「ようやく見つけました」
早朝、日が上がるよりも早く、カリアン達は移動を再開した。
都市の足跡を追い続け、既に太陽は真上へと来ている。
既に昼。都市の姿は未だに見えなかったが、念威による連絡が復活した。
「フェリ?」
念威越しに聞こえてきた声は、カリアンの妹であるフェリのものだった。
連絡のついたことに安堵するカリアンだったが、彼女は現在療養中だと言うことを思い出し、すぐに渋い顔をする。
「医者の許可はちゃんと取っているのだろうね?」
「そんなことを言う余裕があるということは、大丈夫だと言うことですね。今朝、ようやく許可が下りました。引き継いだところで兄さん達を見つけたんです。兄さん達を見失ってから、突然あの周囲で念威がきかなくなったそうで、一時は混乱していたんですよ」
医者の許しは得ているようだが、兄としてはやはり心配だ。
しかも、現在のフェリは懐妊の身。正直、無茶はさせたくなかった。
「本当に大丈夫かい。無理はしないでくれ」
「わかってます。それでは、都市と合流できるルートを指示しますね」
「ああ、頼む」
だが、なんにせよ、これで都市を追いかけるよりも早く合流できる。
足跡を追い、逃げる都市を追いかけるよりも、回りこんで合流した方が格段に早い。
これでやっと一息つけるとカリアン、オリバーとシャーニッドが気を抜いたところで……
「っ……!?後方、0420から0840に反応多数」
「はぁ!?」
「なんだって?」
「おぃおぃ……マジかよ?」
緊迫したフェリの声。その声に従い、背後を振り返る一同。その存在は、一般人のカリアンでも捉えられる距離にいた。
絶句し、息を呑む。緩めた気持ちが一瞬にして引き締まり、嫌な汗が背筋を流れた。
汚染獣だ。しかも、1体や2体ではない。数十体にも及ぶ数の汚染獣だ。
それらが真っ直ぐ、こちらへと向かってくる。
「ハルペーとは別の汚染獣かな?」
「見るにあの領域にいた汚染獣だと思うぜ、会長。あんな独特な汚染獣はそうはいねぇよ」
ハルペーの領域にいたのとは別の汚染獣かと思うカリアンだったが、あの姿からしてそれはありえないとシャーニッドが言う。
幼生体から成体へと変化した時の形は、同じ母体から生まれた汚染獣でも異なるはずだ。だと言うのに、あの汚染獣は全て同じ姿をしている。
ハルペーに似た体躯を持ち、こちらへと迫ってくる。おそらく、領域にいたころからずっと潜んでいたのだろう。
「ハルペーの支配も完全ではないと言うことかな」
「んなこと言ってる場合ですか!?え、マジ?マジなんですか!?ちょ、どうするんですかこれぇ!!?」
ため息を吐くカリアン。運転席にいたオリバーはパニックに陥っており、面白いほどに慌てふためいている。
だが、そんな姿を他人事のように見ることは出来ない。
後を付けてきた数十体の汚染獣。その数字はもはや絶望的だった。
レイフォンの失踪前、彼とサリンバン教導傭兵団が受け持った汚染獣の数が12体なのだ。軽く見積もってその時の2倍、3倍の数の汚染獣が迫ってくる。
その上、現在ツェルニにレイフォンはいない。サリンバン教導傭兵団に依頼し、あの数の汚染獣を屠らせる金銭的余裕も、今のツェルニにはないのだ。
故に、頼れるのは自分達の力のみ。あの数の汚染獣を学生武芸者達だけで倒さなければならないのだ。
「とりあえず……これ以外選択肢がないと思うんで逃げますよ!」
オリバーは一旦、息を大きく吸って落ち着く。そしてすぐさま、全力で放浪バスのアクセルを踏み抜いた。
逃走。そのまま逃げ切れればいいのだが、如何に改造した放浪バスとはいえ、飛んで追って来る汚染獣を振り切るのは不可能に近い。
それに、
「フェリちゃん!ツェルニまでの到着予定時刻はどれくらい?」
「あなたにちゃん付けで呼ばれると気持ち悪いですね」
「ひどっ!?」
「まぁ、いいです。最速で2時間ほどです」
「2時間……」
そんな短時間では、とても汚染獣を撒くことなんてできない。
更には2時間と言う距離にまで、放浪バスと汚染獣はツェルニへと接近しているのだ。既にそこに住む住人達の、餌の臭いを感知しているだろう。
オリバー達が難を逃れたとしても、汚染獣達は間違いなく都市へと向かう。
「兄さん、あの汚染獣を詳しく調べようとすると念威が乱れます」
「どういうことだい?」
「不明です。ただ、兄さん達を見失ったことと別の理由と言うことはないでしょう」
「未だ領域の中にいる……と言う事ではないだろうね。ハルペーが心変わりした可能性もないではないが、ハルペーと同質の能力を持っていると考える方が妥当だろう。彼は自らの目的を明確にしていた。それ以外の行動で矛盾のない変節はしないはずだ」
