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No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
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[15302] 第六十話
Name: 友◆ed8417f2 ID:8beccc12 前を表示する / 次を表示する
Date: 2014/03/23 23:15
第六十話 大暴れ! お子様達の本領発揮!






【Side エリオ】



こんにちは。

エリオ・モンディアルです。

前の事件からしばらく経ち、機動六課にも平穏が戻ってきました。

平穏とは言っても、出動などはもちろんあるのですが、お母さん達の手に掛かれば、あっという間に解決です。

「「「「「「いってきまーす!」」」」」」

僕とキャロ、星、ライ、夜美、ヴィヴィオは今日も学校。

今日も一日楽しい学校生活が始まった。













はずだったんだけど……………

「騒ぐなガキども! 静かにしろ!」

現在全校生徒が体育館に集められてデバイス突きつけられてます。

一時間目の授業が始まってしばらくして、100人規模の集団が学校を占拠。

教員たちは突然の奇襲に動揺し、ほとんど何も出来ずに昏倒、もしくは捕縛されていた。

それで、生徒達は体育館に集められ、デバイスを突きつけられて脅されてる。

その生徒達の中でも、一際魔力ランクが高い生徒は隔離され、さらに厳重な警戒の元で監視されている。

困ったことに、友達のルーテシアや、クロノ提督の妹のリーナもそっち側だということだ。

僕やキャロ、星、ライ、夜美、ヴィヴィオはリミッターが掛かっているので、魔力高ランク保持者とは認識されず、一般生徒と同じ扱いだ。

僕はとりあえずキャロ達と合流する。

学校を占拠した人達は、円を描くように生徒を囲んでいるので、その円の中で移動するのは特に危険は無いようだった。

これからどうしようかと皆に相談する。

何で僕達にこれだけ余裕があるのかといえば、僕達の元々のランクは平均AAA。

リミッターは掛かってるけど、僕達が命の危機に晒されたとき、お父さん達の許可が無くてもデバイスが自動でリミッター解除するようになっている。

今はまだ命の危機と判断していないので、リミッターがかかった状態だけど。

つまりいざとなれば自分達だけなら如何とでもなるので余裕がある。

でも、友達や学校の皆を見捨てるつもりも無いから、安易な行動はしない。

それにもう少しすればお父さん達も駆けつけてくれるから、それほど心配はしてないんだけどね。








【Side Out】







【Side はやて】



突然来たカリムからの通信で、聖王教会系列の魔法学校が、武装勢力に占拠されたとの報告が入った。

私は占拠された学校の名前を聞いて、思わずたまげた。

そこは、夜美達が通う学校だったからや。

武装勢力は、どうやら聖王君主推進派、所謂過激派の集団らしい。

向こうの要求は、刑務所に入れられとる過激派メンバーの即刻開放。

この要求が受け入れられない場合、子供達の命は保証しないときた。

私は、カリムの言葉を聞くやいなや、機動六課フォワード陣+翠屋メンバー+ユーノ君&ヴィータに報告。

即時出動を決めた。

因みに、報告した時のそれぞれの言葉。

「ウフフ………星を人質にするなんて…………O・HA・NA・SHIなの」

レイジングハートを起動させ、黒いオーラを纏うなのはちゃん。

「ライ………今お母さんが助けに行くからね」

そんな優しそうな言葉とは裏腹に、犯人たちの首を刈り取らんとする死神の如き雰囲気を醸し出すハーケンフォームを担いだフェイトちゃん。

「エリオを人質に取るとは………我が剣の錆になりたいらしいな………!」

静かな言葉の中にも凄まじい怒気を含ませてレヴァンティンを鞘から抜くシグナム。

「ヴィヴィオは絶対に助けるわよ!」

「もちろん!」

「目にもの見せてあげるから!」

なんか熱血系のノリのアリサちゃん、すずかちゃん、アリシアちゃん。

「ウチのキャロに手ェ出すとは……グラーフアイゼンの落ちないシミにしてやる」

殺る気満々でグラーフアイゼンを磨いているヴィータ。
「な、なんか隊長達、怖いよ~~」

「ま、まあ、自分の子供が人質に取られたんだし、私達に害はないわよ……………多分」

「今回ばかりは、犯人達も選択を誤ったとしか言えないな」

そんな7人の雰囲気に冷や汗を流しているスバルとティアナとティーダさん。

「まあ、いざという時にはリミッター解除すれば、よっぽど心配は無いと思うがな……」

「確かに。 あ、でもヴィヴィオだけは色々とメンドくさい事になりそうな気が……」

「そうだね。 ヴィヴィオが聖王だってことがバレると、聖王教会が色々うるさいと思うよ」

ユウ君と桜ちゃんとユーノ君は、余り心配してなさそうやな。

まあ、確かに私も夜美の事は心配やけど、これだけの面子が揃って出陣した時には、犯人たちの命運は終わっとるな。

ともかく、現場に急行や!






