<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.1488の一覧
[0] ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:04)
[1] Re:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:09)
[2] Re[2]:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:10)
[3] Re[3]:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:11)
[4] Re[4]:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:11)
[5] Re[5]:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:12)
[6] Re[6]:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:13)
[7] Re[7]:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:13)
[8] Re[8]:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:14)
[9] Re[9]:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:15)
[10] Re[10]:ただ、それだけの為に[ノーム](2007/08/05 17:15)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[1488] ただ、それだけの為に
Name: ノーム◆4486425c ID:90002dd6 次を表示する
Date: 2007/08/05 17:04
Opening 出会い

ピピピピッピピピピピッ。
カーテンの隙間からこぼれる日差しと共に目覚ましの音が聞こえる。

悠斗「むぐ・・・」

手を伸ばし、あたりを叩くがそれらしき感触は見つからなかった。
ピピピピッピピッ
バンッ バシッ バシンッ!
一際大きな音が聞こえ、辺りはまた静寂に包まれる。
なんだか知らないがこれでもう安眠を除外されることはなくなったようだ。

悠斗「ぐぅ・・・」

バタンッドタドタッ
ガンガンッ

??「これはこっちでいいんですかー?」
??「はーい、お願いしまーす」

ガチャバタバタッドシンッ

??「いっせーのせ、でいきますよー。いっせーのせっ」
??「よっ」

ドタバタ、ドタバタ。ガチャ、ガシッ

??「わー、そこ違いまーす。それは居間のほうに」
??「あっすいません!おい、こっちに持って来い」
??「はいっ」

悠斗「・・・・・・・・・・・・・・・」

バタンバタンッドサッバサッ

??「沙亜耶!ちょっと窓開けて!埃が凄いわ」
??「はぁーい」

ガラガラガラッ

??「おかぁさーん?これってここでいいの?」
??「ええ、いいわよ。あなた自分の部屋はもう済んだの?」
??「あっ、そっか。忘れてた」

ドタドタドタッガチャッ

悠斗「・・・・・・・・・・・・・・・」

うるせぇ・・・なんなんだ。朝っぱらから。
薄目を開けて辺りを見回すと、圭輔の野郎が大口を開けて寝ていた。
つーかよく寝てられるよな、こいつ。
神経が図太いっていうかよ。
俺は仕方なしに起き上がるとそのままカーテンを一気に開いた。
カシャーッ
眩し過ぎる朝の光に思わず手をかざしたが、すぐに目は慣れた。
窓の外にはいつもと同じ光景が・・・・・・なかった。
ずっと空き家だったはずの隣家に人がいる。
たくさんいる。

悠斗「あれ?」

よく見ると家の前には引越し屋のトラックが止まっていた。
人はトラックと家を行ったりきたりしている。

悠斗「これはもしかしなくとも・・・・・・」

俺がそう呟いた瞬間、目の前にある窓が急に開いた。
ああ、もしかしなくてもここは2階だ。
当然だ、俺の部屋なんだからな。

??「あっ」

部屋の中から顔を出したのは俺と同じくらいの女の子だった。

??「ああーっ!」

その子は俺の顔を見るなり、俺を指差してデカイ声で叫んだ。

悠斗「な、なんだよ」
??「ねぇ、あなたお隣さんだよね?」
悠斗「それがどうした」
??「ねね、年いくつ?」
悠斗「人に物を尋ねるときは自分から名乗るのが常識だろ」
??「もーっ、いじわるだなぁ。ま、いっか。私は柏倉沙亜耶。高校2年生」
悠斗「俺は、和泉悠斗・・・2年だ」

沙亜耶と名乗る子に圧倒されながらも俺は憮然と答える。
それを聞くと沙亜耶はパアッと花が咲いたように微笑んだ。

沙亜耶「やっぱり!同級生!」
悠斗「だから、なんなんだよ」
沙亜耶「ねね、高校はやっぱり蒼霧学園?」

乗り出すように聞いてくる。
なにがそんなに嬉しいのか俺にはさっぱりわからんが。

悠斗「ああ、そうだけど・・・」

俺が通う蒼霧学園は家から歩いて二十分程度の所にある。
選んだ理由はまず第一に家から近いことなんだけど、それ以外にも私立ってことで校風が案外自由なところが気に入ってる。
ま、草々の理由からこの辺に住んでる奴はほとんどが蒼霧学園に通ってるわけだ。
無駄にでかい学園だしな。

