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No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
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[15302] 第三十一話(前編)
Name: 友◆ed8417f2 ID:315f8cfe 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/19 16:30


第三十一話 激突! 最強チートVS究極!!




【Side アリシア】




私達は、エイミィのお願いでユウを探していた。

公園や、近場の遊び場を探してみるけど、ユウの姿はない。

「あ~も~! ユウの奴何処に行ったのよ~~!」

アリサがそう声を上げる。

ユウの捜索には、私とアリサ、すずか、それにファリンも加わっている。

母様には、ユウの魔力反応を探してもらい、見つかったら連絡してくれる手筈になってる。

「アリサ、落ち着いて」

私はそう声をかける。

「でも、本当にユウ君何処に行ったんだろう?」

すずかがそう漏らす。

確かに、何時ものユウなら、出かけるなら出かけるで、行き先ぐらい伝えているはずなんだけど。

そのユウが、行き先も告げずにリニスと一緒に何処かに行く所なんて………

「あの、今日は、ユウ君にとって特別な日とかではないんですか?」

ファリンがそう聞いてきた。

「え?」

「私は、まだユウ君の事を良く知らないんですけど、今日はユウ君にとって特別な日だったりしないんでしょうか?」

もう一度ファリンがそう言った。

「今日って……1月25日だから………」

「誕生日だよね、ユウ君の」

私達はそう言う。

そう、今日はユウの誕生日であり、実はプレゼントとかも用意している。

「でも、誕生日だからって、誰にも言わずに行く所なんて………」

アリサがそう呟くが、私はユウの誕生日と聞いて、何か大事な事を忘れている気がした。

「アリシアちゃん? 如何したんですか?」

ファリンが考え込む私に気付いたのか、そう問いかけてきた。

「うん……ユウの誕生日に、とても大事な事があった気がするんだけど………」

私はそう呟く。

「ユウの誕生日に? すずか、心当たりある?」

「ううん、私には何も……」

2人には心当たりが無いらしい。

でも、絶対何かあった筈。

私は考え続ける。

ユウの誕生日……誕生日……誕生日………

その時、脳裏に閃く言葉があった。

『『誕生日おめでとう、ユウ』』

その言葉を思い出し、今日は何の日で、それと同時にユウの居場所も見当が付く。

「分かった!」

私は思わず叫んだ。

「ど、どうしたの? アリシア」

アリサがビックリした顔で問いかけてくる。

「ユウの居場所!」

「えっ? ど、どこなの?」

すずかが慌てた様子で尋ねてくる。

「お墓だよ!」

「「「えっ?」」」

私の言葉に、ユウが何故そんなところにいるのかと3人は首を傾げる。

「今日は、ユウの両親が死んじゃった日なんだよ!」

私はそう言うと、墓地へ向かって駆け出した。



墓地のある丘を登る道を駆け上っていく私達。

すると、逆にその坂を歩きながら降りてくるユウとリニスの姿があった。

思ったとおり、お墓の掃除やお墓参りをした後のようで、バケツを下げている。

「ユウ!」

私はユウに呼びかける。

すると、ユウは軽く驚いた表情になり、

「アリシア? アリサにすずかにファリンさんまで……一体如何したんだ?」

そう言って尋ねてくる。

すると、

「『一体如何したんだ?』じゃ、なーい!! アンタがほっつき歩いてる間に、なのは達が大ピンチになってるんだから!!」

アリサが突如叫んだ。

思わず耳を押さえる私達。

「ほ、ほっつき歩いてたわけじゃないんだが……って、なのは達がピンチってどういう事だよ!?」

驚くユウに私達は説明を開始した。




【Side Out】




【Side はやて】



アリサちゃん達がユウ君を探す間、私達が敵の足止めをするって事やったんやけど………

正直、ユウ君がおらんくても、私らが集まれば、敵を倒せるんやないかって思っとった。

でも……

「紫電一閃!!」

