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No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
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[15302] 第十八話
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/04/25 14:47
第十八話 五人目の守護騎士。そしてO☆HA☆NA☆SHI。






【Side ????】




次々と乗っ取られていくエスティア。

もはや持たないだろう。

挙げ句の果てに、アルカンシェルの制御まで奪われるとは・・・・・・・

完全に闇の書を甘く見ていた。

だが、乗組員を全員退艦させる事ができた事だけは不幸中の幸いだ。

このことは既にグレアム提督に報告した。

グレアム提督なら、選択を間違えたりはしないだろう。

・・・・・すみませんグレアム提督。

嫌な役をやらせてしまいましたね。

私は、胸ポケットから何時も持ち歩いている1枚の写真を取り出す。

そこに写るのは、愛する妻と3歳の息子。

・・・・・・すまない。

私は心の中で謝罪の言葉を呟く。

管理局員として働く事で、いつでもこうなる可能性があったことは覚悟していた。

だが、こうしていざとなると、どうしても未練が湧いてくる。

もっと妻と共に居たかった。

息子を自分の手で立派に育ててやりたかった。

「・・・・・・リンディ・・・・・・クロノ・・・・・・・」

妻と息子の名を呟く。

死は覚悟している。

だが、出来る事ならば、

「最後に・・・・・・もう一度・・・・・・・・会いたかった」

思わず口から願いが零れてしまう。

情けないなと自傷気味に笑いつつ、最期の時を待つ為に目を閉じる。

その時、

『その願い、叶えてやろう』

「ッ!?」

突如聞こえたその声に、目を開けて其方を向く。

其処には、宙に浮かぶ闇の書。

『汝も夜天の主の元に集う雲となれ。さすれば願いは叶う』

私はその言葉の意味を理解する。

それは、私に闇の書の守護騎士になれと言っている。

確かに守護騎士となれば、次の主・・・・・もしくはその次の主の時に、2人に会える可能性はある。

何故私をと思ったが、そんな事は如何でもいい。

管理局員として、そのような悪魔の誘惑を受け入れるわけにはいかない。

「私は・・・・」

断る、と、声に出そうとした。

だが、ふと手に持った写真に目がいく。

愛する妻と息子。

言葉が止まる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

沈黙が続く。

燃え盛る炎の中、私が出した答えは・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・受け入れよう」

悪魔の誘惑に乗る事だった。

その言葉を聞くと、闇の書が光を放ち、ページが捲られていく。

そして、私の身体が光に包まれ、気が遠くなっていき、

『Absorption.』

その言葉と共に意識が暗転した。




















意識が浮上していく。

闇の書の起動。

跪く私達の前には主と思わしき少女。

主の他にも何人もの少年少女がいたが、その少女が主であることは、一目見て分かった。

私の周りに居る4人の守護騎士達。

実際に会うのは初めてだが、まるで、昔から知っているかのように記憶から情報が引き出される。

「闇の書の起動を確認しました」

烈火の将シグナム。

「我ら、闇の書の蒐集を行い、主を守る守護騎士にございます」

湖の騎士シャマル。

「夜天の主の元に集いし雲」

盾の守護獣ザフィーラ。

「我ら守護騎士、ヴォルケンリッター」

鉄槌の騎士ヴィータ。