沙亜耶「そうなんだぁ。じゃあ、来週からよろしくね!」
悠斗「ああ、まあ、縁があったらな・・・」
沙亜耶「うーん、付いてるなぁ、君は私のこっちでの友達1人目だよ!」

さっきから思っていたことだが沙亜耶は無駄にテンションが高い。
よくもまあ朝っぱらから騒げるもんだ。
と、思っていたら
グキィッ
いきなり目の前に両手が伸ばされ、そのまま俺の顔を締め付けてくる。

悠斗「ぐお・・・」
圭輔「朝からお盛んだなぁ、悠斗クン。俺にもぜひこの可愛い子ちゃんを紹介していただきたいね」

ギリギリギリ

悠斗「が・・・・・・てめ・・・いきなり・・・ぎぎ・・・ギブ・・・」

俺がパンパンと2回手を叩くと圭輔はサッと腕をはずし、沙亜耶に向かって最高の笑顔を向けていた。

圭輔「ども!はじめまして!谷村圭輔っす。悠斗クンの親友やってます」
悠斗「悪友の間違いじゃねぇのか・・・」
圭輔「やだなぁ、悠斗クン、今のはスキンシップって奴だよ」

圭輔が俺の肩に手を伸ばしたのでさっとそれを払った。

圭輔「相変わらずつれないなぁ」
沙亜耶「あはっ、仲いいんだね。よろしく谷村君。私は柏倉沙亜耶っていいます」
沙亜耶は俺と圭輔を交互に見て、それからニッコリと微笑んだ。
圭輔「沙亜耶ちゃんかぁ、ねね、どっから来たの?やっぱ、東京?」
悠斗「おい、圭輔・・・」
沙亜耶「うん、まあ、そんなとこ」
圭輔「おお!やっぱなぁ。垢抜けてるもんなぁ」
悠斗「・・・・・・(溜息)」

俺は無言で圭輔を殴った。

圭輔「いてぇ!なにすんだよっ」
悠斗「空気の読めない奴め。まあいい。おい、あんた」

顎でクィッと沙亜耶を指し示す。

沙亜耶「え?私?」
悠斗「そうだ。片付けの途中じゃなかったのか」
沙亜耶「あっあーーーーーっ!」

沙亜耶は大声を出して、まず部屋を振り返り、そしてバツの悪い顔を浮かべた。

沙亜耶「そ、そうだった。ごめん、私片付けないと今日寝られないよ・・・」
悠斗「それはあんたの勝手だが、そういうことだ」
沙亜耶「う、うん。それじゃ悪いけど」
圭輔「そいじゃさ、俺らが片付け手伝うぜっ」
沙亜耶「うん、ありがとう・・・ってえ?」
悠斗「はっ?」

圭輔の突飛な行動には随分慣れたと思ったが、時々ついていけなくなることがある。
沙亜耶も同じらしく俺たちの言葉はかなり被っていた。

圭輔「引越しの片付けだろ?男手必要じゃないのか?」
沙亜耶「え、それはそうだけど。引越し屋さんもいるし、お父さんだって」
圭輔「まあまあ、それでもさ、人手はないよりあったほうがいいだろ」
沙亜耶「え・・・でも・・・」

そう言って沙亜耶は俺の顔を見つめた。
・・・・・・・・・なんとなく期待しているように見えるのは気のせいだろうか。

圭輔「ほら、悠斗もこう言ってるし」

圭輔は俺の頭を掴むと上下に振り出す。
言ってねぇ・・・つか、やめろ。

悠斗「離せって!ああ、まあ、そうだな、隣人のよしみとしてなら手伝ってやらんこともない」
圭輔「いやん、悠斗クンたら照れ屋さん」
悠斗「うるせー。だぁってろ!で、どうなんだ、あんた」

俺が圭輔を振り切って沙亜耶を見ると

沙亜耶「あ・・・う、うん!お願いするね!悠斗くん」

その瞬間に彼女は屈託のない笑みを向けたんだ。


次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.02620005607605