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No.15302の一覧
[0] 【完結】リリカルなのは ~生きる意味~(現実→リリカル オリ主転生 最強 デジモンネタ)[友](2015/01/12 02:39)
[1] プロローグ[友](2010/01/04 15:51)
[2] 第一話[友](2010/01/04 15:52)
[3] 第二話[友](2010/01/04 15:55)
[4] 第三話[友](2010/01/05 00:19)
[5] 第四話[友](2010/01/17 13:53)
[6] 第五話[友](2010/01/17 14:31)
[7] 第六話[友](2010/01/24 12:46)
[8] 第七話[友](2010/01/31 15:55)
[9] 第八話[友](2010/02/07 10:27)
[10] 第九話[友](2010/02/14 15:40)
[11] 第十話[友](2010/02/21 11:01)
[12] 第十一話[友](2010/04/04 09:45)
[13] 第十二話[友](2010/04/04 09:46)
[14] 第十三話[友](2011/05/03 21:31)
[15] 第十四話[友](2010/03/28 07:45)
[16] 第十五話(前編)[友](2010/04/04 09:48)
[17] 第十五話(後編)[友](2010/04/04 09:49)
[18] 第十六話[友](2010/04/04 09:51)
[19] 第十七話[友](2010/04/18 07:24)
[20] 第十八話[友](2010/04/25 14:47)
[21] 第十九話[友](2010/05/02 21:59)
[22] 第二十話[友](2010/05/09 07:31)
[23] 第二十一話[友](2010/05/16 15:36)
[24] 第二十二話[友](2010/06/06 15:41)
[25] 第二十三話[友](2010/05/30 09:31)
[26] 第二十四話(前編)[友](2010/06/06 15:38)
[27] 第二十四話(後編)[友](2010/06/06 15:39)
[28] 第二十五話[友](2010/06/06 15:36)
[29] 第二十六話 (2013年11月14日 改訂)[友](2013/11/14 22:27)
[30] 第二十七話[友](2010/06/27 17:44)
[31] 第二十八話[友](2010/08/17 21:11)
[32] 第二十九話[友](2010/08/17 21:11)
[33] 第三十話[友](2010/09/19 16:35)
[34] 第三十一話(前編)[友](2010/09/19 16:30)
[35] 第三十一話(後編)[友](2010/09/19 16:34)
[36] 第三十二話[友](2010/11/07 14:58)
[37] 第三十三話[友](2010/12/05 15:37)
[38] 第三十四話[友](2010/12/05 15:36)
[39] 第三十五話[友](2011/01/16 17:21)
[40] 第三十六話[友](2011/02/06 15:02)
[41] 第三十七話[友](2011/02/06 15:00)
[42] 第三十八話[友](2011/03/13 18:58)
[43] 第三十九話[友](2011/03/13 18:56)
[44] 第四十話[友](2011/03/27 15:55)
[45] 第四十一話[友](2011/04/10 20:23)
[46] 第四十二話[友](2011/04/24 16:56)
[47] 第四十三話[友](2011/05/03 21:30)
[48] 第四十四話[友](2011/05/15 14:37)
[49] 第四十五話[友](2011/05/29 20:37)
[50] 第四十六話[友](2011/06/12 22:18)
[51] 第四十七話[友](2011/07/10 23:20)
[52] 第四十八話[友](2011/07/25 01:03)
[53] 第四十九話[友](2011/07/25 21:26)
[54] 第五十話[友](2011/09/03 21:46)
[55] 第五十一話[友](2011/10/01 16:20)
[56] 第五十二話[友](2011/10/01 16:27)
[57] 第五十三話[友](2011/10/01 16:19)
[58] 第五十四話[友](2011/10/30 20:17)
[59] 第五十五話[友](2011/11/27 20:35)
[60] 第五十六話[友](2013/04/21 19:03)
[61] 第五十七話[友](2013/04/21 19:00)
[62] 第五十八話[友](2013/04/21 18:54)
[63] 第五十九話[友](2013/08/22 00:00)
[64] 第六十話[友](2014/03/23 23:15)
[65] 第六十一話[友](2014/03/23 23:13)
[66] 第六十二話[友](2014/05/06 17:27)
[67] 第六十三話[友](2014/08/13 19:34)
[68] 第六十四話[友](2014/11/30 22:33)
[69] 第六十五話[友](2014/12/31 20:29)
[70] 最終話[友](2015/01/12 02:26)
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[15302] 第一話
Name: 友◆ed8417f2 ID:11075f73 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/01/04 15:52

第一話 永遠の別れと新たな出会い



ウィース!6歳になった利村 ユウです。

え?名前が違うって?