「ラケーテン!ハンマーーーーーッ!!」

シグナムとヴィータの2人が必殺の一撃とも言える攻撃を同時に繰り出す。

「フン!」

でも、相手は両手を上げて腕についている籠手で受けとめた。

普通なら防御されても、少しぐらい傷が付いたり、勢いで押す位してもいいんやけど、相手は微動だにしない。

しかも、その籠手には、傷もついていなかったんや。

「はぁっ!!」

相手はそのまま2人を弾き飛ばす。

「くっ……」

「うわっと」

2人は体勢を立て直して着地する。

その時、

「なっ!?」

相手はヴィータの目の前に接近していた。

「ヴィータ!」

私は思わず叫ぶ。

ユウ君のドラモンキラーと同じ形の武器が振り上げられる。

ヴィータは体勢が悪くて避けられそうにない。

でも、

「ヴィータ!」

ヴィータの目の前に、緑色の魔力障壁が3重に展開される。

相手の攻撃が、そのシールドに阻まれ、一瞬止まる。

「ッ!?」

ヴィータがその隙に飛び退く。

その瞬間、シールドが破られてつい一瞬前までヴィータがいた所にドラモンキラーが突き刺さった。

「す、すまねえユーノ」

ヴィータがシールドを張ってくれたユーノ君にお礼を言う。

でも、ユーノ君は険しい顔をしたまま、

「なのはのスターライトブレイカーも防げる強度があるのに……唯の攻撃が何て威力だ」

そう呟く。

その瞬間、

「「ダブルポジトロンレーザー!!」」

「エクストリームジハード!!」

桜色と白銀、金色の大砲撃が相手に撃ち込まれる。

相手はその砲撃に飲み込まれた。

でも、直ぐに平然として現れたんや。

相手の……えっと、桜ちゃんが呼んどった名は、ブラックうぇ~?……うぃ~…?

分からんからブラックさんや!

そのブラックさんが着てる鎧に傷一つ入ってないって、如何いう材質なんやろか?

「覇王拳!!」

「獣王拳!!」

ザフィーラとアルフさんが同時に攻撃する。

でも、ブラックさんは籠手を盾のように構えると、それだけで防ぎきった。

この場にいる全員は、シャマルの魔法でブーストがかかっとるはずなんやけど……

これだけの攻撃を受けても、全然ダメージが無いって如何いう事や!!

「ああっ! もうっ! 何て硬さだい!! 桜! アイツの鎧は一体何で出来てるんだい!?」

攻撃が効かない事にイライラしてたアルフさんが桜ちゃんに尋ねる。

流石に桜ちゃんもそんなトコまで知ってるわけ………

「アイツの鎧はクロンデジゾイドって言う金属で、簡単に言えば、ダイヤよりも遥かに硬いし、その金属で武器を作れば、ダイヤなんか簡単に破壊できる位の代物よ」

って、知ってるんかい!

「もう少し言えば、アイツにまともなダメージを与えたいなら、少なくとも核弾頭ぐらいの威力が必要なんだけど……」

桜ちゃんの言葉に私は驚いた。

核弾頭って、洒落にならんのやけど……

そんな事を思っていると、

「どうした? もう終わりか? だとしたら期待外れだったな」

ブラックさんはそう言う。

期待外れやったらこのまま見逃してほしいんやけど……

「俺はもう飽きたぞ……これで終わらせてやる!!」

ブラックさんはそう言うと、両手を頭上で合わせる。

そして、高速で回転を始めた。

それを見た桜ちゃんが、

「皆! 防御魔法を全開にしつつ、アイツから出来るだけ離れて!!」

そう叫んだ。

私達は、その忠告に従って、防御魔法を展開しながら、ブラックさんから離れようとしたんやけど……

「ブラック! トルネード!!」

回転していたブラックさんが見る見るうちに黒い竜巻となり、あたり一帯を吹き飛ばす。

その暴風に私達は巻き込まれた。

「「「「「きゃぁあああああああっ!!?」」」」」

「「「「「うぁあああああああああっ!?」」」」」

私を含めて、皆が吹き飛ばされる。

多分、防御魔法を発動させてなかったら、風圧だけでもズタズタにされていたのかも知れない。

そのまま全員は、地面や崖に叩きつけられた。

「あうっ………つ~~~……」

私は、痛む頭を押さえながら、起き上がろうとしたんやけど……

『主!!』

ユニゾンしてるリインフォースが叫ぶ。

その声に顔を上げると、目の前には、ドラモンキラーを振り上げるブラックさんが……

私がその瞬間思ったことは、「アカン、私死んだ」だった。

私は、思わず目を瞑った。

その一瞬がとても長く感じて…………

――ガキィィィィン!

