おはようございます。
八神はやて、8歳です。
少し前に友達になった、フェイトちゃんって子。
見た目は可愛ええんやけど、ちょっと・・・・ゴメン、限りなくフリーダムや。
某アニメのスーパーフリーダムなみに、好き勝手やっとる。
いや、まあ悪い子やないんやけどな。
でも、花子を観葉植物と言い切る感性にビックリや。
あれに比べたら、喋って動いて飛ぶぬいぐるみの方が、温泉出してくれる分、凄くまともに見える。
温泉出なくても、まともやけど。
あとフェイトちゃんは、私以外にもアリサって子と友達らしい。
・・・・会ったことないけど、絶対親友になれそうな気がする。
これだけは、断言出来る。
不登校児童八神はやて、がんばります。
本来なら、1人暮らしの我が家。
最近は、私と花子とプーギー君の、1人と1本と1体で暮らしとる。
数日前、フェイトちゃんが夕食前に乗り込んできて、アルフさんって人が国家権力に喧嘩売って裁判沙汰になったそうや。
その裁判に、フェイトちゃんと、フェイトちゃんのお母さんも参加せなあかんらしい。
つーことで、花子とプーギー君はウチに預けることにした。
って、勝手にウチで夕食を食べながら、言うことだけ言って帰ってった。
おかわり付きで。
「それ以前に、アルフって名前。
フェイトちゃんの飼ってる犬の名前じゃなかったか?
う~ん、花子やプーギー君の例もあるし・・・・犬が喋っても驚かん。
むしろ、人間に変化しても理解出来る。
花子よりはマシやろ」
私の常識は、日々ガリガリ音を立てて削られているが、花子の家事能力は高い。
料理に洗濯に掃除・・・・気を抜いてると、いつの間にか終わってる。
私の出番がなくなるんや。
「女としてより、人として負けたらあかんって思ってる私は、普通よね?」
プーギー君は、毎日温泉を補給しに海鳴温泉旅館まで行き帰りしとる。
そしてお風呂に温泉を溜める。
プーギー君の努力で、ウチのガス代は多少安くなった。
たまに変なこと言ってるが、普段は一般常識を持ったぬいぐるみや。
「プーギー君もプーギー君で、普通に考えたらおかしいよね?
比較対象が花子だから、普通に見えるだけで、やっぱぬいぐるみは動かんし喋らんよな」
ってな感じで、数日前から我が家は賑やかになっとる。
温泉に浸かっとる時が、一番心休まるんや。
実際、疲れも良くとれるしな。
「お風呂の時に毎回、プーギー君がはしゃいどるのが謎やけど。
ぬいぐるみなのにお風呂好きなんかな?」
風呂上がりには、花子から絞られた後に干されてるけど。
または乾燥機で回ってる。
「あかんっ!!
それは駄目や!!」
私の部屋に置いてあった・・・・中身の分からない黒い本。
ずっと昔から置いてある、鎖で縛られた本。
それが今。
花子の新しく生えたジョニーの口の中で、囓られてる。
「口から出すんや!!」
日頃から車椅子を動かしてるから、同年代の子達より、ちょっとだけ力には自信あるが、花子にはかなわない。
力一杯本を引っ張っているのだが、少しずつジョニーの口に進行しとる。
「言うこと聞きなさい!!
ってか、鎖も一緒に囓ってるけど、鉄って消化出来るんかい?」
いや、まあ花子なら何でもありな気がするけど、そこはスルーや。
「プーギー君、ちょっと手伝って」
『ゴメン。
無理』
「なんでや?」
『邪魔したら、自分が食われる気がしてなりません。
エターナルロリータも心配だが、やっぱ自分が一番大切です』
うん、凄く自分に素直やな。
私の場合、フェイトちゃんが食べちゃ駄目って言ってたから・・・・だ、大丈夫よな?
プーギー君の場合、小腹空いたら普通に食べられるかも。
「だぁぁぁぁぁぁっ!!
何で、この本を食べようとするんや?
