前回のあらすじ・・・我に・・・断てぬもの無し!
・・・さて、今回、君たちリンクス諸君に集まってもらったのは他でもない。この戦争を終わらせる2日後の作戦についてだ。
--・・・あれ?なんで俺はこんな所にいるんやろう?--
目標はシドニー基地に逃げ込んだ国家軍総司令の確保だ。確保、という点に留意してくれ。民衆に、国家の完全な敗北と、我々の正義を見せつける必要がある。
なお、この作戦には我々レイレナード陣営だけではなく、GA、ローゼンタール両陣営も参加する。我が社の威信に賭けて、君たちには素晴らしい戦果を期待している。
--これは・・・なんかの作戦説明なのかな?--
我が社からは、ベルリオーズ、アンジェ、そして異例ではあるが、ザンニではなくオービエに行ってもらいたい。ザンニは別の方面に当たってもらう。
--なんでザンニじゃなくて俺なんやろう?--「オービエ、もうそろそろ起きておいた方が身のためだよ?」
--なんじゃそりゃ。身のため?「チェェェェェストォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
目を開けた先には、高速で振り下ろされる手刀があった。な、何を言ってるのかサッパリだと思うが、俺自身何を
「ドガシャーーーン!」「メメタァ!」
・・・
ここは・・・俺の部屋(病室)か?「・・・ルース」「あ、生きてたんだ?オービエ」
勝手に殺すな!お花畑が垣間見えたけどな!「ネタ補正が無ければ即死だった」「?・・・まぁ、即死ってのもあながち洒落にならないね。君の座ってたベンチごと粉砕されてたから」
「おいおい、ただの手刀でベンチが破壊できる人間がいるわけないだろ?HAHAHA!」
「アンジェがやったんだよ?」「・・・」やりかねない。あの大きさの斬○刀を振り回すアンジェなら。
「・・・あれ?なんで俺はアンジェに手刀かまされたんだ?」「「自分の道場の者がこんな間抜け面では、ただの恥さらしだ!」とかなんとか」
ひ、ひでぇ、横暴だ!と言いたいけど、言えない。なぜなら、
「じ~~~~~」ドアの隙間からアンジェがこちらを睨みつけているからだ。
「じ~~~~~」もちろん、これはただの効果音・・・のはずだ。擬音語のハズだ。なのに聞こえる。不思議!
「どうしたんだい?オービエ」まったく気がついていないルース。ここはとりあえず、
「ア、アンジェ?入ってきたら?」「やっと気付いたか」いや、気付く気付かない以前の問題だから。
「お前が起きるまで、大体1時間くらい外で待っていたんだ」「長っ!というか、何のご用で?」
「・・・」「・・・」なにこの沈黙。もしかして俺が悪いの?いや、そんなはずはない!強気に行こう!
「やりすぎたから、ちょっと心配になって」「誰のせいだとお思いで?」「わ、私の右腕が勝手に!」「嘘って、バレるものですよね?」「うっ・・・」
これ・・・ヤバイ、楽しい。普段いじられてばかりの俺に反撃のチャンスが!
「とにかく!元気そうだな!」「なんかアンジェを見てると頭が痛く・・・」「そ、そうなのか・・・すまない」「冗談ですよ」「そうか。冗談か。アハハ・・・」
・・・やっぱ、なんか気持ち悪いな、この会話。「ああ、やめやめ!「?」「普段通り行きましょ!ね?」「・・・それもそうだな!」よし!元気になった。やっぱりアンジェはこうでなきゃ。
「よし!今日も5時に道場に来い!みっちりしごいてやる!」「え!?ちょっ、待っ」「一秒でも遅れたら月光剣の錆にしてやるから、その覚悟で!」「やっぱり横暴だぁ!」
・・・
来る前とはうって変わって颯爽と去っていったアンジェと対照に、俺のテンションは下落していた。世界恐慌時の株価くらい一気に。
だってアンジェの鍛え方がおかしいんだよ!「よし!まずはエグザウィルの主柱を駆け上がってこい」とか平気で言う人なんだぜ?
どうやって駆け上がるんだよ!と横の真改を見たら、脚にチャ○ラでも張ってるのか、ほとんど垂直に壁走りしてたよ。ありゃあ既に人間じゃねぇよ!
