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No.15173の一覧
[0] それゆけ漆黒の翼 【チラ裏より】(オリ×ネギま&テイルズ要素) #38追加[purepeace](2011/09/29 23:10)
[1] 漆黒の翼 #1[purepeace](2010/01/21 01:43)
[5] 漆黒の翼 #2[purepeace](2010/02/01 00:14)
[7] 漆黒の翼 #3[purepeace](2010/01/22 14:34)
[8] 漆黒の翼 #4[purepeace](2010/01/22 14:32)
[9] 漆黒の翼 #5[purepeace](2010/01/21 02:58)
[10] 漆黒の翼 #6[purepeace](2010/01/21 02:05)
[11] 漆黒の翼 #7[purepeace](2010/01/21 02:05)
[12] 漆黒の翼 #8[purepeace](2010/01/21 17:13)
[13] 漆黒の翼 #9[purepeace](2010/01/21 03:00)
[14] 漆黒の翼 #10[purepeace](2010/01/21 02:06)
[19] 漆黒の翼 #11[purepeace](2010/01/23 17:18)
[20] 漆黒の翼 #12[purepeace](2010/01/26 10:04)
[21] 漆黒の翼 #13[purepeace](2010/01/26 21:40)
[22] 漆黒の翼 #14[purepeace](2010/01/30 22:20)
[23] 漆黒の翼 #15[purepeace](2010/01/31 19:24)
[24] 漆黒の翼 #16[purepeace](2010/02/03 17:29)
[25] 漆黒の翼 #17[purepeace](2010/02/08 00:41)
[26] 漆黒の翼 #18[purepeace](2010/02/12 00:32)
[27] 漆黒の翼 #19[purepeace](2010/02/17 00:02)
[28] 漆黒の翼 #20[purepeace](2010/02/17 00:29)
[29] 漆黒の翼 #21[purepeace](2010/02/23 17:46)
[30] 漆黒の翼 #22[purepeace](2010/03/05 18:23)
[31] 漆黒の翼 #23[purepeace](2010/05/21 22:21)
[32] 漆黒の翼 #24[purepeace](2010/04/05 01:41)
[33] 漆黒の翼 #25[purepeace](2010/05/21 22:26)
[34] 漆黒の翼 #26[purepeace](2010/06/08 13:32)
[35] 漆黒の翼 #27[purepeace](2010/06/25 10:50)
[36] 漆黒の翼 #28[purepeace](2010/07/28 22:00)
[37] 漆黒の翼 #29[purepeace](2010/07/28 21:58)
[38] 漆黒の翼 #30[purepeace](2010/07/28 21:58)
[39] 漆黒の翼 #31[purepeace](2010/08/24 18:11)
[40] 漆黒の翼 #32[purepeace](2010/11/06 12:22)
[41] 漆黒の翼 #33[purepeace](2011/02/25 14:40)
[42] 漆黒の翼 #34[purepeace](2011/02/25 15:19)
[43] 漆黒の翼 #35[purepeace](2011/05/05 22:38)
[44] 漆黒の翼 #36[purepeace](2011/05/06 01:56)
[45] 漆黒の翼 #37[purepeace](2011/09/29 23:01)
[46] 漆黒の翼 #38[purepeace](2011/09/29 23:22)
[47] 取得称号集[purepeace](2011/09/24 18:23)
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[15173] 漆黒の翼 #2
Name: purepeace◆403dcfc9 ID:e7b962fa 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/02/01 00:14
―――――人生の転機、いや、人生の改変と言うべきか、あの衝撃から早数年。



俺は、ある森の中にある一際大きな木の上に作られた、小屋のような見晴らし台のような、そんなモノの中でボ~っと空を眺めていた。

ここは俺『達』の秘密基地、ツリーハウスと言うには少々不格好だが、雨風は凌げるし床板も張ってある、子供の作品にしてはなかなかの出来栄えだと思う。


その秘密基地で何をしてるかっていうと、待ち合わせだ。もうすぐ友達がやってくる時間なのさ。


さっき俺『達』って言ったけど、この基地に入れるのは俺を含め3人、大人たちには内緒の秘密チームを創ったのだ。その構成員たちを日向ぼっこしながら待っているという訳だ。



