・異世界の龍機師物語:あとがき・
・はじめに・
えー、そんな訳で皆様、此処までお付き合いいただきありがとう御座いました。
作者の中西矢塚です。
異世界の龍機師物語。これにて完結と相成りまして、此処から先は毎度の如くの後書き無礼講状態で進行して見たいと思いますので、どうぞいま少しばかりのお付き合いを、宜しくお願いします。
―――まぁ、例によって缶ビールでも片手に気楽に流し読む感じが丁度良いかと。
一応の注意としましては、ほぼ全ての部分に情け容赦なくネタバレ、裏事情等が絡むと思いますので、そういうのが苦手な方は引き返す事を推奨します。
先に此処から読んでしまった方は……楽しみは、人それぞれなんで構わないのではないかと。
何せひたすら長いSSですので、読み進める間にいい具合に忘れられると思いますので。
それでは、後書きを開始します。
あ、念のため言っておきますが。
この後書き、凄い長いです。あたまわるい長さです。
スクロールバーを見て薄々感づいていると思いますが、読み込むにはそれなりの時間が必要になると思いますので、ご注意ください。
まぁ、さらっと流すくらいが丁度いいんですけどねー。
では今度こそ、開始。
・承前・
もう覚えて無ぇ……っ!!
何時だよ、と履歴を見ると去年の十二月の頭頃とか、随分昔の事で。
曖昧な記憶ですが、書く前に決めていた事を書き出してみると、
・長く。ひたすら長く。話数の制限とか掛けずに
・女性キャラとにゃんにゃんする感じに
・大勢のキャラを同時に動かす
・出来ればロボット物
・原作のラストまで付き合いたい
大体こんな感じだったと思います。
で、確か初めは『魔装機神』か『ライブレード』辺りにしようかと悩んでたんですが、お陰さまでどっちも古いの何の。構想当時はDSに移植されるなんて話は毛ほども聞かれていない時期でしたし、流石に今からSFを引っ張り出してくる訳にもいかない。
あと、ライブレードはローディングが長すぎて繰り返しプレイには向かない……っ!
―――と言うわけで、リアルタイムで異世界美少女ハーレム学園ロボットアニメが都合よくやってたりしたんで、元ネタに決まりました。
・アプローチ・
前作(某ブレイク・トリガー)が突飛を極めた感があったので、感覚を正常に戻すために真っ当なものを作るべきだなと言う思いがありました。
そんな訳なので、必然的に原作よりの展開でかつ、大胆な動きが無いものをと言う枠組みに。
脳内キャッチコピーとしては、『究極にマンネリズム。読めばやってる何時ものヤツ』でした。
途中絶対『もう飽きた』とか言う感想を入れてくる人もいるだろうなと思いつつ、今回はマンネリを貫こうと。
原作が典型的なラブコメですし、そのテンプレートを自分のやり方でアプローチ、と言うのをひたすら繰り返し続けてみました。
アクセス数を数えてみると、解りやすいくらい後半飽きられてるなぁと言う印象でしょうか。
平均五千ちょい。最盛期で六千五百くらいで、締めの辺りは四千辺りを行ったり来たりだったと思います。
もうちょっと長く続いてたら、平均が五千を割り込んでいたりしたんでしょうね。
結果としては、突飛な方向へと走りたくなるのを抑えて抑えて……後半は大分はみ出ちゃってますよね。
コレも一応理由が有るのですが、途中参加の某主人公氏が、余りにも無敵すぎて話しにならないと言う致命的な状況に嵌ってしまいまして、もう駄目だと。
この辺はまぁ、後述。
・異世界の聖機師物語・
所謂梶島作品で、しかも放映形態といいタイトルロゴといい、ぱっと見やる気が感じられないと言うか。
30分作品を1時間の尺で演出すると言う、割りと画期的な事をやってないと言えない事も無い、ちょっと変わった作品。
業界が冬の時代に突入しかかっていて、皆仕事に飢えているせいなのか、スタッフが微妙に豪華だったりするのも見所と言えば見所だと思います。―――殆どロボット出てこないけどな!!
90年代のパイオニアのアニメを現代に作るとこんな感じだわなぁといった趣の、当時の作品が好きだった人間的には、実に安心感があって楽しめましたが、現代人にはどうなんでしょうね実際。
ヒロインが片っ端からグラマー系とか、今時のセンスとはまた違うような感じがしますが。
面白いんですが、まぁ、地味、と言うか……コテコテ過ぎて嫌いな人が多そうな。
兎も角、原作終わってない(去年12月当時)けど、今回のヤツは長くがコンセプトだし、書いてる間に終わるだろうと見切りをつけて、筋書きを考える作業に入りました。
・構想段階・
二次創作を始める前にまず考える事として、”何をするか”と”どうやって終わるか”とこの二つが有るわけですが、まずは前者、”何をするか”。
何をするかと考えて、丁度最新の辺りを見ると、ガイアさんの荷電粒子砲が炸裂している回なんですよね。
これを見て思った訳です。
『光鷹翼で防げば良い』
梶島作品だけに、お約束気味に。
まぁ、天地三期のラスト辺りの、天地が生身で宇宙に出て光鷹翼開いてるシーン辺りを思い出したんでしょうが、ともかく、そんな感じを再現したくなりました。
じゃあ、主人公は光鷹翼を使えるキャラクターで、尚且つガイアがビームを撃つ時に、ちゃんとその傍に居れる様な役回りを用意しないと―――と、後はひたすら逆算する作業だけ。
甘木凛音君はこうして生まれました。
で、主人公のバックボーンが決まれば、割合オチが付け易い。
当時の放映辺りから、漸く原作のラストも見え始めていましたし、締めの展開が概ね見えてきましたから、これで、スタートです。
・奏楽のレギオス『2』・
スタート前に、もう一つ。
今回の裏テーマとも言うべきもの、と中盤で諸々在った時に、既に切ってしまった手札な訳ですが、一応こちらでも。
長期戦、と言う形になりますので必然的に手癖が出てしまうだろう―――と言うよりも、手に乗ってくれない流れを長く続けるのは無理が有る。
と言うわけで、一番手癖で書いていた物といえばコレだろうということで、裏テーマとして設定しました。
2なので1と似た流れで、かつ1でやらなかった展開を。
1でやらなかったといえば―――誰が思うにしても、『あの締めの展開はどうなの?』と言うヤツだろうと思いますので、じゃあ今回は、と。
結果は見ての通りです。
1と2で何故こうも結果が分かれたかといえば、矢張りヒロインの在り方でしょうか。
多分、遠くから声を届けられる事が出来ても、傍に居てくれなければ本当に大切だと気付けないものなのでしょう。百度言葉を重ねるよりも、一度の触れ合いが大切だったりもするのです。
例え無力でも、それが出来たか出来ないか。
―――後は、主人公の不真面目さが肝心でしょうか。おハル氏はワーカーホリック過ぎるからね!