かく言う俺もリンクスとしてのハイスペックのお陰か、2時間かけてよじ登れたけどな!まず登れたことを褒めて欲しい。
ちなみに真改は30分で、アンジェは10分。あれ?ここって○ラゴンボールかハン○ー×ハ○ターの世界だったっけ?ああ、生身で空飛ばないだけマシか。
「終わった?」「終わったよ、俺の人生が」「あはは、人気者は大変だね?オービエ」人気・・・者?
「どこをどう見たら人気者になるんだよ!」「だって、この数週間でうちのほとんどのリンクスと交友を持っているじゃないか」情報をそこだけ見ればな、ちくしょう!
「そうそう、作戦は聞いてた?」「・・・あれ?」頭の中に、作戦に関する情報がすっぽりと抜けてる。アンジェに叩かれたのが原因かもしれない。あと、アレとか。
「じゃ、掻い摘んで説明するよ。
目標はオーストラリアのシドニー基地にいる国家軍総司令の確保。複数のネクストで基地を囲むようにOBで強襲する。
ああ、基地の周囲にはネクストであっても油断できないくらいの大戦力が展開されてるから、GA・ローゼンタール・レオーネ・BFF・イクバール・レイレナード全てのグループで『制圧』する。
参加する戦力は、
レイレナードがシュープリス、オルレア、メメント・モリ。
レオーネがラムダ、シリエジオ、クリティーク。
BFFがプロメシュース、レッドキャップ。
イクバールがアートマン、リバードライブ、バガモール。
ローゼンタールがノブリス・オブリージュ、パルメット。
そしてGAが・・・プリミティブ・ライト、車懸、グレート・ウォールだね。
あと、イクバールのバーラット部隊や、新設されたBFFのサイレント・アバランチも投入するみたいだよ」
・・・なんというオーバーキル。ネクスト14機+αによる一つの基地に対する強襲作戦って・・・ゲームでやったら間違いなく処理オチするだろ、これ。
・・・あれ、なんかおかしいぞ?なぁんか違和感が・・・ん?
「なぁ、ルース」「なんだい、オービエ」「GAの最後のリンクス、なんて言った?」「ええっと、『グレート・ウォール』だね」
・・・なんでAFが混じってるんだよっ!
「グレート・ウォールが気になるのかい?」「・・・はっきり言って、滅茶苦茶ある」「ふむ。君も変わり種を好むねぇ?」「変わり種?」
「GAのネクスト、グレート・ウォールは、タンク型ネクスト並の防御力とそれ以上の積載量を備えた超重量二脚型ネクスト、いや、既にネクストですらない大型機動兵器だよ」
「タンク並の防御力と、タンク以上の積載量って・・・機動力は?」「OBを使って、時速600kmくらいって情報だよ」「遅すぎだろ!ハイエンドノーマル以下か!」
「加えて内装関連もGA製だから、一言で言うなら『機動兵器と呼ぶのもおこがましい』くらいの機動力(笑)になってるよ」
「どんだけがんばってんだよGA・・・」「でも、背中に装備された試作兵器は、現行兵器の中でも圧倒的差を付けてダントツの殲滅力を誇ってる。
いやむしろ、グレート・ウォール自体があの兵器を運用するために組まれた機体なのかもしれないね」「・・・どんな兵器なんだ?」
「ガトリング・グレネードさ」
なるほど。それならしょうがない、って待てコラ。ガトリング・グレネードってアレか!AFのグレート・ウォール外壁に付いてたアレか!