更には念威を遮断するらしい能力。
カリアンが冷静に推測する中、シャーニッドはフェリに尋ねた。
「どれくらい使えねぇんだ?」
「遠距離からでは念威の反射率は最低です。私自身がそこに行ければある程度の精度は期待できるかもしれませんが。それは現実、不可能です……もしあなた方があの汚染獣の群れの中に飛び込むと、視覚のフォローはまず無理ですし、もしかしたらあなた方の位置そのものを見失うかもしれません」
「心配しなくても、俺達にそんなこと出来ないから!」
「でしょうね」
フェリの説明に対し、オリバーが絶叫するように言う。
あの数の汚染獣だ。それを個人で殲滅できる戦力なんて、ツェルニではレイフォン以外ありえない。
そのレイフォンがいないために、自分は会長やシャーニッドと共に、こんな危険な場所に赴く羽目になったのだ。
「おそらく、あの汚染獣達は始めて汚染物質以外の食料を感じ取ったのではないかな?目の前にご馳走をぶら下げられて我慢できるほど躾はできていなかったということだろうね」
「配下の躾くらい、ちゃんとしていて欲しかったですよ」
カリアンの言葉に悪態を吐くオリバーだったが、誰もどう対応するかなんて聞いてこない。
逃げるしかないのだ。現状、この戦力で汚染獣を撒いたり、殲滅することは不可能である。
ならば都市へと逃げ帰り、そこで学生武芸者達によって迎撃するしかない。
だが、果たして勝てるのだろうか?
「御託はいいから早く戻って来い」
そんな中、フェリの念威端子からいきなり野太い声が響いてくる。
「やあ、ヴァンゼ。聞いていたのかい?」
「当たり前だ」
考えてもみれば、ヴァンゼが聞いているのも当たり前だろう。
彼は武芸長なのだ。フェリがちゃんと医者に許可を取り、カリアン達の探査を引き継いだと言うのなら隣にいてもおかしくない。
「状況は既にツェルニの全武芸者に通達してある。こちらの戦闘準備は直に整う。お前達は何の心配もせずに戻って来い。迎撃はここ(ツェルニ)で行う」
「ふむ、ならば任せたよ」
「ああ、だから死なずに帰って来い」
ヴァンゼの力強い言葉に諭され、カリアンは僅かに微笑む。
そうだ、勝てるかどうかではなく、勝たなければならないのだ。自分達が生き残るには汚染獣と戦い、そして勝つしかない。
「そういうことになりました。都市までの最短ルートを案内します」
「ああ、頼むよ」
話は終わり、フェリの声へと戻る。
彼女の指示に従ってツェルニへと向かう放浪バスだったが、やはり地を這う乗り物と汚染獣の飛行速度では後者の方が上だ。
徐々に距離を詰められており、汚染獣の群れがこちらへと近づいてくる。
「ちょっとォ!来ます、来ますよ!?喰われる、マジで喰われる!?」
「もしかしたら、飢えと共に味見の意味を含めてこちらに来ているかもしれないね」
「冷静に分析してる場合ですかこの腹黒眼鏡!澄ました眼鏡カチ割りますよ!!」
思わず怒鳴ってしまうオリバーだったが、確かに彼の言うとおりそんな場合ではない。
このままでは汚染獣の餌になってしまう。
「エリプトン先輩、このために付いて来たんでしょ!?なんとかしてくださいよ」
「無茶言うな。あの数をどうしろってんだ!?」
護衛と言う立場にいるシャーニッドだが、あんな数の汚染獣を1人でどうにかするなんてことはできない。
数が多すぎる以前に、まず攻撃が通用しない。硬い甲殻、そして脅威の生命力。汚染獣相手に一番厄介なのは、やはりこのふたつだろう。
おそらくは二期や三期の雄性体。あの甲殻を剄弾で撃ち抜くのは、正直難しい。
(いや……)
こうなれば奥の手を使うか?シャーニッドはそう考えた。
父に仕込まれ、緊急時に使えと言われた奥の手。現にシャーニッドはその手を幼生体の汚染獣を迎撃することに使っていた。
数が多い、正直、あまり無理はしたくない。だが、その手を使えばツェルニへ逃げ帰るまでは時間を稼げるかもしれない。
「明日はデートだし、やるだけやるか」
シャーニッドは軽い口調で都市外装備に身を包み始める。汚染獣を迎え撃つつもりなのだ。
なんだかんだ言っても、このまま無様に死ぬつもりはない。
「エリプトン先輩!」
「なんだ?」
着替えを終えたシャーニッドが車内の窓を開けようとしたところで、オリバーが声をかけてきた。
「後部座席の隣にある箱、それを開けてください」
「なんだよ?」
オリバーに言われ、作りのしっかりした、大きくて頑丈そうな箱をシャーニッドは開ける。
その中に入っていたもの、ごつくて物騒なものを見て、シャーニッドは思わず口元を緩めた。
「おぃおぃ……」
「面白いでしょ?俺の切り札ですよ」