・全212話・
先にも書きましたけど、前作が『起』と『転』だけを繰り返して出来ているようなSSでしたので、今回はなるべく起承転結を確りやって行こうかと言うのが在りました。
くどいとかダルいとか思われるだろうとは思いつつも、これまでは書かずに切り捨てていた部分を、可能な限り拾い上げてみよう、と言う感じに。
―――で、結果が200話オーバーと言う。
テキストの容量だけ見ると、軽くラノベ10冊分くらいはありそうなものですが、取り留め無すぎる会話シーンを多々含んでいるため、その辺りを”余計なもの”と見立てて調整すると、大分短くなるとは思います。
まぁでも、終わりまで書けて良かったです。
流石に今回は余りの先の見えなさに、途中で心が折れそうになりましたし。
一つの世界観を可能な限り長く書き続けるとか、果たして自分に出来るものかね、とか言う気軽な気分で始めてみたものですけど、いやはや、中々想像以上に大変でした。
開始当初は一月分はあったストックが、最終的には五日分くらいしか残らない、みたいな事になってましたし。
しかし、七ヶ月は……―――長いなぁ。
あ、因みに。
この原作のキモの一つでもある、『グラマラスな美女によるお色気イベント』と言う物は、アニメーションが合って初めて意味があると言う認識でしたので、SSにする際にはほぼカットとなりました。
その分、空いた隙間をシリアス気味の話で埋めたと言う感じでしょうか。
肌に食い込んだ下着の皺についてねちっこく解説を入れたり、豊かな胸に手を突っ込んだ感触を滔々と描写するのを真面目にやりきってみるかと言う初期案も、有るにはあったんですがね。
―――流石にこの規模の長編で、そんな思春期の学生の如きリビドーを維持し続ける体力は無さそうだなと、粛々と却下となりました。
・各話解説・
212話、57節(閑話含む)。
終わった後なので出来る、大きな分け方をすると、大体五つくらいに分けられますか。
つまり、
・序編(1節~3節)
・プレ編(4節~30節)
・原作編(31節~37節)
・本編(38節~55節)
・終編(56節)
こんな感じで。まぁ、本編ってのは良い言葉が見つからなかったのでテキトーですが。
プレ編書いてた頃は、もうちょっと原作よりになるのかなぁと思ってたんですが、結果を見るともう、後半は大分独自路線を突き進む事になりました。
締めだけは決めてあったので、どれだけ蛇行しようと、そこを目指して進めば良いと言う安心感はあるにはありましたけど、矢張り不安ではありましたね。
それでは恒例の、各編解説を以下から。
・序編・
出会って、名前を貰うまでの話。
後半を読めば、それが樹選びの儀式に順ずる形になってるのがお分かりになるのではないかと思います。
何時もの如く最序盤に当たるこのころは、主人公の性格が固まりきって居ない頃で、恐らく、もうちょっと原作主人公の剣士君のような素直な子にしたかったんだろうなぁと言うのが見て取れます。
結果は言う必要が無いんですけどね!
・プレ編1:ハヴォニワ王宮・
この原作、どう考えてもマイナーに過ぎるだろうと言う思いがあったので、何時も以上に丁寧に説明をしようとか考えてました。
で、説明を交えつつお姫様とまったりセレブライフを繰り広げて主人公を馴染ませよう―――などと考えていたのでしょうが、どうしても上手く、マリア様が動いてくれない。
そんな訳で早々に主人公の記憶喪失設定が怪しげな方向へと飛び、性格もそれに併せて変わり、ついでに他の原作キャラを早めに登場させて凌ごうと、ああいう形になりました。
・プレ編2:聖地学院・
幾分動かしやすい方たちが増えて、後に続く形が見え始めてきたころでしょうか。
この辺書いてる当時は、まだユライト先生の正体とか解らなかった頃ですので、結構ギリギリの綱渡りをしていたような記憶があります。
そして、男キャラが少なすぎて話を回しにくいと気付き始めたのもこの頃。
最終的に、アウラ様にその辺のポジションに入ってもらう事により安定してきたんですが。
―――お陰でアウラ様、ヒロイン的なイベントが減りましたけどねー。
当初はマリア様とアウラ様でダブルヒロインだった筈なんだけどなぁ。何故リチア様が……。
・プレ編3:葬式・
チェスしたり実家に帰ったりしつつ、メインはお葬式。
原作編へと入る下準備的な流れです。
原作ヒロインが本格的に登場したり、ボスキャラが登場したり、ついでに原作主人公の気配がしたりと、此処から本格的に物語が動き出す……って、葬式の時点で70話くらいになってる事にちょっと引いてたような。
お陰で、聖地学院二年目をばっさりとカットする事になりました。
二年目やってたら、終わるの何時になってたんだろうね……。
あ、後ダグマイア様のフラグをコレでもかと張って有るのを見るに、当初締めの辺りでもうちょっと活躍する筈だったんでしょうね。
・原作編1(31~33)・
剣士君が登場する辺り。
このSSの形式上、一番盛り上がって然るべきなんでしょうが、何がどうって如何せんこの原作、マイナーすぎる。
出てきても『誰?』とか思われがちな、今ひとつ盛り上がりきらない悲しい事態に。
で、当初はなるべく原作どおりにやって剣士君の存在感を出そうと思ってたのですが、諸般の事情と言うか何と言うか。
『声が大きいヤツが正しい』を地で行く様な、よく有る現象を発生させる悪手を打ってしまったようでしたので、展開の修正に追われることになりました。
イベントの順番を入れ替えて早めに持ってきたり、幾つかのシナリオ放棄したり、この辺りで後半の流れが固まっちゃった感じでしょうか。
丁度原作が完結しかかっていた時期でしたし、その辺余計に、無茶が効き易かったお陰でもあります。
・原作編2(34~36)・
ラブコメ編。
コレはコレで嫌いな人が居るだろうなぁと思いつつ、ここいらで入れておかないと、このSS途中で打ち切りになりそうだわと言う判断から、大慌てで突っ込む事に。
書き始める前に『今回はキスシーンは必須。可能ならベッドシーンも』と言うのが念頭にあったので、まぁそんな感じ。
描写がぼかし気味だったりするのは、やっぱり書いてて恥ずかしかったんだよチクショウ。
いっそこの後のドロドロでグチャグチャしちゃってるエロス空間の方が、ノリノリで書けたりもしました。
それにしても、リチア様のプッシュ感が凄い。
元々アウラ様がヒロイン役の予定だった訳だから、逆転満塁ホームラン決めたもいい所なんですが―――しかし、本来後半に仕込まれるべきイベントが前倒しで入ってきたのだから、当然彼女のピークは此処で終了してしまい、後の出番が……っ!!
・原作編3(37)・
原作終了のお知らせ。
この後の展開がかなり走る事になるので、とにかくハイテンションラブコメに『見えるように』と言うのを意識しました。
始まったと思ったらベッドシーンだったり、男二人で猥談になりかかったりコイバナしてみたりと、まぁやりたい放題―――と、お馬鹿系で終わるのかと思いきや、と言う状況で一気に別ベクトルに振り切ってみる。
元々バカンスに行っている間に聖地侵略されるって言うアイデアは、『如何すれば競武大会を避けられるかなぁ』と言う解決手段を求めた上でのものだったりします。
今更剣士君が走り回る所見たい人居ないべ、と身も蓋も無い思いもありましたし、リチア様のイベントも先にやってしまったので、競武大会のイベントを回しようが無い。
―――と言うわけで、ガイアさんが一足早く聖地へと先走る事になりました。
思いっきり出番を奪われた山賊の皆様は真にご愁傷様としか……。
後半に脱獄してメテオフォールを占拠、天地岩行きを邪魔する、とか言う構想もあるにはあったんだけどさー。
このオリ主に対処させると、如何頑張ってもサーチアンドデストロイ以外の解決手段が無さそうだったので、それならもういっそ、出ないほうが幸せだわと―――どっちが残念だったんでしょうね、この場合。
後、ダグマイア君のリストラが確定したのもこの頃ですね。
・本編1:ガイア・
バカンス終わったらいきなりガイアかよ!!
