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No.16394の一覧
[0] F REAL STORY  【スーパーロボット大戦Fっぽい】 [まくがいば~](2010/02/18 22:25)
[1] F REAL STORY  プロローグ01 【これだけR-15位】[まくがいば~](2010/02/22 22:20)
[2] F REAL STORY  プロローグ02[まくがいば~](2010/02/23 23:05)
[3] F REAL STORY  幕間 -私がいない所で-[まくがいば~](2010/02/14 22:47)
[4] F REAL STORY  第一話 Aパート[まくがいば~](2010/02/22 22:16)
[5] F REAL STORY  第一話 Bパート&幕間[まくがいば~](2010/02/18 22:24)
[6] F REAL STORY  第二話 Aパート[まくがいば~](2010/02/22 22:08)
[7] F REAL STORY  第二話 Bパート&幕間[まくがいば~](2010/02/21 00:32)
[8] F REAL STORY  第三話 Aパート[まくがいば~](2010/02/23 22:31)
[9] F REAL STORY  第三話 Bパート[まくがいば~](2010/02/24 23:37)
[10] F REAL STORY  幕間  -私のいない所で-[まくがいば~](2010/02/27 22:04)
[11] F REAL STORY  第四話 Aパート[まくがいば~](2010/03/02 17:08)
[12] F REAL STORY  第四話 Bパート[まくがいば~](2010/03/06 21:49)
[13] F REAL STORY  第四話 Cパート[まくがいば~](2010/03/06 21:53)
[14] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/03/09 00:09)
[15] F REAL STORY  第五話 Aパート[まくがいば~](2010/03/11 21:19)
[16] F REAL STORY  第五話 Bパート[まくがいば~](2010/03/16 21:47)
[17] F REAL STORY  第五話 Cパート[まくがいば~](2010/03/17 22:32)
[18] F REAL STORY   幕間[まくがいば~](2010/03/28 20:29)
[19] F REAL STORY  第六話 Aパート[まくがいば~](2010/03/28 20:30)
[20] F REAL STORY  第六話 Bパート[まくがいば~](2010/04/02 22:08)
[21] F REAL STORY  第六話 Cパート[まくがいば~](2010/04/02 22:12)
[22] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/04/05 23:17)
[23] F REAL STORY  第七話 Aパート[まくがいば~](2010/04/08 22:36)
[24] F REAL STORY  第七話 Bパート[まくがいば~](2010/04/11 22:00)
[25] F REAL STORY  第七話 Cパート[まくがいば~](2010/04/13 18:47)
[26] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/04/15 21:25)
[27] F REAL STORY  第八話 Aパート[まくがいば~](2010/04/19 21:29)
[28] F REAL STORY  第八話 Bパート[まくがいば~](2010/04/21 23:11)
[29] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/04/24 22:58)
[30] F REAL STORY  第九話 Aパート[まくがいば~](2010/06/04 22:54)
[31] F REAL STORY  第九話 Bパート[まくがいば~](2010/06/04 22:57)
