第十九話 闇の書の真実
戦いを終えた俺達は、一度集まっていた。
一度話したシグナムや、元から大人なクライドさん以外の3人は、悔しそうだ。
特にヴィータの機嫌が悪い。
流石に5対1で負けるとは思ってもみなかった様だ。
「あ~~~・・・・・・っと、とりあえず気は済んだか?」
俺は気まずそうにそう尋ねる。
「・・・・・・とりあえず、お前の目的を聞かせろ」
シグナムがそう尋ねる。
因みにちゃんと服は直したようだ。
「目的っつってもね・・・・・・・ただ単にはやてとは知り合いになっただけだし。まあ、はやてが闇の書の持ち主だって言うのなら、はやてを助ける事が目的になるのか?」
俺は、一応本当のことを言う。
「主を助けるだと?どういう事だ?」
シグナムが怪訝な表情で尋ねてくる。
「これははやてを交えて話した方がいいからな。後で話すよ。もうすぐ昼だから、はやて達も戻ってくる頃だろうし」
俺はそう言って話を終わらせる。
守護騎士達は、渋々と従った。
「ただいま~~~・・・・・って、うわっ!?」
帰ってきたはやてが、ボロボロになった守護騎士達を見て、驚きの声を上げる。
「ど、どないしたん?皆ボロボロやないか?」
はやてがそう尋ねると、
「主・・・・これは・・・・その・・・・・」
シグナムが言いよどむ。
「皆が買い物に行ってる間、暇だったから、力比べの模擬戦をしてたんだよ」
「へ?」
俺の言葉に、呆気に取られた顔をするはやて。
「結果は、まあ、見ての通り」
俺がそう言うと、
「ユ、ユウ君無傷で勝ったん!?」
はやてが驚きながら尋ねてくる。
「無傷じゃねえよ。タンコブできたし」
俺は頭を擦りながらそう答える。
「「ええっ!?ユウ(君)に一撃入れたの!?」」
今度は、なのはとフェイトが驚愕の声を上げた。
「って、なのはちゃん達驚くのそっちなん!?」
はやてが2人の言葉に突っ込む。
「当然だよ!この前、私と桜お姉ちゃん、フェイトちゃん、アルフさん、ユーノ君で、ユウ君と模擬戦したんだけど、まともなダメージも与えられずにあっさりと負けたんだよ!」
なのはが、そうまくし立てる。
「うん!何をやってもユウには通用しなかったから!」
フェイトもそう言う。
「ユ、ユウ君って、そんなに凄いん!?」
2人の言葉に、はやてが驚きながら尋ねる。
「ええ、ユウは、次元世界最強の魔導師って言っても過言じゃないから」
桜がそう言った。
「マ、マジなん・・・・?」
はやてが、信じられないといった表情で問いかけてくる。
「次元世界最強かどうかは知らないけど、そんじょそこらの魔導師よりは、チートすぎる才能を持ってることは確かだな」
俺はそう答える。
世の中上には上がいるんだし、俺が絶対最強とは思えない。
寧ろ、精神的に弱いし俺。
「まあ、こういう後ろ向きな性格のお陰で、強さを鼻にかけた奴には、ならなかった訳だけど・・・・・・」
桜が補足する。
「だから、守護騎士達が負けた事は、別に恥じる事じゃない。寧ろ、一撃入れたことを誉めるべきね」
そう言った。
「ほえ~・・・・・ユウ君には驚かされてばっかりやなぁ・・・・・」
はやてがそう呟く。
「とりあえず、着替えさせたら如何だ?」
俺は、皆が持っていた買い物袋に目をやりながらそう言った。
守護騎士達の服装は、アニメの通りのものだった。
クライドさんは、黒を基調にした服装である。
あと、ザフィーラは狼形態になっていた。
全員が着替え終わると、シグナムが口を開いた。
「さて、聞かせてもらおうか。先程お前が言っていた意味を」
「え?何のことなん?」
はやてが首を傾げる。
「ああ、俺も闇の書についてはある程度知識を持ってる。その説明だ。まあ、信じる信じないはそっちに任せるが」
俺がそう言うと、桜が突っついてくる。
(ちょっと、話すつもりなの?)