言い忘れたけど、俺はアレからいろいろあって、今は京都に居る。『関西呪術協会』っていう組織に御厄介になっているんだ。

この世界は、俺のよく知る現実とファンタジックな非日常が壁一枚はさんで存在しているみたいなんだよ。世界の表と裏って言った方が分かりやすいか?

表には一般の大衆、裏には人知れず戦う異能者「魔法使い」なるものがいるそうな。
ココ京都には、関西の魔法使いの総本山『関西呪術協会』があり、関東にも大きな魔法協会があるんだと。この2つの組織はちょっとばかり仲が悪いんだってさ。



そして俺は半妖――――烏族っていう妖怪と人間のハーフらしいんだ。
眼も紅いし、普段は隠しているが、背中には真っ黒いカラスのような羽がはえている。ちなみに頭髪も黒、そんでもって三白眼で目つきがちょい悪です。


この生まれのおかげで、いろいろと面白くないこともあったけど、今はハッピーライフを満喫している。

ココに来たばかりのときは、『あんな』生活送ってたもんだから、俺は他の子供程の活発さは無く表情も硬い奴だった。
しかし、今じゃすっかり言動も明るく、というよりかなりハッチャケた感じになっている。元々性格が暗いわけじゃなかったんだけど、反動でね。





―――――そうこうしているうちに、下の方から2人の少女の声が聞こえてきた。ようやく来たか、アイツら。



ちなみにこの基地、結構高い所に建てられているが、エレベーターはおろか梯子もツタも無い。子供が素手でよじ登るにはハードかつデンジャラスだ。


残り2人のメンバーがどうやってココまで辿り着くのかと言えば――――――






 バサァっ





――――――1人がもう1人を横抱きに抱え、その純白の『ツバサ』を用いて飛翔してくるのだ。俺もこの方法でココまで来ている。






「おはようさんや、そーとー」

「おまたせしました、そーとー」

「おはよっす、コノカ、セツナ」



紹介しよう、我が組織の幹部『近衛木乃香』と主任『桜咲刹那』だ、ちなみに俺と同い年。

抱っこされてるのがコノカ、俺と同じく烏族と人間のハーフであり白い羽根を持っているのがセツナだ。

この2人とは、俺が西に世話になることになった当初からの付き合いで、いつも一緒に居る仲良し3人組だ。


2人の性格は、一言で言うと「ぽやぽや」と「わたわた」である。やや天然の入ったコノカと若干テンパリストのセツナ、そしてまとめ役に俺。


今コイツらが俺のことを「そーとー」と呼んだが、これは俺の組織における役職『総統』のことである。
まあ階級なんて有って無いようなモンだけどね、今じゃ半ばあだ名と化している。





さてと、全員揃ったことだし、恒例のアレ、いっちょ気合い入れてやりますか―――――――!