[32] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/06/24 15:51)
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[16394] F REAL STORY  第二話 Aパート
Name: まくがいば~◆6e47378d ID:361a872e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/02/22 22:08
『・・・ちゃーんとリンの分まで、お参りしといたからね、感謝しなさい。今度帰ってくる時は、優し
い小母様にお土産を忘れないこと、以上』
相変わらず若々しい小母様が、投げキッスを決めたところで、映像が切れた。
さきほど、テスラ=ライヒ研名義で送られた映像メールを再生したら、大胆なチャイナドレスに髪を
結い上げた -第三者に見せることを意識していたことは疑いようがない- カレン小母様が映って
いた。
テスラ=ライヒ研名義で来ていたメールだったから、私信とは思わずメインブリッジの通信モニター
で再生してしまった私は・・・ 頭を抱えていた。
「い、今の誰だよっ、リン」
こういう時に限って、ブリッジには人が多い。今の映像を見たその他大勢の内の一人、バーナード
=ワイズマン氏が私に詰め寄る。
「尋常でない美人だったぞ、おい!」
これはチャック=キース氏。目が血走っているぞ、二人とも・・・
「ど、ど、独身か!? 彼氏とかいるのか!?」
さっきまでいなかったはずのハサン医師までもが、いつも間にやら湧いて出て、私に質問をあびせ
る。
お、男って奴は・・・
「あの人は、母が死んだ後、私を育ててくれた人ですよ」
きっぱりと言い切った私の言葉に、半瞬で落胆モードになる男性陣達。
私の継母とでも勘違いしたのだろう。ほっとけばいい。
「トーレスさん、しっかり操縦してくださいよ」
視線をぐるりと巡らせると、何を期待していたのか、この世の終わりみたいな顔をしているトーレス
さんが枯れ木のように操縦席にすがり付いている。
そして、その先には米粒大の小惑星が見える。
ルナ2。地球連邦軍の宇宙の要。とりあえずの我々の目的地だ。
あそこで、ロンド=ベルの司令官、ブライト=ノア大佐が我々を待っている。
「どうしたキース、バーニィ?」
珍しく連邦軍の標準制服に身をつつんだアムロ少佐が、エマさんを従えてブリッジに入ってきた。
ショックのあまりにブリッジをクラゲのように漂っているパイロット二名と医師一名は、口々に
「世の中、間違ってる」だの「俺は時の涙を見た」だのうわ言のように呟いている。
呆れてモノが言えない・・・
「まぁ、いいか。僕はこれから司令官殿を迎えに行ってくるから。留守のことはエマにまかせる。
いいね」
気のせいかアムロ少佐、はしゃいでないか?
よっぽど、大佐が復任するのが嬉しいのだろうか。
「はい、了解しました。こら、キース! 漂ってないで少佐の護衛についていくのよ」
「・・・うーす」
今にもスキップしそうなアムロ少佐と、気のないどころか魂の抜け殻状態のキース少尉-器用にも
漂ったままで-が、共にブリッジを出ていった。
「何があったの、リン?」
余りにも対照的な二人を見送ったあと、エマさんが男達の落胆の原因を、この中で唯一正常な私に訊ねてきた。
「実はですね・・・」
と、説明するのも馬鹿らしいことを小母様の映像付きでエマさんに語り終えると、エマさんまで、目
を丸くして小母様に見入っている。
これは予想外の反応だな、小母様は同性をも惹きつけるみたいだ。
「リン、この人、歳いくつなの?」
スターロード家では禁句となっている、もっともな疑問を口にした。確かに小母様は見た目はどう見ても二十代半ば、
私が初めて会ったときからまったく変わりがない。
「三十九って、本人は言い張ってますけど」
「さんじゅうきゅうー!?」
話を聞いていたらしいトーレスさんが、漂い組に新たに加わってしまった。操船、オートになっているのかな、ちゃんと?
「凄い人ねー、リンのお義母さんって。私も秘訣とかあったら教えてもらいたいわ」
エマさん、自分の肩を疲れたように揉みながら、アムロ少佐の代わりに艦長席に腰を下ろす。
何かオバサンっぽいですよ、エマさん・・・
あ、二つの光点がルナ2に向っていくのを確認。我らが司令官殿を迎えにいったようだ。