運命の悪戯かあの神の悪戯か。

現在の家は第97管理外世界の地球の日本。

利村というのは、日本での苗字です。

両親、俺共に黒髪なので、十分日本人で通じます。

しかも海鳴市ですorz。

そして、今年から入学する小学校は聖祥小学校ですorz。

ん?何で6歳で小学生なのかって?

俺は早生まれで1月25日が誕生日なのです。

まあ、なのはと同じ学年なのかも分かりませんが・・・・・・

ごめんなさい、同じ学年です。

現在のミッドチルダの新暦から逆算すると、丁度なのはと同じ学年です。

なのはと同じクラスじゃないことを祈るのみです。

死亡フラグがまた立ちそうです。

え?何でそれだけで死亡フラグなのかって?

決まってるじゃないか!初っ端から主人公を超える最強キャラはそれだけで死亡フラグなんだよ!

RAVEのゲイルとか、ダイの大冒険のアバン(最後には復活したけどキルバーンがいなかったらそのまま死んでたって話だし)とかバランとか、武装錬金のブラボー(生きてたけど死なせるかどうかで悩んだらしいし)とか、初代ロックマンXのゼロ(X2で復活したけど死んだ事には変わりなし)とか・・・・・・・・・

強キャラは死ぬ可能性が高いし、運が良くても後遺症が残る重傷を負うことが多いから・・・・・・orz

主人公の傍にいる最強キャラ。

思いっきり今の俺は当てはまりますorz。

とりあえず生き延びるために魔法の訓練とか、筋トレとかも欠かしてません。

そこで気付いたんだが、今回の人生のこの身体、無茶苦茶スペックたけーんだよ!

鍛えればガンガン身体能力上がってくし!

頭の方も、一度覚えた事は忘れねーし!

頭がよくなったのは純粋に有難いと思ったね。

前世では即行で忘れる頭をしてたからな。

未だに前世の事をはっきりと覚えてるのがその証拠だ。

ああ、唯一つだけ欠点があったね。

それは、魔力の制御が無茶苦茶下手糞ってところ。

魔力の手加減ができないんです俺。

魔力を出したり止めたりは出来るんだけど、その調節が全く出来ない。

つまり、0か100かってこと。

そのお陰で、管理局が使ってる普通のデバイスじゃ俺の魔力に耐え切れずに木っ端微塵。

幾つ壊したか、数えたくも無い。

ただ、2つだけ俺の使えるデバイスがある。

俺の父さんが使ってるブレイズと、母さんが使っているアイシクルだ。

2人のデバイスは、2人の魔力を存分に使えるようにした特注品らしい。

詳しい事は知らん。

その2つだけは俺の魔力に耐えることができる。

まあ、それぞれ両親が使ってるから今の俺はデバイス無しってこと。

とりあえず、小学校に入学しても目立たないようにしておこう。







俺の祈りも通じず、なのはと同じクラスになってしまいました。

この時のなのははまだ根暗だったんだっけ?

と、思ってたんだが、そんなことはなかった。

しかも、なのはには双子の姉がいて、高町 桜と言うらしい。

髪型はポニーテールだ。

恐らくその姉がいた為に、それほど根暗にはならなかった模様。

それとも、士郎さんが重傷を負ってないだけか?