と言うツッコミを期待していたのですが、ありませんでした。どんだけマイナーなのさこの原作……。
因みに『ガイア』と言うのは原作最終巻のサブタイトル。小ネタを自分で説明しなきゃいけないときほど、むなしいものは無いですよね。
まぁ、さて。
原作の流れに乗るには乗りつつも、此処から先は原作と乖離する場面もどんどん増える。
その前段階としての状況整理編―――と、あとは人が多すぎて後々動かすのに苦労しそうだからと、ハヴォニワ勢にはお帰り頂いたりとかしてみたり。
ワウアンリー女史の動かし易さに気付いたのはこの頃から。
もうこの際だからプッシュしてしまえと、気付けばユキネさんよりも扱いが……。
ユキネさんが、やっぱりあんまり喋ってくれなくて相方として如何にも扱いづらかったんですよね。
・本編2:俺たちに翼はない・
サブタイの暴走が始まった記念すべき回。割りと当初の予定通りではあるのですが。
何気に『そして僕は……』もプリズムで、アークな感じだったりします。
で、まぁダグマイア様のイベント回。
彼が仲間になる最大の理由は、オリ主に『お荷物』を背負わせる必要があったから。
原作どおりにやると、チート原作主人公とチートオリ主と言う、『ガイア? 何それ美味しかった』としかならない絶望的な状況になる事は目に見えてましたので、ハンデは必要だろう、と。
この段階で敵役はガイア一本に絞った方が、後の展開がスリムになると言う判断が働き、以降のメスト家の皆様の先行きが決定しました。
ユライト先生は、本当にね……。
・本編3:聖地決戦編(40~43)・
『このテンションは最終回が近い筈!』……と、皆が信じ始めていた頃。
感想板を眺めながら、人間と言う生き物は矢張り、自分が自分が信じたいもの以外信じないんだなぁと、しみじみとした気分になったりならなかったり。
まぁ、前述したとおりに一番書きたかった場面が遂にやってきた訳ですから、かなり書いてて入れ込んでいたのも事実ですし、最終回とか思われても仕方ないですよね。
話としては『負ける話』。
勝つのは最後の一回だけ、と言う大前提があるので、いかに凄まじい負け方をするか、と言う辺りから話を組み立てました。
見た目的にも、ミサイルとビームが飛び交い死亡フラグを建てたと思ったら案の定血反吐を吐いて空中から投げ出されて、『ナイフのような物』による殺人未遂事件が発生しオッサン空気を読まないハイテンションで高笑い、学校が瓦礫の山と化し要塞が爆発して、ついでに止めの『かくばくだん』で聖地自体が木端微塵、とまぁやりたい放題。
それと重要な事として、今後の展開のためにも剣士君が離脱。
剣士君が居るとどんなピンチな状況でも毛ほどもピンチになってくれないので、仕方が無いのです。
割りと、ドラマ的な意味合いよりも、構造的なことを考えた上での離脱劇でした。
後、人造人間二人が敵に回るんだから、どうせならもう一人増やして三人全員並べてみたいよね、と言うのもあったので。
・本編4:シュリフォン編・前編(45,46)・
前回までがテンション高かったので、クールダウンさせるための話。
このくらいのローテンションでこそ、異世界の聖機師物語だろうというのがあるので、肩透かしをくらうんじゃねーかって思うくらい、お気楽なムードに舵を切ってます。
話的にはキャイアさんとダグマイア様はいい加減何とかしないとなぁと言う苦労が垣間見えたりするけど、それは瑣末ごとで本命はアウラ様。
初期プロットからこのイベントは存在していたので、まぁなんか、当初の予定と違うポジションになってるけど、やりきってしまえとばかりに。
で、このイベントをやるために余計なキャラ二名が退場。
後は、ラシャラ様の動かし方を少し悩んでいた時期でもあります。
どうしようか決めかねて如何とでも取れる立ち居地においておいたんですが、そろそろ終りも近いし決めない訳にもいけない。
もういっその事ヒロイン化させちゃっても有りは有りだったんでしょうけど、まぁ、収拾が付かなくなりそうなので泣く泣くこの後の展開が確定しました。
・本編5:シュリフォン編・後編(47,48)・
原作主人公を物理的にボコる回。
俺TUEEEEEEEをやる最高のチャンスではある、あるけど……。
当然ですが、これをオリ主にやらせるのは如何にも恣意的過ぎて駄目だろうと理性が働きましたので、結果としてあんな感じに。
展開的にオリ主サイドが勝つのは目に見えてましたので、後は説得力を増すための材料をいかに投げ込むかに頭をひねってましたね。
ダグマイア様が吹っ飛ばされたり剣士君が寝込んだりと、まぁ今後の展開のために四苦八苦、といった所。
・本編6:ハヴォニワ編(49,50)・
『もう直ぐ終わるよ』とアピールするための回。
全般通して終りが近いという空気を出す事に終始していました。幾つかの事柄にも一区切りが付いて、後は締めまで転がるだけ。
そんな、流れ的に重要な場面で何故か新キャラが出ると言う誰得な事態に……。
・番外編:ダグマイア完結編・
寝かせたまま忘れかけてた、と言うことでこの人の末路を提示しなきゃならなくなりました。
末路自体はシトレイユに投げ込まれると言うかたちで初めから決まってたんですけど、今ひとつパンチが弱い。
と言うか、シトレイユに投げ込んだら投げ込んだで、『なるほど、締めの辺りに出てくるんだな』と思われかねないキャラとしての不安さが存在する。
―――どうするか。
結論としてああいうオチ―――文字通りのオチが付きました。
毒を以って毒で制するとか、そういう言い方も出来るかもしれません。
で、まぁダグマイア様一人だけにババ引かせるのも申し訳ない、と言うことでオリ主にもそれなりの屈辱を味わってもらおう、と言うことでエメラさんの締めの台詞が用意されました。
・本編7:天地無用・
出てくる人たちが出てきた以上、このSSは終わる、と確定する決定的な回。
初めは仰々しく闇黒空間で会話、とかも考えたんですけど結果としてあんな感じに。
後は、仕込みっぱなしだった修正パッチのネタが遂にお披露目されたと言う記念すべき回でした。
・本編8:結界工房・
前回で用意していたネタを全て吐き出しきってしまったので、まぁ、ぶっちゃけ燃え尽き症候群だった回。
耳の痛い感想が来るだろうなと覚悟してましたけど、いざ目にすると矢張り心に痛い。
グダグダですよね、流石に。キータッチの進まなさがもうどうしようもなかったです、このパートは。