【Side Out】






俺達が子供達の学校に到着すると、ゼストさん達や陸士108部隊など、見たことのある面子が揃っていた。

どうやらレジアスさんが色々と手を回してくれたかららしい。

はやてがゼストさんやナカジマ三佐から話を聞くと、24時間以内に刑務所に入れられてる過激派メンバーを開放しろと言って来ている。

要求が受け入れられない場合、子供達の命は保証しないとの事。

なんつーか、めっちゃ典型的な人質取る組織の台詞だな。

ま、それはともかく子供達の無事を確認するか、

(え~、聞こえるか~? 子供達~?)

俺は仲間内しか知らない特殊な念話で子供達に話しかける。

(あ、お父さん!)

エリオが反応した。

(エリオか、そっちは無事か?)

(はい。 今の所、犯人達に僕らを傷つけるつもりは無いみたいです)

(そうか。 とりあえず、状況が動くまでは大人しくしてろよ)

(はい)

とりあえず、子供達の無事は確認できた。

さて、どうしようか?

俺がそう思っていると、

(もしも~し!)

別回線から念話が入った。

ん? この声って、

(もしかしてセインか?)

俺が答えを返すと、

(ピンポ~ン。 その通り~!)

セインは機嫌よく返事を返した。

よく見ると、俺の足元の地面に指だけが出ているのを発見した。

(で? 何しに来たんだ?)

(ひどい言い草だね~。 折角ドクターの命令で手伝いに来たっていうのに)

(スカリエッティが?)

(そうそう。 特にトーレ姉とかチンク姉なんか、めっちゃやる気だったけど。 ありゃやる気じゃなくて殺る気だったな)

(あ、そう………)

俺は少し冷や汗を流す。

(で? どういう指示を受けてきたんだ? あと、ここにいるメンバーは?)

俺はそう尋ねる。

(とりあえずユウ兄の言う事に従っとけってさ。 あと、ここにいるのはさっき言ったトーレ姉とチンク姉。 あとディエチも狙撃手として離れたところに待機してるよ)

(わかった。 必要になったら頼むから、それまで待機しててくれ)

(りょ~かい!)

念話を終えると、地面から出ていた指が引っ込む。

さて、どうするか?

俺はそんな事を思いつつ、占領されている学院に目をやった。

その次の瞬間、

――ドゴォォォォン

凄まじい爆発音と共に、体育館の屋根が吹き飛ぶ。

体育館の中から、巨大な影が身を起こした。

白い甲殻を持つそれは、

「は、白天王!? まさかルーテシアが!?」

ゼスト隊のメガーヌさんが叫んだ。

そう、体育館の屋根を吹き飛ばし現れたのは、アニメではルーテシア最強の召喚獣である白天王だった。

つーか、何で白天王が出てくるんだよ!?

「ギャォォォォォォォォォォォッ!!」

白天王は咆哮を上げる。

「ッ!? いけない! 暴走してる! 落ち着きなさい、白天王!」

メガーヌさんが白天王が暴走していることに気付き、コントロールを試みるが、

「ッ………やっぱりダメだわ。 あの白天王は恐らくルーテシアが召喚したもの。 私のコントロールは受け付けない………!」

焦ったようにそう言うメガーヌさん。

って、あれだけ派手に天井ぶっ壊したら、生徒たちにも被害が…………

俺は思わず冷や汗を流す。

エリオ達は最悪の場合でもリミッター解除されるから死ぬことはないだろうけど、他の生徒たちがやばい。

そう思ったとき、体育館の方でユーノの魔力を感じた。

よく見れば体育館の内部に、ユーノの防御結界が張られている。

…………って、ユーノの結界!?

そういえば、ユーノどこいった!?








【Side キャロ】





ユウさんから念話が届き、とりあえずホッとする私達。

その時、

「キュッ!」

足元から、何かの鳴き声がした。

私が足元を見ると、

「フェレット?」

地球の動物であるフェレットによく似た小動物がそこにいた。

あれ?