ちゃんと今日もご飯食べたやろ」
リポビタンD。
それと生卵。
「組み合わせがおかしいとか、植物としてどうかとか置いといて・・・・本は食べ物じゃない。
本は読み物や。
なんで食べようとするか、理由を話しい」
ジョニーの口があるけど、言葉は喋れない。
でも、筆談は可能。
何気に字上手いし。
「ふむふむ、この本は凄く美味しそう。
ついでに成長も期待出来る」
それは駄目や。
これ以上、変な成長は止めてや。
「だが断わる・・・・へ?」
駄目や、それこそ断わる!!
「了解した。
食べはしない」
ほっ。
何とか分かって貰ったか。
「噛まずに飲み込む・・・・ん?」
全然わかってへん!?
「ああーーーーっ!?
本当に飲み込んだ!!
あの本、いつか絶対中身見たろって思ってたのに。
花子が飲み込んだ」
これ見よがしにゲップは、止めてくれへんか。
「明日はきっと、良いことあるさ」
お前が言うな、お前が。
はぁ、他の本は食べようとしてないし・・・・諦めるのが吉かな。
「花子、次は許さんからな」
【やっほー。
久しぶり、はやて】
朝起きたら、テーブルの上にビデオテープが置いてあった。
封筒とかに入ってないし、どうやって届けたん?
花子かプーギー君が受け取りに行ったか?
まあ、フェイトちゃんだからなんでも有りなきがする。
【えっとね、ミッドに来てから裁判があったんだけどね。
私と母さんは、次回から来なくて良いんだって】
何したん?
【アルフだけじゃ寂しいと思ったから一緒に行ったのにね。
母さんと一緒に、ちょっと待ったーって言ったり、相手の検事さん?に文句言ったりしただけなのにね】
駄目やん。
ゲームと現実は違うで。
ってか、フェイトちゃんのお母さんもフリーダムなんか!?
【裁判に出なくて良くなったから、その分をテスタロッサ式魔法の勉強に当てることになりました】
魔法?
【今私が覚えてるのは、宅配魔法と、電気ショック】
電気ショックって、スタンガン使ってるだけやん。
危なかったから、一度没収したはずやけどな。
新しい物を手に入れたのか・・・・また没収せなあかんな。
あと、宅配魔法って手紙をポストに投函すること?
フェイトちゃんやし。
【それから今度、母さんから雷落とし(本物)を教えてもらうんだ】
怒られるって意味で?
まさか、本当に落雷をな。
で、でも・・・・フェイトちゃんやし。
悩むな。
【そう言えば。
ちょっとした手違いで母さんが打ち落とした船に関してだけど】
・・・・今、絶対おかしいこと言った。
【アルフみたいに裁判しなくて、運送会社とで示談成立したって。
お金の力は偉大だって、アルフの件も金で決着がつくなら早いのに、これだから国家権力は・・・・って言ってた。
管理局って国家権力であってた?】
知らん。
ってか、国家権力相手に金で決着がついたら駄目やん。
その考え自体駄目駄目過ぎるで。
追伸
我が怨敵クリス、貴様は絶対に許さない。
普通逆だろ、大人にしてどうする?
幼女に戻す魔法を使え。
豚のぬいぐるみから、うさぎのぬいぐるみに変わってたプーギー君が、温泉出しながら叫んでた。
クリスって、知り合いのぬいぐるみか何かか?
あと、そのうさぎ・・・・微妙やない?
口元とか。
次の日には、豚のぬいぐるみに戻ってたけど。
追伸2
普段より、ほんのちょっと早く目覚めて窓の外を見ると。
花子がジョニー抜いて花壇に突き刺してた。
・・・・うん、これは夢やな。
最近、庭にある花壇で知らない花が咲いてるなって思ってたけど、気のせいやったか。
だって花子のジョニーは植木鉢から生えてるしな。
もう一度布団に入ったら、今度こそ目覚めるよね。
私の日常は・・・・ごく一般的な物で構わへんからな。