入っていたのは銃だ。しかし、ただの銃ではない。それはもはや、小規模な大砲だった。
機関砲。それがこの銃の名だ。
多数の銃身が筒を形成するように並べられ、回転しながら弾を撃ち出す機構のこの銃は、少数ながら銃使いの武芸者が用いることがある。
だが、毎分4000発と言う大量の弾薬を噴出するため、実弾使用ならば都市政府に嫌われ、剄弾使用であれば、射出速度と剄の供給のバランスが崩壊しやすいことで武芸者に嫌われ、使い手はほぼ皆無と言ってもよい。
ちなみにオリバーの持っていたこの機関砲は、実弾使用である。
「ただ、弾薬代が馬鹿にならないんで、1000発しかないんですよ。正直、放浪バスの改造よりもそっちに資金を割きました」
単純計算で、15秒打ち続ければ弾切れとなってしまう。だが、それでもこれがあるのとないのでは大違いだ。
機関砲と、1000発の銃弾を調達するのにかなりの費用を要したが、過去に老生体と言う化け物をその目で見ていたために、最低限の武装としてこのようなものを用意していた。
この荒れ果てた大地を放浪バスで旅したいと思っているオリバーにとって、それは当然のことだ。
「サンキュー、オリバー」
シャーニッドはベルトで固定し、機関砲を持ち上げる。
如何に強靭な肉体を持つ武芸者とはいえ、こうでもしなければかなりの重量を持つこの銃を振り回すことなんて出来ない。
シャーニッドは装備を終え、車内の窓を開け、そこから放浪バスの屋根へと移動する。
汚染物質が一瞬、車内へと入り込んだがすぐさまカリアンが窓を閉めた。
屋根へと上りきったシャーニッドは、自身の錬金鋼と機関砲を構え、感嘆の声を漏らす。
「絶景だな……」
それはこの世のものとは思えない、むしろ夢だったらいいのにと思うほどの絶景だった。
震え上がり、先ほどから嫌な汗が止まらない。
それでもシャーニッドは果敢に立ち向かい、引き金に指をかける。
「さて、しぶとく生き残るために頑張るとしますか」
機関砲が火を噴く。1秒、その間に打ち出された銃弾の数は約66発。
66発の銃弾が1体の汚染獣の翅と体を撃ち抜き、体液を撒き散らしながら落ちて行く。
地面に落下し、のた打ち回る汚染獣。そんな汚染獣に向け、仲間の汚染獣数匹が共食いを始めた。
「本当に絶景だな……」
シャーニッドはつぶやきながら、次の汚染獣へと狙いをつけた。
結果として、2時間と言う長い逃走劇をシャーニッド達はやりとげた。
「流石にきついぜ……」
既に機関砲の弾薬は尽きており、現在は自身の銃のみで応戦していた。
かなりの体力を消費する奥の手。更には汚染獣から逃れるため、全速力で疾走する放浪バスの上から応戦していたのだ。
揺れる車上から狙いをつけることも大変だったが、落ちないように屋根にしがみついていることも大変だった。
改造でオリバーが足場のようなものを設けていてくれたが、それでも何度落ちそうになったかわからない。
「あと少しです、シャーニッド先輩!」
「いや、もう無理!手も足もガタガタなんだって。生まれたての小鹿のようにプルプルしてる!!」
「頑張ってください!」
念威越しにオリバーの励ましが聞こえる。
都市は、ツェルニはすぐそこ。カリアンの肉眼でも捉えられる距離へと近づいていたのだ。
2時間にも及んだこの長い逃走劇も、もうすぐ終わりを迎えようとしていた。
だが、シャーニッドはこれまでの応戦でかなりの体力を消費しており、放浪バスの上にしがみついていることさえ限界だった。
そんな状態で汚染獣の応戦が出来るはずがなく、1体の汚染獣が低空飛行でシャーニッド達へ迫ってくる。
「くっ……」
都市までまだ距離がある。反撃する余裕がない。
迫る汚染獣の牙。正直、詰んだと思った。打つ手がないのだ。
死にたくないし、諦めるつもりなんてない。だが、この状況を何とかする打開策が思いつかない。
それでも考える。どうするべきか?どうすればいいのか?
シャーニッドが答えを得るよりも早く、汚染獣の牙が放浪バスごと噛み砕こうとしたところで……
「は?」
突然、汚染獣が貫かれた。
都市方向から飛来してきたもの、それは矢だった。
幾つもの矢が汚染獣に突き刺さり、翅を撃ち抜き、首を射抜く。
汚染獣は大きな悲鳴を上げ、その場でもんどりうっていた。そんな汚染獣に、更に追加で矢が飛んでくる。
これにはたまらない。体液を流し、汚染獣が地に落ちる。それを、後を追ってきた汚染獣達が襲い始め、またも共食いが始まった。
「助かった……だが、誰だ?」
命拾いをした。そのことに、ひとまずシャーニッドは安堵の息を吐く。
だが、一体誰が今のをやった?自分達を助けてくれた?