そして私は・・・・・・・

「何なりとご命令を・・・・・・我が主」

魔導の騎士・・・・・・・・クライド。






【Side Out】





俺達は、暫く固まっていた。

アニメには居なかった5人目の守護騎士。

呆然としていたが、

ガクッとはやてが崩れ落ちる。

見れば、はやては目を回していた。

どうやらアニメの通り驚きすぎて気絶したようだ。

それが切っ掛けで、再起動していく俺達。

アリサとすずかも、この前の誘拐事件で非常識には抗体が出来ていたらしく、はやてのように気絶はしていない。

「ああっ!はやてちゃん!?」

「しっかり!」

なのはとすずかが一目散にはやてを介抱する。

「あ~~~、アンタ達?アンタ達が誰かは知らないけど、アンタ達の言ってる主って言うのがはやての事だったら、とりあえずは大人しくしといてね」

桜が何とか守護騎士達に向かってそう言う。

その後、何とかその場を落ち着けた俺達は、はやてをゆっくり休める為にベッドに運んだ。










翌日。

「う・・・・・ん・・・・・・」

はやてが目を覚ました。

「あ、はやてちゃん!」

なのは達がはやての傍に寄る。

「あれ・・・・・?なのはちゃん・・・・・・?皆・・・・・・・?」

はやては、寝惚けているのか、状況を把握していないらしい。

因みに守護騎士達に話しかけても警戒されるだけで、まともに言葉も交わしていないために、名前も聞いていない。

まあ、主であるはやてが気絶してるし、最初の守護騎士達は、命令を聞くだけの存在だったらしいから、仕方ないのかも知れないが・・・・・・・

と、その時、はやてが守護騎士達に気付く。

「えっと・・・・あなた達は・・・・・・・」

はやてがそう呟くと、

(我々は、闇の書の守護騎士です)

シグナムの念話。

恐らくは、関係者以外に聞かれない為だろうが、俺には丸聞こえだ。

「えっ?」

いきなりの念話にはやてはビックリした様子。

(思念通話です。心の中で念じていただければ(別に念話で話す必要は無いぞ))

「「「「「「ッ!?」」」」」」

このままでは、話が長くなると思い、俺は念話で割り込みをかけた。

はやてと守護騎士が驚いたように俺の方を向く。

「この場に居る全員は、魔法のことを知ってるからな」

俺ははやて達にそう言った。

はやては、またビックリした表情を浮かべた。

逆に、守護騎士達には警戒心を与えたようだが・・・・・

俺は、俺、なのは、桜、フェイト、ユーノが魔導師であること。

リニスとアルフは、それぞれ俺とフェイトの使い魔であること。

アリサ、すずか、アリシアは魔導師ではないが、魔法のことを知っているという事を、簡単に説明した。

「ほえ~・・・・ユウ君たちが魔法使いさんやったなんてなぁ・・・・・・」

はやてはそう漏らす。

「ところで、いい加減向こうの紹介をしてくれるように頼んでくれないか?昨夜からずっとダンマリだから、名前すら聞けないんだよ(知ってるけど)」

俺がそう言う。

「ああ、それもそうやな。皆、自己紹介してくれへんか?」

はやてがそう言うと、守護騎士達は跪き、あっさりと自己紹介を始める。

「剣の騎士。烈火の将、シグナム」

「湖の騎士、シャマル」

「盾の守護獣、ザフィーラ」

「鉄槌の騎士、ヴィータ」

アニメでも知っている4人が自分の名を名乗り、いよいよ謎の5人目の番になる。

そして、その5人目の守護騎士が口を開いた。

「魔導の騎士、クライド」

その言葉を聞いた瞬間、俺は桜に引っ張られた。

(ちょ、ちょっと!クライドって、確かクロノのお父さんの名前じゃ・・・・!?)

桜が慌てながら小声で話してくる。

念話じゃないのは、シャマルに傍受される可能性があるからだろう。

(あ、ああ・・・・その筈だ・・・・・)

俺はなんとかそう答える。

(なら、何でクライドさんが守護騎士と一緒に出てくるのよ~~~!?)

(俺に聞くな!)