一応話のミソとしては、次の最終決戦に入るために必要な、余計な要素のそぎ落としに終始していた事でしょうか。
ヒロインたちは此処で一旦退場。
後はメインどころのみが残って、さぁ、次だ。と言う感じ。
後は新型ですね。
原作では『ワウ! この新型凄いよ!』と剣士君は仰るんですが、見てるこっちとしては『お前元々凄いじゃん』とか、『見た目全然代わって無くないか? 後、作画的な意味で全然凄(ry』と言う割りと残念な状態。
大体アニメ原作の聖機人って、立体が拾いにくい曲線の集合体ですから、書く人によってプロポーションに凄い差が出てるんですよね。
新型の回は妙にマッシブに見えたんですけど、果たしてアレは新型だからなのか、それとも作画のばらつきの一種なのかまるで判断がつきませんでした。
でしたので、もう見た目根本から変えてしまえとこのSSではあんな感じに。
ドラマ的な理由から、今回は最後までヒロインに傍に居て欲しかったので、複座仕様に変更。
因みにもう一つの案としては、『スワンの動力部に居座って、スワンを皇家の船に見立てる』と言う物がありました。
スワンの破損イベントが無かったから駄目でしたけど。
・終編(54,55)・
まぁ、どうにかこうにか、締めの展開に漕ぎ着けて気合を入れなおしました。
ラブってバトってラブってバトって、最後にちゅーしてお別れ、と。
絵に描いたようなクライマックス展開だったのではないでしょうか。
此処で終われる、後先を気にする必要も無いということでパワーのインフレもかなり極まっています。
アクションはアトラクション性を第一に考えて、下から上、上から下、そこから凄い上へ。
ロボットが新型だったりラスボスがZ○IDOに変身したと思ったらイデオンソード振り回したりと、最後だからと後先を考えたら絶対やれないネタを色々ぶち込んでみました。
ぶっちゃけまともな戦闘シーンってこのSS片手で数えるくらいしかないですよね、終わった後に考えると。
所謂『模擬戦』ってのが、実戦の緊迫感が台無しになりそうで嫌だなぁ、と避けて通ってたせいもあるんでしょうが、その辺もあって、最後は多めに尺を取ってひたすら戦闘してました。
―――途中呑気にラブコメが差し挟まれていた気もしますが、まぁ、仕様です仕様。
後は剣士君の光鷹翼でしょうか。
『原作のネタはなるべく拾う』と言う縛りを自分の中に設けてたので、当然ラストの光鷹翼も―――と言うことで、しかし原作みたいに唐突過ぎるのもどうかなぁと思ったので、あんな感じに。
『オリ主の光鷹翼を圧縮して光鷹真剣(?)を練成する』とこれなら結構良い感じなんじゃないかなーと自画自賛だったんですが、書き上げる段階で、フツーに剣士君がチートパワーを発揮していた件。
やっぱ剣士君は一人で突き抜けてないと剣士君じゃないですしねー。締めの展開のために、切った後はお役御免とばかりにリタイアしてしまう訳ですが。
・エピローグ・
最後の最後で何気に新キャラ。
演出的な意味では、読者が見覚えの無い人間が主人公と親しげに話していると言う場面を用意する事によって、『ああ、遠くへ居るんだな』と言う印象をよりいっそう表現している、と言った所でしょうか。
で、お見合いネタが飛び出してきた時点でその後の展開はもうバレバレに―――と、思わせておいて二段オチ。そしてエンディング。
多分個別ルートだとお見合いENDで、トゥルールートに限りこの展開になるんだと思います。
―――と言うか、当初は本当にお見合いにやってきたところで終り、と言うのを想定していたのですが、でもそれをやってしまうと他のキャラたちがラストに出れない。
じゃあ、と言うことでああいう形に。
原作を見た時から思っていたのですが、作品のジャンルとして『異世界召喚物』だと言うのに、まるでそのキーポイントを生かしているようには見えない。
と言うか多分、召喚シーンとかあるべきものが存在しないから、この原作は一見さんお断り感を拠り一層強めてしまっているんじゃないかと言う気がします。
なので、じゃあ最後のネタとして使用してみようかな、と。
サブタイトルに相応しい感じになるし、中々良い仕上がりになったんじゃないかと思うんですが、さて。
ちなみに人造人間二人のくだりは書き終わった後で書き足しました。忘れてたなんてとても言えない。
某倅君に関しては、思い出したけど居ない方がらしいかと思ってそのまま居ないままで終わらせる事にしました。
・まとめ・
―――簡単な解説程度の事で既に長い。
この後キャラ毎の紹介に入りますので、多分まだ此処四合目あたりだと思います。
うん、すまない。この後書き八割思いつくままに書いてるから、ひたすら書けるだけ書き続ける予定なんだ。
とまぁ、さておき。
思い返すとやっぱり、色々迷走してたりもしますね。
大枠自体は決めてあったんですけど、矢張りどうしても今回は容器自体が大きすぎる。
段取り芝居を遵守しようと言うのもあったので、余計に伸びました。
人が多い、会話が多い、話が逸れる、と何かもう毎回そんな感じで、しかも今回それを削ると言うのを放棄してますので、展開は牛歩の如く。
思いついたネタ、やりたかったネタの殆どは消化できましたし、まぁ、良いかって感じで一つ。
・キャラ紹介・
読んで字の如く、である。
独断と偏見、その他諸々に満ちた、何ていうかまぁ、そういう感じの纏まりが無いものである。
原作設定と違う、とか言われても、所謂一つの俺ルール。仕様です。
・アム・キリ/アマギリ・ナナダン/甘木凛音/雨契/天木凛音/ヘタレーノ・カッコツケ・
名前多いね、と突っ込まずには居られないこのSSの主人公。まぁ、実質変更は二回くらいで、後はオマケですが。
性格は軟派で軽薄。そしてヘタレ。
割り合い刹那的な生き方をしていますが、逸れは一応理由があって、つまり『皇家の樹の真髄に迫る』と言う人生の最大目標を既に解決済みだから、と言う理由だったりします。
もうやる事無いから、テキトーにぶらぶらしていただけと言う。
幼い頃はかなり一途で融通の効かない性格だったのでしょうが、漂流事故に追い込まれて記憶喪失になってジェミナーに落着してからは、それなりに逞しく、またふてぶてしい感じに変化。
記憶が無くても自身が持っている力についてある程度認識している節があり、それ故にいざとなれば何とかなる、むしろするくらいの気構えでその場その場で好き嫌いの程度の気分で暴れまわる事に。
後は単純に、マスターの趣味に合わせた、と言うことなのでしょう。