「主任・桜咲刹那!」

「はいっそーとー!」

「俺達の目的は何だ!?」

「このちゃんをキケンからまもることです!」

「上出来だ!次、幹部・近衛木乃香!」

「はーいっ!」

「目的その2は何だ!?」

「トモダチとたすけあうことや!」

「文句無し!その3は!?」

「「えがおで、たのしくあそぶこと!!」」



「えがおはゲンキ!!」

「ツバサはユウキ!!」

「そう、俺達の名は!!」





「「「秘密結社【漆黒の翼】!!!」」」











―――――そう、俺はこの世界に、テイルズファンにはお馴染みの3人組、小粋でイカしたあのチーム、【漆黒の翼】を結成したのだ。

黒翼は俺だけなんだが、2人は文句ないとのこと。ユウキとキズナの証が名前に込められているからなんだけど、この辺は追々話すことにするよ。



ところでさっきから言ってる「コノカを護る」発言についてだけど、実はコノカは関西呪術協会の長『近衛詠春』さんの1人娘なんだよ。

ソレに加えて、コノカ本人も極東一の魔力保有量を誇っているらしく、ネームバリュー+実質的価値から、いろいろ面倒なポジションなのである。

だから俺達はコノカ守護のため【漆黒の翼】を結成したのだ。以上、説明終わりっ。


ちなみに詠春さんは俺とセツナの保護責任者でもある。お世話になってます。




それはそれとして、【漆黒の翼】は毎日絶好調、いつも3人一緒に遊んでいる。設立目的が「コノカを守護すること」なので、一応活動していると言っていいんだろうけど。



まぁ、遊んでばかりいる訳じゃあゴザイマセン。ちゃんと鍛練はやってますよ?

技の訓練を始めてもう何年たったか忘れたが、今は剣・斧・魔法・体術なんかの鍛練を中心に行っている。無手でも闘えてこそ意味があるってもんだ。
おかげで特技や奥義もだいぶ習得できた。【獅子戦吼】とかスゴイよ、ホントに獅子の形した氣が出るとは思わなかったよ。



セツナもまた、戦闘訓練を行っている。
セツナが受けているのは剣術の訓練。聴いたところによると、【京都神鳴流】とか云う退魔の剣だそうな。
『主任』を任されているセツナは、鍛練への取り組み具合も半端じゃない。その名に恥じぬようメキメキと腕を上げているという。・・・・追い越されんようにせねば。

鍛練に集中、といってもコノカをほっぽってるワケではない、鍛練以外はほぼ一緒にいる。仲いいねえ。



あ、そういえば俺の技の流派のこと訊かれたらどうしよう?
基本的に魔力や氣を用いて闘うのは同じだが、やはりこの世界には存在しない術形体であることには違いない。・・・我流で通すか?

たしかゲームだと、【アルベイン流】とか【アルバート流】とか【シグムント流】とかあったよな。術にしたって、【晶術】や【晶霊術】、【譜術】に【魔術】と、もうたくさんだ。

・・・この際、統合した新しい流派名でも考えるか。


―――テイルズ・・・、ファンタジー・・・、剣と魔法・・・、翼・・・、冒険・・・、ガルド・・・、レンズ・・・、グミ・・・―――


・・・・・よし、【幻魔天翔流】という事にしよう。「天翔」ってやたら使われてる気がするし。文句は受け付けない、厨二っていわれても無視だ無視。





そして癒し系コノカ、どんなふうにボクを癒してくれる? 震えるぞこの胸の【獅子戦吼らいおんはーと】!!

まぁ冗談はさておいて。

元々コノカは“裏”のことは全く知らされずに生きてきたんだけど、ある事件をキッカケに“裏”の存在を知ったんだ。
それには俺がかなり深くかかわってるけど、また今度話そう。

そのコノカだが、どうも俺らの鍛練を見て魔法に興味を持ち始めたようなのだ。

詠春さんはコノカが危険な“裏”の世界に踏み込むことを良しとしていなかった、だから魔法も呪術も教えずにいたのだ。
だがコノカは“裏”を知り、毎回鍛練でボロボロになって帰ってくる俺とセツナに何かしてやりたいと感じるようになっていった。


一念発起したコノカは俺達を引き連れ詠春さんに直訴。
俺もコノカの立場上の危険性を唱え、何か覚えさせるべきだと援護。
詠春さんはだがしかしと反論。そしてセツナは議論についていけずに傍聴。


6時間に及ぶ朝まで生討論の末、治癒術なら覚えさせてもいいと渋々、本当に渋々承諾。詠春さんは砦を崩され憔悴、寝不足でグッタリ、悪い顔色がさらに悪くなっていた。

コノカたちは大喜び、俺も眠気を堪えた甲斐があったってもんだ。それにしてもすごいハシャギっぷりだな。元気いっぱいで顔のツヤもいいし、クマもない。

・・・・・オマエら途中から寝てたんじゃないだろうな?


