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No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
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[15302] 第三話
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/01/05 00:19



第三話 無印開始。




その夜、海鳴市全体に降り注ぐ魔力反応を感じた。

あれ?やっぱジュエルシードは落ちてきたんか。

まあ、関わる心算は無いので放置しておく。

リニスがその魔力反応について聞いてきたが、前世のアニメの事を話し、放置するという事を伝えた。

下手に首突っ込んで被害が大きくなったら洒落にならんからな。

更に深夜。

(・・・・・誰か・・・・・僕の声を聞いて・・・・・・力を貸して・・・・・・魔法の・・・・・力を・・・・・・・)

ユーノの念話か。

とりあえずは原作通りだな。

ユーノには可哀想だがこれも放置。

明日になったらなのはが気付くだろうし・・・・・・・

じゃあ、お休み。




翌日。

とりあえず、何事も無く1日が終わった。

ユーノの様子を見に行くという選択肢もあるが、係わり合いにはなりたくないので、さっさと帰る。

その夜。

再び魔力反応を感じる。

そんな時、

『マスター・・・・・本当に放っておいていいんですか?』

ブレイズから声がかかる。

「ああ。俺が下手に介入して被害が大きくなったら大変だし」

何より、死亡フラグが立っている身としては、命の危険があることは、御免被りたい。

『マスターは、本当にそれで後悔しないんですか?』

「・・・・・・・・それは」

『マスターが言っていたではありませんか。この世界はマスターの見ていたアニメの世界とは似ているだけで違う世界だって』

「・・・・・・・・・・」

『もしかしたら、なのはに思いもよらないアクシデントがあるかもしれないんですよ』

「・・・・・・・・・・・・・・」

『『マスター!』』

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

相棒達の言葉に、俺は答えられない。

確かにブレイズ達のいう事も一理ある。

けど、もし俺が介入した事で、状況が悪化する事が、俺にとって一番怖い。

だから、俺は動けなかった。

その時、

(ユウ、聞こえますか?)

リニスから念話が入る。

(何だ?リニス)

(確か、お醤油が切れていたので買ってきてくれませんか?)

(はぁ?こんな遅くにか?)

(ええ、そうしないと、明日のお弁当が作れないので)

(・・・・・・仕方ないな)