おそらく、いや、間違いなく都市から汚染獣を矢で撃ち抜いたのだろう。
だけど、いくら肉眼で捉えられる距離とはいえ都市からこの場所に、正確に狙撃するなんてかなり難しい。ツェルニ屈指の狙撃手であるシャーニッドですら梃子摺るだろう。
それを成し、更には汚染獣の甲殻を撃ち抜く威力で放ってきた。それを成したのは、最低でも小隊員レベルの実力者だ。
「シャーニッド様!!」
「げっ!?」
突如、フェリの念威端子から聞こえてきた甲高い声に、シャーニッドは思いっ切り顔を引き攣らせる。
この声には聞き覚えがあり、そしてシャーニッドを様付けで呼ぶ存在は彼女以外ありえない。
それに、おそらくは汚染獣を矢で撃ち抜いたのは彼女なのだろう。彼女の武器は弓だった。
「危ないところでした。ですが、ご安心してください。このネルアが、汚染獣ごときには指一本も触れさせませんわ」
ネルア・オーランド。第十一小隊の隊員だ。
シャーニッドと同じ4年生であり、大人しそうな外見をしている。幼い外見をしており、よく年下に見られがちだ。
だが、そんな外見とは正反対で強引で、積極的で、一直線で、シャーニッドに対して恋心を抱いている。
そんな彼女のことを、女好きなシャーニッドではあるが少し苦手としていた。
「シャーニッド様の邪魔をするのは、このネルアが許しません」
だが、そんな彼女に助けられたのは紛れもない事実だ。
ネルアの矢を筆頭に、ツェルニ方面から援護射撃が飛んでくる。
剄弾の雨。それらが汚染獣達に降り注ぎ、シャーニッド達の逃走を手助けしていた。
「よしっ!」
車内で、オリバーが思わずガッツポーズを取る。
ついに放浪バスはツェルニに到達した。下部ゲートから乗り上げ、都市の内部に滑り込む。
放浪バスが停車し、それと同時に既に限界だったシャーニッドが放浪バスの屋根の上から滑り落ちる。
「エリプトン先輩!?」
「足が滑っただけだ……」
それを見て、慌ててオリバーが放浪バスから降りてシャーニッドの元へと駆け寄るが、シャーニッドは気丈に振舞う。
それでもその声は弱々しく、顔色も青白いことからとても大丈夫そうには見えない。
かなりの負担がかかる奥の手を使ったからなのだろうか、軽い剄脈疲労を起こしていた。
「戦闘は無理そうですね……」
「まぁ……ぶっちゃけ、休めるなら休みたい気分だ」
待機していた医療班達が駆け寄ってくる。オリバーはシャーニッドを彼らへと任すと、自分も汚染獣に応戦するために戦場へと向う。
「任せたよ」
「こっちも死にたくはないんで、やれるだけやります」
カリアンの激励を聞き流し、オリバーは駆け出した。
「フェリ、本当にこんな所にいて大丈夫なのか?お前は病み上がりなんだ。それに、念威繰者ならばもう少し離れたところから……」
「数も数ですし、今回は速度が重要です。ただでさえ相手は、何らかの手段で念威を遮断していますから。ここが念威を一番通しやすいんですよ」
「そうか……」
フェリに尋ねるニーナだったが、そう言われては何も言い返せない。
念威のことに関して念威繰者であるフェリが詳しいのは当然であり、武芸者であるニーナには反論する余地がない。
フェリがそう言うのならそうなのだろうと納得するが、それでも汚染獣を迎え撃つための最前線にいる彼女のことが心配だった。
「それにしてもどうして私が護衛なんだ?希望者はたくさんいただろう?」
フェリが前線に立つことになり、その護衛として立候補者は大量にいた。その数50人ほど。言うまでもなくフェリ・ロス親衛隊だ。
だけどフェリはニーナを1人だけ選び、彼女を護衛として傍に置いている。
守りよりも攻めの方が好きで、ツェルニを襲う汚染獣をこの手で倒し、護りたいと思っていたニーナとしては、この配役に些か不満ではあった。
「数が増えたらうるさいじゃないですか。正直、隊長1人では不安ではありますが、仮にも小隊長なんですから」
「うるさ……仮だと……?」
あまりの言い様にニーナは絶句する。
そんな彼女に構わず、フェリはさらりと、更にきつい言葉を浴びせてきた。
「自分の隊の念威繰者1人護りきれない隊長など、家畜以下だと思うんですがどうでしょうか?」
「……いいだろう」
挑発だ。だが、ニーナはあっさりとその挑発に乗ってしまう。
自分は家畜以下ではなく、本物の小隊長だと証明するために気合を入れた。
「来ます」
そんなニーナに対し、フェリのあくまで冷静な声が響く。
剄弾の雨を抜け、都市へと接近してくる汚染獣の姿がニーナの肉眼でも確認できた。
ニーナは鉄鞭を構え、迫ってくる汚染獣を迎え撃つ。