俺も結構混乱している。

まったく持って予想外だ。

「桜お姉ちゃん、ユウ君、如何したの?」

俺達の様子を不思議に思ったのか、そう尋ねてきた。

「え?あ?え~っと・・・・・・」

俺は答えに困った。

すると、

「あ、あはは・・・・・気のせいかも知れないけど、クライドさんって、何処となくクロノに似てる感じがしたから・・・・・」

桜は、それらしい理由を述べる。

その時、クライドさんが僅かに動揺した。

が、なのは達はそれに気付かず、

「・・・・・・そう言われてみれば・・・・・・確かにクロノ君に似てるかも・・・・・・」

クライドさんの顔を見ながらそう呟いた。

「クロノって?」

アリサが尋ねてきた。

見れば、すずかとはやても首を傾げている。

「クロノ・ハラオウン。ミッドチルダ出身の14歳の男子で時空管理局執務官。若干頑固な所が玉に瑕だが、相当な魔法の使い手で、少なくともなのは達以上の腕前は持ってる」

俺は簡単に説明する。

一応、アリサとすずかにも、次元世界と管理局の事は説明してあるので、何となくは分かったようだ。

はやては相変わらず良く分かっていないようだが・・・・・・

その時、

「そうか・・・・・クロノは立派になっているか」

クライドさんが呟いた。

俺達はクライドさんに顔を向ける。

「クロノを知ってるの?」

フェイトが問いかける。

クライドさんは、一呼吸置いた後、

「・・・・・・・私の生前の名はクライド・ハラオウン。クロノの父親だ」

その言葉に、なのはたちは驚愕する。

クライドさんは言葉を続ける。

「私は、死の間際に闇の書と取引をした。もう一度、家族と会うチャンスを貰う代わりに、闇の書の守護騎士となる事を・・・・・・・今回は契約を守ってくれた様で、クライドとしての人格と記憶は残っているが、おそらく今回だけだろう・・・・・次の主の元へ行くときには、それも消える」

クライドさんはそう言った。

「・・・・・・クロノやリンディさんには、連絡を取ろうと思えば取れますが・・・・・・・」

俺がそう言うと、クライドさんは首を振った。

「いや、今の私は亡霊のようなものだ。何より、今の私の立場は管理局と敵対する立場にある。人格と記憶は残っているが、闇の書の意志に逆らう事は出来ない。そのような状態で会っても、2人を苦しめるだけだ」

「そんな・・・・・!でも、2人に会うために取引したんじゃないんですか!?」

なのはが悲しそうな表情で問いかける。

「・・・・・・そうだ・・・・・・私はその場の気の迷いで闇の書と取引をした・・・・・・結果的に2人を苦しめるかもしれないという可能性を考えずに・・・・・・」

「で、でも・・・・・・!」

「やめろ、なのは」

俺はなのはを止める。

「ユウ君・・・・・」

「クライドさんの気持ちも察してやれ」

「・・・・・・・・・」

なのはは俯く。

恐らく、クライドさんは今も2人に会いたくて仕方ないのだろう。

だが、2人と敵対する可能性がある現在としては、会っても2人を苦しめるだけかもしれない。

その可能性がクライドさんを押し止めているのだろう。

「・・・・・・御免なさい、クライドさん・・・・・・」

なのはが謝ると、クライドさんは微笑み、

「良い子だな、君は」

そう呟いた。





その後、はやては守護騎士達から、闇の書の説明を受けた。

それを聞いたはやての反応は、

「そっか~、この子が闇の書ってモノなんやね」

割と軽いノリで闇の書を持ちながら呟いた。

「はい」

シグナムが頷く。

「物心付いた時には棚にあったんよ。綺麗な本やったから、大事にはしてたんやけど・・・・・・」

「覚醒の時と眠っている時に、闇の書の声を聞きませんでしたか?」

シャマルが尋ねる。

「う~ん・・・・・私、魔法使いちゃうから、漠然とやったけど・・・・・・・」

はやては一呼吸置き、

「でも、わかった事が1つある。闇の書の主として、守護騎士みんなの衣食住キッチリ面倒みなあかんいう事や。幸い住むとこあるし、料理は得意や。皆のお洋服買うて来るから、サイズ測らせてな」

はやての、メジャーを取り出しながらそう言った言葉に、守護騎士達は呆気に取られた顔をした。

クライドさんだけは、微笑んでいたが。

「あ、買い物なら付き合うよ」

アリシアが便乗する。

「私も!」

なのはも言い出し、アリサやすずかも言い出す。

最終的に、守護騎士とリニスを除いた女性陣がはやてに付いていく事になった。

俺?