因みに端から見てると、結果は出す―――けど、危なっかしくて過程を見ていると心臓に悪い、と言う評価になるらしいです。
まぁ、見てて面白いのは事実と、何となく長く付き合っていた女性たちとはそれ相応の関係を築く事に成功しました。
原作主人公を差し置いてハーレム形成に手を掛けられた最大の理由は、唯偏に付き合いの長さ故、だと思います。
―――愛想尽かされなくて、良かったね。
女性の趣味に関しては、『美人で年上、且つ自立心のある人』が好み、と自称していますが、ようするに『甘えさせてくれる人』が好きなだけである。
逆説的に『甘えてくる人』は苦手で、コレに該当するマリアとリチアは実は……と言う。
マリア様は見事に押し切り勝った感じですけど、リチア様に関しては本人が薄々感づいている通りに本当に距離を置かれている辺り、そろそろ校舎裏で殺傷沙汰も近いと思います。
そんな訳で彼の一番の好みなのは無条件で甘えさせてくれるワウとアウラ様。フローラ様とユキネさんに関しては、甘えると後が怖そうと言う直感が働いて攻めあぐねているらしいです。
設定的な処に関しては、もう本当に奏楽1の某氏の設定をこの原作に併せてブラッシュアップしただけ。
機体が蛇だったりとか、もうね。
細々とした解説は―――長くなるので、本編を参照してください。
今回は傍観者ではなくちゃんと主役をやらせる、と言うのがあったので、まぁ何とかかんとか真ん中に立たせ続けさせる事に苦労しました。
どうしても原作主人公に真ん中に立って欲しくなるんですよね、やっぱり、書いていると。
剣士殿が途中でリタイア気味だったのも、その辺割り切るためと言うのもありましたかねー。
基本的には、『負ける男』。
話を俯瞰してみると、まともに勝ってるシーンが一つも無いという残念な主人公である。勝ってるように見えても大抵血を吐いてるとか、予想外の事態が発生したとかオチが付いて回りますからね。
まぁ、主人公と言う生き物は、ラスボスに止めの一撃を与えるためだけに生れ落ちた様なところがあるので、むしろクライマックスまでまともに活躍できないこの状態こそ正しい気もします。
スペック通りの性能を発揮できれば、きっとチート星人に相応しいチートパワーを発揮できたんでしょうが、本編中ではその機会は与えられず。
エピローグで漸く本来の性能を発揮できるようになっている筈なのですが、生憎とその星はキミ以上にチートな連中が山ほど居るんだ、と言う事でやっぱり碌に力を発揮する場面は無い。
何処まで行っても勝てない。それが彼なのです。
尚、名前に関してですが、とりあえずやっぱり『樹雷人らしくDQNネームで合って然るべき』と言う思いが先に立ちましたので、こうなりました。
初めは『輪廻』と言うそのまんまの書き方だったんですが、『いや、樹雷人なら当て字に違いない』と言う事で最終的に『凛音』となった訳です。
因みに、甘木家一家に関しては、『ね』の字を『音』で当てた事から五兄弟に膨張する事に。
『鈴音』って言うのは実は当初構想していた主人公用の当て字だったのですが、多分『すずね』って読まれて悲しい気分になるな、と言う判断からお蔵入り。ああいう扱いになりました。
アマギリってのは其処からの派生。
『名前っぽく無い外れた感じ』で良いかなと思ってつけたのですが、単独なら確かに響きも宜しいのですが、コレに敬称をつけ始めるとどうにもバランスが悪い。
最後までどうにも納得がいかなかったので、結局皆、『お前』だったり『アンタ』だったり『お兄様』やら『従兄殿』やら『殿下』やら、極力敬称付きで本名呼ばせないように苦心する事になりました。
まぁ本編終了後は、女の子に振り回されつつも悪乗りして世界征服を断行、剣士を主役に仕立て上げて悪の大魔王ゴッコでもやる事になるんじゃないかと思います。
再三の樹雷からの帰還要請に関しては、見ないフリ、聞こえないフリ。
・マリア・ナナダン・
このSSのメインヒロイン。
登場時は年齢一桁だったような気もしますが、背伸びして歯を食いしばりながらオリ主とラブコメを繰り広げる事に。
彼女がヒロインに選ばれたのは、『このSSが奏楽2だから、お察しください』と言う見も蓋も無い理由以上のものは何も無く、そんな扱いをされれば上手く動いてくれる訳も無い。
序盤はひたすらそれで苦労する事に……。
お陰でたまに出てはオリ主とドンパチ繰り広げて去っていく人、と言うポジションで存在感を発揮してもらう人に成りました。
で、ラストが待つ女だと奏楽1と変わらなくなってしまうので、最後まで必死で着いていく―――挙句、引っ張り寄せると言うアグレッシブな性格に成長。
本編終了後は、オリ主のケツを蹴り飛ばしながら、子供をあやしつつ『ああいう駄目な大人になってはいけませんよ』と言い聞かせる毎日になるのではないかと。
・フローラ・ナナダン・
このSSの真のヒロイン。
劇中では最上級の扱いをされている訳ですが、理由は単純に松来未祐ヴォイスでドスの効いた声とか、何この愛らしい生き物と作者のツボに来たためである。
他のヒロインたちは、まぁ流石に拙かろうと、劇中では濡れ場担当。エロスエロス。
因みに描写が無いだけで登場初期から結構な頻度でまぐわってんじゃねーのとか想像してますがどうでしょうか。
オリ主も基本的に、誘われれば断らない駄目な人ですしねー。まぁ、ヘタレなんで自分からは絶対誘わないんですが。
重要な要素としては、皇家の樹のマスターと言う役割を与えられている事でしょうか。
冒頭からお互いが求め合っていると言う関係上、一貫して最後まで揺るがない。その辺が事ある毎に一々ブレる娘との対比みたいになってます。
エンディングではオチ要員。
当初予定でも、最後はああいう登場の仕方をすると言うのは変わらなかったのですが、更にもう一つイベントが追加されてしまったため、本当にオチになってしまったと言う。
本編終了後は暫く(五百年くらい)樹雷でのんびりした後、オリ主を呼び寄せてオディールを改装した皇家の船で銀河中を飛び回るハネムーンへ、とか何とか。
・ユキネ・メア・
このSSの影のヒロイン。
皆大好きお姉ちゃん。
原作的にも割りとガチの萌えキャラなので、まぁ扱いは慎重にやらないと酷い事に―――なりましたね、本当に。
ハーレムもので主人公(この場合は凛音君)以外の男性キャラ(この場合は剣士君)が少しでも良い思いをすると言うのは矢張りご法度らしく、迂闊と言えば迂闊だったなぁ。
世界観的には特におかしい事も無いんですけどね、と書いても仕方が無いことですが、あの辺りはやはり色々思うところが多いと言いますか。