どちらにしても、やはりこの世界は「リリカルなのは」とは違うと確信。

しかし、高町姉妹共にAAAの魔力資質を持っているため、原作に近い流れになる可能性も否定できない。

まあ、余り係わり合いにならない方が身のためだろう。






入学して1ヶ月がたった。

正直、授業がつまらん。

元々勉強が好きではない上、既に知っている内容を教えられても子守唄にしか聞こえない。

しかし、授業中に寝るのは拙いので根性でおきている。

小テストも何回かあったが、目立ちたくはないので70点前後をキープ。

良くは無いが、悪くも無い点数だ。

これなら、アリサにも目を付けられる事は無いだろう。

その代わり、目立ちたくない一心で行動しているため、自然と存在感が薄くなってるのか、俺には友達がいません。

まあ、精神年齢30歳越えで、小学生と遊べというのも厳しいものがあるが・・・・・・






で、そんなある日。

昼休みに弁当を食べて、何となく校庭を散歩していた時、

「ッ・・・・い、痛い・・・・・・・」

そんな声が何処からか聞こえた。

俺はその声の聞こえた方に行くと、

「・・・・・・高町?」

なのはが足を押さえて蹲っていた。

どうやら、足を痛めたらしい。

「大丈夫か高町?」

まあ、見て見ぬ振りするのもカッコ悪いので俺はそう声をかけた。

「え・・・・・?」

なのははこちらを振り向くが、誰?といった感じだ。

「同じクラスの利村 ユウだ。まあ、俺は存在感薄いし、分からなくても無理ないけど」

「あ・・・・・う・・・・・ご、ごめんね」

「謝らなくてもいいさ。それより、足、怪我してるんだろ?」

俺がそう聞くと、

「あ、ううん。大丈夫!」

なのはは、慌てたように足を引っ込め、立ち上がろうとする。

だが、

「あっ!いっ・・・・・!」

直ぐに足を押さえて蹲ってしまう。

「ほら、無理すんな」

なのはの前でしゃがむ。

「保健室まで連れてってやるから」

俺がそう言うと、

「そ、そんな、いいよ迷惑だし。自分で行けるよ・・・・・痛っ」

なのははそう言う。

「・・・・・・はぁ」

俺はため息を吐いた。

この世界のなのはは、根暗にはなっていないようだが、迷惑をかけないようにと「いい子」でいようとしてるのは変わりないらしい。

治癒魔法を使えば手っ取り早いのだが、まだ魔法と出会っていないなのはの前で使うことは出来ない。

まあ、流石に此処でほっとくのもアレなので、俺は強攻策に出た。

「最初に謝っとくぞ。悪いな」

「え?・・・・きゃっ!?」

俺は有無を言わさずになのはを抱き上げた。

俗に言うお姫様抱っこである。

身体を鍛えているのでこの位は余裕である。

前世の俺では考えられんな。

「えっ!?あのっ!利村君!?」

思ったとおり、なのはは恥ずかしいのか顔を真っ赤にしている。

「ほらほら、騒ぐと誰かに見られる可能性が上がるから黙っててくれ」

「あ、あぅ・・・・・・・」

それで気付いたのか、縮こまって大人しくなる。

それを確認すると、俺は保健室へ向かった。





運良く誰ともすれ違わずに保健室に着いた俺は、保険の先生に任せて保健室を出ようとした。

「あ、あのっ、利村君!」

部屋を出る前に声をかけられ、俺は振り向く。

「そ、そのっ・・・・・・あ、ありがとう」

なのはは、顔を赤くしながらお礼を言ってきた。

「どういたしまして」

俺はそう言って部屋を出た。

そういえば、顔を赤くしていたが、

「もしかして・・・・・・フラグ立った?・・・・・・まさかな、ありえん」

俺は、一瞬よぎった有り得ない考えを即座に否定し、教室に向かった。







それから8ヶ月。

今日は俺の誕生日である。

両親は管理局のエースであり、忙しいが、この日だけは必ず帰ってくる。

なまじ俺が大人っぽいせいで、構っている時間は少ないが、その辺はちゃんと俺も理解しているので、関係が悪いという事は無い。

っていうか、誕生日が楽しみって・・・・・・

精神が身体に引っ張られてるのかな?