そう小声で尋ねてきた。
(ああ。流石に証拠は無いけど、そうなる可能性がある程度には頭に入れて欲しいし)
俺はそう答えた。
俺ははやて達に向き直り、
「まあ、俺は遠まわしに言うのは得意じゃないからはっきり言うが、はやて」
真剣な顔ではやてを見る。
「ど、どうしたん、ユウ君?」
ちょっと戸惑った様子で聞き返す。
「このままだと、はやては助からない」
俺がそう言った瞬間、
「ちょっと!それどういう事よ!!」
アリサが叫んだ。
「聞いての通りだ。このままだと、もって今年いっぱいだろう」
俺の言葉に、言葉を失うなのは達。
「な、何言うてんのやユウ君。冗談にしては、笑えへんで」
はやてが引き攣った表情でそう言う。
「・・・・・・・・・」
俺はただ、真っ直ぐにはやての目を見る。
「・・・・・・本当・・・・・・なんやな・・・・・・・・」
はやてが声を絞り出す。
「ああ」
俺は頷く。
「原因は何だ?」
ザフィーラが問いかけてくる。
「原因は闇の書だ」
俺のその言葉で、全員の視線が闇の書に集中する。
「闇の書は、一定期間蒐集が無いと、主の魔力や資質を侵食する。はやての足が悪いのも、それが原因だろう」
その言葉に、はやては自分の足を見る。
「それならば、闇の書を完成させれば問題ないのではないか?」
シグナムがそう言うが、
「闇の書を完成させて・・・・・・・どうなった?」
「何?」
「今までの主は、闇の書を完成させてどうなったんだ?」
「それは・・・・・大いなる力を手に入れて・・・・・・・」
「その力で何をした?」
「それは・・・・・・・」
俺がそう聞くと、シグナムたちは思い出そうとしているが、言葉が出てこない。
「無差別破壊だ」
俺はそう断言した。
「何でそう断言できるの?」
シャマルが尋ねてくる。
「俺の知ってる闇の書の知識を教えてやる。闇の書・・・・・いや、本当の名は『夜天の魔導書』。本来の目的は、各地の偉大な魔導師の技術を蒐集して、研究するために作られた、主と共に旅するだけの資料本みたいなものだ。だけど、歴代の持ち主の誰かがプログラムの改変を繰り返し、その機能に障害が起こった。その代表的なものが、転生機能と無限再生。前者が旅をする機能、後者が破損したデータを自動修復する機能が暴走した結果だ。それで、一番タチが悪いのが、持ち主に対する性質の変化。さっき言った一定期間蒐集が無いと、持ち主自身の魔力や資質を侵食し始める事と、完成したら、無差別破壊の為に持ち主の魔力を際限なく使わせる事だ」
俺は、アニメでユーノが言っていた情報を話す。
「出鱈目言ってんじゃねえ!!第一、証拠はあるのかよ!!」
ヴィータが叫ぶ。
そりゃ信じられるわけはないな。
「証拠なんかあるわけ無いだろ?あくまで俺が『知ってる』ことなんだからよ。まあ、無限書庫で調べれば裏づけぐらいは出来るのかもしれないけど・・・・・・」
俺はそう言うが、
「それは無理だろう。無限書庫は、時空管理局の本局にある。管理局と関わらないで無限書庫を使うのは不可能だ」
クライドさんがそう言う。
確かに。
「・・・・・・・・主を救う方法はあるのか?」
シグナムが、そう尋ねてきた。
「シグナム!?こんな奴のいう事を信じるのかよ!?」
ヴィータがシグナムに詰め寄る。
「ユウの言っている事が正しいかどうかは別にして、嘘は言っていまい。お前も刃を交えたのなら、それは分かっているはずだ」
「・・・・・・・」
ヴィータが俯く。
「あの・・・・・」
フェイトが口を開く。
「母さんに頼んで、闇の書を直してもらう事は出来ないのかな?」
フェイトがそう言った。
「そっか!母様ならそういう事得意そうだし!」
アリシアもそう言うが、
「それは無理だ」
俺はその案を却下する。
「どうして?」
すずかが尋ねてくる。
「ふざけた事に、闇の書には、無理に外部からアクセスしようとすると、主を吸収して転生する機能が付いてるんだ」