女子の買い物に付き合えるわけないだろ。

しかも衣服の買い物だぞ。

無理に決まってるだろ。

元々衣服のセンスも無いし。

まあ、そんなわけでなのは達を送り出す。

はやての話では、昼までには帰ってくるとのことだ。

皆を送り出した後、俺は守護騎士達に向き直り、

「で?俺に言いたいことでもあるのか?殺気を向けられるのは良い気分じゃないぞ?」

俺はそう尋ねた。

さっきから、守護騎士達は俺に殺気を飛ばしてくるのだ。

すると、シグナムがレヴァンティンを起動させ、俺に突きつける。

「答えろ。貴様らは管理局の魔導師か?何の目的で主に近付いた?」

威圧感を感じさせながら、シグナムが問いかけてくる。

「・・・・・とりあえず、俺は管理局員じゃない。寧ろ、管理局を嫌ってる側だ。はやてに近付いた目的って言っても、はやてとは図書館で偶然出会って、そのまま顔見知りになったってだけなんだが・・・・・・」

「そんな話、信じられるか!」

ヴィータがグラーフアイゼンを起動させ、叫んだ。

まあ、そういう反応をするだろうな。

クライドさん以外は頭が固そうだし。

「まあ、信じられるわけないな。けど、アンタ達はいくら口で言っても納得してくれそうにないし、納得させる自信も俺にはないからな・・・・・・それでアンタ達の気が済むのなら相手になるぞ」

俺はデバイスを握りながら言った。

「上等だ!」

ヴィータが叫ぶ。

「ちょっと、ユウ!?」

ユーノが困惑した表情で叫ぶ。

「つー訳だ。ユーノ、転送を頼む。山奥の修行場な」

俺は、ユーノの言葉を無視してそう言った。

「・・・・・・はぁ、分かったよ」

ユーノは観念して転送魔法陣を展開する。

「場所を変えるぞ」

俺は守護騎士達に言う。

「いいだろう。主の住処を戦場にする訳にはいかんからな」

シグナムが頷いた。

そして、俺達は、はやての家から消えた。




俺達が現れたのは、海鳴市の山中。

そこでリニスに結界を張ってもらい、俺は守護騎士に向き直る。

「なら、始めるか。先に言っとくと、ユーノとリニスに手は出させないからな」

俺が呟くと、ヴィータが前に出る。

「アタシが相手だ!」

グラーフアイゼンを俺に向かって突きつける。

「・・・・・・そういえば、今のあんた等は、バリアジャケット・・・・・・・騎士甲冑が無いんだったな・・・・・・」

俺はそう言う。

「ああ。けど!お前なんかに甲冑は必要ねえ!」

しかし、ヴィータは気丈にもそう叫んだ。

「・・・・・その言葉は、これを見てから言ってくれ。ブレイズ、セットアップ」

俺はブレイズを起動させる。

その瞬間あふれ出す俺の魔力。

「「「「「なっ!?」」」」」

驚きの声を漏らす守護騎士達。

俺はバリアジャケットを纏う。

「さあ、来い!」

俺は、そう叫ぶ。

「ぐっ!舐めんなぁっ!!」

ヴィータは目の前の現実を振り払うようにグラーフアイゼンを振りかぶる。

「テートリヒ・シュラーク!!」

そのグラーフアイゼンを思いっきり振り下ろした。

それに対して俺のした行動といえば、左腕を上げることだけ。

――ガキィ!!

