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No.1484の一覧
[0] Blue garden 【1ページ目】[青髭](2007/06/29 00:42)
[1] Re:Blue garden 【2ページ目】[青髭](2007/06/29 21:54)
[2] Re[2]:Blue garden 【3ページ目】[青髭](2007/07/01 20:32)
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[1484] Blue garden 【1ページ目】
Name: 青髭◆324c5c3d ID:8d0dfca4 次を表示する
Date: 2007/06/29 00:42
--ペンを走らせる。
自分の理想。 こうであって欲しいと思うものを書き綴る。
--ペンを走らせる。
妄想と空想。 決して有り得ない、起こりえない架空の調べ。
-構想を練り、-キャストを作り上げ、-世界を純粋な欲望で染め直す。

此処には現実の冷たさも、将来への不安も、日常の退屈も無い。
気に入らなければ【書き直す】だけ。
--これは一つの楽園。
-咲く花々は願望、-通り抜ける風は願いの声、-輝き照らす光は夢と希望。

現実ではありえない人物。 現実では起こりえない出来事。現実には存在しない舞台。

準備は整った。 後は【配る】だけ…。
結果は後から着いて来るもの、私の好きなキャラクターがそう言ってた。
【彼ら】は理想を裏切らない。
いつも、どんな時でも私の為に言葉を交わし、私の為に日々を過し、私の為に殺し合う。

少女は薄い本のページを捲る。
こんなにも薄い紙切れの中に、多くの夢や希望が詰まってる。

まぁ、少女が何が言いたいかというと「全ての魂は【二次元】に帰るべきなのだよッ!」

少女は本を置き、床に着く。
青白い月明かりに照らされる一冊の灰色の本。 …「Mask」。

そう時代掛かった文字で綴られた古書。よく見れば一冊ではない。

「赤」がある、「青」がある、「緑」がある、「白」がる、「黒」がある。
どれも同じ様に「Mask」と書き綴られていた。
厚さ自体はそう厚いほうではないが、何か禍々しい気配の漂う怪しい書籍だった。

赤い本には「Crimuzon air」と。   

青い本には「Blue garden」と。

緑の本には「Emperor's green」白と黒の本はまだ見えない。

その一つ一つの文字には何か神秘的な、それでいて呪いじみた物が込められている。
まるで生きているかの様に、唯其処に君臨する5つの「童話」。

その内容が喜劇なのか悲劇なのか、将又…惨劇なのか?
それは誰も知らない。 今はまだ、誰も知らない。
願わくば至福の時で有ります様--。 ゆったりと、それでいて激しい時の流れに身を任せ唯漂うのか。 それとも我を見失わず、物語に立ち向かい支配するのかは読み手次第。

--本は持ち主を選ぶ。 綴りは持ち主を縛る。 そして心を蝕む。
翌日、「青い本」はある少年の元に届けられる事になる。
これは運命なのか、宿命なのか。
誰が書き綴ったストーリーなのか、どこまで読み進めば終着なのか。

--それとも終わりなど無いのか?
仮面を付ける事を強いられる少年少女達の鮮血活劇。無数に散らばる言ノ葉。
--ある者は運命を受け入れる。

--ある者は神に感謝する。

--ある者は自身の不幸を嘆く。

皆が皆、自身の【今まで】を捩じ曲げられ此処に立つ。
それぞれの思いや生い立ち、考え方や理想は違えど此処に立つ。

お互いがお互いの【今まで、そしてこれから】を守る為に、闘う。

--これは過去と現在、そして未来を賭けた戦いの物語。
全ては本の中に。

さぁ、まずは始まりの1ページへ
怖がらないで足を踏み入れて、怯える心を静めて文章を追う。

  嘆きを散りばめ 我は侵す
--Sprinkling Wa violates grief.

最初の一言。 全ての起源、全ての源たる綴り。
この一節が意味するものは大きい。 これは闘う為に必要なのだから…。

  刺す、切る、心を無惨な肉片に
--Piercingly completely, and the mind to tragic Nicnats

全ては「ありふれた日常」を取り戻す為に。 
--そして他の誰かの日常を侵す。

さぁ、まずは全ての始まりへと続く。
              【 Blue garden 】
また、此処に来てしまった。
囁く風、靡く草原。 空を飾る澄み切った青。 
何処に行っても、何をしていてもこの場所が頭から離れない。 それだけこの場所が俺にとって大切だという事なんだ。
青年というよりは少し子供じみた男、「七種颯太」は大きな木の日陰に腰を下ろし空を見上げた。 始めに言っておくと、別談この場所は空にとって何か因縁じみたものとか、魔法使いに会っただとか、そんな事は何一つない。
つまり、「七種颯太」に取ってこの草原はなんの繋がりもない場所だ。
けれど、感じるものは確かにある、胸に込み上げてくる何かを感じる。
実質上関わりのない場所だけれど、心は繋がっている。颯太に取って此処はそんな場所なのだ。
颯太は別に何をするでもなく、唯寝転んで時が過ぎるのを待つ。
今日はいい天気だ。 たまには何もかも忘れて無駄な時を過すのも悪くない。
現実と理想の摩擦で擦り切れた現代人にとって、こういった「無駄な時間」も時には必要なのだ。 そう自分に言い聞かせ颯太は眠りに落ちた。

耳を済ませば鳥のさえずり、風の調べ。都市部から離れたこの場所なら車の音や雑音は聞こえ無い。 至って平穏で喉かな午後2時だ。

--。
「誰だ?」 夢の中で声がした。 俺自身の声じゃない他の誰か。
--。
「女の子の声?」 夢の中で会話するのはおかしなことじゃない。夢はその人が作り出した架空の世界。 その世界に自分1人だけなんて滅多に無い事だ。大抵は現実と同じ様に生活しているもんだ。
唯、自分の都合の良い様に世界を書き換える事が出来るだけ。
だからこの声も夢の中で、俺自身が作り出した幻想なのだ。 異性に飢えているのかな?

--。 --。
言葉は次第に大きくなる。
-を。 -の--ページ。
「な、なんだって?」 さっきよりは大きな声だがまだよく聴き取れない。
声は止んだ。 
それと同時に目が覚める。 先ほどまで爽快な青空だった目の前は黄昏色の夕日に変わっていた。
「やば、今日母さんが返って来るんだった!」
颯太の母親は世界中を股に駆けて飛び回るカメラマン。 今日は数年ぶりに帰国してくると先日手紙が届いた。 日付は2001年と、ちなみに現在2007年。
…6年前の手紙が何で? と疑問は尽きないが兎に角走る。
「あぁ、もうッ 寝るんじゃなかった!」
基本的に俺は持久力が無い。 瞬発力なら結構自信があるんだが…。
案の定、すぐバテた。

ただ今、午後6時。
家まではもう少しなんだが、今は取りあえず「…ちょ、ちょっと休憩…。」

今はまだ平穏な日々を。
来るべき「運命」を受け入れる日はそう遠くではない。


つづく。


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