「仕事だから真面目に鍛えたけど、あの数はいくらなんでも多すぎるさ~」
ツェルニの学生武芸者達を教導したサリンバン教導傭兵団の団長、ハイアは冷静に戦局を読む。
如何に成体の汚染獣が相手とはいえ、5,6体くらいならツェルニの武芸者でもある程度の余裕を持って倒せるくらいには鍛え上げたはずだ。
だが、それでも、数十体と言う数の汚染獣は多すぎる。サリンバン教導傭兵団でも、少しばかり苦戦するような数だ。
レイフォンの存在しないツェルニに、あの数を相手にして生き残れる可能性は皆無だ。
「どうするハイア?いや、団長」
「どうもしないさ」
フェルマウスの問いかけに、淡々とハイアは答える。
現在のツェルニに、自分達傭兵団に汚染獣の討伐を依頼する金銭的余裕はない。
報酬が貰えないのなら、自分達がこの戦闘に介入するメリットもない。
何もせず、この都市が滅びそうになったら自前の放浪バスで脱出すればいいだけの話だ。
「それに、こんな時だからこそ廃貴族が憑く可能性もあるさ。俺っち達はそいつを捕まえて、グレンダンに持ち帰ればいい」
汚染獣に対し、狂うほどの憎悪を持ったのが廃貴族。
あの時、ディン・ディーのように都市を護りたいと言う強い意志を持つのに、そのための力を持たない者のために廃貴族がまた現れる可能性がある。
その時が狙いだ。廃貴族の憑いた学生を拉致し、グレンダンに持ち帰ればいい。それで、サリンバン教導傭兵団の目的は達成される。
「ただ、ひとつ気になることがあるとすれば……レイフォンはどこに行ったさ?」
都市が暴走していると言うのに、その姿はない。
今回の汚染獣の襲撃に関しても、彼がいなければ確実にツェルニは滅ぶレベルだ。だと言うのに、戦場のどこにもレイフォンはいないのだ。
そんなハイアの呟きなど関係なく、戦場では汚染獣と学生武芸者達が激突していた。
「かかれぇ!!」
銃により、汚染獣の翅を撃ち抜いたエドワードが叫ぶ。
「「「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!」」」
フェリ・ロス親衛隊隊長の彼の言葉に従い、重装の戦闘衣を纏った集団が地上に落ちた汚染獣に突貫するように攻撃を行う。
その手には騎装槍が握られていた。騎士式と呼ばれる戦法だ。犠牲を顧みない突撃。
重装で身を固めてはいるが、そんなもの汚染獣の前では気休めにしかならない。都市外でこんな戦法を取れば、すぐに戦闘衣や防護服はボロボロになり、汚染物質に晒されるだろう。
だが、ここはエア・フィルター内だ。ちょっとやそっとの傷で死ぬことはない。
それでも汚染獣相手に突撃するのは命がけであり、怖気づいてしまう者も中に入るだろう。
だが、彼らは怖気づかない。彼らは揺るがない。
その瞳には炎が宿っており、己の命を懸けることになんの疑問も抱いていなかった。
「突撃!突撃ィ!!」
「我ら女神のために!己の命を燃やし尽くせ!!」
「汚染獣を倒せ!殲滅しろ!!」
彼らはフェリ・ロス親衛隊の隊員達。
女神と崇める彼女のために全てを捧げ、死すら恐れない兵達。
彼らは果敢にも汚染獣へと突っ込む。地に落ちたとはいえ、汚染獣は強敵だ。
その巨体で薙ぎ払われ、鋭い牙で喰いついてこようとする。
いくら重装備をしているとはいえ、薙ぎ払われて骨を折る者、その牙で肉をごっそりと抉られ、手足を食い千切られる者も存在した。
だが、それでも多勢に無勢。数十人にも及ぶ突撃に汚染獣は耐え切れず、騎装槍の前にその体を貫かれる。
汚染獣が断末魔の悲鳴を上げ、そのまま事切れた。
汚染獣を倒した、その事実にフェリ・ロス親衛隊の者達は歓声を上げない。そんなものを上げる暇もない。
数名の重傷者が出たというのに、既に次の汚染獣へと狙いを定める。
「我らが女神、フェリ・ロスの命は何に置いても優先させる!例えこの身が果てようと、何者からも彼女を護ることを誓え!!」
フェリ・ロス親衛隊第三条が叫ばれる。その言葉にフェリ・ロス親衛隊は体を震わせた。
犠牲を恐れない。死を恐れない。女神を護るためにこの身が壊れようと構わない。
もはや宗教、洗脳の域に達している。それでも彼らは誰も恐れず、再び汚染獣へと突撃した。
彼らは、ツェルニの学生武芸者達は奮闘した。
だが、いくら頑張ったからと言って、結果が伴わない場合もある。今回はまさにそれだった。
ネルアを筆頭にした狙撃部隊。逃走を手助けするための援護射撃ならば何とかなったが、数多くの汚染獣相手に苦戦している。
強靭な生命力を持つ汚染獣だ。1発や2発の剄弾の直撃などものともせずにツェルニに突っ込んできた。