何でフェレットがこんな所に?

私がそう思っていると、そのフェレットは私の体を駆け上がって肩に乗った。

すると、

(キャロ、僕だよ)

とても聞き覚えのある念話がした。

(お、お父さん!?)

私は驚いて聞き返す。

(当たり。 いざという時は僕が守るから安心してね)

お父さんはそう言ってくれる。

その時、

「ヒック…………ウェェェェェェェン!」

恐怖に耐え切れなくなったのか、誰かが泣き出した。

それは、まるで波紋が広がるように次々と伝染していく。

あっという間に周りの生徒たちは泣き声を上げる。

だけど、

「うるせえぞガキども! 静かにしろ!!」

犯人の一人が声を上げ、魔力弾を放つ。

一瞬はそれで静かになったけど、次の瞬間には、更なる泣き声が上がる。

「静かにしろっていうのがわからねえのか!! ぶっ殺されてえのか!?」

犯人の一人が近くにいた泣いている生徒を捕まえ直接デバイスを突きつけて脅した。

「ヒッ……!」

しかも、その生徒は、

「ルーちゃん!」

その子は私の友達のルーちゃん。

彼女は私と同等の召喚士の資質を持っていて、仲良くなれた子だった。

今のルーちゃんの表情は、恐怖に歪んでいる。

「イヤ…………」

ルーちゃんが呟く。

その時気付いた。

ルーちゃんの魔力が高まっていることに。

多分、無意識の防衛本能が働いてる。

「イヤァァァァァァァァァッ!!」

恐怖に耐え切れなくなったルーちゃんの叫びと共に、ルーちゃんの魔力が召喚陣を描く。

しかも、この魔力だとヴォルテール級の召喚獣が召喚されようとしてる!?

天井近くに描かれた召喚陣から、巨大な何かが現れた。

ルーちゃんの召喚獣は昆虫。

しかも、大きさもヴォルテール並み!

