<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.15623の一覧
[0] 七ツ夜と魔法(MELTY BLOOD×魔法少女リリカルなのは)【+sts編】[モンテスQ](2014/08/25 23:09)
[1] 七ツ夜と魔法 第1話[モンテスQ](2010/01/23 10:03)
[2] 七ツ夜と魔法 第2話[モンテスQ](2012/11/19 20:42)
[6] 七ツ夜と魔法 第3話[モンテスQ](2010/03/12 22:53)
[7] 七ツ夜と魔法 第4話[モンテスQ](2010/03/29 21:18)
[8] 裏小話その1[モンテスQ](2010/03/30 23:03)
[9] 七ツ夜と魔法 第5話[モンテスQ](2012/11/19 20:44)
[10] 七ツ夜と魔法 第6話[モンテスQ](2012/11/19 20:44)
[11] 七ツ夜と魔法 第7話[モンテスQ](2012/11/19 20:45)
[12] 七ツ夜と魔法 第8話[モンテスQ](2010/06/05 22:23)
[13] 裏小話その2[モンテスQ](2010/06/06 22:21)
[14] 七ツ夜と魔法 第9話[モンテスQ](2010/07/19 10:26)
[15] 七ツ夜と魔法 第9-②話[モンテスQ](2010/08/08 20:54)
[16] 七ツ夜と魔法 第10話[モンテスQ](2010/08/28 16:45)
[17] 七ツ夜と魔法 第11話[モンテスQ](2012/11/19 20:46)
[18] 七ツ夜と魔法 第12話[モンテスQ](2012/11/19 20:47)
[19] 七ツ夜と魔法 第13話[モンテスQ](2011/03/05 17:32)
[20] 七ツ夜と魔法 第14-①話[モンテスQ](2011/05/25 01:07)
[21] 七ツ夜と魔法 第14-②話[モンテスQ](2012/11/19 20:48)
[22] 休載のお知らせ[モンテスQ](2011/10/21 19:41)
[23] 七ツ夜と魔法 第15話①【再開】[モンテスQ](2012/01/18 20:55)
[24] 七ツ夜と魔法 第15話②[モンテスQ](2012/11/19 20:49)
[25] 七ツ夜と魔法 第15話③[モンテスQ](2012/02/09 23:01)
[26] 七ツ夜と魔法 第16話①[モンテスQ](2012/11/19 20:51)
[27] 七ツ夜と魔法 第16話②[モンテスQ](2012/11/19 20:53)
[28] 七ツ夜と魔法 第17話[モンテスQ](2012/11/19 20:54)
[29] 七ツ夜と魔法 第18話[モンテスQ](2012/05/24 20:52)
[30] 七ツ夜と魔法 最終話[モンテスQ](2012/05/24 20:53)
[31] 七ツ夜と魔法 Another-after(As)[モンテスQ](2014/08/14 23:20)
[32] 七ツ夜と魔法 Fin-epilogue future-【完結】[モンテスQ](2012/11/19 20:55)
[33] ある日の日常風景①[モンテスQ](2012/11/19 20:56)
[34] ある日の日常風景②[モンテスQ](2012/11/19 20:57)
[35] 七ツ夜と魔法 sts(没)[モンテスQ](2014/08/13 22:28)
[36] 七ツ夜と魔法 As①[モンテスQ](2014/08/14 23:19)
[37] 七ツ夜と魔法 As②[モンテスQ](2014/08/14 23:20)
[38] 七ツ夜と魔法 sts第0話[モンテスQ](2014/08/25 23:09)
[39] 七ツ夜と魔法 sts第1話[モンテスQ](2014/10/06 23:06)
[40] 七ツ夜と魔法 sts ―裏話①―[モンテスQ](2014/11/26 18:57)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[15623] 七ツ夜と魔法 第18話
Name: モンテスQ◆b121c041 ID:ea30df88 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/05/24 20:52

[七ツ夜と魔法(MELTY BLOOD×魔法少女リリカルなのは)]



人の一生は無価値である。

ただ何もせずとも世界は廻り

何をしようとも世界はその歯車を止めない。

そこに価値がるのではない。

そこに価値を見出しているのだ。

ならば全て事象を達成した瞬間、そこに何があるのか?