金属同士の衝突音が鳴り響く。

俺は、微動だにせずヴィータの一撃を受け止めた。

「なっ!?」

その事に驚愕するヴィータ。

流石にビクともしなかったのは予想外らしい。

「チィ!」

ヴィータは一旦飛び退き、鉄球のような魔力弾を4発準備する。

『Schwalbefliegen』

そして、その4つの魔力弾を、グラーフアイゼンで一気に打ち込んだ。

「くらえぇっ!!」

4つの魔力弾は、一直線に俺に飛んでくる。

これは誘導弾という事は分かっているが、あえて俺は動かなかった。

そのまま4つの魔力弾は俺に直撃する。

しかし、この程度では、ブレイズのバリアジャケットには、傷1つ付かない。

爆煙が晴れて俺の姿を確認したヴィータの表情が驚きに染まっている。

「この程度か?」

あえて俺は、挑発するような態度で問いかける。

守護騎士達に話を聞いてもらうには、全力の彼女達を圧倒する必要があると思ったからだ。

すると、ヴィータは明らかに敵意を持って俺を睨み付ける。

「舐めやがって!グラーフアイゼン!カートリッジロード!!」

『Explosion.』

ヴィータの命令で、グラーフアイゼンがカートリッジを装填する。

『Raketenform.』

そして、ラケーテンフォルムに変形。

スパイクとジェット噴射口が付いた形態になる。

ジェット噴射口から火を吹く。

そして、その勢いのままヴィータは数回回転。

「ラケーテン・・・・・・・」

そのまま勢いを殺さず俺に襲い掛かった。

「ハンマーーーーーーーッ!!」

俺は、右手のドラモンキラーを盾の様に構え、その攻撃を防御する。

受け止めた瞬間、勢い良く後ろに押されだす。

「ぶちぬけぇえええええええっ!!」

ヴィータは気合を込めて叫ぶ。

だが、俺が足を踏ん張ると、押される勢いは徐々に弱まり、やがて止まる。

「なっ!?馬鹿な!?」

「ヴィータちゃんのラケーテンハンマーをっ!?」

「受け止めただと!?」

その様子を見ていたシグナム、シャマル、ザフィーラは驚愕の声を漏らす。

ヴィータは驚愕の表情を浮かべるが、

「はぁああああああっ!!」

俺は力を込めて、勢い良くヴィータを押し返した。

「うわっ!?」

ヴィータは吹き飛ばされた勢いに耐え切れず、少し振り回される。

ヴィータはすぐに体勢を立て直すが、俺はその一瞬でヴィータの目の前にドラモンキラーを突きつけていた。

ヴィータは信じられないといった表情を浮かべている。

俺は一旦ドラモンキラーを下げ、

「これでどっちが舐めていたかハッキリしただろ?全員で掛かって来い!」

全員に向かってそう言った。

「そっちこそ舐めるなっ!」

ヴィータは叫んで再び突っ込んでこようとしたが、

「待て、ヴィータ!」

シグナムが止める。

「シグナム!でも・・・・!」

「悔しいが、奴の強さは我々の個々の強さを遥かに超えている!奴の言うとおり、全員で掛からねば勝てん!」

シグナムがそう叫ぶ。

俺はその言葉に若干驚いていた。

アニメでは、ベルカの騎士に1体1で負けは無いとか言ってたからな。

まあ、それだけ状況把握が確りしてるってことだな。

「へ~、流石烈火の将、リーダーだけあって、状況が分かっているらしいな」

あくまで俺は挑発的な態度を取り続ける。

でも、内心謝りまくりです。

舐めた口利いてすみません。

馬鹿にした態度とってすみません。

いや、もう何でもいいからすみません。

俺の言葉に、シグナムは敵意を持って俺を睨み付ける。

うぅっ、心が痛い。

「我ら騎士を侮辱した態度、その身を持って償え!!」

シグナムが叫び、レヴァンティンを構える。

「レヴァンティン!カートリッジロード!!」

『Explosion.』

カートリッジロードと共に、レヴァンティンに激しい炎が宿る。

「紫電・・・・・・一閃!!」

シグナムが斬りかかってくる。

「はぁああああっ!!」

俺はドラモンキラーで迎え撃つ。

――ガキィ!!