それから一時間が過ぎ・・・・・・

ニナさんが持ってきてくれたチューブコーヒーを啜りながら、二人で雑談していると、通信コールが
入った。私がブリッジにいるのは通信オペレーター業務のためだったのを思い出し、-人手不足のロンド=ベルには、
なんと専属の通信士がいないのだ-パネルを操作し、通信コード合わせる。
種別はレーザー通信か。となると発信地点は、やっぱりルナ2だ。
「エマ大尉、ルナ2から通信が入ってます」
「あら、少佐からかしら? リン、メインスクリーンに出して」
「はい、スクリーンに出します」
この時、あいつが出てくるとは、夢にも思わなかった・・・
『あのー、ロンド=ベルのみなさん、聞こえますでしょうかー?』
独特の間延びした口調、クルクル巻き毛にキラキラお目めの女の子が手をヒラヒラと振っている・・・
グレース=ウリジン、ナイメーヘンの同期生だ。
ガン!!
これは私がパネルにつっぷした音。こいつのアップと口調は心の準備無しに見ると、かなりインパクトがある。
「え、えぇ、こちらロンド=ベル、司令代行のエマ=シーン大尉です。そちらは?」
大画面一杯に広がる -ここに出したのは失敗だった・・・- 少女漫画から抜け出してきたような女の子相手に一瞬ひるんだエマさんだが、すぐに持ち直し表面上は平静にグレースに対応している。
『私はぁ、ルナ2司令部後方参事官補佐ぁ、グレース=ウリジン少尉、とってもお茶目でぷりてぃな19歳ですぅ♪』
あ、エマさんピキッと凍り付いた。こんな自己紹介した軍人、連邦軍史上こいつくらいだろうな・・・
「・・・で、ウリジン少尉、どういった御用件でしょうか?」
エマさん、強い。私やジェスやウィンだったら、冷静さを失って逆上モードにはいっているとこだ。
『ここだけのお話なんですけどぉ、他の人に言わないでくださいねぇ。実はですねぇ・・・』
エマさんのおでこに、怒りのバッテン印が見える。
軍用通信で内緒話もないだろうが! あぁ、怒鳴りつけたいが、ここは我慢我慢。私がここにいるとわかったら、あやつは確実に話を脱線衝突させるに決まっているからな・・・
『聞いて驚かないでくださいねぇ。ブライト=ノア大佐とぉ、アムロ=レイ少佐がぁ、い・の・ち、
狙われてるんですぅ』
「「「「「なにぃーーーー!!!!!!」」」」」
感嘆符の大合唱。ブリッジにいる全員が、顔にビックリマークを付けている。無論、私もだ。
「グレース、いったい全体どーいうことだ!?」
そして思わず大声で詰問してしまった。今は非常事態だ。
グレースが私を見つけた。途端に頬を薔薇色に染め感激を顔一杯に浮かべて舞い上がっている。
「きゃー、リンちゃん、お久しぶりですぅ。グレース、この再会に胸が一杯ですぅ。やっぱりぃ、私達は~、運命の赤いロープでぇ~・・・」
「だぁーっ! そんなのいいから早く言え!!」
私の忍耐力は情けないことにエマさんの十分の一もないようだ。私はすでに逆上しているが今はとにかく非常事態だ。
「うぅ、リンちゃん冷たいですぅ・・・ グレース、泣いちゃいそうですぅ」
やはり脱線が始まった。しかたない、多少の犠牲は覚悟しよう・・・
「ちゃんと説明できたら、クリームパフェ、チョコレートパフェでどうだ!」
見る間にグレースが顔を輝かせる。うぅ、仕方ないか、上官の命がかかっているのだから。
「では、説明しますねぇ。皆さん、ご静聴お願いしますぅ~」


緊迫感の欠片も感じられない語り口で始まったグレースの説明。要約するとこうだ。
グレースは昼食をとったあと午睡を決め込むべく、ルナ2内での彼女のお気に入りゾーンである、
整備士の控え室に向った。
ルナ2の士官は黒い制服を着た怖そうな人 -ティターンズの事だ- が多いので、優しい小父さんが多いところの方が落ち着つけるからだそうだ。そこですやすやと寝ていると、グレースが居ることを知らずに二人の如何にも悪人といった男が入ってきた。
男達がその時言った言葉の断片『爆弾』 『ロンド=ベル』『うまくいった』を夢現で聞いていた
グレースは瞬時に目覚め、彼女なりの仮説を幾つか立てつつ、とりあえずその悪人らしき男をそこにあったスパナで殴りたおし昏倒させた。
そして小父さん達-整備士の方々-に協力をあおぎ、アムロ少佐が乗ってきたランチとキース少尉のガンキャノンに高性能爆薬が仕掛けられているのを発見した。
グレースは見かけと言動では想像すらできないが、頭の回転が異常に速い才媛だ。
ただ、その回転後に生み出す行動は大抵常軌を逸しているが・・・
彼女は爆弾の解体が素人では無理だとわかるや、小父さんの棟梁-整備士長のこと- に爆弾を発見したことを司令部に報告してもらい、自分はブライト大佐らがいる場所に危険を報告しにいった。しかし、いくら頼んでもMPがそこを通してくれない。
ここで彼女は腹立ち紛れに、まだ手に持っていたスパナでMPを叩き倒し、通信室をこれまたスパナ一本で占拠した後、今のロンド=ベルに連絡をとったということだ。
ところで こいつ、軍法会議モンのこと、いくつやったんだ?



