<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[15302] 第六十一話
Name: 友◆ed8417f2 ID:8beccc12 前を表示する / 次を表示する
Date: 2014/03/23 23:13

第六十一話 最強喫茶『翠屋』出陣!





学校占拠事件の翌日。

今日は学校は臨時休校となり、子供達は隊舎にいる。

俺達はいつも通り機動六課の食堂で働いていたのだが、そこへ少々疲れた顔のはやてが書類を持ってやって来た。

「おはようユウくん」

「おっす、はやて。 疲れた顔してるな」

挨拶を交わす俺達。

はやてはカウンターの席に座ると、

「ブラックコーヒー頼むな」

「了解」

俺は慣れた手付きでコーヒーを淹れていく。

カップに注ぎ、それをはやてに差し出す。

「おおきに」

そう言ってはやてはコーヒーを一口すすり、

「で、ユウくん。 予想出来とった事やと思うんやけど…………」

はやては持っていた書類をカウンターの上に広げる。

「やっぱ来たか………」

俺は呆れ気味に呟く。

「管理局各部所からの、子供達のスカウトの書類や」

はやても、呆れを隠そうともせずにヤレヤレと首を振る。

子供達はAAAランク前後を記録している。

あの場にいた管理局員にはモロバレだろう。

「キャロの物については、ヴィータとユーノ君に送ろうと思ったけど、通信で伝えた瞬間突っ返せって怒られたわ」

「ま、当然だな」

俺はさも当然と頷く。

「ほな、聞くまでも無いと思うとるけど、ユウ君の答えも…………」

「断るに決まってるだろ。 俺は子供達が18歳になるまで…………最低でも15歳を過ぎるまでは、手放すつもりはない」

「ま、そこまでは確信しとったところまでやで問題ないんやけど……」

はやてはそう言うと書類の大部分を横に退かし、下の方にあったいくつかの書類を見せる。

「ヴィヴィオの事でちょっとめんどくさい事になっとてなぁ…………」

「めんどくさい事?」

はやては申し訳なさそうに書類を見せてくる。

「…………ヴィヴィオの親権を聖王教会に寄越せって言ってきとるんや………」

その書類には、あらゆる項目が書き込まれていて、あとは俺のサインでヴィヴィオの親権が聖王教会側に移るようになっている。

「…………………………………………………」

俺は無言でその書類を左手で持つと、

「ふざけんな…………!」

自分でも信じられないぐらいの低い声で唸ると同時に、炎で書類を灰も残らず焼き尽くした。

「ヴィヴィオは渡さん! 以上!」

俺はそうキッパリと告げる。

「まあ、そう言うと思っとったけど…………困ったことになぁ、聖王教会の使者が直接来るんよ。 そこで直接ユウ君たちに話を持ちかけるつもりやと思うで」

「使者が来ようが、騎士が来ようが、ヴィヴィオは渡さんぞ」

「まあ、それはわかっとるけど、話だけは聞いてあげてや。 そうせんと何度も催促来るから」

「わかった。 聞くだけな」

はっきり言って、話を聞くのもめんどくさいが、はやてにこれ以上負荷をかけるわけにも行かないからな。

「で、いつ来るんだ」

俺がそう尋ねると、

「もう来とるで」

「早ぇなオイ!」

俺は思わず突っ込んだ。






俺は応接間に入っていくと、聖王教会の人間と思われる女性とその護衛と思われる騎士がいた。

因みにこちらの人選は、俺とヴィヴィオが母親と慕う桜、リニス、ファリン。

機動六課からも、ヴィヴィオの母親役であるアリサ、すずか、アリシアが同席している。

「で? 話があるなら早くしてくれ。 こっちにもこっちの仕事があるんだ」

ぶっちゃけ俺は断る気マンマンなので、態度もクソもなく、どっかりと椅子に座ってそう言う。

「ええ、私達は聖王陛下を迎えに来ました。 その為に陛下の親権を我ら聖王教会へと移して欲しいのです」

「「「「「「断る(ります)!!」」」」」」」

7人完全同時0.5秒の即答であった。

「ふざけたこと言ってんじゃないわよ!!」

先ずはアリサが、

「ヴィヴィオは渡しません!」

すずかが、

「ヴィヴィオは私達の娘なんだから!」

アリシアが、

「話になりません! お引き取りください!」

リニスが、

「絶対にヴィヴィオは渡しませんよ!」

ファリンが、

「時間の無駄だわ」

桜がそれぞれ叫ぶ。

「な…………」

あまりの即答に聖王教会の使者は呆気に取られている。