ドラモンキラーの刃とレヴァンティンがぶつかり合い、激しい火花を散らす。

「おらっ!!」

俺が押し切る。

「くっ!」

シグナムが飛び退くが、俺はそれを追撃する。

「はっ!」

左腕のドラモンキラーを突き出す。

「やらせん!」

だが、そのシグナムの前にザフィーラが立ち塞がり、障壁によってドラモンキラーを受け止める。

手加減したとはいえ、ドラモンキラーを防ぎきるとは流石だなと感心する。

だが、俺は右手を振りかぶり、魔力を込める。

「ドラモンキラー!!」

魔力が込められた本当の一撃を放つ。

俺の突き出したドラモンキラーは、障壁に当たると一瞬止まるが、難なく突き破る。

しかし、

「盾の守護獣を・・・・・舐めるなぁ!!」

ザフィーラは、ドラモンキラーを素手で横から挟むように受け止めた。

「ウソォ・・・・・」

その行動に、俺は思わず声を漏らす。

ザフィーラは、身体を張って俺の一撃を受け止めたのだ。

俺が一瞬呆けた瞬間。

『Blaze Cannon』

かなり強力な魔力弾が俺に直撃する。

「どわっ!?」

ダメージは無いが、俺はビックリした。

どうやら今のはクライドさんが放ったものらしい。

「うぉらぁああああああああっ!!」

続けてヴィータが真上からラケーテンハンマーで殴りかかってきた。

「うおっと!?」

俺は飛び退く。

だが、ヴィータの一撃は地面に叩き込まれ、土煙を上げる。

「くっ」

土煙によって視界が塞がれる。

その瞬間、

「縛れ!鋼の軛!!」

俺の周囲の地面から、鋼の軛が俺を串刺しにせんと突き出てくる。

「ちぃ!!」

俺は右腕に魔力を込め、かなり強く地面にドラモンキラーを打ち込んだ。

――ドゴォォォォォォォン

俺の一撃は、地面ごと鋼の軛を吹き飛ばし、半径5mほどのクレーターを作った。

それと同時に土煙も吹き飛んだため、俺は周りを確認する。

その時、視界の片隅に、旅の鏡を発生させているシャマルの姿を捉えた。

「やべっ!アイシクル!!」

俺は瞬時にバリアジャケットをアイシクルの物に変更する。

そして、シャマルが旅の鏡に手を入れる寸前、

「うぉおおおおおおおっ!!」

俺は全力で背中のブーストを吹かし、全速でその場を離脱した。

一瞬遅れて俺がいた場所にシャマルの手が突き出される。

「ああっ!外しちゃった!」

シャマルが残念そうに声を漏らす。

俺は空中に退避した所で、

「あっぶね~・・・・・危うく蒐集される所だった・・・・」

流石に今のは油断しすぎたな・・・・・

俺は気を引き締めなおし、

「だったら、一気に終わらせる!アイシクル!全砲門展開!」

『Yes, Master. All weapons, Full open.』

バリアジャケットの装甲が展開していく。

「グレイスクロスフリーザー!!」

俺は守護騎士達に向けて無数のミサイルを放った。

守護騎士達には広域殲滅は無かった筈だから、これは防ぎきれないだろうと思っていた。

だが、その時クライドさんが前に出る。

そして、持っている杖を構え、

「シュバルツファーター、カートリッジロード!」

杖がカートリッジを装填すると、無数の魔力刃がクライドさんの周りに発生する。

これって・・・・・・

「スティンガーブレイド!エクスキューションシフト!!」

クライドさんは、その魔力刃を一斉に放った。

流石父親。

クロノと同じ魔法だ。

無数の魔力刃が、俺の放ったミサイルを撃ち落していく。

威力としてはこっちの方が上だけど、ミサイルは何かに当たったら爆発するようになってるからな。

ともかく、この位で驚いてはいられない。

直撃はしなくても、解放された冷気は空気中の水分を凍らせて、守護騎士達の視界を塞いでいる。

ならば利用しない手は無い。

俺はアイシクルのスピードを活かし、一直線にシャマルに向かって突っ込んだ。

「なっ!?」

氷の霧の中から突然突っ込んで来た俺にシャマルは反応できず、

「先ず1人」

俺は指先にカイザーネイルの魔力刃を発生させてシャマルの首筋に突きつけた。

初めにシャマルを狙った理由は、旅の鏡が厄介だからだ。

俺はすぐ振り返り、

「ブレイズ!」

再びバリアジャケットをブレイズの物に変更する。

その俺の前に立ち塞がるのはザフィーラ。

ザフィーラは障壁を張り、身構える。

確かにドラモンキラーなら受け止められる可能性があるだろう。

だが、俺はかまわずザフィーラに向かっていく。

俺は地を蹴り、水平に飛ぶ。

そして、頭上で両手のドラモンキラーを合わせ、回転を始める。

「何っ!?」

ザフィーラは驚愕の声を漏らす。

「ブレイブトルネード!!」

俺は黄金の竜巻となり、ザフィーラに突っ込んだ。

「ぐ、ぐぉおおおおおおっ!?」

俺は、ザフィーラの障壁を紙の如く打ち破り、ザフィーラに直撃しないように調節して吹き飛ばす。

俺は回転を止めて着地する。

その瞬間、かなりの魔力を感じた。

其方を振り向くと、シグナムがレヴァンティンのボーゲンフォルムを構えている。

「駆けよ!隼!」

『Sturmfalken.』

魔力光で輝く矢が放たれた。

それに対して、

「ブレイブシールド!!」

背中の装甲を両腕に装備し、前面で合わせて盾にした。

――ドゴォォォン!