と、その時部屋の中に、転送用の魔法陣が浮かび上がる。

お、来た来た。

俺はそう思って、魔法陣から少し離れる。

そして、転移が完了すると・・・・・

――カツーン

「え?」

俺は思わず声を漏らす。

オレンジ色の宝石と青い宝石だけが転移されてきた。

そして、その宝石には見覚えがある。

「ブレイズ!アイシクル!」

その宝石は両親のデバイスであるブレイズとアイシクル。

「どうして!?父さんと母さんは!?」

『坊ちゃま・・・・・・・・マスターたちは・・・・・・・』

ブレイズが言いにくそうに言葉を紡ぐ。

「おい!どうしたんだよ!父さんと母さんは如何したんだよ!?」

嫌な予感がした。

『マスターたちは・・・・・・・・死にました・・・・・・・』

その瞬間、俺は頭の中に物凄い衝撃を受けた。

「おい・・・・・嘘だろ・・・・・?嘘って言えよ!おい!」

俺は思わずブレイズとアイシクルを拾い上げて叫んだ。

2つのデバイスは何も言わず、記憶したと思われる映像を映し出した。






映像には、とある無人世界と思われる緑に覆われた場所を映し出した。

そして、その中に存在する魔法生物とそれと戦う両親を含めた管理局員たちがいた。

だが、その魔法生物は強力で、まともに戦えているのは俺の両親の2人だけでしかない。

他の局員たちは次々と負傷し、戦闘不能になっていく。

そんな中、両親は魔法生物と渡り合う。

しかし、その魔法生物のスピードは速く、甲殻も硬い。

やがて両親も押され始める。

俺は、この魔法生物に両親が殺されるのだろうと思っていた。

しかし、両親は一瞬の隙を突いて、その魔法生物にバインドをかけた。

2人が全力を出して、何とかその魔法生物の動きを止められるようであり、両親も必死だ。

だがその時、モニターに両親の上司と思わしき人物が映り、

『これよりアルカンシェルを使用する。レイジ・リムルート執務官とリーラ・リムルート執務官補佐以外は直ちに撤退!執務官、執務官補佐両名は、そのまま敵の捕縛を続けたまえ!』

「なっ!?お待ちくださいクルーザー提督!それは私たちに死ねと!?」

父さんは叫ぶ。

『異論は認めない!これは命令だ!』

通信は、それだけ言って一方的に切れた。

「提督!提督っ!!」

父さんは叫ぶが、反応は無い。

周りにいた局員は転送されていき、誰もいなくなる。

「ぐ・・・・・・リーラ。お前だけでも逃げろ」

父さんは母さんにそう呼びかける。

「それは無理よ。これは貴方だけでは抑えきれないわ」

母さんはそう言った。

「だ、だが!ユウはどうなる!?」

「あの子なら大丈夫。昔からしっかりしてるもの。私たちが居なくてもきっと大丈夫・・・・・・」

母さんはそう呟く。

「・・・・・・そうだな・・・・・そのお陰で、余り甘えてもらえなかったからな・・・・・・」

「本当ね・・・・・・考えてみれば、余りにもしっかりしてたから、仕事を優先して構ってあげる時間がとても少なかったわ・・・・・・・今更気付くなんてね・・・・・・」

父さんの言葉に、母さんは自傷気味に笑った。

「ブレイズ、アイシクル。お前たちにユウのことを頼みたい」

『そんな!マスター!』

父さんの言葉にブレイズが叫ぶ。

「ここでバインドを張り続けているだけなら、貴方たちの補助は要らないわ。だから、ユウを・・・・・・私達の息子をお願い・・・・・・」

『マ、マスター・・・・・・・イ、イェス・・・・・・マスター・・・・・・・・』

母さんの言葉の重みを受け取ったのか、アイシクルはその願いを受け入れた。

「ありがとう・・・・・」

母さんはブレイズとアイシクルに礼を言う。

「聞こえるか?ユウ。すまない、折角の誕生日なのに、父さんと母さんは帰れそうにない」

父さんがそう謝罪する。

「ゴメンね、ユウ。誕生日プレゼントなんだけど、貴方は前からデバイスを欲しがっていたわね?本当なら、新品のデバイスをプレゼントしたかったんだけど、私達が手に入れられたのは、かなり高性能のインテリジェントデバイス。それでも、貴方の魔力量には耐え切れないわ。だから、母さんたちのお古で悪いんだけど、ブレイズとアイシクルを貴方に送るわ」

