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No.16394の一覧
[0] F REAL STORY  【スーパーロボット大戦Fっぽい】 [まくがいば~](2010/02/18 22:25)
[1] F REAL STORY  プロローグ01 【これだけR-15位】[まくがいば~](2010/02/22 22:20)
[2] F REAL STORY  プロローグ02[まくがいば~](2010/02/23 23:05)
[3] F REAL STORY  幕間 -私がいない所で-[まくがいば~](2010/02/14 22:47)
[4] F REAL STORY  第一話 Aパート[まくがいば~](2010/02/22 22:16)
[5] F REAL STORY  第一話 Bパート&幕間[まくがいば~](2010/02/18 22:24)
[6] F REAL STORY  第二話 Aパート[まくがいば~](2010/02/22 22:08)
[7] F REAL STORY  第二話 Bパート&幕間[まくがいば~](2010/02/21 00:32)
[8] F REAL STORY  第三話 Aパート[まくがいば~](2010/02/23 22:31)
[9] F REAL STORY  第三話 Bパート[まくがいば~](2010/02/24 23:37)
[10] F REAL STORY  幕間  -私のいない所で-[まくがいば~](2010/02/27 22:04)
[11] F REAL STORY  第四話 Aパート[まくがいば~](2010/03/02 17:08)
[12] F REAL STORY  第四話 Bパート[まくがいば~](2010/03/06 21:49)
[13] F REAL STORY  第四話 Cパート[まくがいば~](2010/03/06 21:53)
[14] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/03/09 00:09)
[15] F REAL STORY  第五話 Aパート[まくがいば~](2010/03/11 21:19)
[16] F REAL STORY  第五話 Bパート[まくがいば~](2010/03/16 21:47)
[17] F REAL STORY  第五話 Cパート[まくがいば~](2010/03/17 22:32)
[18] F REAL STORY   幕間[まくがいば~](2010/03/28 20:29)
[19] F REAL STORY  第六話 Aパート[まくがいば~](2010/03/28 20:30)
[20] F REAL STORY  第六話 Bパート[まくがいば~](2010/04/02 22:08)
[21] F REAL STORY  第六話 Cパート[まくがいば~](2010/04/02 22:12)
[22] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/04/05 23:17)
[23] F REAL STORY  第七話 Aパート[まくがいば~](2010/04/08 22:36)
[24] F REAL STORY  第七話 Bパート[まくがいば~](2010/04/11 22:00)
[25] F REAL STORY  第七話 Cパート[まくがいば~](2010/04/13 18:47)
[26] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/04/15 21:25)
[27] F REAL STORY  第八話 Aパート[まくがいば~](2010/04/19 21:29)
[28] F REAL STORY  第八話 Bパート[まくがいば~](2010/04/21 23:11)
[29] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/04/24 22:58)
[30] F REAL STORY  第九話 Aパート[まくがいば~](2010/06/04 22:54)
[31] F REAL STORY  第九話 Bパート[まくがいば~](2010/06/04 22:57)
[32] F REAL STORY  幕間[まくがいば~](2010/06/24 15:51)
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[16394] F REAL STORY  第五話 Cパート
Name: まくがいば~◆6e47378d ID:361a872e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/17 22:32
 そして、二日がすぎ、ようやく私たちが手がけていたジュドー用のMSが組上がった。