だからと言って集中射撃をするには、数十体と言う数は多すぎる。攻撃の手数が、人手が足りずに何体かは都市への侵入を許していた。
それを外縁部で迎え撃つのが前線、白兵部隊である。連携を伴い、決して少なくない数の汚染獣を屠ってきた。
だが、やはり数が多い。フェリ・ロス親衛隊の騎士式と呼ばれる戦法は確かに効果的で、彼らだけで7,8体の汚染獣を既に屠っている。
全体を合わせると、ツェルニの学生武芸者達は既に15体もの汚染獣を屠っていた。
その戦果には、教導した本人であるハイアも予想外だと感心していた。生き残りを懸けた決死の攻防戦。
そしてこれまで、不出来とはいえそれなりの場数を踏んできた経験なのか、学生武芸者達は奮闘していた。
それでも汚染獣はまだいる。15体と言う汚染獣を屠りはしたが、それでもその数は全体の半数以下だ。
未だに半分以上、もしかしたら三分の二、四分の三以上の汚染獣が残っているかもしれない。
念威繰者であるフェリならば正確な数を把握しているかもしれないが、正直それを確認するのが恐ろしかった。
これまでの戦闘で学生武芸者達は既に疲弊しきり、フェリ・ロス親衛隊も死者こそいないが、重傷者は多数。無事なものは1人もおらず、戦闘を続行できるものは数人にまで落ち込んでいた。
「隊長!」
「ハァ……ハァ……」
そして防衛に、フェリの護衛に徹していたニーナも疲労の色を隠すことが出来ない。
肩で息をし、正直、立っているのすら辛い状況だった。
フェリの心配そうな問いかけに答える余裕もなく、熱い体を沈めようとする。
フェリの護衛とはいえ、前線がもはや決壊しており、汚染獣が絶え間なく襲ってくるのだ。
それらを追い払い、フェリを護る。倒しきり、止めを刺すなんて余裕はない。そんな暇などなく汚染獣は襲いかかってくるのだ。
一体この戦闘は、何時になったら終わる?
ふと、そんなことを思った。
「隊長!!」
そんなニーナに、再度フェリの声が投げかけられる。
その声を聞き、気づいた。いや、フェリの念威によるサポートは完璧だ。視界や感覚のサポートは既に受けている。
その存在には最初から気づいていた。だが、あまりの疲労にボーっとしており、気を抜いた一瞬の隙に接近を許してしまった。
体が反応しない。それに歯噛みをしながら、ニーナは地面を転がるようにして避ける。
「ぐっ……」
それでも遅すぎた。汚染獣の足、鋭い爪によってニーナの戦闘衣は破かれる。
それなりに頑丈なもので出来てはいるが、ざっくりと切り裂かれていた。肌も裂かれており、血がどくどくと流れてくる。
赤い液体が溢れ出し、地面を赤く染めていた。
本来なら直撃していただろう。足や爪ではなく、その牙でニーナは食い破られ、今頃汚染獣の腹の中にいたはずだ。だが、そうはならなかった。
フェリの念威爆雷。その爆発を受け、汚染獣は悶えながら宙で方向を変えた。
それに巻き込まれ、結果としてニーナは肩口を切り裂かれたが、それでも食われて死ぬよりはましだろう。
念威爆雷の直撃を受けた汚染獣だが、特に目立った外傷はなく、食事を邪魔したフェリに向けて飢餓の混じった殺意を向ける。
そもそも、念威爆雷には大した殺傷能力はない。相手が幼生体で、比較的脆い翅や足などを狙えば落とすことは可能だろうが、相手は成体。
硬い甲殻に身を護られ、念威爆雷の直撃を受けたとしてもものともしない。
「フェリ!」
地に倒れたニーナが叫ぶ。
汚染獣は、フェリへと狙いを定めて襲ってきた。
眼前に迫る汚染獣。だと言うのに、念威繰者で対抗手段を持たないフェリの表情は平然としていた。
何時も済ましたように無表情で、感情の変化の乏しいフェリ。でもここ最近、彼女は深く傷ついていて、とても脆く、悲しそうな表情をしていた。
そんな彼女が立ち直って、今はこの戦場に立っている。それでも何時もの無表情な顔には、どこか寂しさが隠れている気がした。
絶体絶命のこの状況。だと言うのにフェリは動じない。だと言うのにフェリは恐れない。
無表情な顔だが、ニーナが感じていた寂しさは既に消えていた。
変化の乏しい表情。だが、ニーナは確かに見た。その顔に、口元に、小さな笑みが浮かんだところを。
フェリは感じていたのだ。戦場に張り巡らされた彼女の念威。その念威が、ある人物の存在を捉えていた。
この気配を、感覚を間違えるはずがない。その存在だけで、傍にいてくれるだけで自分を癒し、支えてくれる人物。フェリは緩む口元を抑えることが出来ずに、彼の名を呼んだ。
「……………」
その声は小さく、活剄で身体能力、更には聴覚が強化されていたニーナにも聞こえなかった。