俺はそう説明する。
「そっか・・・・・・」
フェイトは気落ちする。
「それで、手はあるのか?」
シグナムが尋ねてくる。
「手は2つ。1つは、ほぼ確実に成功する手で、はやては確実に助かる。2つ目は、成功率は全くの未知数だけど、成功すれば、皆纏めてハッピーエンド。どっちを選ぶ?」
「一つ目と二つ目は何が違うんだよ?」
ヴィータが問いかけてくる。
「一つ目の方法は、闇の書を初期化して、夜天の魔導書に戻す方法」
「ちょっと待って!たった今、闇の書の修復は不可能だって・・・・・」
シャマルがそう言ってくる。
「無理にアクセスすればな。俺がやろうとしている方法は、アクセスとかそんなことをせずに、『闇の書』そのものを問答無用で初期化する事だ」
「そ、そんなこと出来るの!?」
「ブレイズと、アイシクルの切り札なら出来る」
俺は断言した。
「闇の書を初期化して、夜天の魔導書に戻せば、はやてへの侵食は無くなり、はやては助かる」
「だったら!さっさと初期化すれば!」
ヴィータは叫ぶが、
「その場合、あんたら守護騎士は消える事になる」
俺はそう言った。
「「「「「なっ!?」」」」」
守護騎士が驚愕する。
「何でだよ!?」
ヴィータが叫ぶ。
「夜天の魔導書の初期バージョンには、守護騎士プログラムは組み込まれていない。守護騎士プログラムも歴代の主の誰かが組み込んだものだ」
「そんな・・・・・・」
ヴィータは声を漏らす。
「だが、我ら守護騎士、主のためならば消える事も「あかんて!!」ッ!?」
シグナムの言葉の途中で、はやてが叫んだ。
「消えるなんてあかん!!折角・・・・・折角家族が出来ると思っとったのに・・・・・・消えるなんて許さへん!!」
はやては涙を滲ませながら叫ぶ。
「と、あんたらの主は言ってるが?」
俺がシグナム達に尋ねると、
「・・・・・・・・・もう1つの手は?」
シグナムが問う。
「まあ、はっきり言って夢物語に近い手だが?」
「構わない、教えてくれ」
「じゃあ言うが、これは、はやての意思の強さが問題になってくる」
「私の?」
俺の言葉に、はやてが首を傾げる。
「まずは蒐集して、闇の書を完成させる」
「ちょっと待てよ!お前の話が本当なら、闇の書を完成させたら、はやては・・・・・!!」
俺の言葉の途中でヴィータが叫ぶ。
「最後まで聞け。そりゃ闇の書を完成させたらはやては闇の書に取り込まれる」
ごくりと、はやては唾を飲み込む。
「そして、そこで何とかして、夜天の魔導書の管理者権限を取り戻せ」
「へ?」
俺の、何とも無責任な言葉に、はやては声を漏らす。
「そして、管理者権限で夜天の魔導書から暴走したプログラムを分離させろ。そこで俺が暴走したプログラムを初期化して、初期化したプログラムをもう一度夜天の魔道書に組み込む。これで皆ハッピーエンド」
俺が其処まで言うと、
「ちょ、ちょっと待ってや。ユウ君簡単に言うとるけど、そんな簡単に行くん?」
「それは知らん。さっきも言ったように、成功率は未知数だ」
更なる無責任な言葉に、はやては呆気に取られる。
「ふ、ふざけんな!そんな成功する根拠の無い事をさせられるか!!」
ヴィータが怒鳴る。
「・・・・・・失敗した時は、如何するんや?」
はやてが尋ねてくる。
「失敗した時は、そのまま放って置くと、世界を1つ滅ぼしちまうからな。その時は、お前ごと闇の書を初期化する」
「私はどうなるんや?」
はやては、ほぼ確信している事を確認するように尋ねてきた。
「はやてが取り込まれた時点で、はやては闇の書の一部として認識されるだろうから、その状態で初期化すれば、はやても消える事になる・・・・・・・」
俺はそう呟く。
「つまり、死ぬって事やな」
はやての言葉に、俺は頷いた。
そして、俺は口を開く。
「もし、そうなった時は、俺も後を追うさ」
「「「「「「「えっ!?」」」」」」」
俺の言葉に、全員が驚愕する。