まぁ、さておき。
このキャラの魅力は、本筋と関係なしに画面の端でチョコチョコと可愛らしくアニメーションで感情表現している事にこそあって、そうであるなら文章媒体になると中々魅力を出しづらいものがありました。
そんな訳で、動かすのに四苦八苦。
最終的には魔改造して美味しい所だけ持っていく人になりました。
基本的に人が増えると台詞が減っていくタイプのキャラなので、活躍させる時はオリ主と一対一と言う場面が増える事になった―――ってのは、優遇されているといえば言えるのでしょうか。
プレ編二年目が削られた関係で、活躍の機会が結構奪われました。
二年目削除って決めた段階で、相方もワウに変更って確定させちゃったんで、余計に扱いが難しくなったと言うか……。
後は、押し出すとなると洩れなくマリア様が付いてきてしまうので、イマイチ場を回しづらい。
立場上マリアと凛音が居ると、後ろに下がっちゃうんですよね。
何だかんだで、順を追うごとにオリ主に対する呼び方が当然のように変化して行き、そして誰もそのことに突っ込まないくらい自然に何時もの位置をキープするような素敵な立ち居地に落ち着く事になりました。
本編終了後は、酒に酔った凛音に押し倒されたのをあっさり受け入れてしまい、翌日修羅場、みたいな感じで一つ。
・ワウアンリー・シュメ・
このSSの裏のヒロイン。
やったね大金星を地でいく人。
リアクション要員がこの人しか居なかった関係で、あの場所この場面で洩れなく大活躍でした。
居てくれるとマジ助かる。
と言うか、ぶっちゃけこの人が居れば話が回ると言う凄まじい扱い易さが美味し過ぎます。
そんな訳で、とりあえず的な意味で配置しておいた彼女は最終的に此処まで優遇される事になった訳です。
まぁ、お互いが適当に流しているように見えて、実は確信犯的な付き合い、みたいなのが好きだったからと言うのもあるんですが。
多分、明確な描写が無いだけで何度か寝てるんじゃないですかね。
本編終了後は、本編と特に変わらず。
一万年後くらいにも当たり前のように居て、『―――そういえば、お前なんで居るの?』とか突っ込まれて苦笑してる感じ。
・アウラ・シュリフォン・
このSSの元祖ヒロイン。
ヒロインにするつもりが、気が付くと親友ポジションをがっちりキープ。
実に男気溢れるヒーローを演じてくれた様な気がします。
原作の純真さは何処行ったよ、と突っ込まれそうなものですが、それこそこのオリ主を相手に純真な姿なんて見せてられない。
剣士君は傍に居る人間をお姫様で居させてくれる抜群の安心感がありますけど、ヘタレーノにそんなものを期待するだけ無駄無駄無駄。
自然、凛音の傍に長く居る事になったアウラは、逞しくならざるを得なかったわけです。
まぁ、性別を超越した友情、と言うか、信頼関係ですよね、矢張り。
ハーレム物には、無条件で主人公を信頼し協力してくれる親友が必要なのです。
構想段階からシュリフォン編の流れは固まってましたので、逆に考えるとシュリフォンに到着するまでは好感度を上げきれない、と言う縛りも存在してしまう事に。
その辺も親友化に拍車をかけた理由なのかなぁ。
まぁ、イロゴトがゼロの関係が、突然ガラっと、って言うのがあのパートの狙いだったので、その辺りでは成功した様な気もします。
因みに、一番最初の構想段階のエンディングだと、この人とマリアが一緒に樹雷に来て完結、とか言う感じだったんですよねぇ。
エピローグまでの空白期の間に、主人公は皇家の樹(腹の中にある物とは別のもの)と契約して、その名前を奥拉(オーラ。転じてアウラ)とかつけてたとか、何とか。勿論腹の中の樹の名前は、真理阿である。
二度と会えないと思って名前付けたら、本人合いに来ちゃったよ! ―――と言うオチだったらしいです。
実際の本編よりももうちょっとシリアスだったんですかね、多分。
本編終了後は、何となく周りと距離を置く事になりそうな感じも。
多分、凛音が自分から『来てくれ』と言う言葉を言うまでは、延々連絡も無く疎遠のまま、と言うかたちになると思います。
友情は不変なもの、と言う事で、『徒に傍に居る必要も無いか』と言う長命種ならではの発想があるのでしょう。だから、時々会う事があっても、その場その場で何時ものノリになるんだと思います。
やんちゃになってきた子供たちを微笑ましく見守りながら、たまに外で大暴れしている男の様子を耳にしては、仕方ないなと苦笑している姿が、目に浮かぶ。
・リチア・ポ・チーナ・
このSSの薄幸のヒロイン。
当初の想定ではこの人が本編でのアウラ様の役回りに入る筈―――と、ようするに二人は逆の立ち居地になる筈だったんですが、蓋を開けてみるとこんな感じに。
喧嘩するほど仲が良いを地でいく感じに、凛音君と学生恋愛をする訳です。
問題は、二人の関係は学生恋愛の枠組みを出ないものと言うことであって、学生生活が終わると、突然危うい感じになってしまう―――と言うのは、本編の通り。
多分、本編中では一番お互いの事を解っていない。
でも、学生恋愛ってそんなものです。
まぁ、周りが敏い連中ばかりだったので、バランス的に一人は本当に普通の女子の感性の持ち主が居ないと駄目だろう、と言う事でこういう見せ方になりました。
一人だけタイミングがずれて置いてけぼりになってる感じが、逆に魅力―――だと、思う。多分。
基本は弄られキャラで、見せ場が何か、諸般の事情で中盤に差し込まれちゃったお陰で、後半は扱いに困ってました。
―――原作でもそんな感じの扱いだったし、良いか!!
本編終了後は、周りの後押しもあって、何となく結婚辺りまで漕ぎ着けそうな気もする。
でも勢い余って専業主婦になっちゃったが最後、旦那は外で好き勝手に夜遊びを繰り返しており、哀れ家で一人で涙目な感じ。
そこから覚醒が始まって再び外へ飛び出し旦那の首根っこを引っつかむ事に……なる、かなぁ?
・ラシャラ・アース・
このSSの原作のヒロイン。
『従兄殿』と言う呼ばせ方をさせたのが発明だなと自画自賛してるんですが、実際どんなもんでしょうね。
近すぎず遠すぎず、多分凛音とは根っこの部分が似てたりもするのでしょう。
向いてる方向性が同じ過ぎて、『これ、一緒に居る意味が無いな』と両者同意の上で別れる事に。
先が見え過ぎる関係と言うのは面白みが無いのです。
だから、お互いの事が理解できていないって言うのは、必ずしも悪い事ではないんだよ!