「じゃ、動かすよぉ!」
 制作に携わった私たちが見守る中、コックピットに座ったジュドーがそう言った。う~、
大丈夫だと思うけど、ドキドキする。
 すると、ガンダムの目の部分がピカッと光り、そしてジェネレーターが始動を始めた音
が響いてきた。
「今んとこ、オールオッケィ!」
 ジュドーの言葉を合図に、私たちから歓声があがる。やった、コックピットで今の段階
でエラーが出なければ、上手くいったと言っていいだろう。
「また、私のガンダムが出来上がったわぁ~!」
 と、ニナさんが喜びのあまり私に抱きついてきた。ホント、あり合わせのモノだけでよ
くやりましたよ。
「じゃあ、ジュドーはこのままコロニーの外にでて、テストを続けてくれ。コウ先輩が外
で待ってるから」
「了解! いっちょ行ってきます!」
 そして、私たちが組み上げたフルアーマー・ガンダム・パワード-結局、これが登録名
になった-がカタパルトに乗る。あわてて私たちはメカニックルームに避難する。
「ジュドー=アーシタ、ガンダム、いきま~す!」
 どことなくアムロ少佐の口調を真似して、ジュドーが発進した。
「さぁ~て、私はブライト艦長に報告にいくけど、お前達は休んでいいぞ」
 することがなくなったデッキで、私は残った少年達にそう言った。よくやったよ、本当。
「じゃあ、部屋で」「怪我の養生しま~す」
 先日の制裁でと顔中絆創膏だらけのビーチャとモンドが憎まれ口叩いて出ていった。そ
の言葉に私は思わず苦笑する。たく、しょうがない奴らだな。
 ニナさんはこの後、ブリッジでジュドーの試運転を監督することになっている。    
私は、久々に作業着から、連邦軍の制服に着替えて、トロイホースを後にした。
 上陸の理由は、ロンデニオンにあるロンド=ベル司令部に行くためだ。あまり知られてい
ないのだが、ロンド=ベルにも独立して設置された事務専門の部署があるのだ。
 そこにはジャブローとかと専用回線があるので、ブライト艦長やアムロ少佐は、そこに
詰めてずっと情報を集めているらしい。   
 エレベーターに乗り、しばし待つ。重力が身体を支配していく感覚、アースノイドの
私には、心地よさを覚える感覚だ。
 町並みを徒歩で歩く。
 ロンデニオンは緑の多いコロニーだな、こうやってのんびりと歩いていると、異星人が
攻めてきていることが、まるで嘘のようだ。
 町並みも落ち着いた雰囲気で、歩いているだけで心が落ち着いてくる。
 あぁ、そういえばジェスと最後に二人で歩いたのっていつだったっけ? 昔は、二人で
いるのが当たり前だったのにな・・・
「いい雰囲気ですねぇ~、リンちゃん」
 そうそう、こうやって優しく腕を組んでって・・・・・・ おい?
「こうやってると、二人でデートしているみたいですねぇ~。なんだかウキウキしちゃい
ます」
「グレース、なぜここに?」
 私の腕に、自分の腕をからませて、べったりうっとりしているのは、言わなくてもわか
るグレースだ。いつの間に私に追いついて来たんだ、この娘は?
「わたしも、艦長さんに頼まれていたことがあって、その報告ですぅ~。一緒にいきまし
ょ、リンちゃん!」
「イヤだと言ったら?」
「そうしたらグレース泣いちゃいます・・・」
 と、瞬間でウルウルの涙目になる。仕方ない、私はため息ついて、グレースと同行する
ことにした。
 
 二人で腕組んで歩くこと三十分。私たちは、目的地である『ロンド=ベル司令本部』についた
のだが・・・・・・
「これが我がロンド=ベルの司令本部なのか?」
「ちっこいですねぇ~~~」
 「大きくないよ」とアムロ少佐が苦笑まじりに言ってはいたけど、なんか外から見たら
普通の平屋の建て売り住宅だ。私が長く住んでいた小母様の家と同じくらいだな。ここで
あっているのか?
 ドアの横に、カードキーを差し込むところがあって、そこに渡されていたカードキーを
通すと、ピーという電子音がして、ドアのロックが外れる音がした。ここ良いらしい。
 しかし、テロを起こすとしたら、『放火』という手段で破壊されそうな司令部ってあって
いいものだろうか?

 傍からみたら、一般家屋だった我がロンド=ベル司令部だが、中に入るとかなり雑然とし
たIT企業のオフィスって感じにみえる。応接ルーム、事務室&通信室、なんか型が少し
古いスパコンがある部屋と三つならんでいた。そして、その応接室は今、使用中らしく、
三人の男性と一人の女性が、コの字に並んで座っている。
 ブライト大佐とアムロ少佐はわかるけど、他二人は初対面の方だ、服からして、軍
の関係者じゃなさそうだけど、どちらさんだ? アムロ少佐と同い年くらいの優男
の人は、どっかで見た顔なんだけど・・・・・・
「あぁ、リンにグレース、ご苦労さま」
 アムロ少佐が私たちに気づいて、声を掛けてくれたので、敬礼して返す。すると、優男
さんが口笛を吹いて私たちを物珍しげに見た。
「へぇ、ロンド=ベルでまだしっかり敬礼とかする人、久々にみたよ。コウ達以来じゃ
ないか」
 と男性は立ち上がって、私たちの前に。何だろう、この隙がない探るような視線は。
諜報関係の人か?