「爆弾の解体はできないのね、ウリジン少尉」
グレースの報告を聞いた後、エマさんはしばし瞑目したのち、そのことを確認した。
『あれはぁ時計職人さん並の人が作った爆弾でぇ、トラップもいっぱいあったのでぇ、爆弾解体のプロでもないと、ドっカーン! ですぅ』
すらっと物騒なことを言っているグレースだが、あいつがああ言ったからにはそれが確実なのは間違いない。
「リン! コウを呼び出して! トーレス、トロイホース発進準備! 各員これより第一級戦闘配備!」
エマさんが矢継ぎ早に指示を出す。皆も感じが変わった、艦全体の空気も張り詰めていく。
『こちらコウ、何があったの!? 敵襲か!?』
呼び出す間でもなく、コウ少尉の方からコンタクトをとってきた。
どうやら彼はMSデッキにいるらしい。周りを整備士連中が固めている。
「コウ、MSで今すぐ出れるの何人?」
『えーと、ここにいるパイロットは自分だけですけどMSは全機発進可能です。
何があったんですか?』
エマさんに疑問を疑問で返されてしまったので、改めて問い直している。
エマさんは簡潔にブライト大佐らの命が狙われていることだけを告げ、コウ少尉にルナ2へそのこと
を知らせに行ってくれと頼んだ。
『自分が着く前に、爆弾が爆発したらどうするんですか?』
器用にも会話しながら白いノーマルスーツを着込んでいるコウ少尉。その疑問はもっともだと思う。
するとエマさんは少し微笑んで、自信たっぷりに言った。
「その事は心配しないで、貴方はとっととルナ2へ行く!」
『了解!』
それだけで納得したようにコウ少尉は画面から消えた。エマさん、部下の信頼厚いんだな。
「グレースさん、貴方を信用してお願いします。今、そちらに向うガンダムの入港のサポート、
お願いできますか?」
『お願いされちゃいますぅ、まかせてくださいな。じゃ、リンちゃんまたねぇ』
緊張感のかけらのもない笑顔とともに通信がきれた。
何か、どっと疲れが出た・・・
「エマ大尉、敵襲ですか?」
クリスさんとファがブリッジに上がってきた。皆、さすがに行動が速いな。
ことのあらましを、再び簡潔に説明していると、
『GPー01フルバーニアン、出るぞ!』
コックピットに収まっているコウ少尉が通信スクリーンに出た。
「先輩、健闘を期待してます」
「コウ、私のガンダム壊したら承知しないわよ!」
『鋭意努力する!』
私とニナさんの激励にそう答え、GPー01は発進していく。
速い速い。さすが連邦最速のMSだ。
「で、大尉、私達は何をすればいいんですか?」
現状を把握できたクリスさんが、指示を求める。さすがに少しは動揺しているようだ。
「ジオンDCがこれから攻めてきます!」
きっぱりとエマさんは言い切った。
私達は目を丸くしてお互いの顔を見合わせている。
その頭には? 当然だ、何でそんなことわかるんだ、エマさん。
「大尉、お訊きしてよろしいですか?」
「どうしてDCが攻めてくるってわかるんですか?」
私とファが二人して質問をすると、エマさんはまたしても言い切った。今度は拳も高らかに、まるで宣誓しているみたい。
「私達がでっち上げるんです!  戦闘状態になれば、大佐達はルナ2からでてこれない。爆弾につい
ては少佐やブライト艦長達ににまかせて、私達は時間稼ぎに専念します!」
思考がブラックアウト・・・ ポカーンと間抜けに口を開け、まるでハニワのように固まってしまった。
軍規違反になるのか、これ・・・
「まぁ、それがベストかもしれませんね」
肩を竦めながらも、クリスさんが賛同の意を表した。まぬけなハニワ呪縛がやっととけたみたい。
「やるんならとっとやりましょう」
「あーあ、ばれたら大変ですよ」
バーニィ准尉とファも、エマさんに消極的賛同のようだ。そしてエマさんの視線が私に来た。
「どうやって、でっち上げるんですか?」
私も賛同。悪戯をたくらんでいるみたいで少しワクワクしてたりする。
「では、段取りを説明・・・」
「する必要なくなりました」
艦長シートより高い位置にあるオペレーター席、そこに座るキースロン軍曹がエマさんの言葉を
遮った。何故か呆れているような話し方だ。
「十一時の方向、正体不明の艦2隻接近中、多分ジオンDCの巡洋艦だと思われます。エマ大尉、占い師にでもなったらどうですか?」