召喚された時には身を屈めていた状態だったから、何とか体育館に収まっていたけど、その召喚獣が雄叫びとともに立ち上がった。

「ギャォォォォォォォォォォォッ!!」

天井を突き破り、瓦礫が降り注いでくる。

「いけない!」

肩に乗っていたお父さんが瞬時に防御結界を展開。

生徒達を降り注ぐ瓦礫から守る。

私は、ルーちゃんが召喚した召喚獣を見上げる。

「やっぱり、ルーちゃんはあの召喚獣をコントロールできてない!」

私は思わず口に出す。

いくらルーちゃんの資質が高いといっても、今のルーちゃんじゃあのレベルの召喚獣をコントロールできない。

今にも暴走を始めようとしてる。

私は瓦礫で混乱している犯人達の隙をついて、ルーちゃんに駆け寄る。

ルーちゃんの傍には、リーナちゃんもいた。

「ルーちゃん! リーナちゃん!」

私は2人に呼びかける。

「キャロお姉ちゃん!」

リーナちゃんは答えたけど、ルーちゃんは恐怖で震えている。

「ルーちゃん! 落ち着いて! 召喚獣を大人しくさせなきゃ!」

私はルーちゃんに呼びかける。

でも、

「嫌………死ぬのは………イヤだぁぁぁぁぁぁっ!!」

ルーちゃんが恐怖に染まった表情で叫ぶ。

「ルーちゃん! しっかりして!」

リーナちゃんが必死にルーちゃんに呼びかける。

今のルーちゃんは、恐怖の余り錯乱してる。

「このガキ! なんてもんを呼び出しやがったんだ!」

さっきまでルーちゃんを脅していた犯人が、私たちに向かってデバイスを突き出した。

そのデバイスから魔力弾が放たれようとして…………

「ストラーダ!!」

『Speerangriff.』

横から突進してきたエリオ君に跳ね飛ばされた。

「ぐはっ!?」

エリオ君は直ぐに私達に駆け寄る。

「大丈夫? キャロ、ルー、リーナ?」

心配する声を掛けてきた。

やっぱりエリオ君はカッコいい。

「うん、大丈夫」

「エリオお兄ちゃん!」

私は頷き、リーナちゃんは嬉しそうな声を漏らす。

すると、

「パイロシューター!!」

桜色の魔力弾が犯人達を吹き飛ばす。

「高町 星とルシフェリオン………お相手致します」

星ちゃんがクールにキメる。

「くらえぇぇぇっ!! 光翼斬!!」

金色の魔力刃が数人の犯人を弾き飛ばす。

「学園の平和を乱す悪者め! この僕が退治してやる!!」

ライちゃんは何時も通りのノリで高々と叫ぶ。

「消えろ! カス共!」

大量の魔力弾が犯人達に降り注ぐ。

「我が学友に手を上げようとするとは…………己の器を知れ!」

いつもの王様口調の夜美ちゃん。

でも、こういう時には頼もしいと感じる。

更に、虹色の魔力光が立ち上った。

それと共に、空高く打ち上げられる犯人達。

虹色の魔力光が収まった時には、ヴィヴィオの聖王モードが拳を天に掲げた状態で立っていた。

「あなた達………許さないから!!」

怒った表情でそう叫ぶヴィヴィオ。

「せ、聖王陛下!?」

犯人達が取り乱す。

あ、そういえばこの人たちって、聖王君主推進派とか言ってたから、その称える象徴の聖王が自分達に敵意を向けてるから混乱してるんだね。

その時、犯人達の心情なんか知らないとばかりにルーちゃんの召喚獣が腕を振り上げた。

「いけない!」

私は叫ぶが、今からじゃ間に合わない。

でも、ルーちゃんの召喚獣の振り上げた腕が、どこからか攻撃を受け、弾かれた。

私は、一瞬どこからと思ったけど、今のうちにお父さんにお願いした。

「お父さん! 私のリミッター解除を!」

「キャロ?」

「このままじゃルーちゃん、昔の私と同じになっちゃう! もしあの召喚獣が誰かを傷つけて、死なせちゃったら、ルーちゃんはずっとその力に怯えて生きていかなきゃいけない! そんなの悲しすぎる! だから………!」

私はそう頼み込む。

すると、

「わかったよ、キャロ」

フェレットモードだけど、お父さんが微笑んだ気がした。

「キャロのリミッターを解除する!」

お父さんが魔法陣を展開し、術式を起動させる。

すると、私の体にかかっていた枷が外れた。

私は魔力を張り巡らせる。

「天地貫く業火の咆哮、遥けき大地の永遠の護り手、我が元に来よ、黒き炎の大地の守護者、竜騎招来、天地轟鳴、来よ、ヴォルテール!」

私はヴォルテールを召喚する。

私の描いた召喚陣から、炎とともにヴォルテールが現れる。

「ヴォルテール! その子を止めて!」

私の言葉に、ヴォルテールがルーちゃんの召喚獣に掴みかかる。

ヴォルテールなら、何とか押さえ込めるようだった。

その時、

「キャロお嬢様~」

足元から聞き覚えのある声がした。

私が足元を見ると、

「どうも、お久しぶりです」

「セインさん」

床からセインさんが顔を出していた。

「それで、ユウ兄からのお届け物です」

セインさんが手を出すと、

「キュクルー!」

「フリード!」

フリードが飛び出してきた。

「では、私はこれで」

セインさんは、そう言うと再び地面に潜っていってしまう。

「フリード、いくよ」

私はフリードに呼びかける。

「キュクルー!」

私の言葉に頷くようにフリードは鳴き声を上げた。

「蒼穹を走る白き閃光。 我が翼となり、天を駆けよ。 来よ、我が竜フリードリヒ。 竜魂召喚!」

私の魔法で、フリードが成竜の姿へと変わる。

「フリード! ブラストレイ!」

フリードは、私の魔力で強化された炎を放つ。

その炎が犯人達をなぎ払う。

「あちぃぃぃぃ!?」

「竜だぁぁぁぁぁっ!?」

「こんなの聞いてねぇぇぇぇ!!」

逃げ惑う犯人達。

ちょっと可哀想な気もするけど、自業自得だよね?