「カイ=シデン、フリーのジャーナリストだ。よろしく」
「リン=マオ少尉です」
 差し出された手を握り返す私。遅れてグレースと握手している時に、その男性の
ことを思い出した。
「わぁ~、あのホワイトベースのシデンさんですかぁ♪ グレースっていいます、
よろしくですぅ~」
 差し出された手をブンブンと上下に振って、喜んでいるグレースに苦笑するカイ
=シデンさん。かってブライト艦長の元でMSパイロットとして戦っていたこと
で有名な人だが、ジャーナリストなんぞに転職されていたのか。
「じゃあ、俺はそろそろ・・・・・・ ブライトさん、アムロ、気をつけてな。何かわか
ったら、ここに連絡するから」
 すると、シデンさん、立ったついでって感じでそんな事を言う。
「あぁ、ルオ商会への言伝、頼んだぞ」
「気をつけてな」
 ブライト艦長とアムロ少佐もあっさりとそれを了承。つもる話、とかもう
終わったのかな?
 了解代わりに手を振って、私たちと入れ替わりって感じでシデンさんは出て行って
しまった。
「あの、お邪魔でしたか?」
 隣でバイバイと手を振っている小娘は放っておいて、ブライト艦長たちにお伺い
を立てると、ブライト艦長は首をすくめて、
「ああ言うヤツなんだよ、気にするな」
 と言ってくれた。アムロ少佐も笑いながら頷いている。
「ねぇ、アムロ、私も紹介してよ」
 と残ったブロンドの女性が、アムロ少佐の袖を引っ張る。ム、なんか、この雰囲気は
男女の関係を思わせる気安さだぞ。
「あぁ、彼女はベルトーチカ=イルマ。ロンド=ベルの、そうだね、民間からの
協力者ってとこかな」
「ベルトーチカ=イルマです。マオ少尉にウリジン少尉ですね、以後よろしく」
 こちらも笑顔で握手を求められた。ムム、この人がアムロ少佐の噂の恋人の
一人か。
「ここは普段、チェーン=アギ少尉が常駐しているんだけど、彼女には先日、月に
いってもらったから、交代で来て貰ったんだ」
「少佐は、人使い荒いのよ。地球にいたら、いきなり来てくれ、ですもの。大変
だったわ。この埋め合わせは、ちゃんとお願いね、少佐」
「ハハ、お手柔らかに」
 この会話の流れは、こなれたカップルって感じだ。ムムム、こっちは恋人と
離れて単身赴任状態なのに。羨ましいぞ。
 イルマさんの説明によると、先ほどのシデンさんと一緒に、こちらに来られた
らしい。いきなりの宣戦布告で、地球発の航宙便は大混乱で、シデンさんの伝手で
最後の便にギリギリ乗れたとのこと。
 先日、ロンデニオンに入港した際、軽く挨拶したチェーン少尉とも、アムロ
少佐はこんな感じだった。ムムムム、アムロ少佐に二人の恋人存在の噂は
本当だったのか。なんか複雑な思いだ。
「で、リンとグレース、あっちは一段落ついたってことか?」
 するとブライト艦長に話を振られ、ここに来た目的を思い出す私。慌てて向き直る。
「はい。ジュドーのMS、努力の甲斐あって一応完成となりました。今はコロニー
の外でテスト中です」
「えっとぉ~~、艦長に頼まれたデータ~、ルナ2から盗ってきましたぁ~~」
 ・・・・・・なんか私の報告の後に、グレースが物騒なこと言っていた気がする。
 とりあえず、用意した報告書をブライト艦長に渡す。
「これで、ジュドーも戦力になると考えて良さそうだな」
 出るであろうスペックを斜め読みして、それをアムロ少佐に渡すブライト艦長。そ
れを二人で覗き込む少佐とイルマさん。
「しかし、G3をここまで改造するなんて、ニナにしかできないよ、これは」
 アムロ少佐は感嘆半分呆れ半分といった感じだ。実際、現場にいた私は、呆れ八割
泣き二割って感じだったけど。
「で、グレース、もう例のモノが手に入ったのか?」
 ブライト艦長が、グレースに訊いて来た。さっきは聞かなかったフリをしたかった
けど、また何か非合法っぽいことやってたみたいだ、この娘。しかもそれを頼んだのは
うちのトップ二人みたいだ。
「はい~~、任せてくださいですぅ~~。グレース、こういう事、とっても得意なんです
よぉ~」
 と、どこからかディスクを二枚取り出し、ブライト艦長まで持っていく。あそこで頭を
撫でてやるとグレースはとても喜ぶのだが、さすがに歴戦の勇将も、そこまでは気づかな
いみたいだ。で、仕方なく私が頭を撫でてやる。
 グレースは満足そうに喜んでいる。はぁ、よくこんな娘と友人関係やってられるな、私も。
 三人が席を立ち、となりの事務室っぽい部屋に移動するので、私たちも付いていく。
 コンピューターにディスクを差し込むと、程なく、壁に取り付けられた大型モニターに
そのディスクの中身が表示され始めたのだが・・・・・・
 私はその内容の走り部分を見ただけで、血の気が引いていくのを自覚してしまった。 
 これって、ひょっとしてペンタゴナとの交渉の記録じゃないのか?