再び言葉を失った一同。 嘘つく前に真が出てしまったみたいだ・・・・・・

「・・・こうなったら、この状況をフルに活用します」
僅かな時間で自失から立ち直ったエマさん、新たに指示を的確に出していく
「ニナ、このことを大袈裟にルナ2に報告して。よければ迎撃をロンド=ベルに一任してくれるよう
に要請を! 各員発進準備!」
「了解!!」
ブリッジを後にする私達。北極ベースで感じた戦場の気配が、また私を包んでいく。

十分後、私は第三デッキ、ゲシュペンストのコックピットにいた。

『敵はDCと判明。敵戦力はチべ級重巡洋艦一隻、ムサイ改級巡洋艦一隻、MS12、本艦及びルナ2
にむけて進行中です。みんな、気合い入れていくわよ!』
司令及び艦長不在のため、MSに乗れないエマさんが激をとばしている。
『リン、あなたは初陣でしょ。あいにく誰もあなたをサポートできないけど、いいわね』
第三格納庫内、ゲシュペンストのコックピットで出撃準備をする私にエマさんが
個人的に通信を入れてくれた。
「ゲシュペンストは、伊達じゃありません!」
発進準備OK! 気合も十分!
『いい返事ね。必ず無事に帰ってくること。命令よ』
そう言うエマさんの目は真剣だ。私は強く頷いた。
大丈夫、私は一人じゃない。いつでもジェスと繋がっているんだ。
「ゲシュペンスト、リン=マオ、出ます!」
バーニア全開フルスロットル!!  弾かれたようにゲシュペンストは発進した。敵の待つ、広大な戦場へ。
初陣だ。

[敵MS種別判明 ドムⅡ12機 3機4編隊でこちらに接近中]
[あと50秒ほどでニュートロンビームライフル射程に入ります]

接敵すると予想された宙域に到達。少し先行してしまった私に、僚機が追いついてきた。
FWが現れ、レナンが現状を知らせている。12対4 戦力差3対1か。
こちらのMSはクリスさんが乗るガンダムMKⅡ、ファのメタス、バーニィさんのザク改、
そして私のゲシュペンスト。
艦船を抜かし、MS戦を限定してもかなり不利だが、絶望的ではない。
ロンド=ベルの先輩達は百戦錬磨のエース揃いだ、このくらいの逆境、跳ね除けてくれるはず。
なにより私はゲシュペンストに乗っているんだ!

[敵 有効射程に入りました]

モニターには僅かな光点にすぎないが、私からは手が出せる距離に入った。
シート頭部横に付けられた精密射撃用のスコープを引き出し、覗き込む。
十字線が交差する中、僅かにドムⅡが形が見える。
「いける!」
本能が私に引き金を引かせた。
僅かな反動、ライフルから伸びる光条、そして・・・ 爆発

撃墜、したのか・・・ 私が。

『リン、ボケッとしない!』
FWが現れ、ファからの通信だ・・・ わっ! たしかにビックリ呆然してた!
「ごめん、ありがとう!!」
パンと顔を叩き、気合いを入れ直す私。ここは戦場なんだ、僅かの油断も禁物だった。
『でも、その調子よ、頑張って!』
可愛いウィンクを残し、ファが消えた。ありがとう、あとで何かおごってあげよう。
「行くぞ、DCの残党ども!」
気合いをこめてさらに引き金を引く。敵はまだ射程距離じゃない。今の内に落とせるだけ落とす。

私の初陣はこうして始まった。

-第2話 Bパートへ-


【後書き】
グレース登場。この娘がリンのサイドにいるおかげで
話作りが楽になった気がしたような覚えが。
ちなみに敵が【DC】になっているのは、昔のスパロボの
仕様ですね。自分はMSとか使うのをジオンDC、機械獣とか
使うのをヘルDCと区別しております。


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