何もない。

輝いた瞬間も、成し遂げた瞬間も、幸せも、不幸も、

終わってしまえばそれまでだ。

しかし、その一瞬を世界が尊ぶのなら。

それは一つの物語(完結)ではないのだろうか。

世界は終わり、次の世界が産声を待つ。

そこに価値はなくとも――――



第18話「melty blood」


目を開いた先は月夜に輝く花畑。

そんな中に一人で佇む私の前に誰かが問いかける。

「ねぇ、あなたの名前は?」

「なまえ…あれ?」

何だっけ?


「フェイト・テスタロッサ」

思考する頭とは違い無意識のように、呼吸をするように自身の名前を吐きだす喉。

じゃない

今のは私からじゃない発音。

ゆっくりと目を開けて視界にとらえた先には、私よりも一回り小さい私の姿があった。

「フェイト、あなたの名前だよ。」

私と同じ髪の色をして私と同じ声をして、私とは違う瞳の色をした少女。

「あなたは…だれ?」

「私は――――そうね、フェイト。フェイト・テスタロッサかな?」

違う、それは私の名前だ。

「そう、じゃあなたの名前は本当にフェイト?」

「………それは……」

分からない。記憶がはっきりとしない。

「なら、あなたはアリシア。アリシア・テスタロッサ」

だったら、あなたの本当の名前は?

「どうだろう?フェイトかもしれないし、アリシアかもしれないよ。」

それじゃあまた私と同じになってしまう。

アリシアなのか、フェイトなのか。

「どっちだっていいじゃない。」

良くない。だってこの名前は母さんがつけてくれた大切な名前だから。

「私も母さんにつけてもらった大切な名前だよ。」

そうなのだろうか、これじゃあまるで同姓同名か、本物と偽者の関係だ。

「そうだね、ところであなたは本物?それとも偽物?」

私は本物だ。

そこに私の意思があり、そこに私の歩んだ軌跡がある限り、私は私。

「この世に偽物なんてないよ。」

「そうかな?こんなにも世界は偽物なのに。」

「例えにせられたモノであっても、そこから歩んだ軌跡はそのニセモノだけの真実だもの。本物はその時間、その時の気持ち、その時の世界を見ていないもの。」

「ふうん、つまりあなたは偽物は須く唯一の存在だと言いたいの?」

だってそう。

あの時の母さんの表情も、意思も、全て私に向けられた者であって本物には向けられなかったモノ。だったら、それは間違いなく私という個が本物とは違うと言うことを証明している、偽物という名のオリジナルだもの。