そう答えて、俺は立ち上がる。

明日の弁当の為だと自分に言い聞かせて。

『マスター、その序に様子を見ていきましょうよ』

ブレイズがここぞとばかりに言ってくる。

「む・・・・・」

『マスター、介入しろとは言ってませんよ。ただ様子を見に行くだけです』

「・・・・・そう・・・・だな・・・・・・買い物の序に様子を見てくか・・・・・・」

ブレイズとアイシクルの言葉に、俺は頷く。

まあ、気にならなかったと言えば嘘になるし。

俺は、夜の街に出た。








【Side 桜】



今、私は後悔していた。

目の前には、ジュエルシードの思念体。

今の私は、壁に叩きつけられたダメージで動けない。

ジュエルシードの思念体は此方に襲いかかろうとしている。

そして、思念体の前に立ちはだかる、妹のなのは。

妹の足元に転がる赤い宝石。

オロオロしているフェレットのユーノ。

原作とは流れが変わってしまった。

全部私のせいだ。

私が、興味本位で首を突っ込んだ所為で、今、自分だけではなく、なのはも危険に晒している。

私の脳裏には、今までのことが走馬灯のように思い浮かんできた。







私の名は高町 桜。

実は転生者よ。

私をこの世界に送り込んだ神が言うには、何でも神の部下のミスで、私の運命の人を死なせてしまったらしい。

その言葉を聞いた瞬間、私は思わず叫んだわ。

25歳にもなって、男の人と付き合ったことなんて一回も無かったから。

まあ、インターネットやアニメが趣味で、半分引きこもりみたいだった私にも原因はあるだろうけど。

それで、その神が言うには、その運命の人を別の世界に転生させたから、私の希望があれば、私も同じ世界に送ってもらえるそうだ。

まあ、家族も他界して、天涯孤独だった私は、その案を受け入れた。

でも、その神が言うには、その運命の人は、性格が物凄く後ろ向きらしい。

だから、無理して好きになる必要は無いそうだ。

そして、私は転生した。

あの好きなアニメ、「リリカルなのは」の主人公、高町 なのはの双子の姉として。

ある程度未来を知っていた私は、少しでも未来を良くしようと思った。

お父さんが怪我をして入院した時も、なのはの傍にいて、なるべく寂しくさせないようにした。

その甲斐あってか、なのはは明るいままだった。

しかし、他人に迷惑をかけないように「いい子」でいようとする所は直せなかった。

そうそう、家族は、私が前世の記憶持ちだという事は知っています。

怪訝に思ったお父さんや恭也兄さんが聞いてきたので、その時に暴露しました。

元々隠す心算も無かったし、聞かれれば話す心算でした。

アニメ云々は黙っておきましたが。

それで今日、アニメの通り、なのはは塾の帰りにフェレットのユーノを拾った。

その時には、私にも念話が聞こえたので、私にも魔力があるようだった。

そしてその夜。

ユーノの念話で、なのはが家を抜け出した。

心配になった私は、なのはの後を追った。

ユーノが入院している動物病院に行くと、丁度なのはがジュエルシードの思念体に襲われている所だった。

「なのはっ!」

私は思わず叫んだ。

「桜お姉ちゃん!?」

なのはは、ビックリしたように此方を向く。

だが、そのせいで、思念体の動きから目をそらし、その瞬間を狙って思念体がなのはに襲い掛かる。

「なのはっ!危ない!」

私は叫んだ。

なのはは、気付くのが遅れたが、何とか直撃だけは避けた。

だが、その衝撃に吹き飛ばされる。

「きゃあっ!」

私は、転んだなのはに駆け寄る。

「なのは、大丈夫?」

「う、うん。桜お姉ちゃんは、何で此処に?」

「え?えっと・・・・・なのはが慌てて出て行くのが見えたから気になって」

私は、それらしい理由を述べる。

「そうなんだ」

「って、そんなこと言ってる場合じゃない!」

思念体が、再び此方に体当たりを仕掛けてくる。

私達は、慌てて病院から逃げ出した。

「一体何がなんだか分からないけど、一体なんなの!?何が起きてるの!?」

なのはが叫ぶ。

「君には、資質がある。お願い、僕に少しだけ力を貸して」

なのはの腕に抱かれたユーノがそう言った。

「資質!?」

「僕は、ある探し物のために「はいストップ!」」

説明しようとしたユーノを私は止めた。

「ここまでに至った経緯は後でいいから、この場を乗り切れる方法を簡潔に説明しなさい!」

私はそう怒鳴る。

今はアニメでもなんでもない、現実として只今ピンチの真っ最中なのだ。

そんな経緯を聞いてる暇なんて無い。

「そ、そうですね・・・・」

「なのは!今はそのフェレットのいう事を聞いてた方が助かる可能性は高いわ!」

「わ、わかった」

だがその時、上空から思念体が落下してくる。

嘘、アニメより来るのが早い!