そんなこんなでコノカは目下、治癒術の練習中。いろいろ訊きながら苦労してるようだけど、適性は高いのか徐々にコツを掴んできている。






――――――そうして鍛錬を続けるうちに、1つの考えが浮かんできた。



ある日のこと、例によって俺らは森に作った秘密基地の中にいた。

木漏れ日の中、自らの白い翼で親友を包みこんでウトウトするセツナ、その翼にモフモフ顔をうずめながら昼寝をかましているコノカ。

そんなとても目に優しい光景を視界の端に捉えながら、俺は1人思案していた。







――――――俺の戦闘スタイルは戦場じゃ活かしきれないんじゃなかろうか。



というのも、俺は剣技・斧技・体術・魔法など、技のバリエーションが幅広い。まだ広く浅いことは確かだが、それでも他の奴よりは引き出しは多いと自負しているつもりだ。

だが、それを戦いの場でいかんなく発揮できるかと云われれば、それはノーだ。

使わない武器を持ち歩いてもかさ張るだけなんだ。剣を持ちながら斧を携えるなんて邪魔くさいにも程がある。オールドラントにゃホドがある。いや、今は無いか。


斧で【魔神剣】もできないことはない、現にリッドはやっていた。だが、実際問題やってみるとなると、やはり剣でやった方がやりやすいんだよ。
そうでなくても、これからも引き出しを増やしていくつもりなのに、使える武器を全部持っていって、重くて動けませんでしたじゃ話になんないよ。


・・・・・どうしたものか、どう思うよ小鳥さんや。

問いかけてもチュンチュンとしか応えない。「チュンチュン」・・・、雑魚キャラの分際で生意気なっ。



よし、ここは戦いのプロ・詠春さんに相談してみよう。

聴けば詠春さん、昔【紅き翼】っていうパーティの一員だったんだって。つまりそれは我ら【漆黒の翼】の先輩という事に等しい。きっと何かヒントをくれるはずだ。
そうと決まればレッツ・ディスカッション!








「―――ふむ、それなら良い方法がありますよ」

おお!すごいよ詠春さん!!アンタやっぱタダものじゃなかったんだね!!―――――して、その方法とは?


「【仮契約パクティオー】というものを知っているかい?」


ぱ、ぱく、・・・なんだって?


仮契約パクティオー】というのは、西洋魔術の一つで主と従者を結ぶ絆のようなものなのだという。
一人が主、もう一人が従者となり、主は従者に魔力を分け与えたり、ある程度なら離れていても従者を召喚できたり。そして従者には自分に最も適した専用の武器が与えられるのだ。

要するに俺が誰かの従者になれば、この悩みを一発で解決できるスーパーアイテムが手に入ると、つまりはそういうことなのだ。


聴いた限りメリットばかりに感じる、何か代償とかは無いんですか?


「契約といっても、お試し期間のようなものですから」

だ、そうだ。しからば早速ソノ契約とやらを、・・・でも誰を主にするか?



「それなんですが、木乃香と契約してはもらえないかな?」

コノカを主に?


詠春さんはコノカが“裏”に関わるようになってからいろいろ考えていたらしい。その結論の一つとして、俺とセツナに護衛を任せたい、というものがあったんだと。
この際だから、セツナとも契約を結んでコノカの安全をより強固なものにしたい、というのが詠春さんの弁。

契約魔方陣は詠春さんが用意してくれるって。西の総本山で西洋魔術使ってもいいのかなと思ったが、その辺はスルーだ。


【漆黒の翼】の活動方針とも合致する、俺たちにとってはイイこと尽くめではないか。コノカの魔力は極東一イィらしいので、魔力供給も申し分ないだろう。


早速このことを構成員2人に伝える。返す刀で賛同を得た。2人を引き連れ再び詠春さんの所へ。



――――――で、どうやるんですか?