だが、その言葉が合図だった。
フェリを襲ってきた汚染獣は空中で急停止し、動きを止めた。
何が起こったのかニーナには理解できない。だけど、フェリには理解できていた。そして、それをやった人物が誰なのかも。
笑みが止まらない。歩み寄ってくる人の気配。目頭が熱くなってくる。悲しくはない、むしろ嬉しいはずだ。だと言うのに、涙が止まらない。
背後からぎゅっと抱きしめられた。
温かい。自分を抱きしめた人物の体温を感じながら、フェリはそう思った。
空中で停止していた汚染獣が切り裂かれ、地へと落ちて行く。その光景に思わず表情を歪め、他にも言いたいこと、話したいことがたくさんあるはずなのに、フェリは背後の人物に向けて苦々しく言い放った。
「生々しい再会ですね。思わず吐き気がしました」
「すいません。ですが、汚染獣を放っておくわけには……」
フェリの意地の悪い言葉に、彼女を抱きしめた人物が困ったように反応する。
ムードの欠片もない。自分がそうなるように話を振ったとはいえ、もう少し彼にはそこら辺を気遣ってもらいたい。
だけど、気取らない彼のことが好きで、それでもいいかとフェリは自己完結する。
「お帰りなさい、フォンフォン」
今はただ、嬉しかった。
大好きな人が、愛しい人が自分の傍にいる。それだけでフェリは救われた気がした。
混戦する戦場。だけどそんなものは一切なく、レイフォンとフェリのいる場所はまるで別世界のように感じられた。
「レイ、フォン……?」
そんな別世界には、ニーナの声すら届かない。
彼女の存在など視界にすら入っていないかのようにレイフォンはフェリを強く抱きしめ、顎に手を回す。
自分の方を向かせるように持ち上げ、触れるだけのキスを交わした。
「なっ……!?」
ニーナが驚愕しているが、そんなものお構いなしだ。
「っ……フォンフォン!」
こんな状況で何をしているのかと、されるがままだったフェリも流石に怒る。
顔を赤らめ、僅かに頬を膨らませて怒鳴った。
当のレイフォンは、そんな彼女の怒りをさらりと受け流す。急に真剣な表情をし、フェリの耳元で囁くように声を発した。
「フェリ、僕は今、剣を持っていないんでハーレイ先輩に連絡を入れてくれますか?」
先ほど汚染獣を倒したのは、レイフォンの鋼糸だったのだろう。
刀身が鋼糸と化した錬金鋼を持っており、それをレイフォンは操っている。
鋼糸は汚染獣を次々と落としていき、正直剣は必要ないのではと思ったが、フェリは顔を赤くしたまま頷いた。
「……わかりました。話したいこともたくさんありますが、それは後でと言うことで」
「はい、これが終わってから」
レイフォンはそう言って、もう一度フェリにキスをした。
彼女の頬に触れる、軽いスキンシップのような口付け。それにフェリは一段と顔を赤くし、ハーレイへと連絡を取るために念威を飛ばす。
「ただいま、フェリ」
レイフォンは今更フェリの『お帰りなさい』に答えるようにつぶやき、名残惜しそうに彼女を手放す。
だが、その名残惜しそうな表情はすぐさま真剣なものへと変わった。都市へと迫り来る脅威、汚染獣。
それらに視線を向け、レイフォンはフェリを護るために戦場に立った。
それ以外の意味などない。レイフォンにとっては何よりも、誰よりも大切な存在がフェリなのだから。
何時までたっても放浪バスはやってこなかった。
「どうなってるの?」
ここはマイアス、放浪バスの停留所。リーリンはうんざりしたようにつぶやく。
到着予定はとっくの昔に過ぎ去り、未だに来ない放浪バスにリーリンは苛立ちを感じていた。
「世の中は予定通りにいきませんからね」
その隣ではクラリーベルがつぶやく。服を着ているから目立たないが、その体には痛々しいほどの包帯が巻かれていた。
クラリーベルはなぜか大怪我をしており、その理由をどうしても思い出せないリーリン。そして、何故かクラリーベルも教えてはくれない。
せめてもの救いは、グレンダンほどではないとはいえ現在の医学はかなりレベルが高い。武芸者だが、女性でもある彼女にとって、傷跡が残る怪我にはならなかったと言う事だろう。
「寝てなくていいの?」
「別に病気ではなく、切り傷ですから。輸血はしましたし、大人しくしていれば傷口も開きません」
リーリンの心配そうな問いかけに、クラリーベルは気軽に答える。
ここ最近、毎日停留所にやってくるリーリンに、クラリーベルは律儀に付き合ってくれた。
彼女達2人の他に、この停留所には人はいない。ちらほらと様子を見に来る旅人はいるが、彼らは放浪バスが来ていないのを確認するとすぐさま去っていく。
