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No.16660の一覧
[0] 奴が幻想入り(東方×GS)[空之風](2012/04/19 20:06)
[1] プロローグ[空之風](2012/02/15 23:31)
[2] 第1話[空之風](2010/03/27 09:32)
[3] 第2話[空之風](2012/02/15 23:34)
[4] 第3話[空之風](2012/02/24 19:02)
[5] 第4話[空之風](2012/04/19 20:06)
[6] 第5話[空之風](2012/02/24 19:09)
[7] がいでん1[空之風](2012/02/24 19:11)
[8] 第6話[空之風](2012/02/24 19:32)
[9] がいでん2[空之風](2012/04/19 20:03)
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[16660] 第2話
Name: 空之風◆6a02351e ID:0b7b8ed0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/02/15 23:34
なぜか続いたし。

太く短く、いきます。






その日、その時までは博麗神社は平和だった。

「暇ね」

縁側でお茶を淹れながら、博麗霊夢はポツリと呟く。

「暇だな」

同じく呟いたのは、呼んでもいないのに毎日のように神社に来る霧雨魔理沙だ。

「最近は異変も無いし、妖怪たちも大人しいし、暇ね」

「そこは普通、平和って言わないか?」

魔理沙の言葉を平然と無視して、霊夢はお茶を啜る。





その平穏は、彼女たちの目の前に現れた空間の裂け目によって打ち砕かれる。




いろんな意味で。





「噂をすれば妖怪のご登場、だな」

「はぁ、面倒なのが来たわね」

霊夢は溜め息を吐いて、いきなり訪問してきた紫に対して文句でも言ってやろうと思い――。








「……――ぁぁぁぁあああああ!!」



ぐちゃっ







ドップラー効果と共にスキマから物凄い速度で落下してきて、そのまま石畳に顔面から落ちた男を見て思考が止まった。

なんか着地音が、何かが潰れたような音だった気がするのだが。

魔理沙も動きが完全に停止しているし。

男は頭から血を流してピクリとも動かない。

そこへ別のスキマが出現し、紫が姿を現した。

「ふふ、ごきげんよう」

地面に着地して、平然と挨拶する紫。

その足元には物体Xと化した男性。



「あ、あ、あんた、な「なにさらすんじゃーーー!!」――っ!!」



霊夢が詰め寄ろうとした瞬間、物体Xもとい横島ががばっと起き上がって紫に詰め寄っていた。

ちなみに頭は血まみれのままだ。

霊夢は驚きのあまり心臓が一瞬停止して、

「うおっ! 生きてる!? ということは妖怪か!!」

魔理沙が本気で新手の妖怪だと勘違いしている事など余所に、紫は平然と答える。

「あら、あなたならこの程度の傷ぐらい大丈夫でしょ。私の弾幕を真正面から受けても平気だったんだから」

「だからって殺す気かぁぁ!!」

「ちなみに、幻想郷には美女がいっぱいいるけど」


「案内ありがとうございました!!」


短時間で横島の扱い方を覚えてきたあたり、流石は妖怪の賢者である。

そこへ、ようやく再起動をはたした霊夢が二人に詰め寄る。

「ちょ、ちょっと、何がどうなってるのよ! いったい誰よ、この……人?」

質問の最後が疑問形なのは、仕方がないことなのかもしれない。

「いちおう彼は人間です」

数ある質問の中、真っ先にその疑問に答えてあげる紫。

そのまま続けて彼のことを紹介しようとした途端、



「やあはじめましてこんにちは巫女さん! ぼく横島忠夫!! どうです一緒にお茶しませんか!?」



目にも映らぬ速さで霊夢の両手をがっしりと掴んでナンパする横島。

「ふふ、やっぱり」

「おお、あの霊夢が異性に誘われてる!?」

予想通りだと言わんばかりの紫と、珍しいもの見たと言わんばかりに目を輝かせる魔理沙。

共通しているのは、どっちも面白いものを見る目で傍観していることだ。


「ああ、脇が丸見えだなんて、なんて素晴らしい巫女さんなんだ!

 サービスなのか、これが幻想郷流のサービスなのか!?

 素晴らしすぎるぞ幻想郷!!