「そんなもんがネクストサイズに収まったのか!?」「いいや。専用に開発された脚部の積載量をフルチューンして、ようやく重量過多に収まったみたい」
「・・・それって、専用装備って言うんじゃねえの?」「否定できないよね。連射力は・・・およそ1発/s」「早っ!総弾数は!?」「100発以上だって」納得した。これネクストに積むもんじゃないわ。
小ロケとあんまり変わらない速度で連射してくるグレって何?つまり、弾数神&威力有澤グレのSAPLAってこと・・・無理ゲー過ぎる。
「ともかく。明日には出発するんだから、準備しておいてね?」「なぁ、ルース」「どうかしたのかい?」「俺の荷物って何よ?」
「「・・・」」
・・・
「・・・ふぅ。やはり、無理を押し通しすぎたかな?」頭を抱えていた上役達を思い出しながら、自分のしたことに呆れる私がいた。
今回の作戦で、私はオービエを強く推進した。もちろん上は渋ったが、
彼自身AMS適性がとても高い事、長期の作戦になる可能性もあるから、ザンニの機体では総弾数が心許ないこと、
そして、彼用に調整されたネクストのシュミレーターで、彼は凄まじい戦果を上げた事。この三つを盾に、私は粘りきり、上は折れた。
なぜ、私はこんなにも彼に執着しているのだろう。彼に一度負けかけたから?いや、あれは完全に私の負けだ。
私は、レイレナードの最高峰である事に、誇りとともに、少しの傲慢を持っていた。
表向きに人格者を気取っていても、心の底では人を見下していた。自分は選ばれたリンクスなのだ、と。
そんな私が混乱し、取り乱し、恐怖した存在。そんな存在がいることなど、以前までの私は想像もしなかった。
私は、そこで止まっていたのだ。自らの進化を、自らの手で止めていたのだ。
それを気付かせてくれたオービエ。君は・・・「ベルリー、おる?」「!?・・・ああ、いるぞ」「入っていい?」「構わないが・・・何か用か?明日には旅立つから、生憎茶の一杯も出せない」
「かまへんかまへん。ちょこっと愚痴聞いて欲しいだけやから」・・・愚痴?と思いつつ、オービエを部屋に招き入れる。
「うわー、やっぱり『部屋』って感じするなぁ」「・・・?君の部屋の方が便利だと思うが」「言わんとって!あれは部屋やない!ただの病室や!」オービエが頭を抱えて悶える。相変わらずだな、君は。
「そんなにあの『部屋』が気に入らないのか?」「だって!プライベート感ゼロやん!
俺今回何の準備も無しやで!?この気持ち分かる!?」「楽そうだな」「そこやないっちゅうねん!」やはり、私と彼はすこし感性がずれている。私物なんて邪魔なだけではないか。
「ふう・・・っと、一方的に喋ってもたな?」「構わないよ。君を見ていると、自分の悩みが小さな物に思えてくるんだ」「褒めてるん?それ」何を言っているんだろう。当然じゃないか。
「ああ、そうや。大事な用事を忘れとった」
「ベルリ。俺、模擬戦は6回とも負けたよな!?」「・・・記録的にはそうだが、私的な意見を言えば、最後の模擬戦は私の負けだったように思う」「いや、だからなんで?」オービエが、心底不思議そうな顔で私を見る。
「私は君の戦いに恐怖を覚え、錯乱した。これはレイレナードの最高戦力として恥ずべき事だ。故に「なぁ、今から爆弾発言してもいい?」・・・突然だな。どんな爆弾なんだ?」「実は俺さ、
自分が6回目どう戦ったのかイマイチ覚えてないんだ☆」
瞬間、空気が凍った。
だれが信じるだろう。最高峰のリンクスをギリギリまで追い詰めたリンクスが、自分が何をしたのか覚えていないなど。
これはある意味、最大限の挑発である。本気を出して戦った相手が、「え?俺何かした?」と言っているのである。誰でもイラッ☆とくるだろう。
だが、ベルリオーズは違った。真剣に、オービエが何故自分との模擬戦を覚えていないのかを考えた。
「(コジマ汚染の影響か?それとも最後の私の銃撃によるAMS負荷で本能的に防御が働いたのか?はたまたそれとも・・・)」
「あのぉ・・・ベルリサーン?」「すまん、オービエ。すこし考えるから、時間をくれ」「いや、そうじゃなくて。たぶん原因は俺にあるから」
「何か心当たりがあるのか?」「チョットネー」そう言って、オービエは目をそらす・・・顔が汗ばんでいる。隠すようなことなのか?