「簡単な方法として、仮契約魔方陣の上でキスをするというのが一般的なやり方だね」


キス?・・・キスって、「接吻」とか「口づけ」とかに言いかえられるアレ?娘に勧めていいものなのかい、父親として?


「安全には代えられないからね、それに無理強いはしないよ、木乃香の意思を尊重しますから」


コノカどうよ?


「んー、ええよ?」

いいんかい。セツナは?


「こ、このちょんと、き、きす・・・・」

見事にテンパってる、誰だよこのちょんて。まあ嫌ではなさそうだな。・・・友情が危険な方向に向かないか心配だよ、ホント。

俺は、・・・まあ、断る理由は無い、か。俺みたいな馬の骨に唇を許していいのかコノカよ、馬じゃなくて烏だけど。






―――契約は滞りなく終わった、特に問題は無かったな。
あるとすれば、コノカが俺と契約する時よりもセツナと契約した時の方が顔が赤かったことくらいか、・・・・・・凹んでもいい?


【仮契約カード】なるものが出現、マスターカード2枚をコノカに、コピーカードを俺とセツナに1枚ずつ渡される。

セツナのカードには、白い翼を広げたセツナが詠春さんからもらった野太刀「夕凪」と匕首を携えた図が描かれている。



一方、俺のカードはというと・・・・・称号は【理不尽に抗う理不尽】、なんだそりゃ。


セツナと同じく翼を広げている、もちろん黒だ。服装は黒の長ズボンに、腹にサラシ・・・、ここまではいい、問題は武装だ。


右手で斧を肩に担ぎ、左手は槍を地面に突き立て、さらに腰に剣らしきものを携え、歯で短刀をくわえ、矢の入った黒筒を背にかけ、右腿にホルスター・・・・。



・・・・俺の話聞いてた?

なんだよこの無駄な重装備、これじゃまともに動けないじゃないか、何のために仮契約したと思ってんの、馬鹿なの?

描かれているのはこれだけじゃない、地面にもたくさんの武器が刺さっている。無限の剣製みたいに。
地に刺さってるのは、メイス、それにエクスカリバー?あとトライデントに、おお、ディムロス、シャルティエも・・・あ、腰のこれローレライの鍵じゃね?・・・等々。



・・・とにかく一回出してみよう。えっと呪文は確か―――――


「―――来たれアデアット―――」


カードが光を放ち、得物が俺の手に収まる。・・・・・・・木刀?

なんだ木刀って、舐めてんのか。


一回カードに戻す、んで、もっかい―――来たれアデアット―――



今度は柄が長い、うん、振りやすそうだ、手になじむ。それに先端の緑色がイイ感じ――――――デッキブラシじゃねえか!



・・・・・・・・こうなったら――――――――








「【来たれアデアット】!!【去れアベアット】!!【来たれアデアット】!!【去れアベアット】!!【来たれアデアット】!!【去れアベアット】!!【来たれアデアット】!!【去れアベアット】!!【来たれアデアット】!!【去れアベアット】!!【来たれアデアット】ォ!!!」



順に、セプター・コンポジットボウ・おにぼうちょう・ニードルグローブ・トライデント・バルディッシュが出てきた。・・・眼がチカチカする。


どうやらコレは、俺が望んだ武器が出てくるアーティファクトみたいだ。試しにローレライの鍵を思い浮かべながらやったら、ちゃんと出てきた。

ただし、ゲーム内の性能と寸分違わないかと訊かれれば、違うと答える。
例えば俺の剣技が200だとする。ここでロングソードを使うと、発揮できるのは大体160~180ってトコか。そしてデュランダルを使うと、発揮できるのは頑張っても200強ってところだ。
・・・自分でもこの説明じゃサッパリわかんない。要するに何が言いたいかっていうと、俺の腕次第ってことなんだよ。

フランジュベルとかアイスコフィンとかは、ちゃんと属性持ってる。ソーディアンも出してみたけど、しゃべんなかった。あくまでただの武器なのだ。

呪文連呼しすぎた、のどがイガイガするよ。一回一回カードに戻さなきゃいかんのか?