「うん、正解!ご褒美に魔法の言葉と、奇跡をあげるね。」

ありがとう、フェイト―――――いいや、



「ありがとう、アリシア(私)」





――――――――――――――――






「ママ?」


再び目を開けた先にいたのは大好きな母さん。



「ああ、アリシア!もう離さない、絶対に離さない。私だけのアリシア!」


だけのそのぬくもりは私じゃない私に向けた言葉。

ああ、そうか。

母さんはずっとアリシアを求めていたんだ。

あの日の笑顔も、優しさも、この瞬間のための劇だったんだ。

それでも何故か、ちっとも心は変わらない。

私は母さんが大好きだ。

其れは現れたナナヤさんの真実を聞いても同じこと。

ナナヤさんもタタリだった。

偽物だった。

だけど、そんなことは関係ない。

アリシアの偽物として作られた私の、これまでの日々は"確かにフェイト・テスタロッサ"だけのものだったんだから。

だから、自分の胸を貫かれて崩れ落ちる瞬間

『奇跡をあげる』

その言葉がどこからともなく聞こえて、全てはゼロ(元)の世界へと終息する。

崩れた世界に戻った私は生きていた。

喜びの声と共にだきつい来たのは栗色の髪の白い少女。

涙を浮かべて私の名前を呼ぶ。

「フェイトちゃん!」

と、涙を浮かべて歓喜の声をあげる。


温かなぬくもりは、同時に私が存在しているという認識に繋がる。





ああ、私はフェイト・テスタロッサだ。




――――――――――――――



「あ、あああぁ――――――」


元に戻った世界でプレシアは絶望を見る。


肉体にダメージのない、元に戻ったアリシア。



肉体情報がフェイト(ガラクタ)に戻ってしまった事実。

ガチガチと派が小刻みに震えぶつかり合う。


ガラクタが元に戻ったということは



「まさか!!!?」


管理局員など、周りの人間など目もくれず、魔力の閃光をとある一角の壁に打ち付け壊す。

そこから見えるのは


培養液のケースに真赤な血をあふれさせ漂う、

胸に大きな風穴がぽっかりと空いた、


「あ、ああああああああああああああああああ!!!!!」

少女は二度と目を覚まさない。

アリシアは二度と蘇えらない。


そんな現実がプレシアの胸に刻まれてしまった。


出来ない、
     もうどんなに
  どれ程自分の世界を映そうとも
  
 "アリシアはそこにいない"


あの花畑も、あの夜空も、皆アリシアとの再会を夢見た幻想だったのだ。


それが、アリシアの、あのぽっかりと開いてしまった穴が、全てを否定する。


「なんで!!なんで、なんで!?なんでっ!!!!」



慟哭は無情にも木霊し返ってくる返事はない。

ああ、これで本当に独りぼっちだ。

プレシア・テスタロッサには求める者が無くなってしまった。

「母さん………」

ふと、その瞳がガラクタを映す。



ヤメロ



「失せなさい」


その姿を見せないで。


「母さん。」


キエロ


お前はアリシアにすらならなかったガラクタだ。

「失せろ―――」


そうでなくてもあれだけの大規模術式を起動させたんだ、もう"持たない"


「母さん、私――――」


ああ、この手がまだあの子だった時の温もりを覚えていて手をあげられないのなら


「―――――シキに命じるわ。ガラクタを……殺しなさい。」




「………」

小太刀を持った七夜志貴が、ゆらりとフェイトの方へ向き直る。


「七夜、さん」


フェイトの隣で見守るなのはも不安を隠せない。

彼は本当に――――

「……やれやれ、別れの言葉くらいなら言えるかな?」


「なっ!?」

青い瞳を輝かせながら煮え切らない表情を浮かべるシキのそれは、先ほどまでの無機質なトオノシキでなく七夜志貴だった。

「時間はない。だから、一言だけ―――――」





『俺はお姫様に笑顔でいてほしいんだ』


その表情は遠野志貴では見せることができない。七夜志貴だからこそ、たどり着くことができた笑顔。

そっと優しくフェイトの髪を撫でて、満足したように頷いているのは、これから先の彼女に幸あれと言わんばかりの、彼が視た尊き幻想。



「そう、……あなた達は、いいえ、世界は!どんなことがあろうとも私の邪魔をするというのね!!!」

ギラギラと赤く光る怒りの瞳は七夜に向かってデバイスを構え、左手には虚空に浮かぶ魔道パネルを操作する。


「あなた(七夜志貴)なんて要らない!アリシアが死んであなたが生き返っていい道理なんてどこにもないの!」

だから


「来なさい遠野志貴!そして消えなさい!七夜志貴!」


フェイトを庇うように仁王立ちし落雷を受ける七夜志貴。


同時に姿を現す七ツ夜を握った遠野志貴。


七夜は落雷の衝撃か、もうもうと立ち込める砂埃の中で何事もなかったかのように立ち尽くしながら、しかし、明らかに失われたと判る無表情。


「ナナヤ…さん?」



彼の口が開くのがコワイ



あの数時間の共にいた時間が懐かしく感じる。

生まれて初めて男の人と接した、肌に触れた。

抱きあげられた。

頬に触れられた。

護られた。

大切にしてくれた。


その全てが再演だったなんて思えない。

その全てが、ナナヤさんの意思に反していたなんて思いたくない。

私も、ナナヤさんも、今ここに生きるのは紛れもない本物だ。


彼は―――――――

 
 

 

 

~あとがき~

最終話入ります。

もう力つきて…


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.022494077682495