「私達が手に入れたインテリジェントデバイスは、私達のタンスの中にある。如何するかは、お前が決めなさい。そして、お前は幼いながらも大人の考えが出来る子だ。だから、この映像を見て、お前は管理局を恨むかもしれない。それについては、恨むなとは言わない。だが、それを生きがいにはしないで欲しい・・・・・・・私達が望むのは、お前の幸せだ」

「私達は、余り親らしい事はしてあげられなかったけど・・・・・・・貴方の事は、本当に愛しているわ。私達の息子、ユウ」

「すまない、ユウ。これでさよならだ」

父さんと母さんは顔をあげると微笑み、

「「誕生日おめでとう、ユウ」」

その言葉を最後に、映像は途切れた。






「・・・・・・・・・父さん・・・・・・・母さん!」

俺はその場で蹲り涙を流す。

『『坊ちゃま・・・・・・』』

俺は、何も考えられないまま立ち上がり、外へ向かう。

外は激しい雨が降っていたが、俺はそんな事を気にもせずに外に出た。

目的があったわけじゃない。

ただ、ジッとしていたくなかった。

俺は目的もなく町を彷徨う。

やがて、臨海公園に辿り着いた。

海は荒れており、公園内に水飛沫が降り注ぐ。

俺はその水飛沫をモロに受けるが、それでも気にはならなかった。

俺は、雨で分かりづらいが、ずっと涙を流し続けている。

「父さん!・・・・・・母さん!」

例え前世の記憶があったとしても、あの2人は紛れもなく俺の父さんと母さんだった。

その2人が死んだと頭で分かっていても、認めたくはなかった。

その時、視界の片隅に何かを捉えた。

「え・・・・・・?」

こんな心理状態で、何故気付いたのかわからない、ただ気になった。

俺は其方に歩いていく。

そこにいたのは、1匹の猫だった。

しかし、僅かだがその猫には魔力を感じた。

そして、良く見ればその猫の額には宝石のような物。

其処から導き出される結論は、

「・・・・・使い魔・・・・・か?」

俺は呟く。

『そのようです。しかし、契約が切れているようなので、間も無く消滅するでしょう』

アイシクルがそう説明する。

その言葉を聞き、俺はその猫に念話で呼びかけた。

(聞こえるか?)

(・・・・ぅ・・・・・・え?)

その猫は頭を上げ、此方を見つめた。

(あ・・・・・あなたは?)

(・・・・・・唯の通りすがりの魔導師さ・・・・・・・・1つ聞く・・・・・・生きたいか?)

(え?)

(生きたいのかと聞いているんだ・・・・・・・このまま消滅してもいいのか?)

(・・・・・・・私は・・・・・・唯の使い魔です・・・・・・契約が終われば、後は唯消えるだけです)

(使い魔の役目を聞いてるんじゃない・・・・・・君の気持ちを聞いてるんだ)

(・・・・・・・私は・・・・・・・消えたくありません・・・・・・)

その言葉を聞けただけで十分だった。

(分かった・・・・・俺と契約しよう。契約内容は「一緒に居て欲しい」だ)

(え?その契約内容では・・・・・)

猫も、契約内容に束縛能力が無いことに気付いただろう。

(構わない。俺は君を束縛するつもりは無い。元の主の所へ戻りたければ戻ればいいし、別の場所へ行きたければ行けばいい。契約内容は俺の願いだ。もちろん、君がその願いを聞く必要は無い)

(そ、それは・・・・・・いえ、契約しましょう)