「ヴィヴィオはもう俺達の家族だ。 少なくとも、18歳になるまでは手放すつもりはない。 ま、その後にヴィヴィオが王様になりたいって言うのなら、好きにすればいいさ」

俺は自分の考えを言う。

「そ、それはなりません! 聖王陛下には、幼き頃より陛下に相応しき教育を施さねば…………!」

その言葉を聞くと、俺は女を鋭い目で睨みつける。

「ッ…………!?」

俺の気迫に押されたのか、言葉が止まる女。

「相応しい教育と言えば聞こえはいいが、それは単なる刷り込み……………洗脳みたいなもんだろう? 子供は自由に、伸び伸びと育てるのが一番だ。 俺はそう思ってる」

「同感」

「私もそっちの方がいいと思います!」

桜とファリンが俺に同意する。

「し、しかし! 我々には、聖王が! 心の拠り所である象徴が必要なのです!」

女は必死そうにそう言う。

「聖王ね…………」

俺は思わず馬鹿にしたような笑みを浮かべてしまう。

自分の体に流れる聖王の血を思いながら。

「あんたらの都合なんざ知ったこっちゃない。 さっきも言ったが、ヴィヴィオを聖王として迎えたいなら、ヴィヴィオが18歳になってからヴィヴィオを説得することだ。 それまでは何度来られようとヴィヴィオを渡す気はない」

俺はキッパリと言い切る。

「しかし! 聖王陛下が18歳まで無事という保証はありません! 聖王陛下の生存が確認された以上、あらゆる組織が陛下を狙ってくるに違いありません! 聞けば、貴方達はただの喫茶店の経営者! 魔力は持っているようですが、そういった驚異から陛下を守りきれるとは、到底思えません!」

向こうもそう言い返してくるが、

「そうかしら?」

アリサが口を開く。

「このミッドチルダで、翠屋以上に安全な場所なんて無いと思うけど?」

「なっ!? そ、それは私達聖王教会や、管理局に対する侮辱と受け取ってよろしいので?」

アリサの言葉に過敏に反応する女性。

「侮辱も何も事実だって言ってるの。 管理局や聖王教会じゃ、魔力ランク保有制限とかで、1部隊に入れられる戦力の上限が決まってるでしょう? その点、翠屋じゃ、そんな制限なんて無いから、戦力の上限は無いわ」

アリサはすました顔でそう告げる。

「唯の喫茶店の店員が、我々聖王教会の騎士を上回るというのですか!?」

「じゃあ聞くけど、昨日暴れた子供達に勝てる部隊って、そっちに幾つある?」

「ッ!?」

アリサの言葉に、声を詰まらせる女。

それも当然。

子供達は全員AAA以上。

ヴィヴィオの聖王モードに至ってはS+以上だ。

S+が1人にAAA以上が5人。

管理局であれば、確実に魔力保有制限に引っかかる。

SS以上の魔導士がいれば話は別だが、管理局内でもそれほどの魔導士は片手で数えられる程度だ。

「子供達に手古摺るようじゃ、絶対に翠屋は負けないわ。 こっちにはユウもいるしね」

「まあ、昨日の子供達ぐらいなら、片手間で十分だな」

アリサの合図で、俺は魔力を開放する。

「うくっ………!?」

俺の魔力の大きさにあてられたのか、女は大きく後ずさる。

「まっ、そういう事だ。 下手な部隊に預けるよりも、ヴィヴィオは俺達といたほうが安全なんだよ」

俺は魔力を抑え、そう告げる。

だが、

「しっ、しかし! あなたがずっと陛下と一緒にいる保証もないでしょう!?」

女は諦めずにそう言ってくる。

「はぁ………だったら賭けをしよう」

俺はそう切り出す。

「賭け………ですか?」

「ああ。 俺と昨日の子供達を除いた翠屋の店員とお前が動かせる部隊全てで模擬戦だ。 これなら俺がいない時の戦力がわかるだろう? お前らが勝てばヴィヴィオの事は好きにしな。 ただし、こちらが勝ったらヴィヴィオの事は諦めろ」

俺はそう言う。

すると、女は少し考え、

「いいでしょう。 その賭け、受けましょう」

口元を釣り上げ、自信に満ちた顔で頷いた。

さて、その余裕がいつまで続くか。








俺は理由をはやてに話し、訓練施設を使わせてもらうことにする。

既に、桜、リニス、ファリン、アルフ、アギト、リィン、久遠は、シュミレーターで再現された廃ビル群の中にあるハイウェイで準備運動をしていた。

アリサ、すずか、アリシアは、元々BTT社の所属であり、翠屋ではない為、今回は傍観組に回っている。

因みに、話を聞きつけた機動六課のメンバーも見学している。

やがて、ぞろぞろと相当な数の騎士を引き連れた先程の女性が現れた。

騎士の数は、500人ぐらいだろうか?