突然金属音が響き渡った。

その音に眼を開けると………

私に襲い掛かろうとしていた黒いドラモンキラーを、横から割り込んで止める黄金のドラモンキラーが受け止めていた。




【Side Out】





あっぶっね~~~~~!!

無茶苦茶ギリギリではやてへの攻撃を、俺は左手のドラモンキラーで受け止めることに成功した。

つ~か、何でブラックウォーグレイモンがいるんだよ!!??

俺はそう思ったが、とりあえず右腕を振りかぶり、

「ドラモンキラー!!」

ブラックウォーグレイモンに、手加減無用の一撃を叩き込んだ。

もちろん非殺傷解除済み。

吹っ飛んでいくブラックウォーグレイモン。

崖に激突し、瓦礫に埋まった。

「はやて! リインフォース! 大丈夫か!?」

俺は、そう声をかける。

「ユ、ユウ君……」

はやては、ボロボロの姿で、俺の名を呟く。

「すまん……俺が遅れた所為で……」

俺はそう謝る。

そして、俺は周りを見渡す。

致命傷は無い様だが、ボロボロの姿のなのは達。

普段の俺なら本物のブラックウォーグレイモンと戦う事など、全力で拒否する筈だ。

だが、ボロボロな皆の姿を見ていると、無性に腹が立ってくる。

ブラックウォーグレイモンが瓦礫を吹き飛ばして姿を見せた。

「フッ……今度こそ、少しは骨のありそうな奴が来たな……」

ブラックウォーグレイモンは、嬉しそうな声で呟いた。

「…………ブラックウォーグレイモン」

俺は相手の名を呟く。

「貴様も俺を知っているか……ならば、俺が如何いった存在かも知っているな?」

「……ああ」

俺は、ブラックウォーグレイモンの問いにただ頷いた。

「そうか………ならば、貴様は俺を如何する?」

ブラックウォーグレイモンはそう問いかけてきた。

だから俺は……

「知らん」

そう答えた。

「何だと?」

俺の答えに、ブラックウォーグレイモンは呆気に取られた声を漏らす。

「お前が世界の安定を崩す存在だろうが、幾つ世界を滅ぼそうが俺は知らん。 俺の周りに火の粉が降りかからなけりゃ、誰が何処で何しようが如何でもいい。 俺の知らないところの出来事なんて、俺には関係ない。 第一、俺にはアンタの存在や行動を否定する権利も無ければする気もない。 いや、誰かの存在を否定する権利なんて、何処の誰にも有りはしないか………」

「……………」

ブラックウォーグレイモンは、黙って俺の話を聞いている。

「………けどな! お前はこいつ等を………俺の大切な奴らを傷つけた! 今、俺はその事が無性に腹が立って仕方がない! だから、俺はお前をぶっ飛ばす!!」

俺は、ブラックウォーグレイモンにドラモンキラーを突きつける。

すると、

「……クック………ハッハハハハハハ!」

ブラックウォーグレイモンは突然笑い声を上げた。

「ククク……ならば、貴様は世界の為などではなく、自分の感情のみで戦うという事か?」

ブラックウォーグレイモンは、笑いが混じる言葉で問いかけてくる。

「ああ。 俺は自己中心的な人間なんだ。 簡単に言えば、どこぞの知らない世界の100や200の命運より、俺は、こいつ等の方が大切なんだよ。 まあ、こいつ等はそんな事は望んで無いだろうけど……こいつらが傷つくのは俺が嫌だからな。 一言でいえば、俺は自分の為に戦っているんだ!!」

俺は皆を見渡してそう言った。

「クックック……幾つもの世界を回ってきたが、俺に立ち向かってきた奴らは、世界の為だの何だのいう奴ばかりだったからな……貴様のような奴は初めてだ……なる程……自分の為に戦う……か」