「教えてくれないか?」「こればっかりは、ちょっと。体質、いや精神的なトコ、なのかな?つまりはそうなんで、勘弁」ここまで嫌がるとは、相当深い理由があるのだな・・・。
「いや、すまない。聞かなかったことにしてくれ」「ああ、ゴメン・・・簡単に言うなら、俺人より忘れっぽいタチだからさ。そのへんもポーン、と、忘れちまったんだと思うんだ」
「・・・むう、謎が深まるばかりだ。アルツハイマーの一種か?」「いや、そういう病気でも無いんやけど・・・うーん」「それはいつか、教えてもらえることなのか?」「・・・わかんない。これに関して、全てを話した人はいないからさ」
「「・・・」」暗く、なってしまったな。彼もリンクス。並の人生を送ってはいないという訳か。
「・・・じゃ、また明日」「・・・ああ」
こうして、私はオービエと別れた。心を疑問符で埋めながら。
・・・
~次の日~
俺は、輸送機にネクストが積み込まれていくのを見ながら「朝からスッキリオーバード・ブースト!株式会社OBIEから」を飲んでいる。
なぜ、俺はこのコーヒーを飲んでいるのだろうか?こんな因縁は断ち切って、横に売っていたカフェオレ「これであなたもチャッカリ水没!株式会社28から」を飲めばよかったのではないか。
うん。俺も最初はそっちを飲もうと思ってたんだ。でもいざ買おうとすると途端に「うぁぁ!ご、ごめんなさい!」とか言って誰かがぶつかってきたり、他の商品が全部売り切れだったり、
いざ他のが売ってると思えば「健康にいいハズ!アクアビット牛乳」とかいう怪しさ満点の飲み物だったりしたから、結局これを買うハメになった。ちくせう。
「28といえば・・・オッツダルヴァか」あの毒舌家もレイレナードのリンクスだった、ってどっかに書いてあった、気がする。
「・・・オッツダルヴァの事を知っているのか?オービエ」ああ、そうだった。俺の後ろではベルリオーズが同じコーヒーを飲んでいる。
昨日の気まずい雰囲気は払拭しきれてないけど、ベルリは完全に割り切ってるみたい。さすがはNo,1。
「あれ?ベルリ、オッツダルヴァと知り合い?」「ああ、彼はまだまだ子供なんだが、とても高いAMS適性を示している将来有望なリンクスだ。あと、彼は水没コーヒーが好きらしい」やはり水没王子か。間違いない。
「いつか会ってみたいな、そのオッツダルヴァに」「・・・?知り合いじゃないのか?」「ちょっと特殊な知り合いなんだ」
「リンクス!準備が終わりましたから、集合して下さい!」オペレーターが呼んでる。「じゃ、行こうか」「明日は激戦になるかな?」「14機のネクストによる、同時多角攻撃。ノーマルがどれだけいようとも、障害にはならん」
それもそうなんだけどね。なぁんか嫌な予感がするんだよ。
・・・
「最後に確認します。我々のネクスト部隊は、東側から基地に向かいます。
おそらく最も多くの部隊と交戦することになるでしょうが、レオーネのネクスト部隊と同時出撃する為、一切問題はないでしょう。
敵を殲滅次第、基地本陣に突撃。国家軍総司令を確保し、企業による統治を世界に知らしめます。
作戦の説明は以上です。御武運を」
レオーネと共同戦線を張るのか。ってことは、サー(笑)と霞バb(ry ゲフンゲフン。霞スミカとシェリングが一緒か。
「おびえたか?オービエ」アンジェが話しかけてくる。「『恐怖』は無い。あるとしたら『焦燥』や」「?ずいぶん自信満々に言うな。戦場での過信は死を招くぞ?」事実だしなぁ。
「無駄話はそこまでだ。出撃体勢に移る。全機、巡航型OB展開。準備しろ」ベルリオーズが注意を促す。
アンジェが無言でOBを展開し始めたので、俺も次いでOBを展開する。なんでも、巡航型OBってのは長距離移動用に速度を抑えて航行距離を伸ばした物らしい。
KPとENの減りが遅いらしいんだけど、時速900kmくらいしか出ないらしい。いや、十分速いよねそれ。
「準備整ったな・・・全機、OB展開!一気に敵部隊を叩く!」
ベルリオーズが格好良く決め、出撃するレイレナード部隊。向かう先は、弾丸の飛び交う戦地。そしてオービエは・・・
遅れていた。
当たり前と言えば当たり前だ。メメント・モリは重量過多機体である。QBなどで細かく動き、戦闘時に誤魔化すことはできるが、純粋なOBで速度が出せるはずもない。
故に、メメント・モリは時速700kmほどしか出ていなかった。
「やっぱりかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
レイレナード部隊は、戦闘が始まる前から分断されていた。
・・・
「・・・やはり、か」「やはり、だな」