そんなことより、今はルーちゃん。

「ルーちゃん、しっかり! 大丈夫だから!」

私はルーちゃんに呼びかける。

でも、

「嫌だ! 死にたくない!」

私の声は届かず、ルーちゃんの錯乱は激しさを増す。

そのルーちゃんの感情に呼応して、ルーちゃんの召喚獣が力を増していく。

このままじゃ、いくらヴォルテールでも振りほどかれる可能性がある。

「ルーちゃん!」

私は必死にルーちゃんに呼びかけ続けた。






【Side Out】





【Side エリオ】




『Sonic move.』

僕は高速移動魔法で生徒達の隙間を掻い潜りつつ、犯人達を一撃の元に気絶させていく。

幸運なことに、犯人達はルーが召喚した巨大な召喚獣に気を引かれていて、尚且つ生徒達はユーノさんの結界で守られていたので、人質は取られず簡単だった。

「集え、明星、全てを焼き消す焔となれ! ルシフェリオンブレイカー!!」

「砕け散れ! 雷神滅殺! きょっこーーーざん!」

「絶望にあがけ塵芥。 エクスカリバーッ!!」

「フリード! ユゴスブラスター!!」

「さくらママ直伝、ルナライト改め………レインボー………ブレイカーーーーッ!!」

あーあー。

聞こえない。

聞いちゃいけない魔法名が聞こえたような気がしたけど聞こえない。

体育館の半分以上が更地に変わっているのなんて見てない。

その時、

「なんだこの醜態は?」

空から声が聞こえた。

空を見上げると周りの犯人たちよりも立派な騎士甲冑を纏った一人の男が浮いていた。

「た、隊長!」

犯人の一人が声を上げる。

どうやら、あの人がこの事件の親玉らしい。

「この召喚獣を召喚したのは……………」

その男は視線を順番に僕達に泳がせていくと、キャロとルーテシアで視線を止めた。

「………お前達か」

すると、手に持ったデバイスを2人と近くにいたリーナに向け、

――ドンッ

容赦なく砲撃を放った。

恐らくあの魔導師はSランククラス!

いけない!

「ッ! ストラーダ! フルドライブ!!」

『Explosion.  Duke form』

僕はストラーダをフルドライブさせ、キャロたちの前に立ちはだかる。

僕はその砲撃を一身に受けるが、ダメージはそれほどない。

何故なら、

「何だ? その姿は?」

ストラーダのフルドライブ、デュークフォルムは、西洋騎士のような鎧に身を包み、ランスだけではなく、巨大な盾も展開されるからだ。

この姿は、お父さんがオメガフォームの元にしている憧れの騎士の盟友の姿を元にしているそうだ。

僕はそれを聞いたとき嬉しかった。

その騎士は、自分の正義の為に君主にすら歯向かった信念の騎士。

僕も、自分の信念を貫くために戦う!

「ルーテシア、リーナ」

僕は自分の信念を込めてルーテシアとリーナの名を呼んだ。

「ッ…………! エリオ………」

ルーテシアは、そこで初めてハッとして、僕に気付いたようだった。

「安心して。 君達は僕が、必ず守るから!」

僕の信念を言葉にし、僕は犯人と向き合う。

すると、

「…………エリオめ、またフラグ立ておったわ」

「………血の繋がりは無いとは言え、やはりエリオは父様の子ですね」

夜美と星が何やら言っているけど、今は気にしてられない。

召喚獣は、ルーテシアが正気を取り戻したおかげか、大人しくなっている。

「はぁあああああっ!!」

僕は犯人に飛びかかった。

「ガキが!」

ランスの一撃は、シールドに止められる。

でも、

「ロイヤルセーバー!!」

シールドにランスを突き立てた状態で、ランスに魔力を送り込んで貫通力を増す。

ランスの切っ先は、ジリジリとシールドに食い込んでいく。

「な、何!?」

犯人が驚愕した時には、切っ先はシールドを貫通していた。

その瞬間、

「開放!」

キーワードで、ランスに溜め込んでいた魔力を、切っ先から開放。

衝撃波となって犯人に襲いかかる。

「ぬわぁああああああっ!!」

魔力の奔流に襲われた犯人は落下していく。

でも、地上スレスレで立て直した。

僕も地上に着地する。

「お、おのれ………ガキの癖に……!」

犯人は、そう僕を睨みつけてくる。

ちっとも怖くないけど。

「子供だからって、舐めないでください」

僕はそう言い返す。

僕の言葉に更にキレたのか、

「このガキがァァァァァ! 大人を舐めるな!!」

すると、彼の後ろに転送魔法陣が浮かび上がる。

「くははははは! 貴様は我らの戦力がこの学校の占拠に当てたもので全てと思っていたかもしれんがそれは違う! 我らの戦力はまだ半分は残っているのだ! その残った戦力を全てこの場に呼び出す! これで貴様達も終わりだ!」

何か叫んでるけど、この学校を占拠していた戦力で半分なら、もう半分も大体同じぐらいの人数何だよね?