「グ、グレース、こんなモノ、どっから手に入れたんだ?」
 訊く声が震えているのが分かる、これは、バレたらロンド=ベル解体の決定が
確実に下される軍規違反モノのだ。
 私の質問には、眉間に皺寄せたブライト艦長が応えてくださった。
「ルナ2が、連邦側とペンタゴナ側との交渉の窓口だったので、もしかしたら記録がある
のではと、グレース少尉に頼んだのだが・・・・・・ ここまで完璧なのが出てくるとはな」
 見ていると、そどのような面子がその会合に出席していたのかとか、どんどんやばい
データが後から後から出てくる出てくる。ブライト艦長や、アムロ少佐、イルマさんも出てきた
データに度肝を抜かれているって感じだ。そのデータを抜き出したグレースだけが、堂々
と胸を張っている。
「これ、ルナ2のメインコンピューターから、ハッキングで盗ってきたのか・・・・・・?」
 知りたくないが、ここまで来るとつい訊いてしまう。するとグレースは得意満面な顔で、
きっぱり言ってくれた。
「もっちろんですぅ~~! このグレース、ルナ2のコンピューターさんとは仲良しです
からぁ、まかせてくださいな!」
 あぁ、やっぱりこいつ、ことの重大さについて、自覚が微塵もない~~!!
 頭を抱える私をよそに、艦長はアムロ少佐と流れるデータに目を通しながら、意見の
交換を始めた。腹くくるの早い人たちだ。まぁ、バレない事を祈ろう。
 そのまましばし、イルマさんが淹れてくれたコーヒーを啜りながら、二人の会話が
終わるのを待つことにする。何か指示がありそうな気配だし。
 そうして、十五分も待ったろうか? 思ったより早く二人の考えは纏まったようだ。
「リン、グレース、今からお前達はトロイホースに帰って、このことを皆に伝えてくれ。
我がロンド=ベルは、三日後にロンデニオンを発ち・・・・・・」
 そして、ブライト艦長は言った。
「地球、ジャブローに向かう、とな。そのつもりで準備しておいてくれと」
「了解しました」
 かすかな驚きと共に、了解の敬礼をする私。
 地球へ・・・・・・ なんだか、事態が急速に動き始めそうな予感がしてきたぞ。
 先ほどの不正入手のデータが決め手となったのか、それとも前から考えていたのかはわから
ないけど、急展開だ。私はわずかに震えていた。緊張の為か、それとも武者震いか。
 ・・・・・・でも正直、一月もたたずに地球に戻るとは思わなかったぞ。

 そして、三日なんてあっという間に過ぎてしまった。
 その間、一日半ほど休暇を頂いたのだが、なんだかんだでダバ君達一行のコロニー見
物につき合わされて、全然休んだ気がしなかったし。 まぁ、異星人の彼らと観光す
るのは、なかなか面白い体験ではあったし、キャオやアムのはしゃぎっぷりは一緒にいる
だけで楽しかったから良しとしておこう。
 そして、野暮用とやらで、しばらく別行動をとっていたゲッターチームがトロイホース
に帰艦すると、すぐにロンデニオンを出航とあいなった。
 向かうは地球だ。

 出航してすぐ、クルーほぼ全員を食堂に集めてのブリーフィングとなった。きっとブラ
イト艦長からこれからの我々の行動についての説明があるのだろう。
「みんな集まったな」
 軍人以外にも、少年少女、研究所員、それに異星人といった多種に渡る面々を前に、ブ
ライト艦長が口を開いた。