「はやてを殺したら・・・・・・・いや、はやてだけじゃない、シグナム達守護騎士のみんなも殺す事になったら、俺はそれに耐え切れないだろうからな・・・・・・・・俺は、仲間を自分の手で殺して平気でいられるほど強くはない」
「な、何を言っている!?我ら守護騎士は、主の僕。言わば道具だ。主の事はともかく、我らの為にそんなことをする必要は・・・・・・」
シグナムがそう言うが、
「それは、今までの主での話だろ?はやてはそんなことを望んでない筈だ」
「その通りや。私がみんなに望むのは、僕とか、道具とか、そんな関係やない。私が望むのは、家族になってもらう事や」
「そういう事だ。だから、はやてがアンタ達の主である限り、アンタ達は“ヒト”なんだ」
「「「「・・・・・・・・・」」」」
シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラは呆気にとられた顔をする。
クライドさんは微笑んでいた。
「そういう事やから、私が選ぶのは2つ目の手や」
はやてが言った。
「ユウ君にああまで言われたら、絶対に成功させるしかないやないか。あれこそホントの殺し文句やな」
落ち着いて考えてみれば、先程の発言は、結構そういう風に取れるかも・・・・・・・
「まあ、当面の行動は、管理局にばれない様に蒐集することだな。その為には、魔導師からの蒐集は避けるべきだ」
「仕方あるまいな。管理局に見つかれば蒐集し辛くなる」
「それだけじゃない。はやてほどの魔導師は、管理局にとって、喉から手が出るほど欲しいだろうから、何だかんだ言って、管理局で働かされる可能性が高い」
「なるほど」
「あと、蒐集した生物は、俺が魔力を与えて回復させる。そうすれば、管理局にも気付かれにくいだろう」
「・・・・・・・・・・・・」
ヴィータは暫く考え込んでいたが、
「とりあえず、テメーの言ってる事を全部信じたわけじゃねえ。けど、蒐集することは、あたし等の使命だ。だから、蒐集することに反対はしねえ」
ヴィータはそう言う。
「ああ。とりあえず、管理局に見つからないように蒐集してくれれば、俺からは何も言わない」
と、その時、
「私も手伝う!」
「私も!」
なのはとフェイトがそう叫ぶ。
この2人なら、当然そう言うと思った。
だから俺は、
「駄目だ」
その言葉を却下する。
「どうして!?」
なのはが叫ぶが、
「危険すぎる」
俺はそう言った。
「で、でも、ジュエルシードの暴走体よりかは!?」
「確かにジュエルシードの暴走体よりは弱い奴が多いだろう」
「だったら!?」
「けど、相手は無数にいるんだ」
俺の言葉に、2人はハッとなる。
「確かに1対1なら、お前たちが勝てない生物なんて、竜種なんかのほんの一握りぐらいだろう。けど、それだけで生き残れるほど、自然界は甘くない。一瞬の油断が、取り返しの付かない事に繋がるんだ」
「でも・・・・・」
「俺は、そんな自然界の中で、お前達を絶対に守れると断言できない。自分の身は、自分で守ってもらわなければいけない」
俺がそう言うと、なのは達は俯く。
「私もなのは達には悪いけど、ユウの意見に賛成よ。いくら資質があるといっても、あなた達はまだ9歳。戦闘も含めた、あらゆる経験が足らないわ」
桜もそう言った。
「桜お姉ちゃん・・・・・・」
なのはが呟く。
「ちょ、ちょっと、それならユウも一緒じゃ・・・・・・」
アリサがそう言うが、
「ユウの資質は、私やなのは達の資質と比べると、天と地ほどの差があるの。私達の資質でも、魔導師の中ではトップクラス。数字で言えば、普通の魔導師を10とすれば私達は100」
「へ~、なのはちゃん達って凄いんや」
はやてが感心した声を漏らすが、
「ユウは10000よ」
「い、いちまっ・・・・・」
桜の言葉に絶句する。
「い、いくらなんでも大げさよね?」
アリサは俺にそう聞いてくるが、
「いや、資質だけで考えれば、確かにそのくらいだ。経験や戦闘技術で上下するけどな」