くわっと目を見開いて絶賛する横島。

「ちょ!? 本当にいったい何なの! というか、何で怪我治ってるのよ!?」


「愛の力で治りました!!」

「うそつけーー!!」




ずどーーーん



「――ハッ! やば、つい全力で弾幕を放っちゃった!!」

「れ、霊夢、そりゃやばいだろ!」

何せ博麗霊夢と言えば(本人が否定しようとも)幻想郷では泣く子も黙る畏怖の対象だ。

弾幕勝負ならばたとえ相手が大妖怪だろうと神だろうとぶちのめせる人間である。

その全力を叩きつけたとなれば、二人が慌てるのも無理はない。

そして、それの直撃を受けた横島は……破魔札の爆発でぷすぷすと丸焦げになっていた。

ピクピク動いているあたり、死んではいないらしい。

まあ、割と見慣れた光景なのだが、それを霊夢と魔理沙が知るはずもない。

「お、おい、大丈夫か!?」

見かねた魔理沙が横島に近づく。

それを黒こげになった横島が、首をギギギッと動かして魔理沙を視界に収めた瞬間、



――美女、発見。

――ターゲット、ロックオン。




「おっじょうさぁぁーーーん!!」


一瞬にして完全復活し、ルパンダイブで魔理沙に飛びかかった。

焦げた跡などもはや微塵もない。

「「ええぇぇぇーーー!?」」

あまりのデタラメさに霊夢も魔理沙も驚愕し、更に身の危険を感じた魔理沙はほとんど反射的に八卦炉を取り出し、


「ま、マスタースパーク!!」


つい十八番のスペルで横島を迎撃した。


「ぎゃあぁぁあああ――……!!」


魔力の光に包まれる横島。光の帯が空中を貫き、それが収まった後、


どさっ


再び丸焦げとなった横島が地面に落ちた。

「……」

「……」

「……」

怒涛過ぎる展開に、霊夢と魔理沙だけでなく紫すら絶句する中、


「ふ、ふふふ、いきなり美女が二人も……幻想郷、ばん……ざい!」


横島と黒焦げのままふらふらと手をあげてガッツポーズを決めていた。

「なぁ紫。アレ、本当に人間なのか? 思わずマスタースパーク放っちゃったけど無事っぽいし。流石に凹むぞ」

「うーん……少なくとも妖怪ではないわ」

ここまで来ると、紫も横島人外説の方がすごく説得力あるような気がしていた。

「また宇宙人じゃないの。月の民って死なないんでしょ」


「それはないでしょう。だって彼、穢れだらけだし」


「「確かに」」

霊夢と魔理沙は大きく頷いて納得した。







「つまり、コレは普通の外来人じゃないってこと? まあ、いろんな意味で普通じゃないってのは充分にわかってるけど」

紫から説明を聞いた霊夢が、横島を指して確認する。

「そういう事になるわね。少なくとも幻想郷にはすぐに馴染めるでしょう」

「なんでコレ扱いなんだ、俺……」


「まだお前が人間だって決まったわけじゃないだろ?」


「俺は人間だーーっ!!」


魔理沙の物言いに涙を流して訴える横島を余所に、紫と霊夢は話を続ける。

「それで、どうしてここに連れて来たの?」

「彼に幻想郷のルールを教えてあげてくれないかしら」

「嫌よ、めんどくさい。あんたがやればいいじゃん」

「私は彼の世界を探すのに忙しいの」

「どういう風の吹き回し? あんたが人助けだなんて」

胡散臭そうに紫を睨む霊夢。紫は扇子をと口元に当てて「ふふ」と含み笑いを溢す。

「別に、ただ見てみたいだけ――彼の言っていた世界を」

紫は空間にスキマを作ると、誰が止める間もなくその中へと入り込み、

「ちょっと――」

「それじゃ、後はよろしくねー」

などと手を振りながらスキマを閉じた。

その場に残された霊夢、魔理沙、そして横島。

自然と霊夢と魔理沙の視線は、横島へと注がれる。

「あのー……俺はどうすればいいんでごぜーましょうか?」

「どうするって言われてもねぇ」

はぁ、と溜め息を吐く霊夢。

幻想郷にも様々なものたちが住んでいるが、まさか並行世界の人間(?)まで……いや、前にもいたな、イチゴ好きなそんな奴。

「とりあえず、幻想郷について教えればいいんじゃないのか? スペルカードルールとか」

「じゃあ魔理沙が説明しなさいよ」

「別にいいぜ。面白い話が聞けそうだしな」

おそらく、さっき紫が軽く触れた横島のいた世界というものに興味津々なのだろう。

何せ、外の世界が幻想郷そのものだとか言っていたし。

「えっと、横島だったっけ?」

魔理沙は横島の方へ振り向いて答えた。

「私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ。これから幻想郷について教えてやるから、よろしくな」






「はい! じゃあまずは幻想郷一の美女がいる場所を教えて下さい!!」



「いきなりそれかー!!」


煩悩全開な横島の頭を箒でしばき倒す魔理沙。

それを見ていた霊夢は、何度目になるかわからない溜め息を吐いた。






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