多分本気で凛音とラシャラが組んだら無敵だったのでしょうが、矢張りどちらも自重知らずで周りを不幸にしかしないと言うのがネックだったのだと思います。
周りを疎かに出来るほどに、二人は周囲の人間を見限っては居ないのです。
つまるところ、ポジションとしては奏楽1のメインヒロインの彼女の立ち回り。
本編終了後も、つまりは、同様。
墓に行く前の最期の会話が、一番お互いが周りの事を気にせずに素直に話せる機会となるのでしょう。
・キャイア・フラン・
このSSではない何処か別の場所で自称ヒロインとかそんな感じ。
立ち居地上、凛音が深く介入する筈も無く、さりとて何もしないでじっとしていてくれる筈も無く、結局本編ではあんな感じ。
原作同様、何となく自力で踏ん切りをつけたらしいです。
原作の描写を見る限り、無敵チートの剣士君とサシで戦って生き残れるレベルの超人の筈なんですが、多分私生活の駄目さ加減で損してると思う。
その辺りのブレた感じが魅力―――なんでしょうが、残念ながらこのSSではヒロインではないため、端で見ててウザい人にしかなれませんでした。
ダグマイア様がリストラ対象になってしまった関係もあって、消化不良な感じで終わる事になってしまったと言うのもあります。
構想段階では、ガチでエメラと死合わせて見ようかとか言う案も合ったんですが、ヒロインでも無い連中が主役でもないキャラを取り合ってバトるシーン書いて誰が得するんだよ、と言う事で無しに。
因みに凛音は嫌いなタイプらしいです―――と言うのは、本編で散々書きましたし、良いか。
本編終了後は、ラシャラに振り回されながら逞しく生きるんだと思います。
悪の大魔王状態の凛音と、それに悪乗りした正義の味方状態のラシャラの嬉々とした掛け合いの背後で、ため息を吐く役回り。
・ラピス・ラーズ・
このSSのサブヒロイン。
割りと凛音の好みのタイプに合致しているらしいですが、それを理解したうえで彼女にその気は微塵も存在しません。
多分画面の外で、性懲りも無くアプローチを掛けては撃沈される凛音の図が繰り広げていたんだと思います。
上手い事剣士君と幸せになってもらいたいものですが、どうなんでしょうねー。
・柾木剣士・
ご存知原作の主人公。
氏が先の名前の段階でお前もう隠しようも無く異世界人じゃねーか、むしろ回りも気づけよと原作を見ながら突っ込んだものですが、細かい事を気にしたら負け。
もうこいつ一人で良かったね、を地で行く無敵の主人公なのだから。
無敵のチートパワーをノーリスクで最初から最後まで全編通して振り回す、これを断行した原作スタッフは正直おかしいと思う(褒め言葉)。
このSSでは描写を極力減らす事で、劣化させすぎず、さりとて活躍させすぎず、辺りのラインを狙ってました。
お陰で後半は見てるか寝てるか操られてるかでしたが。
本編終了後に関しては……原作の続編待ちかなぁ。あるのか知りませんけど。
・ダグマイア・メスト・
この原作の真の主人公(自称)。
親父が七十年代の最先端を走る悪役だから、彼は必然的に毎週やられに来る幹部怪人の役回りとなる訳で、まぁ大体そんな感じ。
本人だけは勝てる確信があるのでしょうが、テレビで見ているお友達にとってはヒーローにやっつけられるためだけに存在しているのです。
そんな訳で、一人空回りの悲しい感じを常に忘れないように心がけていました。
覚醒した、と思われるイベントを終えた後でも、相変わらず何も変わっていないと言うのが、まぁ、この人らしいかなぁと。
それでも序盤はもうちょっとイケそうな感じだったのは、単純に原作がまだ完結していなかったためだったりするのです。
ラスト辺りにどういう立ち居地になるのか見守っている状態だったのですが―――結果のアレは、もうちょっと何とかならなかったのかな……。
まぁ、重要な役回りも特に無いらしいと判明した事もあって、中途でリストラ確定。
脇へ脇へと追いやられて途中でフェードアウト、と言う形に落ち着くことになりました。
手下の山賊連中も男性聖機師連中も居なかったし、仕方が無かったかなぁ。
原作、このSS共に主人公を目の仇にするのは相変わらず。
凛音に対しては実は割りと勝ってたりするのですが、勝ちなれていないせいなのか、どうにも勝ったと言う感触が理解できなくてモヤモヤしているようです。
本編終了後は、本当にぶつ切りにされた旧シトレイユの一角を押し付けられて苦労する毎日。
何時まで経っても軌道に乗らない国家運営に頭を悩ませつつ、背後で労しげに見つめてくる視線が痛いと思わず物理的に遠ざけてしまうのが運の尽き。
ますますトラブルが噴出する事になり手が空く日が無く、外で好き勝手に暴れている凛音たちに恨めしい視線を送る毎日。
・エメラ・
苗字が無い国の人。
一応主要キャラなんだからつけておいて欲しかったなぁと、地の文を書くたびに表現に困ってました。
まぁ、全編通して怖い人で、原作と殆ど変わってないんじゃないでしょうか。
出てくるとシリアスな空気に入らざるを得ないため、あんまり前へ前へ来る事は無かったですしね。
凛音的には生き方自体は実に好みだけど、人間的に好きになれない人、と言った感じ。
相容れない趣味を持ってしまっている以上、仕方が無いのです。
本編終了後は、前述の通り主の言葉に従って閑職に回され―――たように見せかけて、見えないところで主をサポートするのは相変わらず。国が決定的な破滅を迎えないのは、彼女の神業的なカバーのお陰なのです。
時たま凛音から胃薬が送られてきては、それを開封せずにゴミ箱に捨てるのが、お約束。
・メザイア・フラン/ドール・
目立たなかった人。
剣士君用のヒロインなので、まぁ、仕方ないですよね。
ユライト先生と同様に、変身して姿かたちどころか声まで変わると言う、お前それで正体中てとか絶対無理だからと突っ込まずに入られないキャラクター。
原作の『作ってる人たちだけが解ってる』度を上げることに貢献している人の一角を占めていると思います。
そもそも本当に、あの変身能力はどうなっているんだ……っ!
このSSでは、後半言及されてましたけどほぼ重要アイテム扱い。
極力キャラ的な描写も減らして、目立たせないように気を使っていました。
ラストシーンが既に決まっていたので、この人は入る隙間が無い、と言うか居ると邪魔になってしまうから、仕方ないんですよね。でも居ないと流れ的に話にならないので―――と言う事でこういう扱い。
最強の聖機師―――にみせかけて、ダークフィールドにあっさりと吹っ飛ばされたりしているのを見るに、実はフクロにすれば結構簡単に倒せるのだろうかと言う疑問は尽きない。
本編終了後は安玖深音ヴォイスで居て欲しいので、ドールのまま剣士の傍に居るということにしておこう。
・ユライト・メスト/ネイザイ・ワン・
貴方何がしたいんですかと言う立ち居地の人。
敵にはばれていない上にバックアップもあるのなら、幾らでもどうにでもやる事が出来るだろうに、何故あんな回りくどい手段を……。
と言うわけで、このSSでは一貫性の無いその行動がイマイチ納得できなかったので、あんな扱いに。
足を引っ張るだけ引っ張って退場―――と、扱い悪いなぁ。
まぁ、上にも書きましたけどネイザイの正体がユライトでしたー! 何て反則も良い所だろうとずっこけてしまったので、活躍させる気力が沸かなくなったと言うのもあります。
本編終了後も剣士サイドで図太く堂々と行き続けるんじゃないかなーと。
・ババルン・メスト/ガイア・
ラスボス。―――と言うか、唯一まともな敵。
オッサン楽しそうだけど何がしたかったんだ、と言うよりはむしろ、怪しげな発掘品のクリスタルを子供の体内(それも二人)に入れるこの人の父親が何がしたいのかが気になるところです。
まぁ、さておき。
七十年代風のステレオタイプの悪役なので、スケール感を出すのに非常に苦労しました。と言うか、出てるか?
いっそギャグに見えるくらいハイテンションなのが丁度良いかと言う判断で、毎度毎度台詞のテンションを上げるのにカロリーを消費してくれた、本当に愉快なオッサンです。
後は、ラスボスに相応しく戦闘力の底上げを図った結果、最終的にデスザウラーに変身した挙句、最後にはイデオンソードを振り回すようになったりと、でも書きながらやっぱり、機動兵器一機で世界滅亡とか無理だべという思いが抜けきらなかったと言うか。
倒すべき敵がこの人しか居ないから、カマセっぽく扱う訳にもいきませんでしたしね。
暴れるだけ暴れて最後は自爆と言うお約束な感じは、個人的には好きだったりします。
因みに他のネタとしては、地下遺跡から発掘した大地を埋め尽くすほどのガイア”軍団”により世界蹂躙、それに対して光鷹翼無双を仕掛ける、とか言うのも有りました。
本編終了後に復活するの?