ブラックウォーグレイモンは、そう呟くと身構える。

そして、嬉しそうな表情で俺を見て、

「貴様は今迄で一番楽しめそうだ! さあ! お前の力を見せてみろっ!!」

ブラックウォーグレイモンは、そう叫びながら突っ込んでくる。

「うぉおおおおおおおおおおっ!!」

俺は真正面から受けて立った。






【Side 桜】




私が気がついた時、

「うぉおおおおおっ!!」

「はぁあああああっ!!」

黄金と黒が激突を繰り返していた。

「ユウ……」

私は、黄金の影がユウだという事は一目で分かった。

私は不安な気持ちで、ユウとブラックウォーグレイモンの戦いを見上げる。

その時、

「桜! 無事か!?」

その声に振り向くと、クロノが駆け寄ってきた。

「クロノ……ええ、私は大丈夫よ」

私はそう答える。

見れば他の皆も集まっていて、ボロボロだが酷い怪我はないようだった。

クロノは2人の戦いを見上げる。

「それにしても流石はユウだな。 僕達が束になっても敵わなかった相手に互角に渡り合ってる」

クロノはそう漏らす。

「おお。 流石はユウだぜ!」

ヴィータもそれに同意した。

でも、

「……………」

私は分かっていた。

この戦いは互角なんかじゃないって。

その時、

「ドラモン!」

「キラー!!」

――ドゴォォォォォッ!!

2人が真正面からドラモンキラーをぶつけ合う。

凄まじい衝撃が辺りを襲った。

2人は一瞬拮抗したが、

「フン!!」

「ぐあっ!」

ブラックウォーグレイモンが腕を振りぬき、ユウが弾き飛ばされる。

「そんなっ!?」

「ユウが……力負けしただと!?」

なのはとシグナムが信じられないといった声を漏らした。

「ユ、ユウ……手加減してるのかな?」

フェイトが不安そうにそう呟くが、

「そんなわけないわよ。 ユウは、ブラックウォーグレイモンの強さはよく分かってる筈だし」

私はそう言った。

「じゃ、じゃあ、何でユウ君が力負けするんや!?」

はやてが叫ぶ。

その言葉に、

「そんなの簡単よ。 単純に、基本的なポテンシャルが、ユウよりブラックウォーグレイモンの方が上回ってるからよ」

私は事実を突きつける。

その時、

「ブラックトルネード!!」

ブラックウォーグレイモンが、両手のドラモンキラーを頭上で合わせて高速回転。

黒い竜巻となって、ユウに突撃する。

対するユウは、

「ブレイブトルネード!!」

黄金の竜巻となって、黒い竜巻に立ち向かった。

黄金と黒の竜巻は、空中で何度も交差し、最後に真正面からぶつかり合う。

2つの竜巻は混ざり合い、1つの巨大な竜巻となった。

その竜巻の中で、幾度も閃光が走り、竜巻の中で2人が激しい戦いを繰り広げているのが分かる。

「が、頑張って……ユウ君……」

シャマルが祈るように呟く。

だが、

――ドゴォ!

竜巻の中から、1つの影が飛び出すように吹き飛ばされた。

その影は地面に叩きつけられ、100m近く地面を抉るように滑った。

「い、今のは!?」

ユーノが叫ぶ。

余りにも一瞬の事で、その影がどちらか判断はつかなかったけど、吹き飛ばされた方はおそらく………

竜巻が収束し、その中からもう1つの影が姿を現す。

それは、

「あ……そ、そんな………」

フェイトが思わず声を漏らす。

竜巻の中から現れたのは、私の思ったとおりブラックウォーグレイモン。

「………ユ、ユウく……!」

なのはが思わずユウの名を叫び……

「グレイスクロスフリーザー!!」

瞬間、砂煙を切り裂き、無数のミサイルがブラックウォーグレイモンを襲った。

「何っ!?」

ブラックウォーグレイモンは、驚愕の声を上げる。

それでも、ミサイルを避ける為に、回避行動を取る。

でも、ミサイルの全ては誘導性能を持っており、その全てをかわし切れる物じゃない。

「くっ!」

ミサイルの一発がブラックウォーグレイモンの腕に当たり、その部分を凍らせる。

それでも、表面上が凍っただけなので、ブラックウォーグレイモンの力があれば凍った部分を砕くのも容易いこと。

けど、ブラックウォーグレイモンの動きは一瞬鈍る。

その瞬間を狙って、他のミサイルが殺到した。

「ぐあっ!」

次々に着弾するミサイル。

ブラックウォーグレイモンは、身体の半分以上が凍りつき、僅かだが身動きが取れない状態になる。

その瞬間、砂煙の中からアイシクルのバリアジャケットを纏ったユウが飛び出し、

「コキュートスブレス!!」

両手から凄まじい冷気を放った。

コキュートスブレスは、身動きの出来ないブラックウォーグレイモンに直撃し、身体全てを凍りつかせた。

更にユウが右手を前に突き出すと、その手にミサイルランチャーのようなものが具現される。

「ガルルトマホーク!!」

ユウは、そのミサイルランチャーから、今までのミサイルよりも、遥かに大きなミサイルを発射した。

ミサイルは一直線に突き進み、

――ドゴォォォォォン!!