目の前の道の真ん中に思念体が落下する。

くっ、拙い。

「なのは!私が何とか時間を稼ぐからなのははそのフェレットのいう事を聞いて!」

私はそれだけ言って思念体に向き直る。

「そんな!桜お姉ちゃん!」

「君っ!お姉さんを助けたかったら、僕の言うとおりに!」

ユーノがなのはに向かって叫ぶ。

なんとかなりそうね。

私は、思念体が落ちてきたときに割れたアスファルトの欠片を拾う。

「てやっ!」

私はその欠片を思念体に投げつける。

だが、それは容易く弾かれる。

しかし、思念体は此方に気を向けたようね。

計算通り。

後は私が時間を稼げば。

その時、声が聞こえる。

「我、使命を受けし者なり・・・・・・・・・・・えと、契約の元その力を解き放て・・・・・・」

レイジングハートの起動パスワード。

その声を聞いて、私の心に安堵感が広がる。

だが、これで何とかなると気を抜いたのがいけなかった。

思念体の攻撃に気付くのが遅れ、私は弾き飛ばされた。

「きゃああああっ!!」

「風は空に・・・・・・星はッ、桜お姉ちゃん!?」

私の悲鳴になのはは起動パスワードを中断してしまう。

「き、君っ!?」

ユーノは予想外の事に思わず声を漏らした。

私はそのまま壁に叩きつけられる。

全身を痛みが襲った。

「がはっ!?」

肺の空気が押し出される。

そのまま私は地面に倒れる。

身体の傷みと、意識が朦朧とすることで立ち上がれない。

思念体が、止めを刺そうとこちらに身構える。

「だめぇっ!!」

その瞬間、目の前に手を広げて立ち塞がるなのは。

その際、レイジングハートが地面に落ちて転がる。

そして、思念体が今にもこちらに飛びかかって来ようとしていた。




私は思わず叫んだ。

「お願い!!私は如何なってもいいから!誰か妹を!なのはを助けて!!!」

そう叫ばずにはいられなかった。

私の瞳からは涙が零れる。

その瞬間飛びかかってくる思念体。

なのはは目を瞑り、

「助けて!!利村君っ!!!」

そう叫んだ。

その時、

「ブレイズ!ブレイブシールド展開!!」

『Yes, Master♪』

黄金の盾が現れ、思念体を受け止めた。




【Side Out】







【Side なのは】




もう訳が分からなかった。

塾に行くときに声が聞こえ、フェレットを拾った。

家にいたら、フェレットを見つけたときの声が聞こえ、その声に呼ばれるまま病院へやってきた。

そこでは、逃げ回るフェレットと、ドロドロした良く分からないお化け。

しかもフェレットが喋るし。

私は混乱していたけど、途中で桜お姉ちゃんが来て、私は桜お姉ちゃんと一緒に逃げた。

「一体何がなんだか分からないけど、一体なんなの!?何が起きてるの!?」

私は思わず叫びました。

「君には、資質がある。お願い、僕に少しだけ力を貸して」

抱いていたフェレットさんがそう言います。

「資質!?」

私は思わず聞き返しました。

「僕は、ある探し物のために「はいストップ!」」

説明しようとしていたフェレットさんの言葉を、桜おねえちゃんが止めました。

「ここまでに至った経緯は後でいいから、この場を乗り切れる方法を簡潔に説明しなさい!」

桜おねえちゃんはそう叫びます。

「そ、そうですね・・・・」

「なのは!今はそのフェレットのいう事を聞いてた方が助かる可能性は高いわ!」

「わ、わかった」

結構強引だけど、その通りなの。

だけどお姉ちゃん。

フェレットさんが喋ることには驚かないの?