リーリンだけは購入した双眼鏡を手に、無駄だとわかっていながら荒れ果てた大地を見渡し、放浪バスを探していた。
「ところで、サヴァリス様は?」
「今頃、教導の真似事をしていると思いますよ。何せ、この間はずいぶん暴れ回っていたそうですから」
クラリーベルは少しだけ悔しそうに、リーリンの問いかけに答える。
気を失っていなかったら、自分も汚染獣の討伐に参加していたのにと言う悔しそうな顔だ。
汚染獣相手にはしゃいでいたサヴァリスの姿は、マイアス中の武芸者が注目していた。その姿を、実力を見込まれ、現在はマイアスの生徒会長直々に頼まれて教導を行っている。
錬金鋼を強奪のような手で取り戻し、都市警察に所属していたシェルと言う少女を伸したサヴァリスだが、その実力を買われての無罪放免と、汚染獣を倒したことによる報奨金、そして今回の教導の依頼と言う話が舞い降りてきた。
汚染獣に止めを刺したのは実質的にサヴァリスではないと言う話だが、それでもサヴァリスの実力が並外れていることは間違いない。
今頃は教導と称して、マイアスの学生武芸者達をサンドバックにしているはずだ。
「怪我が治ったら、この間のお礼もありますからロイさんに手合わせをお願いしてみようと思うんです」
お礼がなんなのかリーリンには理解できないが、ロイとクラリーベルの間に何かがあったらしい。
それがなんなのか聞くつもりはないが、どこか黒く笑うクラリーベルを見て、言いようのない不安を感じた。
「それはそうとリーリン、探すのならもっと別のものを探した方がいいですよ」
「え?」
それから暫くして、放浪バスを探していたリーリンにふと、クラリーベルが声をかける。
「例えばあれとか」
振り返ると、クラリーベルはある方向を指差していた。武芸者である彼女は、活剄で強化した目でそれを見ているのだろう。リーリンには何も見えない。
その先を双眼鏡で、倍率を操作しながら確認した。
砂煙を押しのけるようにして移動する巨大な影。それが、リーリンが双眼鏡越しに覗いたものだった。
一瞬、汚染獣かと思い、嫌な汗が背中を伝う。だが、違った。
「もしかして、都市?」
「でしょうね」
「嘘っ、こんな近くに都市なんて……」
「そう言う時期ですから」
クラリーベルの言葉に、リーリンはまたも背筋に嫌なものを感じた。
セルニウム鉱山を懸けた、都市同士の資源戦争。つまり、殺し合い。
「戦争になるの?」
「学園都市同士の戦争は、話に聞くとそこまで激しくはないそうですよ。ルールの縛りが厳しいそうですし、武器も刃引きがなされたものを使うそうですから。それよりも……あの旗、見えます?」
クラリーベルに促され、リーリンは都市の中心にある旗を探した。旗には、都市の名を示す紋章が描かれているのだ。
倍率を変えたりして、リーリンは旗を探す。見つけるのに苦労はしたが、何とかそれを見ることが出来た。
それは図面かされた少女と、ペンの紋章が描かれた旗だった。
「……え?」
その紋章を、リーリンは見たことがある。
グレンダンにまだレイフォンがいたころ、合格通知として送られて来たその手紙にあの紋章が描かれていた。
「もしかして……」
「ロイさんとの手合わせはお預けですね。いえ、この程度のハンデはむしろ当然でしょうか?どちらにせよ、早い方がいいはずです」
クラリーベルの声は、リーリンの耳を素通りしていく。それどころではなかった。
ツェルニがゆっくりとこちらに向かってくるのを、リーリンは呆然と見つめることしか出来なかったのだ。
あとがき
これで6巻分完結!
ここまで長かった、何気にこれまでで最長の話でした。
レイフォンの帰還、そして迫るツェルニ。7巻編から本当に楽しくなりそうですw
そして前回の一方通行ネタには、皆さん凄い食いつきっぷりw
これは是非ともやらねばならないようです!
次回は短編、クララ一直線の更新をしようと思ってますので、そちらの方も楽しみにしていただけると幸いです。
なんにせよ、6巻編完結!ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
これからも更新頑張ります。
さて、それはさておき刀語最終話見ました。
やっぱりとがめ死んじゃったなと思い、それでも1年間楽しみました。
戦闘も見ごたえがあり、とても面白かったです。
そして、皿場工舎はかなり可愛かったですw
でも、一番はやはり姉ちゃんなんだと思いますw
刀語も更新しなければなと思うこのごろ……
とりあえず、最後はこれで締めくくります。
ちぇりお!