「皆も聞いていると思うが、我々はまず地球に向かうことになった。それは、連邦政府や
統合作戦本部との連絡が、ポセイダル軍の襲撃によって、まったくとれなくなってしまっ
たからだ。わかっているとは思うが、我々は軍の組織の下にあるものだ。そして、前のよ
うに独断で動くことも禁じられている。だから私はジャブローにいるコーウェン中将の裁
可を仰ぎたいと思っている」
 ブライト艦長は続ける。
「それに地球には、甲児たちもいる。できれば彼らとも合流をはかりたい。これからの戦
いには、もっと戦力が必要になると思うのでな。みんな、質問は?」
 ブライト艦長の説明は終わったようだ。すると、隼人さんが手を上げた。意外だな。
「なんだ、隼人?」
「質問じゃありませんよ。甲児君を迎えに行くなら、彼は今テスラ=ライヒ研に居ます。
ジャブローに行く前に、彼を拾っていったほうがいいでしょう」
「甲児君、きっと手ぐすねひいて待ってますよ」
 隼人さんの提案を、竜馬さんが笑いながら支持した。
「そうだね、ブライト、そうしよう。それに、地球に降りればジャブローと通信ぐらい出
来るかもしれないし」
 アムロ少佐もその提案を了承して、ブライト艦長も少し笑いながら言った。
「早く迎えに行ってやらないと、甲児が一人で戦争はじめてしまうかもしれないしな。そ
うするか」
 私は、あのマジンガーZのパイロットの事を思い出しつつ、彼が一人でマジンガーZを
駈りポセイダル軍にとっこんでいく有様を想像した。う~~ん、甲児さんならやりかねな
いな。
「よし。ではそういう予定での航路設定、グレースに頼めるか?」
「おまかせください~~」
 グレースは、わずかな間で、このロンド=ベルのソフト部門の主任みたいな役職に収ま
っていた。順応力があるというか、抜け目ないというか・・・
「では、解散だ。大気圏突入は、七十二時間後を予定している。そのつもりで準備してく
れ」
 ブライト艦長の締めの言葉の後、正規軍人だけ起立して敬礼し、短いブリーフィングが
終わった。
 しかし、地球だけじゃなく、テスラ=ライヒにも戻るのか、私。カレン小母様に会えるかな、
難しいかな?
「あ、パイロットとダバ君たち、それにゲッターチームはまだ残ってもらえるかい?まだ
話があるんだ」
 アムロ少佐の言葉に、部屋を出て行きかけた私の足が回れ右する。話ってなんだろうか?
「話というのは、前にリン達を襲ったガンダムのことなんだ」
 あのガンダムの事を思い出した途端、私はあからさまな寒気を感じた。あのガ
ンダムとの戦闘、思い出すだけでこんな寒気を感じるのだ。正直に言って、私はあのガン
ダムが、いや、あのガンダムのパイロットが怖いのかもしれない。
「ニナにも見てもらったんだが、あのガンダムはきっと単独での大気圏突入が可能なタイ
プだと思われる。そして、ロンド=ベルを標的にしているとすれば・・・・・・」
「大気圏突入時が最大の狙い所、ってわけか」
 コウ先輩がアムロ少佐の言葉を継ぐような形で、そう言った。
 ありえるな。 あのガンダムのライフルの威力なら、一撃でトロイホースを墜とす
ことも不可能じゃない。 
「そこで対策ってわけで、リンを中心にしたシミュレーションをしようと思ってね」
 と、アムロ少佐が私を突然そんな事を言いだした。え? 私が中心にって、何をするん
だ?