直撃と同時に爆発が起こる。

更に、

「轟天爆砕!」

ヴィータがグラーフアイゼン、ギガントフォルムを振り回し、更に巨大化する。

「ギガント!シュラーーーーーク!!」

ヴィータは凄まじい大きさのハンマーを俺に向かって振り下ろした。

――ズドゴォン!!

そのハンマーの下敷きになる俺。

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・手こずらせやがって・・・・・」

ヴィータは肩で息をしているようだ。

「ああ、我らヴォルケンリッターの最強の攻撃を同時に受けたのだ。無事では済むまい」

シグナムもそう言っている。

いや、残念なんだけどさ。

俺はそう思いながら、自分を押しつぶしているグラーフアイゼンを持ち上げる。

「なっ!?まさか!?」

それに気付いたのか、ヴィータは驚愕の声を上げる。

ハンマーの下から、グラーフアイゼンを持ち上げる俺の姿を捉えると、シグナムも驚愕の表情になった。

「ば、馬鹿な・・・・・我らの最強の攻撃を受けて・・・・・・無傷だと!?」

シグナムはそう漏らした。

「よいしょっと・・・・」

俺は、自分の上からグラーフアイゼンを退けると、

「今のは流石に痛かったぞ。タンコブできたし」

そう言いながら頭を擦る。

とは言っても、シグナム達からすれば無傷に等しいか。

俺は気を取り直すと、

「じゃあ、そろそろ決めさせてもらうぞ!」

俺は両手の間にガイアフォースを生み出し、

「ガイアフォース!!」

残った3人の中心に向けて放った。

「くっ!」

3人はそれぞれ散開しようとしたが、

「弾けろ!!」

――ドォオオオオオオオン!

俺の合図と共に、ガイアフォースが3人の中央で破裂。

凄まじい衝撃が辺りを襲う。

「ぐあああああっ!」

「うわぁあああああっ!」

「くぅううううううっ!」

それは、バリアジャケットの無い3人に耐え切れる物では無いだろう。

3人はそれぞれ吹き飛ばされていく。

そして、それぞれが地面に激突した。

「・・・・・・・大丈夫かな?」

思ったよりも派手に地面に激突した為に、ちょっと心配になる俺。

拙いかなと思った俺は、

(ユーノ!リニス!ヴィータとクライドさんの治療を頼む!俺はシグナムの所へ行く!)

(分かった)

(了解です)

ユーノとリニスに念話を送り、返事を貰う。

俺は急いでシグナムの所へ向かうと、

「げ・・・・・」

シグナムが激突したと思われる地面はかなり抉れており、シグナムも頭から血を流し、身体中をボロボロにして気絶していた。

俺は慌てて治癒魔法を施す。

幸いにも、それほど骨折などの重傷は無い様で一安心。

俺の気持ちにも、若干の余裕が出来る。

改めてシグナムの身体を確認すると・・・・・・

「ッ!」

俺は慌てて目を逸らした。

シグナムの今の格好は、闇の書から現れたときと同じ、黒いインナーのような服装だ。

つまりはボディラインがはっきりと分かる物。

それで、シグナムはスタイルが良い。

しかも所々ボロボロ。

つまり目の毒だ。

思わず欲望に負けて其方に目を向けてしまいそうになる。

いかん!煩悩退散、煩悩退散!喝!!