凍ったブラックウォーグレイモンに直撃し、爆発を起こした。

爆煙の中から、落下していくブラックウォーグレイモン。

だが、地面に激突する前に体勢を立て直し、上手く地面に着地する。

でも、そこでブラックウォーグレイモンは膝をついた。

「ぐうっ! やるな……今のは効いたぞ」

ブラックウォーグレイモンはそう言う。

それを聞いたはやては、

「流石ユウ君や! 私達で全然ダメージ与えられんかった相手に、ああも簡単にダメージ与えるなんて!」

そう喜びの声を上げ、

「ユウ君がんばれー!!」

「ユウ! その調子!!」

なのはやフェイトも声援を送る。

でも、逆に言えば、アイシクルの形態の最強ランクの攻撃3連撃であの程度のダメージって事なんだけど……

ブラックウォーグレイモンは立ち上がると、

「だが、戦いはこうでなくては面白くない!! さあ! もっと俺を楽しませろ!!」

ブラックウォーグレイモンは嬉しそうにそう叫ぶ。

「ブレイズ!」

ユウは、バリアジャケットをブレイズに変更する。

すると、ブラックウォーグレイモンは両手に負のエネルギーを集中させ、赤いエネルギー球を作り出す。

「くっ!」

ユウも、同じように魔力を集中させて、黄金の魔力球を作り出す。

そして、

「「ガイアフォーーーーーース!!」」

2つのガイアフォースが同時に放たれた。

2人の中央でぶつかり合うガイアフォース。

凄まじい衝撃が走り、その衝撃は、かなり離れている私達も必死で耐えなければ吹き飛ばされてしまうほどの物だった。

一瞬、暫く拮抗するかに思えたけど、

「はぁああああっ!!」

ブラックウォーグレイモンが気合を込めると、赤いガイアフォースが黄金のガイアフォースを撃ち破った。

そのまま赤いガイアフォースは、一直線にユウに向かう。

「くぅ! ブレイブシールド!!」

避けきれないと判断したユウは、背中のブレイブシールドを使って防御する。

ブラックウォーグレイモンのガイアフォースが、ユウのブレイブシールドに接触する。

「ぐうぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

ユウのガイアフォースで幾分か減衰しているにも拘らず、ユウは赤いガイアフォースに押され続ける。

「うぐっ! うおぉぉぉぉぉぉぉっ!」

数百メートル押された所で、

「だぁあああああああっ!!」

ユウは何とかガイアフォースを受け流す。

ガイアフォースは、軌道を変えられ、ユウの後方の遥か空へと消える。

「はぁ……はぁ……」

ユウはかなり消耗していた。

ブレイブシールドも罅だらけだ。

「バカな……ユウのガイアフォースを撃ち破った挙げ句、ユウでも受け流すのが精一杯だと……!?」

シグナムが驚愕の声を漏らす。

でも、ユウのガイアフォースが負けるのもある意味当然。

ユウは、あくまでウォーグレイモンの技を模したもの。

いわば、猿真似の技だ。

そんな猿真似が本物に通じるわけがない。

ユウも、その事は分かっているようで、技が負けたこと自体にショックを受けている様子はない。

でも、このまま行ってもジリ貧で、結果は見えている。

長期戦は不利。

それなら……

私がそう考えていた瞬間、ユウから虹色の魔力光の柱が立ち上る。

その中から現れたのは、オメガフォームを纏ったユウ。

ユウも私と同じ事を考えていたようだ。

長期戦で勝ち目が無いなら、短期決戦で一気に決めるしかない。

それでも賭けに変わりはないけど。

すると、ユウは左手を振って、グレイソードを構える。

それを見て、ブラックウォーグレイモンも身構えた。

ユウは、一気に地面を蹴り、

「うぉおおおおおおっ!!」

ブラックウォーグレイモンに斬りかかった。


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