殆どはB~Cランクだが、AAAランク前後もチラホラと。

S+も何人か居るな。

流石にSS以上は居ないようだが。

まあ、リニスは魔力を抑えてると言ってもSS並みの力はあるし、最悪枷を外せばどうとでもなるだろ。

すると、女性は俺の前に立ち、

「どうですかこの騎士達の数は? この者たちは皆、聖王陛下を守るために立ち上がったものたちです」

腹立つぐらいのドヤ顔でそう告げる女性。

「あ~はいはい。 凄いですね~。 こっちにも都合があるので早く準備してください」

棒読みでそう返す俺。

お前、今動かせる部隊だけじゃなく、勤務中の部隊も引っ張ってきただろ?

まあ、ともかくこっちも暇じゃないからさっさとして欲しい。

「なっ!? い、いいでしょう。 我ら聖王を護る騎士達の力、存分に見せつけて差し上げます!」

騎士の数に気圧されると思っていたのか、俺の反応を見て驚きながらもそう言う女性。

訓練施設に、ぞろぞろと入っていく騎士達。

約500人VS翠屋7人(人間1人、使い魔2体、自動人形1機、ユニゾンデバイズ2機、妖怪1匹)の戦いが始まろうとしていた。

騎士達には聖王を迎え入れるという意気込みでそれぞれが気負った表情をしているのだが、

『桜おねえちゃん、頑張れ~!』

『アルフ、リニス、怪我しないようにね』

『ファリン、しっかりね』

『娘よ、頑張るのだぞ』

『アギトちゃん、頑張って~!』

『アルフ、久遠………気をつけろ……』

和気藹々と通信で声を掛けられる翠屋チーム。

上から、なのは、フェイト、すずか、リインフォース、シャマル、珍しく人間形態のザフィーラだ。

因みに機動六課メンバー。

翠屋チームが負けることなど毛ほども考えてはいない。

スバルやティアナは心配ぐらいするかと思っていたのだが、

「桜さん達なら、何とかしちゃいそうです」

「本当なら心配するのが普通なんでしょうけど………何というか、あの人達が負ける姿が想像できません」

とのこと。

どうやら既にこの2人の中では、翠屋は人外認定されている模様。

そして、いよいよ模擬戦が始まろうかという時、

「リニス、ヘブンズジャッジメントは無しね。 一瞬で終わっちゃうから」

桜がそんな事を言う。

「わかっていますよ。 この模擬戦は、私達翠屋全員の力を見せつけるためのものですから、そんな事をすれば、意味がありません」

リニスも何でもないように頷く。

その言葉が聞こえた騎士達に青筋が走る。

まあ、暗に手加減すると言われたようなもんだからな。

因みに言っておくと、桜はバリアジャケットを纏っているが、リニス、アルフは翠屋の制服。

リィンとアギトはいつもの格好。

久遠は巫女服だし、ファリンに至ってはメイド服だったりする。

その服装も騎士達の怒りを買うのに一役かっている。

『それでは…………始め!!』

はやての合図で模擬戦が開始される。

その瞬間、

「ディバインバスターーーーッ!!」

桜が間髪入れずディバインバスターを放つ。

白銀の閃光が騎士の集団の中央を一直線に貫いた。

「「「「「「「「「「あんぎゃーーーーーーーーっ!!??」」」」」」」」」

それに巻き込まれた騎士達が木の葉のごとく吹き飛ばされている。

100人ほど巻き込んだだろうか?