疑問に思いましたが、そんな暇はありませんでした。

目の前に道路に、ドロドロのお化けが落っこちてきたの。

「なのは!私が何とか時間を稼ぐからなのははそのフェレットのいう事を聞いて!」

桜おねえちゃんはそれだけ言うと思念体に向き直る。

「そんな!桜お姉ちゃん!」

私は桜おねえちゃんを止めようとしました。

「君っ!お姉さんを助けたかったら、僕の言うとおりに!」

でも、フェレットさんにそう言われて踏みとどまります。

「これを!」

フェレットさんは、首にかけていた赤い宝石を私に差し出してきます。

私はそれを受け取りました。

「・・・・・あたたかい」

その宝石はとてもあったかく感じました。

「それを手に、目を閉じて、心を澄ませて、僕の言葉を繰り返して」

フェレットさんはそう言います。

桜お姉ちゃんは、ドロドロのお化けに石を投げつけたりして、気を引いている。

私は桜おねえちゃんが心配になった。

けど、

「いくよ!いい!?」

フェレットさんのその言葉で気を取り直し、

「うん!」

しっかりと頷いて目を閉じました。

「我、使命を受けし者なり」

「我・・・・・使命を受けし者なり・・・・・」

フェレットさんの言葉を繰り返します。

「契約の元、その力を解き放て」

「えと・・・・・契約の元、その力を解き放て」

ですが・・・・・

「風は空に、星は天に」

「風は空に・・・・・星は「きゃああああっ!!」ッ桜お姉ちゃん!?」

突如聞こえてきた桜お姉ちゃんの悲鳴に、私は思わず其方に気を向けてしまいました。

「き、君っ!?」

中断してしまった事にフェレットさんは、叫びました。

桜お姉ちゃんは吹き飛ばされ、壁に叩きつけられました。

「がはっ!?」

桜お姉ちゃんは、苦しそうな声を上げて地面に倒れます。

ドロドロのお化けは、今にも桜お姉ちゃんに襲いかかろうとしていました。

それを見て私は思わず飛び出しました。

「だめぇっ!!」

私は手を目一杯広げて、桜おねえちゃんを守るように立ち塞がりました。

その際に、フェレットさんから受け取った赤い宝石を落としてしまいました。

でも、そんなこと気にしていられません。

桜おねえちゃんが死ぬなんて絶対にイヤだから。

桜お姉ちゃんは、飛び出した私に気付いたのか、

「お願い!!私は如何なってもいいから!誰か妹を!なのはを助けて!!!」

そう叫びます。

その言葉の中にも、私に対する愛情が感じられました。

やっぱり、桜お姉ちゃんは私の大好きなお姉ちゃんです。

その時、ドロドロのお化けが私たちに向かって飛び掛ってきました。

私は思わず目を瞑りました。

足も震えています。

目を瞑ったとき、1人の男の子が思い浮かびました。





その男の子は、小学校に入学して直ぐのころ、私が足を痛めて動けなくなっていた時、保健室まで運んでくれました。

だけど、お姫様抱っこは恥ずかしかったの。

それから私は、事ある毎にその男の子を目で追っていました。

授業中の彼は、何時も眠そうな顔をしていて、それでも指名された時はしっかりと答えています。

彼は、よく見てみるととても大人っぽくて、まるで桜お姉ちゃんみたいです。

桜お姉ちゃんは確かテンセイシャだっけ?

私には良く分かりません。

アリサちゃんには、根暗だの、冷めてるだの言われてます。

ちょっと酷いの。

彼は、ちょっと人付き合いが苦手なだけで、本当はとっても優しい子だと思うの。

そうじゃなきゃ、あの時に私を助けたりしないはずなの。

でも、そんな彼も、一年生の3学期に入って少しした後、とても落ち込んでる時期があったの。

私は、何度か話しかけようとしたけど、どうしても雰囲気から声をかけることが出来なかったの。

そんな彼も、時間が経つにつれて、元に戻っていったの。

そして、3年生になった今でも、その彼を目で追ってるの。

あの時、私を助けてくれた男の子を・・・・・・・






私は、思わず叫びました。

「助けて!!利村君っ!!!」

その時、

「ブレイズ!ブレイブシールド展開!!」

『Yes, Master♪』

その男の子の声と、電子音声が聞こえました。






【Side Out】





やばい、何でこんな事になってるんだ?

様子を見ていた俺は、原作と違う流れになっているなのは達を見て動揺していた。

アニメにはいなかった高町 桜というなのはの双子の姉が一緒にいることで、僅かに事の起こりが違う。

『マスター!助けるべきです!』

ブレイズが叫ぶ。

「で、でもよ・・・・俺が介入して流れが悪くなったりしたら・・・・・・・」

『何言ってるんですか!今のマスターならあの程度の思念体、瞬殺です!』

「け・・・・けど・・・・・・」

俺は未だに腹を括れない。

第一、 俺には死亡フラグが立っているのだ。

此処で介入して無事でいられる保証は無い。

『あ~~~~~!も~~~~~~!じれったいですね!簡単に言いますよ!今のマスターはカッコ悪いです!!』

ブレイズがきっぱりとそう言った。

「・・・・・・・・・・・」

その時、高町 桜が壁に叩きつけられ、それによって、なのはも起動パスワードを中断してしまった。

その上なのはは、姉を庇ってレイジングハートを落としてるし。

あ~~~~!も~~~~~!

俺がどうするか嘆いていると、

「お願い!!私は如何なってもいいから!誰か妹を!なのはを助けて!!!」

高町 桜の叫びが聞こえた。

その瞬間、俺は吹っ切れた。

ええぃ!ド畜生!!どうにでもなりやがれ!!

俺は駆け出した。

思念体が2人に向かって飛び掛る。

それでもなのははその場を動こうとしない。

「助けて!!利村君っ!!!」

なのはが叫んだ。

おい!何でそこで俺の名が出てくる!?