その猫は一瞬渋ったが、気を取り直して契約を受け入れる。

俺は魔法陣を発生させ、使い魔との契約を行なう。

俺のリンカーコアからラインが繋がり、目の前の猫の使い魔に流れていくのが分かる。

「な、なんですかこの魔力量は!?」

目の前の猫が声を上げて叫んだ。

どうやら俺の魔力量にビックリしているらしい。

「落ち着いて。言い忘れたけど俺の魔力ランクはSSSオーバーだ」

「な、なんですかそれは!?」

その言葉に更に驚く猫の使い魔。

「その辺の話は家に帰ってからするよ。とりあえず、俺の名前は利村 ユウ。本名は、ユウ・リムルート。君の名前は?」

「あ、失礼しました。私はリニスと申します」

その聞き覚えのある名前を聞いた瞬間、俺は固まった。

「リ、リニス?プレシア・テスタロッサの使い魔の?」

俺は思わず呟いた。

「え?そうですけど・・・・・・良く知ってますね?」

「そ、そのプレシアには、アリシアって言う娘が居たり・・・・・・?」

「はい・・・・・その通りです・・・・・・」

続けてリニスは頷く。

「も、もしかして、アリシアの遺伝子を元にプロジェクトFでフェイトって言うアリシアのクローンを生み出したりなんてしちゃってたり?」

俺は半ばテンパって尋ねた。

「ななな、何で知ってるんですかぁ~~~~!?それを知っているのはプレシアと私とアリシアと、あとはごく一部の研究者だけですよ!!」

リニスはメチャクチャ驚いたように叫んだ。

って、ちょっと待て、今聞き捨てなら無いことが・・・・・・・

「え?アリシアって、もしかして生きてる?」

「当たり前じゃないですか!それよりも、何であなたがプレシア達の事とフェイトの正体を知ってるんですかぁ~~~~!?」

そういわれて、俺はまずったと感じた。

テンパってて喋りすぎた。

「・・・・・あ~っと・・・・・その辺は家に帰ってからな」

「仕方ないですね。ちゃんと教えてもらいますからね!」

俺は冷や汗を流しながら、やはりこの世界は「リリカルなのは」とは違うのだと、再度確信させられた。






家に着くと、俺はリニスに説明を始めようとしたが、

『坊ちゃま、先ずはお風呂に入ってください。そのままでは体調を崩してしまいます』

ブレイズの言葉で、今の自分はずぶ濡れである事に気付く。

「それもそうだな」

俺は風呂場に向かい、浴槽に湯を張る。

脱衣所で濡れた服を脱ぎ、風呂場に入る。

1人になると、両親を失った悲しみが再び湧き上がる。

俺が涙を堪えていた時、

――ガチャ

と、風呂場のドアが開き、

「失礼しますね~」

猫耳を生やした茶髪の女性が裸で入ってきた。

アニメで一度だけ見た、リニスの人間形態である。

「ぶはっ!?」

俺は思わず噴出す。

「ななな、何しに来たんだよリニス!」

「あら?良く分かりましたね?」

取り乱して叫ぶ俺に対して、リニスはあっけらかんと言う。

「そ、そりゃあ、その猫耳を見れば、大体の見当はつくよ・・・・・」

本当はアニメを見たからなのだが、今の所はそう言っておく。

「それもそうですね」

リニスは、自分の頭の猫耳を触りながら言う。

ま、前隠せ!前っ!

「で、で?な、何しに来たんだ!?」

俺がそう尋ねると、

「はい。背中を流しますよ」

リニスはそう答える。

「い、いや、そんな事までやってもらわなくても大丈夫だよ」

「貴方みたいな子供が遠慮する事無いですよ。それっ♪」

リニスは楽しそうな声を上げ、強引に俺の身体を洗い始める。

と、時々やわらかい物が身体に当たって、気が気でない。

まあ、身体は幼い為に反応はしなかったが、心は30歳過ぎているため、否応なく女性の裸体に目が行こうとする。

い、いかん!煩悩退散煩悩退散!!

このように天国のようで地獄の入浴は過ぎていった。






で、現在家のリビングでリニスと向かい合ってます。

「さて、それでは、何故貴方がプレシア達の事や、フェイトの正体を知っているのか教えてもらいましょうか」

リニスの目は、さっきとは打って変わって真剣である。

まあ、俺も誤魔化すつもりは無い。

「信じられないかもしれないけど、俺には前世の記憶がある。因みに死んだ歳は26歳だったから、今の精神年齢は30歳超えてるな」

「『『え?』』」

俺の言葉に、リニスと2つのデバイスは声を漏らす。

「で、その前世ではとあるアニメが放映されていて、「魔法少女リリカルなのは」というタイトルだった。まあ、詳しい話は省くけど、そのアニメの世界観とこの世界は細かい差はあれど、そっくりなんだ」