「よしっと! 私はこんなものかな?」

桜は結果に満足したのか早々に後ろへ下がった。

「怯むな! 接近すれば我々の土俵だ!」

分隊長らしき騎士が部下達に発破をかける。

「「「「「「「「「「おお!!」」」」」」」」」」

その号令に騎士達が走り出す。

その先に立つのはアルフ。

アルフは、右肩をほぐす様にグルグルと回すと、

「さ~て………いくよ!」

まるで獲物を見つけた肉食獣のような目と獰猛な笑みを浮かべる。

まあ、アルフの素体は狼だから、肉食獣って所は間違ってないんだが。

シュッ、シュッ、と2、3回シャドウボクシングのように拳を繰り出すと、右腕を振りかぶり、

「百獣拳!!」

高速で右拳の乱打をその場で繰り出す。

すると、獣王拳よりかは小さいが、無数の狼の顔を模した魔力波が騎士達に襲いかかる。

「おわぁ~~~~!!??」

「なんじゃこりゃーーーー!!??」

「こんな魔法みたことねえ~~~~!!」

「こいつ、ただのウェイトレスじゃねーのか!!??」

百獣拳に巻き込まれ、吹き飛ばされていく騎士達。



一方、久遠は大勢の騎士達に囲まれていた。

見た目年端もいかない子供だから、騎士達も余裕がある。

「こんな小さい子を虐めるのは気が引けるが………これも命令で、聖王陛下を迎え入れるためだ。 悪く思わないでくれ」

そう言ってデバイスを構える騎士達。

「くぅ?」

久遠は話の意味が分かってないのだろう、首を傾げている。

なんつーか、子供相手にそんな強気な発言してると、気が小さいやつにしか見えんな。

まあ、即刻考えを改めさせられるだろうが。

次の瞬間、久遠から激しい雷撃が迸り、近くにいた数人が巻き込まれる。

「「「「あべべべべべべべ!!???」」」」」

お~お~、物の見事に感電してらあ。

そして雷撃が収まると、そこには尻尾が5本に増え、少女の姿だったものが、20前後の女性の姿となった妖狐モードの久遠。

「ヴィヴィオ……………連れて行かせない………!」

耳と尻尾の毛が逆立ち、パリパリと放電させながら威嚇する久遠。

次の瞬間、雷が落ちたかと思える程の轟音と雷光が発生した。

…………生きてるかな?

久遠は非殺傷じゃないからちょっと心配。

騎士甲冑展開させてたから、大丈夫だとは思うが………

やがて煙が晴れていくと、黒焦げになった騎士が地面に転がっていた。

…………生きてる………よな?

俺は一瞬冷や汗を流すが、直後にビクビクと痙攣している騎士達を見てホッとした。




「おい!バッテンチビ! どっちが多く倒せるか勝負だ!」

「望むところです! この悪魔っ子!」

相変わらずのアギトとリィンに俺は苦笑する。。

2人は競い合いながら炎弾と氷弾を発射する。

2人は協力する気はなく、意地になって競い合っているだけなのだが、やられる方にとっては、炎弾と氷弾が織り交ざりながら嵐の様に襲いかかってくるため、たまったものではない。

「なんだこのチビ達!? シャレになんねぇ!?」

「仲悪そうなのに、息ピッタリじゃねか!?」

「あちゃっ! 冷たッ!? あちゃ!? 冷た!?」

喧嘩するほど仲がいいとはよく言ったものだ。

こっちも心配する必要は無いな。

さて、お次はファリンの様子だが………

「ふっ! はっ! ほっ!」

剣型のデバイスによる斬撃を、いつものドジなファリンからは想像できないほどの華麗なステップと身のこなしで次々と回避していく。

もちろん服装はメイド服なので、スカートが邪魔にならないようスカートの両端をつまみ上げた状態でだ。

ファリンは一度大きく飛びのき、宙返りで体勢を整えつつ着地した。

「なんだこのメイドは? 並みの動きじゃない!」

攻撃をよけられた騎士が驚愕しながら呟く。

「何でメイドがこんな動きを!?」

違う騎士がそう叫ぶと、

「メイドの嗜みです!」

ファリンは立ち上がりながらそう言った。

そして、

「では、そろそろこちらから仕掛けさせて頂きます!」

そう言って右腕を上に掲げる。

すると、

「内蔵マギリングギミック起動!」

ファリンが叫ぶと同時にファリンの右腕が、まるでデバイスが待機状態から起動させる時のように変化していく。

そして一瞬後には、細く綺麗だったファリンの右腕が、ファリンの身長と同等以上の大きさを持つ、機械的で無骨な腕へと変わっていた。

その変化に驚き、声も出ない騎士達。

ファリンがそんな騎士達を見据える。

「内蔵マギリングギミックその1!」

ファリンはそう叫びながら巨大な右腕を振りかぶり、

「アクセル! アーーーームッ!!」

思い切り地面に叩きつけた。

叩きつけた地面を中心に、魔力衝撃波が発生し、近くにいた騎士を次々に吹き飛ばしていく。

なんつーか、メイドさんがメカメカしい巨大な腕を振り回している光景って、シュールだな。

それにしても、何故にジャスティモン?