俺は怪訝に思ったが、強化した脚力でなのはの前に到達すると、左手を突き出し、

「ブレイズ!ブレイブシールド展開!!」

俺は叫んだ。

『Yes, Master♪』

ブレイズは、機嫌が良さげな声で返事をする。

俺の左手の先に五角形で、太陽のような模様――勇気の紋章――が刻まれた黄金の盾が具現される。

ブレイブシールドは、微動だにすることなく思念体の体当たりを受け止めた。

「はぁ~。な~んで飛び出しちゃったんだろうな~?」

俺は思わず呟く。

「係わり合いになるつもりは無かったのに・・・・・・」

『何時も言ってるじゃないですか♪マスターは自分が思っているほど冷たい人間ではありません♪』

『そうですよ。目の前で助けを求められて放っておけるほど、マスターは冷酷ではありません♪』

ブレイズとアイシクルは機嫌の良い声でそう言う。

「そうかなぁ・・・・・・」

俺はため息を吐きつつそう呟く。

その時、

「り、利村君・・・・・・?」

信じられないといった表情で、なのはがこっちをみていた。

「いよぉ、高町姉妹。こんな時間に何やってるんだ?」

俺は、場違いな質問をした。

「り、利村君こそ・・・・」

そう返された。

「俺はお使いの帰りに、偶々お前らを見かけただけだ」

右手の買い物袋を見せながらそう言った。

その時、ブレイブシールドの向こうで、思念体が動き出したのを感じる。

「はぁ~、高町、ちょっと持っててくれ」

そう言って、買い物袋をなのはに預ける。

「えっ?うん・・・・・」

なのはは、ちょっと困惑していたが、買い物袋を受け取った。

俺はブレイブシールドを消すと、思念体と向き合う。

「あ~あ。結局関わることになるのか・・・・・・」

俺は諦めたように呟く。

『いいじゃないですか。それに、これだけは言えますよ。今のマスターは、とってもカッコいいです♪』

ブレイズはそう言う。

それがおだてだとしても、俺の心は少し軽くなった。

「そうか・・・・・それなら、とことんカッコつけるとするか!」

『Yes, Master♪』

俺はオレンジ色の宝石が付いたペンダント、ブレイズを左手に握る。

「身体に宿すは太陽の炎・・・・・・心に宿すは勇気の炎・・・・・・この手に掴むは守護する力・・・・・・・燃えよ灼熱!!ブレイズ!セット!アップ!!」

『Stand by, Ready. Set up.』

俺はオレンジ色の光に包まれる。

「な、何この桁違いの魔力・・・・・・」

ユーノが呆然と呟く。

俺はバリアジャケットを纏う。

それは黄金の鎧に銀の胸当て、銀のフェイスガード。

背中にはブレイブシールドが2つに別れ、翼のようについている。

そして、両手には肘まで包む黄金の籠手に、爪のように3本の剣が付いた武器。

簡単に言えば、ウォーグレイモンです。

それを元にしたバリアジャケットです。

何故か高町 桜が俺の姿を見てポカーンとしている。

俺の格好が変わったことに驚いているようだ。

俺のバリアジャケットはデバイスと融合しており、バリアジャケットそのものがデバイスでもある。

俺はそれを纏って思念体と向き合った。

思念体が飛び上がり、俺に突っ込んでくる。

俺は、それに対し、左腕を横薙ぎに振るう。

「ドラモン・・・・・」

思念体が上下真っ二つになる。

続けて、右腕を振り上げた。

「・・・・キラー!!」

更に左右真っ二つとなり、合計4つに分かれてべちゃべちゃと地面に落ちた。

だが、その切り裂かれたそれぞれはもぞもぞと動き、再び1つになろうとしている。

やっぱり普通の攻撃だけじゃ倒すのは無理か。

「あのっ!どなたか存じませんが、あれはジュエルシードと呼ばれるロストロギアの思念体です。攻撃するだけでは倒せません!早く封印を!」

ユーノがそう言うが、最大の難問があった。

「いや~、俺、封印術式もってないんだよ」

俺の言葉に、ユーノは固まった。

「・・・・・・・えええっ!?あれだけ凄い実力の持ち主なのにですか!?」

俺は頷く。

持ってないものはしょうがないだろ。

すると、ユーノは先程落ちたレイジングハートを拾って、

「それなら、これを使ってください。レイジングハートには封印術式がインプットされています」

俺に差し出してくる。

だが、

「それも無理だ。俺は魔力の制御が下手糞でね。普通のデバイスなんて俺の魔力の負荷に耐え切れず木っ端微塵だぞ」

俺の言葉に、ユーノは再び固まった。

「じゃ、じゃあどうすれば・・・・・」

「そのデバイスを高町姉妹のどっちかに渡せ。その2人はどちらもAAAクラスの魔法資質を持ってる」

俺はそう言った。

「そ、そうか」

ユーノはテンパっていたので、その事を忘れていたらしい。

「そ、それなら・・・・私が・・・・・」

高町 桜が無理に起き上がろうとしている。

「そ、その身体じゃ無理だよ桜お姉ちゃん!」

なのははそう言う。

そして、覚悟を決めた顔になると、