ベルリオーズとアンジェは、想像通りの結果に頭を悩ませていた。二人とも、メメント・モリの重量過多は知っていた。
「だがしかし、オービエなら問題ないだろう、たぶん」
「最悪、レオーネの部隊にでも合流すれば良いのだからな」
そしてその上で、あえて言わなかった。
「オービエの事を信頼してない訳じゃないんだが」
「不確定要素を含むチームよりは、単独で戦っていくほうがリンクスらしいし、やりやすい時もある」
二機がOBを停止し、通常飛行に移る。
「オービエが着くまで・・・10分ほどか」
「アイツには悪いが、残してやるつもりは・・・無い」アンジェが、メットの向こうで獰猛に嗤う。
「アンジェ。分かっているとは思うが」「レイヴンは私が殺る。他は全て持っていって構わないぞ?ベルリオーズ」通常のOBを展開し、突貫しようとするオルレア。
「まったく・・・君のそういう選り好みに、私が今までどれだけ苦労させられてきたと思っているんだ?」苦笑しながら、ベルリオーズもOBを展開する。
目の前には、迎撃準備の整いきった国家軍の精鋭レイヴン主体の大規模部隊。
「さて」ベルリオーズが、グレネードを展開し、
「それじゃあ」オルレアがムーンライトを構える。
他企業の製品を使用するシュープリスと、企業専用パーツを使用するオルレア。
合理主義者のベルリオーズと、戦闘狂の面があるアンジェ。
この正反対な二人は、しかしレイレナードで最初期から戦い続けてきた信頼の置ける仲間でもある。
「「行くぞ!」」
・・・
「ハハッ!いつも以上にやる気じゃないか!ベルリオーズ!」ムーンライトでACを両断しながら、アンジェはベルリオーズらしくない、苛烈な攻撃に内心驚いていた。
「たしかに、私らしくないな、こんな戦い方は」空中で反動を無視し、強引にグレネードを発射したベルリオーズは、いつもとは違う戦い方に自分自身奇妙に感じていた。
自分は、アンジェと撃墜数を競い合うような熱い性格だったか。そんなはずはない、と思った瞬間、ベルリオーズは理解した。自分もまた、本質的には彼女と同じ獰猛な『山猫』であるという事に。
そして思った。オービエは、あのリンクスはどうなのだろう?と。
ベルリオーズは、実際にオービエの実戦を見たことがあるわけではない。見たのはシュミレータと、模擬戦のみ。その間彼は「おい、マジかよ、夢ならさめ・・・」だとか「じょ、冗談じゃ・・・」だとかなんとか、半分遊びが混じっていた感がある。
そんな彼は、『本物の』戦場ではどんな風に変容するのだろうか?彼の本質は、あの6度目の模擬戦のような・・・
そこまで考えて、ベルリオーズは思考を戦闘に戻した。両手のライフルで、二機のノーマルを蜂の巣にする。「あ!ベルリオーズ!レイヴンは私が殺ると言っただろ!」アンジェがなにやら文句を言っているが、この際無視だ。
「私は・・・自分自身を知らなさすぎたのかもしれないな」「・・・?」
そして、二機のネクストは戦場を蹂躙し、支配した。その決着には、5分とかからない。
飛び去っていくネクストとは対照的なノーマルの残骸が、山猫(ネクスト)と鴉(ノーマル)の世代交代、そして企業と国家の交代(パックス・エコノミカ)を、何よりも誇示していた・・・
どうも、作者です。
国家解体戦争は長くなりそうなので、二話に分けます。といっても半分以上日常の気もしますが。
出遅れてしまったオービエ君。彼は今後どうなるんでしょう。少なくとも、No,11になるほどの戦果は挙げさせてあげる予定です。リンクスナンバーが変わると面倒ですし。
最後になりましたが、誤字・脱字・文法上のミスの指摘、お願いします。
mono様・・・感想ありがとうございます。ちょっとwikiを見てきました。
AALIYAH/G
4レギュ1,60:904
FAレギュ1,40:2800
差:-1796
なん・・・だと・・・
もっと詳しく見るべきでした。たしかに4なら重量過多解消ですね。
ネタバレします。一応FAのシナリオも書く予定なので、レギュはFAの1,40を基準に書いてます。たぶん4でも重量過多だろう、って完っ全に思っていたので、迂闊でした。物語も重量過多前提で作ってまして・・・
なので、その辺はFAのレギュ1,40で書きます。指摘ありがとうございます。そしてごめんなさい。
oruten様・・・感想ありがとうございます。
個人的に、オービエ君は企業専属リンクスなのでFAのブラスメイデン(GAの厄災)みたいに敵対勢力に恨まれても、政治的に報復とかはできないかな・・・って思ってます。
なんせお得意のBFF&インテリオルが味方の勢力ですし。OMERも4時代はあんまり出っ張って来ませんし。
もっとも、リンクス戦争が始まれば別ですが。