試してみよう。デッキブラシの状態で刀を思い浮かべる。
パッと光ったと思ったらおにぼうちょうになった。叫び損か。

だがこれは便利だ、俺にピッタリかもしれない。これで問題解決だ。





こうしてコノカの従者となった俺とセツナは、アーティファクト共々鍛錬に精を出し、己の腕をさらに向上させていくのだった。

・・・・俺、『総統』なのに『女幹部』の手下なの?


・・・・・・・・・まぁ、いっか。











―――――――そして、月日は流れていく―――――――

























{でっかいおまけ}


ある日、詠春さんに蔵に案内された。閉じ込められてフルボッコかとビクビクしていたが違うんだって。
この蔵には東洋呪術に関する本がたくさんあるんだそうな。「暇なときにでも利用してみるといい」と、相変わらずの顔色の悪さで勧められる。
俺は東洋呪術覚えるつもりはないんだけどなぁ。

まぁコノカやセツナの役に立つかもだし、覗いてみるか。どれどれ・・・・




『妖魔大全』
『陰陽心得帳』
『困った時の対処法――退魔入門編――』
『セントーで役立つ!陰陽マルわかり問題集』




・・・・小難しそうな本からネタなんじゃねえかって本まで取りそろえてある。

さらに奥に入ってみる、すると、本棚の後ろに挟まるように放置されてある難解そうな本を見つけた。おもむろに手に取ってみる。
『退魔術指南書』と書かれた、背表紙もない紙束のような古い本だ。やたら分厚い。埃具合から、随分長いこと放置されていたことが窺える。

じっくり読んだところで理解が追いつきそうにないので、とりあえずパラパラ流し読んでいく。
複雑な術式や東洋における陰陽形態などが事細かに記載されているようだが、サッパリわからない。俺のオツムじゃこんなもんか。


・・・と、妖怪との戦闘を想定した文章の中に「烏族」の文字を発見、読み進める。以下、本文から一部抜粋――――






[―――烏族は稀に白い羽根を持って生まれてくる場合があるが、これは単なる先天的異常ではなく、強い妖力が染色体に影響を及ぼし、本来あるべき身体の色素に異常が発生したもので―――――――(ウンヌンカンヌン)―――――――したがって白い羽根を持つ烏族は、総じて他の烏族より強力な場合が多く、相対した場合は――――]





・・・へえ、セツナってポテンシャルがハンパねえんだ。じゃあなんで迫害されてたんだろ?

アレか、「アイツ調子こいてるから、みんなでハブろうぜ」みたいな、くっだらねえ理由なのか?・・・嫌な世の中だよマッタク。



後日セツナにこの烏族の行のことを教えたら、すっげぇ泣かれた。その声を聞いて駆けつけたコノカにしこたま怒られた。理不尽だ。
まぁおかげでセツナが自分の羽根に少しずつ自信を持ち始めたみたいだから、良しとしよう。









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





刹那のアーティファクトはそのままで。
構想段階からこの部分をどうすべきか悩みましたが、こっちにします。








〈仮契約カード〉



姓名 : NINOMAE MISATO (一 海里)

称号 : IRRACIONALIDADE CONTRA IRRACIONALIDADE (理不尽に抗う理不尽)

徳性 : audacia (勇気)

方位 : septentrio (北)

星辰性: cometes (彗星)

色調 : Album et Nigror (白と黒)

番号 : DCCLXV (765)


アーティファクト : A lâmina que gira uma fantasia (紡ぐ幻想の刃)





ラテン語が分かんないのでポルトガル語で表記します。












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