凄まじいスピードで、こちらをかく乱しようとするGP-01Fb。でも、、現在のMS
で最速ともいえるフルバーニアンだが、レナンの自動追尾はこれだけの距離が離れていれば、
その姿を逃すことはない。それに速いけど、動きが直線的過ぎです、コウ先輩。
 ターゲットロック、完了。引き金を引く。
「コウ先輩、ロックオンです!」
『え、マジかよ!?』
 FWに、コウ先輩が驚きの顔をしているのが映っていた。これで本日二度目の撃墜となる。
 今、私はゲシュペンストに乗って宇宙に出ている。実機を使った戦闘シミュレーションを行
っているのだ。
 参加しているのは、アムロ少佐が乗るリックディアス、コウ先輩のGP-01Fb、ジュド
ーのFAガンダムP、ダバ君のエルガイム、レッシィのディザード、グレースが再びジャ
ガー号に乗り込んだゲッターチーム、それと最後に私とゲシュペンストだ。
 残りのメンバーはトロイホースに待機している。
 このシミュレーションの目的は、あのガンダムの驚異的なビームライフルの射程を覚
え込ませることだ。
 ニナさんとアムロ少佐が、前回の私の戦闘データをもとに、あのガンダムの戦闘データ
を検証した結果、あのビームライフルと、私のゲシュペンストのニュートロン・ビームラ
イフルの対艦モードが、射程、威力共に酷似しているという事だった。
 だから今、私のゲシュペンストを仮想敵ガンダムにしての戦闘シミュレーションとなっ
たのだが・・・
 敵としての立場をとってみると、ロンド=ベル側がとてつもなく不利だということがあ
りありとわかってきた。
 あのガンダムが高速形態で突撃してきて、あのビームライフルの射程ギリギリに陣取ら
れたら、こちらが迎え撃つとか以前の問題で、勝負は決してしまうだろう。
 大気圏突入準備中のトロイホースなんか、いい的以外の何物でもないし。
『ちっくしょ~う! これじゃ全然話になんないぞ!』
 コウ先輩が、コンソールパネルを叩いて悔しがっている。このシミュレーションを始め
て二日、先輩が一番撃墜されてるからな、無理もない。だって、レナンが一番動きを予測
しやすいのが、コウ先輩なんです。
 アムロ少佐やジュドーは、早々に間合いを把握して、私を何度か撃墜しているが、今日
参加している他のメンバーは、この長距離攻撃にかなり苦戦している。ゲッターチームは
グレースがジャガーに乗っているせいか、今回は撃ち落とされているし。
 そして、これまた敵の視点でみて初めてわかったのが、ゲッターの弱点だ。
 合体の瞬間、この時ゲッターロボはどの形態になろうが、なんの攻撃も防御も出来なく
なってしまうのだ。
 さすがにグレースじゃなくて、隼人さんが乗っている場合は私では手が出せない程の合
体技をだすが、あのパイロットならそれも捉えられるかもしれない。
 じつは先ほどから、今までのシミュレーションで得たデータをもとに、現戦力でのあの
ガンダムの最良な迎撃策をレナンに考えさせているのだが、どれも私には気が重くなるよ
うな案ばっかりだ。
 まず、早期発見。これが出来なきゃ何も出来ないとのことだ。
 そして、ゲシュペンストが、つまり私が、あのガンダムに向けて対艦モードでの射撃を
行い、あのライフルを撃たせないようにする。それが大前提だそうだ。
 つまりどうあっても私はまたあのガンダムの相手をしなきゃいけないみたいだ、本当に
気が重くなるぞ。
『今日はこれまでにしておこう。各自に自分の乗機の整備を万全にしておいてくれ。軌道
上での戦いは、かなり厳しいものとなると思うから、そのつもりでいてくれ』
 アムロ少佐からの通信が入って、実戦シュミレーションが終了となった。あとはゲシュ
ペンストに大気圏突入用のバリュートシステムを装備して、時を待つだけだ。
 ふと、スクリーンの端に輝く青く美しい星に気がついた。もうバスケットボール大に
なっている。
「レナン、拡大してくれ」
【了解:拡大投影:地球です】
 大き目のFWが現れ、そこに現れたのは、青く美しい人類の故郷、地球の姿だった。
 こんなに近くにあったのに、今まで全然気がつかなかったな、私。
 あそこから飛び出してから一ヶ月くらいしか経っていないのに、ずっと前のことのように
思える。
 ジェスは、大好きな人はあの青い星の上で、元気にやってるのかな?

 -幕間へ-

 【後書き】
 大修正第二段。前から直したかったとこなので、けっこう
直しました。
 それと自分が頭悩ませていたガンダムが分かりました。
 『NIGHT HWARKS!』という話に出ていた
 Gダミーってヤツでした。

 誤字訂正 なんで自分はシミュレーションをシュミレーションと
書いてしまうんでしょうか?


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