「・・・・・・・・」

リニスは俄かには信じられないといった顔だ。

「まあ、信じられないのも無理は無いけど・・・・・・」

俺はそう呟くが、

「いえ、ユウと私は現在精神も僅かにリンクしています。少なくとも、ユウが嘘をついていない事は分かります」

「あ、そうなの」

『それに、坊ちゃまの言うとおりであれば、坊ちゃまが昔から大人びた考えを持っていたことも説明がつきます』

アイシクルもそう言って、信じてくる。

「ユウ、続きを」

リニスが先を促す。

「あ、ああ。それで、そのアニメの登場人物の中に、フェイトやプレシア、アリシア。そして、リニスもいたんだ。尤も、アリシアはかなり昔に事故で死んだって言う設定だし、リニスもフェイトに魔導師としての訓練を施した後、契約が切れて消滅してるって話だ」

「・・・・・・・」

リニスは、なんとも言えない顔をしている。

「プレシアは、死んだアリシアを生き返らせたいがために色々な事を行なった。その中で、プロジェクトFと呼ばれる人造魔導師を生み出す計画に手を出し、フェイトを生み出した。けど、フェイトはアリシアとは全く違っていた。それによって、フェイトを自分の娘と認められなかったプレシアは、フェイトの虐待を続け、最終的に、失われたアルハザードへ行くために、ロストロギア「ジュエルシード」を求めた。プレシアはジュエルシードの回収をフェイトに命じ、フェイトはプレシアに笑ってもらいたい一心で、ジュエルシードを回収していった。その中でフェイトは、物語の主人公である高町 なのはと激突を繰り返し、最終的に分かり合えるが、プレシアはジュエルシードの暴走によって発生した虚数空間に、アリシアの遺体と共に落ちていった。と、掻い摘んで言えばこんな感じ」

「・・・・・・そうですか」

リニスはそう呟くと顔をあげる。

「人物は兎も角として、出来事は全く違いますね」

リニスはそう言った。

「そうなのか?」

「ええ。先ず第一にアリシアは生きてます」

「うん。それはさっきも聞いた。・・・・気になったけど、アリシアって何歳なんだ?」

「今年で7歳になります」

「そっから違うのか・・・・・・ん?じゃあ、何でフェイトが生まれたんだ?俺が知ってるアニメではアリシアが死んだからプレシアは違法行為にまで手を染めたんだが・・・・・・・」

「あ~~~・・・・・・それは・・・・・その~~~~~~」

リニスは口を濁す。

そして、目を合わせようとしない。

「どうした?」

俺は尋ねる。

「・・・・・・・・・アリシアが5歳の時に、「妹が欲しい」と言ったらしく・・・・・・その時にはプレシアの夫も既に他界していて・・・・・・・アリシアの願いに答えたいが為に・・・・・・・・・・」

「プロジェクトFで、フェイトを生み出した・・・・・と?」

「その通りです・・・・・・」

リニスは頭を抱えるような仕草をする。

「む、娘の鶴の一声で、違法行為に手を出すって、どんな親ばかだよ・・・・・」

俺は呆れ半分でそう言った。

「ご尤もです・・・・・・」

リニスもやや暗い雰囲気を漂わせる。

「ん?じゃあ、何でプレシアはフェイトって名付けたんだ?フェイトって言うのは、プロジェクトの名前だから、リニスの言うプレシアならもっと違う名前を付けてもよさそうなんだけど・・・・・・」

「はい・・・・・・プレシアも本来は、違う名前にする心算だったらしいのですが、アリシアがプロジェクト名を聞いたときに、「じゃあ私の妹の名前はフェイトだね!」って言い出しまして、結局その名がそのまま定着してしまったんです」

「あはは・・・・・・子供らしいな・・・・・・」

俺はその話を聞いて苦笑する。

「とりあえず、アニメみたいな事態にはならないようだな」

俺はそう呟いた。

















ん?じゃあ、なのはとフェイトの友達イベントがつぶれたって事か?














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