第5話 家族になりましょう
SIDE:近衛 近右衛門
「ふぉふぉふぉ、了解じゃ。手続きはしておこう」
ガチャ
高畑君からの電話を切り、ちょっと窓の外を見てみる。
ふむ、高畑君がここまで後先考えないで行動するなんてのう。
やはり自分と重ねてしまったのかのう。
まあ、これも高畑君にとっては良いことかもしれん。
「さて……」
早めに孤児院のほうには断りの電話を入れんといかんか。
後は養子縁組の準備じゃな。
SIDE:タカミチ・T・高畑
学園長に孤児院への断りと、養子縁組についてお願いした。
この貸しを返すのに色々とこき使われるだろうけど、色々とギリギリなこの状況だと学園長に手を回してもらうのが一番手っ取り早い。
そう割り切ると、僕は早速自宅であるマンションへと戻った。
幸い一人暮らしには広すぎるマンションだ。
物置になっている部屋を片付ければ、すぐに一部屋空くだろう。
マンションに着いた僕は、早速部屋の掃除を始めた。
昼過ぎには迎えにいかないとね。
SIDE:篠岡弥生?
え~、ただいまタカミチこと『おとーさん』の家へ一緒に帰る途中です。
って言うか車だ。
おとーさん免許持ってたんだ。
さすがに車は借り物みたいだけど、楽でいいな。
「もうすぐ着くよ」
「もうですか? 近いですね」
まだ病院出てから10分もたっていないよ。
「ははは、一応大学には歩いて通ってるからね」
「なるほど」
わざわざ、俺のために車を借りてくれたんですね。
ありがたいことだ。
本当にこの身体は、体力無いからなぁ。
そんなこんなで、マンションに到着。
なかなか良いマンションだ。
大学生が一人暮らししてるとは思えないマンションだね。
やはり魔法関係で稼いでるとみた。
「さあ、どーぞ」
「おじゃまします……」
中に入ったら、また広いな。
キッチンにリビング、さらに二部屋かよ。
同じ大学生でも、実家から通ってた俺とえらい違いだな。
「こっちの部屋が、君の部屋になるよ」
通された部屋は6畳の部屋。
大きめの窓も付いていて、これは良い部屋だ。
あ、そうだ。
まだ、ちゃんと挨拶をしていなかった。
日が差し込む窓を背に、くるりと振り返り
「今日からお世話になります。よろしくね、おとーさん」
今、この時こそが
私におとーさんが、おとーさんに娘が、
二人に家族が出来た瞬間だった。
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後書き
読んで頂いてありがとうございます。青人です。
今回は高畑親子誕生の後始末的なお話。
ネギま!の話なのに魔法とかのシーンがほとんどありませんでしたが、これからやっと書けるかもしれません。
主人公の始動キーをどうするかは考え中です。
ちなみにこの時のキャラの年齢とか
主人公 :4歳
タカミチ:19歳(大学1年)
明日菜 :4歳。(まだ麻帆良に来ていない)
エヴァ :多分590歳ぐらい?
ネギ :まだ生まれてません
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