クリティカルアームとかブリッツアームとかあるのかね?

あと、蹴りが45tとか?

護身用にマギメンタルの技術を流用した機能をファリンに搭載したとアリサ、すずか、アリシアが言っていたが、魔(法的)改造にも程があるだろうに。

下手すりゃSランク以上じゃないか?

と、ふと思った所で騎士達の中に、Sランクが何人かいた事を思い出し、そういえばと姿を探すと、

「ライトニングスピア!!」

リニスに雷の矢で、ビルの壁に磔にされてました。

だが、その隙をついて、数人のAAAランクの騎士がリニスを完全に囲った状態で同時に斬りかかった。

が、

「テスタメント!!」

リニスの全身から放出された強力な電撃が斬りかかってきた騎士全員を巻き込む。

「「「「「ぐわぁあああああああっ!!??」」」」」

リニスは、電撃を受けた騎士達を確認もせずに、

「セブンヘブンズ!!」

振り向きざまに遠くのビルの屋上をセブンヘブンズで狙い打った。

爆散するビルの屋上。

散らばるガレキの中に、リニスを狙っていたおと思われる弓型デバイスを持った騎士が
混ざっていた。




『ご愁傷様』。

俺が予想できていた惨状を前にそんな事を思っていると、

「凄い凄い! アギトちゃんもリィンちゃんも久遠ちゃんもみんな凄い!」

スバルが大はしゃぎで賞賛している。

「もう、悔しさを通り越して呆れてくるわね」

何やら悟った様子のティアナ。

「そ、そんな…………我ら最強の騎士達が………」

この惨状を全く予想できていなかった例の女性が、震えた声で呟く。

最強つっても、ゼストさんとかいないから、こいつが勝手に言ってるだけだろう。

ゼストさんは首都防衛隊だから、所属としては管理局になるのか?

と、そんなことは置いといて…………

最後の騎士が気絶したことを確認し、

「勝負アリ、だな。 約束通りヴィヴィオの事は諦めろ」

俺がそう言うと、

「そ、そんな口約束など無効です!」

これまた予想通りな言葉を口にしてくれました。

しかし、お生憎様。

『はぁ………だったら賭けをしよう』

『賭け………ですか?』

『ああ。 俺と昨日の子供達を除いた翠屋の店員とお前が動かせる部隊全てで模擬戦だ。 これなら俺がいない時の戦力がわかるだろう? お前らが勝てばヴィヴィオの事は好きにしな。 ただし、こちらが勝ったらヴィヴィオの事は諦めろ』

『いいでしょう。 その賭け、受けましょう』

ブレイズとアイシクルが記録していた約束の時の言葉を、映像付きで流してやった。

「な…………」

女性は言葉を失う。

「因みに当たり前のことだが、今の模擬戦も記録済みだからな。 この賭けの内容は、始まる前に既に管理局のレジアス中将に通してある。 もしこの約束を反故にすれば、どうなるかぐらい予想がつくよなぁ?」

俺がそう言うと、

「くっ………!」

その女性は、逃げるように立ち去っていった。

やれやれ、面倒なもんだな。

それはともかく、俺は桜達を労うためにそちらに足を向けた。







あとがき


第六十一話の完成。

更にクオリティが低くなった………

何故か面白くできない………

とりあえず翠屋の最強ぶりを書いてみた。

初っ端から砲撃ブッ放つ桜。

狼なのにレオモン度が加速するアルフ。

久々に妖狐モードの久遠。

喧嘩するほど仲がいいリィンとアギト。

天使度が増すリニス。

そんで、ガチで魔改造が施されていたファリン。

そんな翠屋の店員達でした。

ファリンのギミックは、勿論マギメンタルのノウハウを活かした魔力攻撃です。

45tのメイドキックもやらせたほうが良かったですかね?

まあ、そんなわけでもうすぐ原作も終盤に入ります。

さて、どんな物語になるんでしょうか?

では、気が向くなら最後までお付き合いください。

次も頑張ります。




前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.027023077011108