俺は治癒魔法を継続しつつ必死に煩悩を振り払っていた。

そして、暫くすると、

「う・・・・く・・・・・」

シグナムが身動ぎし、意識を取り戻す。

「気が付いたか?」

俺はシグナムの顔だけを見るように注意しながら話しかける。

「くっ・・・・・貴様はッ・・・・・っう」

シグナムは勢い良く起き上がろうとしたが、身体の痛みに顔を顰める。

「無理するな。まだ治ってないんだ」

俺は口で注意しながら治癒魔法を続ける。

「どういう心算だ?」

シグナムが問いかけてくる。

「どういう心算って・・・・・怪我させちゃったから、治療してるだけだが・・・・・・」

俺はそう答える。

「何故だ?貴様は管理局の人間なのだろう?」

シグナムの言葉に、俺はため息を吐いた。

「はぁ・・・・・だから違うっての。俺は管理局が嫌いなんだ」

呆れたように言う。

「しかし・・・・」

「よく考えてみろ。管理局だったら、はやてが闇の書の主と分かった時点で確保する筈だ。はっきり言ってこんな1対5なんて危険な真似するわけないだろ?」

「むぅ・・・・・・確かに・・・・・・ならば、何故お前はこのような危険な真似をした?」

「まあ、俺は口でアンタ達を納得させる自信が無かったし、何よりアンタ達は騎士だからな。結果は如何あれ、戦った方が相手のことを理解できるだろ?」

「ふっ・・・・・確かにな。少なくともお前の刃には、やましい感情は感じられなかったからな」

シグナムが軽く微笑む。

「そういう事だ。そういえば、謝罪がまだだったな」

「謝罪?」

「ああ、お前たちに全力を出させる為とはいえ、色々と挑発的な態度を取ったからな。済まなかった」

俺は頭を下げる。

「おかしな奴だ・・・・・」

シグナムは呟く。

「自覚してるよ」

俺はそう返した。

やがて、治療が終了する。

「よし、大体治ったろ?」

「ああ、問題ない」

シグナムは起き上がる。

「・・・・・そういえば、名はなんと言った?」

シグナムが問いかけてくる。

「ユウだ。ユウ・リムルート。日本での名は利村 ユウ」

「そうか・・・・・・ユウ、お前達が管理局員で無いことは信用しよう」

「そっか、ありがとな」

俺は一応信用してくれた事に感謝した。

と、その時、

――ブチッ

と、何かが引きちぎれる音がした。

「何だ?」

俺が何の音かと周りを見渡した時、

「ん?」

シグナムが声を漏らした。

俺が、シグナムの方に顔を向けると、

「ブッ!!??」

俺は思わず吹き出した。

再度言うが、シグナムの服装は闇の書から出てきた時のままで、薄手のインナーのような物。

しかも、シグナムの服は、背中が半分開いており、前の服を支えているのは首に掛かっている細い所のみ。

そして、そこが先程の戦いで傷ついていたらしく、たった今千切れたようだ。

つまり、前の服を支える物が無くなってしまったという事。

ともすれば導き出される答えは1つ。

生で見てしまったという事だ。

「#$%&#$%&!!!???」

声にならない声を上げる俺。

「如何した?」

当のシグナムは、全く意に介してないようで、隠しもせずに俺に近付く。

それに耐え切れなくなった俺は、

「ぬがぁああああああああああああああああああっ!!!」

叫びながらその場を走り去ったのだった。









あとがき

やりたい放題の十八話完成。

とりあえず5人目の守護騎士は多くの方が予想していた通りクライドさんでした。

守護騎士になった理由は納得できますかね?

その辺りの説明がちぐはぐ&グダグダになってしまったような気が・・・・・・・

それはともかく、ヴォルケンファンの皆様御免なさい!

フルボッコとは行かないまでも、圧倒してしまいました。

けど、まともに話しても言う事聞かないと思ったので・・・・・・・

御免なさい。

最後のやり取りは、まあ、思い付きです。

ともかくこんなんで。








話は変わりますが、今更ながら恋姫無双(無印)をダウンロードショップで購入してやってみる。

普通に面白かった。

そんでもって、俺のデジモン大好き妄想頭がフル回転。

セイバーズ辺りとならクロスできるんじゃね?

と馬鹿なことを考えてみる。

まあ、やるとしても、3つある小説の1つを完結させてからですけどね。

では、次も頑張ります。


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