だとすれば、普通に僕たちでも勝てることに、あの人気付いてないのかな?

やがて魔法陣が光り輝き、

――ドサドサドサドサッ

屍の山とも思える、ボロボロな人達が折り重なり山積みになった一団が転送されてきた。

「………………は?」

呼び出した犯人の隊長も呆気に取られている。

すると、

(ゴミ掃除は我らで引き受けておいた)

(お前たちは、そいつを早く片付けるがいい)

トーレさんとチンクさんから念話が届いた。

どうやら2人が別働隊を見つけて片付けてくれたようだ。

「ふむ………どうやらアテが外れたようだな」

「まあ、例え何事もなく現れたとしても、負けるつもりはありませんでしたが」

強気な発言をする夜美と星。

「よーし! やっつけちゃうぞ~~~!!」

「友達を危ない目に合わせた事、絶対に許せない!」

相変わらずなライと、聖王モードで怒っているヴィヴィオ。

そこに、

(お~い、お前ら)

お父さんから念話がとどいた。

(この際だ。 ド派手に決めてやれ!)

お父さんからの後押し。

僕達は更にやる気を出す。

「キャロ! 星! ライ! 夜美! ヴィヴィオ! …………やるよ!」

僕は皆に合図を送る。

「わかったよ、エリオ君。 フリード!!」

キャロがフリードの背に跨り、フリードが大きく翼を羽ばたかせる。

「私達の力、見せてあげましょう!」

星がフリードの右翼に、

「よーし! 頑張っちゃうぞ~~~!」

ライがフリードの左翼に、

「恐れおののけ! 塵芥!!」

夜美がフリードの後方に待機する。

「皆の力を一つにして!」

ヴィヴィオもフリードの背に飛び乗る。

「これが! 僕達の力だ!!」

最後に僕がフリードの頭に飛び乗った。

僕は、ランスを前方に構える。

「「「「「「はぁあああああああぁぁぁぁぁぁぁ……………!」」」」」」

全員で魔力を高め、6人の魔力がフリードを覆っていく。

「お願い! フリード!」

キャロの合図でフリードが羽ばたいた。

「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃっ!!??」

犯人の隊長が今更ながらに空を飛んで逃げ出す。

でも、もう遅い。

フリードは逃げる犯人に向かって突撃する。

その名は、

「「「「「「ドラゴンドライバーーーーーーーッ!!!」」」」」」

僕達は、巨大な光の矢となって犯人を撃ち抜いた。





【Side Out】







「「「「「「ドラゴンドライバーーーーーーーッ!!!」」」」」」

巨大な光の矢が犯人を捉えた。

閃光と共に爆音が響き、視界が一瞬真っ白になる。

やがて光が収まると、犯人がボロボロになりながら落下していく。

あのまま落下すると命がヤバイと思ったが、そこは子供達も分かっていたらしく、星がバインドで犯人を空中で捕まえた。

俺は一件落着と思い、皆の方を振り返ると、

「「「「「「「「「「ポカーン………………」」」」」」」」」」

スバル、ティアナ、ティーダさんを始め、ゼスト隊や、108部隊など、多くの局員が呆気にとられた表情で目の前の光景を見ていた。

まあ、全員AAAランク以上だから、そんじょそこらの部隊よか強いな、ウチの子供達は。

「み、皆……こんなに強かったんだね………」

スバルが呆然と呟く。

「翠屋の人達は、全員普通じゃないと思ってたけど、まさか子供達までこんなに強いなんて……」

失礼だなティアナ。

ウチで普通の人間ぐらい……………1人もいねーな。

生身の人間は俺と桜だけだし、俺は元より、桜もかなり規格外だからな。

否定できん。

まあいい。

この後に起こるだろう騒動はめんどくさいだろうが、今は子供達を労ってやろう。

そう思い、既に子供達に駆け寄っている母親達に続いて、俺は歩き出した。










あとがき


またかなり遅れて申し訳ない。

第六十話の完成です。

今回は子供達が大暴れしました。

容赦なく大魔法ブッ放す女性陣。

デュークモンなエリオ。

グラニなフリードでした。

因みに白天王の最初の攻撃を弾いたのはディエチの狙撃です。

さて、次回はユウ君除いた翠屋メンバーが大暴れの予定。

今回の話を読めば、次回の流れは大体わかりますね。

では、次も頑張ります。






PS. 26話をちょっと改訂してみました。
   興味があれば読んでみてください。


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