの目は――。
『古代のくされ悪魔が……!! よくもこの私の理想的体重をここまでにしてくれたわね……!!』
悪魔グラヴィトンの呪いにかかった時の美神さんとか。
『たまってる借りを、百兆倍にして返すッ!!』
アシュタロスの罠に嵌められた時の美神さんとか。
『よぉ~こぉ~しぃ~まぁ~~~……!!』
俺に折檻寸前の美神さんと同じ目だ。
「ままままま待った!! いいのあげるから、ね!? ねッ!?」
このままじゃ未来永劫地獄の業火を味わい続けそうな錯覚に突き動かされて、横島は声をあげる。
「へぇ、何をくれるの? ツマラナイモノだったらすぐコワシチャウヨ?」
それは貰い物を、ですか? それとも俺を、ですか?
クスクスと哂うフランに、横島はガタガタと身体を震わせながら手を差し出す。
「はい、手を出して」
「ん」
手を出したフランの掌に、横島はそれを握らせる。
『眠』
パタン
瞬間、フランは急激な眠気に襲われ、そのまま床に倒れこんで眠りについた。
「ぜー、ぜー、死ぬかと思ったぁ……」
フランが眠ったのを確認した横島は、へなへなとその場に座り込んだ。
横島の手には『眠』と書かれた文殊がある。
出し抜きあいならフランより横島の方が何枚も上手なのだ。
「今度こそ、今のうちに逃げてやる……! 生きて人里に帰って慧音先生に抱きついてやるんだ……!」
そんなことしたら帰っても頭部挫傷で死んでしまいそうだが。
悲壮な決意を胸に、横島はフランを避けてそーっと歩き出し――。
「ぅ……ん……」
「……」
その足を止めた。
「うぅ、俺ってつくづく甘いよなー」
眠っているフランを背負いながら、横島は紅魔館の廊下を歩く。
人気のない廊下で眠っているフランを見て、なんか放っておくのも気の毒に思ってしまったのだから仕方がない。
せめて誰かと会うまでは目を覚ましませんように、と割と切実に願いながら、横島は廊下を歩く。
幸いなことに、その願いはすぐに叶った。
「あら?」
「あ、咲夜さん」
咲夜は横島を見て、正確には横島に背負われているフランを見て、微かに目を丸くする。
「横島様。妹様はいかが致したのでしょうか?」
「えーっと、遊んでいる最中に疲れて眠っちゃった、みたいな……」
あははー、と笑って誤魔化す横島を咲夜は暫く見つめて、クスと小さく笑った。
「――そうですか。わざわざ地下の部屋まで運んで下さるのですね、ありがとうございます」
「いえいえって、地下まで?」
横島としてはここでフランを渡してサヨナラ地獄、こんにちは生存、生きてるって素晴らしい、といきたかったのだが。
「私が道案内を致しますので。それとも、ご不満でしょうか?」
「あ、いや、全然大丈夫ですハイ!」
美女の頼みは断らない横島。ついでに咲夜とお近付きになれるチャンスでもある。誰が断るか!
「あ、でも俺が背負っているより、咲夜さんの方がいいんじゃないスかね?」
でもちゃっかり保険を求める横島。
それを咲夜はゆっくりと首を横に振った。
「できればそのままでお願い致します。そちらの方がよろしいかと思いますので」
「は、はあ……そうスか」
何がよろしいのか全然わかんないまま、絶対に目を覚ますなよ、と心の中で叫ぶ横島。
咲夜の言葉に、背中に背負っているフランの肩がピクリと動いたことには、終ぞ気付かなった。
紅魔館から奇跡の生還を果たした横島は、その翌日。
「妹様が、是非とも横島様とまた遊びたいとのことで――」
「死ぬわぁーーー!」
咲夜から再び地獄への誘いを受けていた。
「あんな遊びやってたら命がいくつあっても足りんわ!」
「では、来て下さらないと?」
「当たり前や!」
横島はうがーと吼えながら拒否する。
「そう、ですか。残念です……」
途端、咲夜は悲しそうに顔を伏せた。
「え? いや、あの……」
あたふたと目に見えての動揺を浮かべる横島。
「私個人としても、貴方には来て貰いたかったのですが……」
「え!?」
横島はドキーンと胸をときめかせる。
(まさか、俺にも春ですよー!?)
「それに――」
混乱する横島に、咲夜は顔を俯かせたまま言った。
「美鈴も、寂しげな表情で貴方の名前を呟いていました――」
「いざ紅魔かーーん!!」
脳内からいろんなことを吹き飛ばして、ニトロダッシュで紅魔館へ駆け出す横島。
既に遠くなった横島の後ろ姿を見つめながら、
「でも、それは私の聞き間違いのようでした」
ニヤリと口元を歪める咲夜。その笑みはまさに悪魔の従者である。
「フフ、そろそろ横島が来るころね」
「随分と買っているのね、あの男のこと」
テラスでティータイムを楽しみながら会話を交わすのは、レミリアとパチュリーの二人だ。
「買うに決まっている。あんな冴えなさそうな男が、フランを気絶させたのだぞ? 本当にどこまでもふざけた男だ」
フラン自身も何をされたのかわかっていないらしい。
追い詰めて、何かを握らされた瞬間に眠ってしまったとか。
「あいつの運命はあり得ないほどコロコロと変わるくせに、死ぬ運命だけは決して見せない。その運命も、行動も、見ていて実に面白くて仕方がない」
含んだ笑みを零すレミリア。
「美鈴さーーーーん!!」
「またあなたですかーー!?」
門のあたりが騒がしい。どうやら横島が来たようだ。
「さて、フランに横島が来ることを教えてあげないとね」
騒ぎを聞いた瞬間に席を立ち、軽い足取りで館内に消えていくレミリアを見て、パチュリーはポツリと呟いた。
「私には、妹に遊び相手ができて嬉しそうなだけにしか見えないわよ、レミィ」
遊び相手に任命された横島は不幸としか言いようが無かったが。
「横島ーーー!!」
「ぎゃーーーでたぁーーーー!!」
「あはは! 待てーーー!!」
まあ、死ぬことは無いと思う。たぶん。
あとがきっぽいやつ
運命と書いてオチと読ませる男、横島忠夫が幻想郷にきて最初に使う霊能力はサイキック猫だましと心に決めていました(笑)
次回は永遠亭。横島覚醒します。
永琳の年齢と同じぐらい待って頂ければ書けま――グサッ
このSSは、作者が矢で射ぬかれた為、完結しました。
ご愛読ありがとうございました。
行くぜ、ニコニコ超パーリィー!(予定)