「う、嘘・・・・・・・」
「もっと分かりやすく言えば、俺は防御に徹すれば、原爆の爆心地でも、生き残る自信はあるぞ。流石に無傷とはいかないだろうけど」
「・・・・・・・・・・」
「だから、俺にとって怖いと思える相手は、神話クラスの相手だけだな」
俺の言葉に、絶句するなのは達。
「再度言うけど、それだけの力を持っていても、絶対になのは達を守れるかといえば、Noと言わざるをえない。例えば、なのはとフェイトが別々の場所で同時にピンチに陥った場合、俺は一人しかいないから、助けられるのはどちらかだ」
俺の言葉に、俯くなのは達。
俺は追い討ちをかける様に言葉を続ける。
「そして蒐集は、他の生き物を襲って魔力を奪う、言わば通り魔みたいな事をするんだ。そんなことを、お前達にさせる訳にはいかない」
俺はそう言った。
だが・・・・・・
「それでも・・・・・それでも私達だってはやてちゃんを助けたいの!」
なのははそう言った。
「ユウが私達のことを心配してくれる事は嬉しい。でも、私達も、はやてのことが心配なんだ」
フェイトもそう言う。
俺は頑固な2人にため息が出る。
「・・・・・・・はあ、仕方ない」
俺は顔を上げると、
「だったら、力を示して貰おう」
「「えっ?」」
俺の言葉に2人は声を漏らす。
「なのは、桜、フェイト、アルフ、ユーノの5人で、守護騎士と模擬戦をしてもらう。その中で、守護騎士と互角に戦えると判断したら、蒐集に連れて行ってもいい」
なのは達は、守護騎士達を見る。
「ただし、負けた時点で、お前らの魔力を蒐集させてもらう」
俺の言葉に、驚いた顔をする桜。
「こうでもしないと、お前らは勝手について来るだろうからな」
俺は思った事を言った。
その瞬間、なのはの顔が引き攣る。
やっぱり図星か。
「そうすれば、闇の書のページも溜まるし、なのは達にも危険さが分かって一石二鳥だ」
俺は、守護騎士達に向かってそう言う。
「ま、あたし等は闇の書の蒐集が出来るなら、特に文句はねえよ」
ヴィータがそう言う。
「それじゃあ、はやては、守護騎士達のバリアジャケット・・・・・・騎士甲冑を考えてくれ」
「騎士甲冑?」
俺の言葉に、はやては首を傾げる。
「はい、我々は、武器は持っていますが、甲冑は主に賜らなければなりません」
シグナムが説明する。
「自分の魔力で作りますから、形状をイメージしてくだされば・・・・」
シャマルが補足した。
「甲冑か~・・・・・・そう言われてもな・・・・・・」
はやては、手を頭に当てて考える。
「別に鎧に拘る事はないぞ?バリアジャケットの強度は、使い手のレベルで決まるから、見栄えで防御力が変化するなんて事はないから」
俺がそう言うと、
「そうなんか?それなら、服でええか?騎士らしい服」
はやてが思いついたように言った。
「ええ、構いません」
シグナムが頷く。
「ほんなら、資料探して、カッコえぇ~の考えてあげなな」
はやては楽しそうに微笑んだ。
「それじゃあ、はやてのバリアジャケットを考える時間と、守護騎士達の回復期間を合わせて、2日後の学校が終わった後に模擬戦をするか」
俺の言葉に、
「うん!」
「わかった」
なのは達は頷き、
「そんなら、それまでに形状を考えておくわ」
はやても頷く。
こうして、守護騎士となのは達魔法少女組の模擬戦が決定した。
あとがき
ご都合主義全開な十九話の完成。
突っ込みどころ満載です。
守護騎士の態度がコロッと変わっていたり、はやてが簡単に運命受け入れてたり、ユウが管理局を嫌う理由を聞かなかったり・・・・・・
とりあえず、その全てはご都合主義ということで。
本当ならバトルまで書きたかったんだけど、中途半端に説明が長くなったので、ここで切りました。
故に、今回は、盛り上がる所がありません。
ああ・・・・・空気になるキャラが多い・・・・・・・
ともかく、次も頑張ります。