「私がやるよ!」

そうはっきりと言った。

高町 桜はそれを見ると、

「お願いできる?」

そう尋ねる。

「うん!」

なのはははっきりと頷いた。

その時、思念体が再生を完了させ、再び動き出す。

「うっ・・・・・」

その様子に一瞬たじろぐなのは。

今の決意はなんだったのかと言いたいが、まあ、普通の女の子にあれはキツイだろう。

柄ではないが、俺は口を開いた。

「高町」

「え?」

俺の呼びかけに、なのははこちらを向く。

「心配すんな。ちゃんと守ってやる。今だけでもいいから俺を信じろ」

俺がそう言うと、なのはは一瞬戸惑ったが、

「・・・・・・信じるよ!」

はっきりと、そう頷いた。

「よし!行くぞ!」

「うん!」

それと共に襲い掛かってくる思念体。

それを軽く裏拳で吹っ飛ばす。

壁に叩きつけられる思念体。

「おらぁっ!!」

其処に追撃のドラモンキラー。

壁ごと思念体は粉々になる。

これで時間は稼げただろ。

その時、後ろで桜色の光の柱が発生する。

「成功だ!」

ユーノの声が聞こえる。

光が治まると其処にはアニメの通りのバリアジャケットと杖を持ったなのはがいた。

「ふぇええ!?どうなっちゃったの!?」

なのはは、自分の姿が突然変わってしまったことに驚いているようだ。

「落ち着け高町。説明は後でしてやるから、今は封印を」

「え、えっと、封印って、どうやるの?」

「えっと、僕達の魔法はプログラムと呼ばれる・・・・・」

ユーノが時間が無いというのにベラベラと説明しようとしていたため、

「ちょっと待てフェレットもどき!素人のなのはにそんなこと言って分かるわけ無いだろ!」

手っ取り早く黙らせる。

「高町、心を落ち着かせろ!心の中にお前の呪文が浮かぶはずだ!それを唱えろ!」

「えっ?う、うん!」

なのははレイジングハートを構えて目を瞑る。

その間にも、思念体は再生を開始する。

なのはは、目を開けると杖を掲げる。

「リリカル・マジカル」

「封印すべきは忌まわしき器、ジュエルシード!」

「ジュエルシード!封印!」

『Sealing mode. Set up.』

なのはの声でレイジングハートがシーリングモードに変形する。

そして、桜色の光の帯が思念体を締め上げる。

『Stand by, Ready.』

「ジュエルシード シリアルⅩⅩⅠ!封印!!」

『Sealing』

光の帯が思念体を貫き、消滅させていく。

そして、後には小さな青い宝石、ジュエルシードだけが残った。

「これが、ジュエルシードです。レイジングハートで触れて」

ユーノにそう言われ、なのははレイジングハートを翳すと、ジュエルシードがレイジングハートに吸い込まれる。

すると、なのはのバリアジャケットが解除され、レイジングハートも待機状態になる。

「あれ?終わったの?」

なのはは、実感が湧かないのか呆けた声を漏らす。

「はい・・・・・貴方のお陰で・・・・・・ありが・・・・とう・・・・・」

ユーノはそこまで言って、力尽きて気絶する。

それを確認した俺も、バリアジャケットを解除した。

「あっ、あのっ!利村君っ!私聞きたいことが!」

思ったとおり、なのはは俺に聞いてこようとするが、

「ちょっと待て、聞こえないか?」

「え?」

俺にそういわれてなのはは耳を澄ます。

パトカーのサイレン音が聞こえてきた。

そして、なのはは、現場の惨状を確認する。

「・・・・・・もしかして、私達・・・・ここにいると大変アレなのでは・・・・・・」

「・・・・・・まあそれは別にしても、補導対象であることには間違いないな」

俺は、買い物袋を拾いながら、なのはの言葉に答える。

「じゃ、じゃあ早く逃げないと・・・・」

なのははそう言うが、

「高町姉、走れるか?」

俺は高町 桜に尋ねる。

「だ、大丈夫よ・・・・・くっ・・・・・」

痛みを堪えようとする高町 桜を見て、

「全然大丈夫そうには見えないな・・・・・・しかたない、文句は後で受け付ける」

「えっ?」

高町 桜が、声を漏らした時、俺は彼女を抱き上げた。

「ちょ!?」

「あっ!」

2人が声を上げる。

何でなのはまで?

「ほら、なのは、逃げるぞ」

「う、うん・・・・・」

俺の言葉になのはは応え、俺は高町 桜を、なのははユーノを抱き抱えながらその場を後にした。








あとがき


とりあえず無印編に入ってみた。

流れとしては、原作沿いだったりそうじゃなかったり。

それに一人称は難しいです。

それから、皆様感想ありがとうございます。

結構好き放題やってたんで、全て反対意見であることすら覚悟してたんですけど、意外と賛成派も多かった。

これはビックリです。

まあ、この小説はこのノリで行くつもりなので覚悟しててください。

では。




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