・モルガ・
苗字の無い国の人。遅れてきたヒロイン。
原作からして大人の事情で登場したとか言う曰く尽きのキャラクターなものだから、このSSでも思いっきりイロモノの方向へ振り切ってもらっています。
基本、ダグマイア様の話を終わらせるためだけに出てきたようなもので、後はリチアさんが流石に空気過ぎるからと、ちょっと会話シーンを入れ込んでみました、と言う感じ。
結構気が合いそうな割に、凛音との会話シーンが殆ど無かった理由は、入れ過ぎるとその後の出番も期待されてしまいそうだったから。
スポット参戦のキャラを目立たせすぎるのも、良くないのです。
本編終了後は国へ帰った普通にお勤めしていた所で、甘木凛音の世界征服計画を知り、反抗勢力―――ようするに剣士側―――に参加。つまりは、原作で暴れてた感じになるかと。
悪の女幹部でも良かったかしら、とは本人の談。
・シュリフォン王・
貴重な男性キャラクターですが、名前がありません。
だから地の文書くときに困るんだってばよ……。
と言うわけで貴重な味方サイドの男性キャラとして凛音とは少し気の置けない会話とかもしてみたり。
やっぱりハーレム物であっても、男だけの会話シーンとかは必要だと思います。
とは言えスポット参戦のキャラには違いないので、シュリフォン編だけでフェードアウト。
見えないところでシトレイユに侵攻したりと大活躍では有ったんだと思いますが、この人の出番を増やすくらいなら、女の子の出番増やすわと言う事で、結局ラストの辺りでは碌に描写がありませんでしたね。
本編終了後は、国が広くなっただけに仕事が増えたなぁと相応の苦労を抱えながら、孫を抱いた幸せそうな娘の顔を見て、微妙な気分に陥る毎日。
・ナウア・フラン・
進行方向的に出さない訳にも行かなかったんだよなぁと言う感じでちょっとだけ出演。
説明回が当の昔に過ぎ去っていた関係上、殆ど活躍もしませんでしたね。
原作的に言えば、この人がメザイアに対するフォローと言うかサポートを怠った事が、そもそもガイア復活の遠因とも言える気がします。
人造人間だって解ってるんだから、命令系統に対するブロッキングくらい付けておきましょうよ、お父さん。
普通の人間としての暮らしをさせたいのなら、尚更慎重を期して。
因みに、この人も何気にプレ編二年目が削除されて割を食った人。
ワウと二人で結界工房訪問イベントとかも、予定されていたんですよね。
本編終了後に結界工房が残っているのか否か。それが問題だ。
・その他の人々・
それなりに出番があった人たちは出尽くしたので、後は纏めて。
四人娘は閑話で一応出たと言う形でしょうか。まぁ、剣士君用のヒロインですので、特にこのSSでは活躍も無く。
誰か一人を拾って広げてみようかと言う案も有るにはあったんですが、これだけ登場人物が多い原作で、更にわざわざサブキャラ拾う必要も無かろうと、何もなくなりました。
男性聖機師集団はまぁ、ほぼ出番なしですかね。
展開が完全に原作どおりに進行していた場合は、クリフ君が凛音の丁稚としてダグマイアの側にスパイとして入り込むとかも考えていたんですが、なくなりました。
セレス君は、下手に出番を作ると凛音がスーパー説教タイムを始めそうな気配がしたので、恋人共々出番削除。
まだハヴォニワに居るのかな。
ラシャラの御付の皆様方に関しても、まぁ、接触し様が無いと言うことで出番は殆ど無く。
マーヤ様だけはちょろっと活躍していましたかね。しゃきっとしたお婆さんとか、ポジションが良いですよね。
・神々+あるふぁ・
文字通り神様たち。凄く偉い。銀河さいきょークラスが一塊で存在します。
その割には日本列島の片隅で庶民的な暮らしをしていますけど、でも神様は神様。迂闊に手を出すと怪我ではすみません。
まぁ、コレの二次創作やる以上出さないのは詐欺だろうと言うノリで、ガッツリ出てきてます。
とは言え活躍させすぎると速攻で『完』と言う形になりそうだったので、基本は見てるだけ。
初期プロットだと、成層圏へと上がってガイアを破壊した凛音を迎えに来るのが、津名魅か龍皇辺りだった、と言う案もあったとか。
多分速攻で迎えに来ないといけないほど、凛音が死に掛けていたんだと思います。
後半は全編通してスワンの動力炉で寝たきり、もしくは車椅子状態になってたらしいからなぁ。
因みに本編のエピローグまでの空白期間に、地球に於いて凛音は彼女等と対面しています。
頭を抱えたり土下座をしたりと、色々と胃が痛い思いをしたそうな。人参は美味しかったです。
・樹雷・
偉くて強い人たちの星。裏設定の宝庫。迂闊に手を出すと怪我するぜ!!
詳しくは富士見ファンタジア文庫で発売中の小説、『真・天地無用! 魎皇鬼』を参照のこと。
ぶっちゃけこのSSは『異世界の聖機師物語』と『真・天地無用! 魎皇鬼』のクロスオーバーですので。
SS本編中で出てくる細々とした名前は、大体この中で出てきます。
鬼姫様が凛音に霧封の種を与えたのは、『計画が持ち上がったタイミング』と『凛音の存在』そして『見計らったように霧封の実から種が取れた』事に何かの意味合いを感じたからだと思います。
実際に理由があったのかといえば、本編で語られたとおり。
親戚の子供の手助けをする感覚だったのかなぁ、魅月的には。
因みに凛音は、この星の皇族の皆様に凄い尊崇の念を抱いていた―――筈だったのですが、エピローグでの発言を見ると、残念、現実の厳しさを理解して少年は大人になってしまったようです。
某平田氏に同類を哀れむような目で見られて、頬を引き攣らせる事になったとか。
尚、凛音が樹雷から時限の裂け目に落ちる事になった最大の理由は、本編で語られたとおり魎呼に挑発された阿重霞が龍皇(未調整)を暴走させて天樹の一部を抉った際に、それに巻き込まれたせいである。
調整槽に入れられて意識も無く外界の状況もわからなかった筈なのだが、防衛本能でも働いたのか、光鷹翼の展開による防御を行ってしまい、『もう限界、ダメぽ』となった樹雷宙域の不安定な次元の修復作用により廃棄される事になりました。
まぁ、頂神に天然物に養殖物とくれば、必然的に優先順位も決まってくるのでしょう。
七百年も放置されてた理由は、平行世界にまで跳んじゃってたからかなぁ。ついでに、亜空間と言う拾い上げにくい場所に居たし。常に監視の目はあったらしいです。
・名前の無いオリキャラ達・
当初の予定だと、名前の無いモブキャラを沢山出そうとして―――実際、序盤は結構出てたんですよね。
ただやはり、キャラが出揃ってくるとモブなんて一々出してる隙間もなくなってきてしまい、終わってみると最後までそれなりに出られていたのは家令長だけでした。
因みにこの家令長、情報部の上級職に付いている人であり、現職の長官とは対立状態にあるらしいです。
起死回生的な意味もあってフローラの誘いに乗り、グループごと新しい王子の下に着いてみたのですが、結果はご覧の通り。
見事に使いこなしてくれたアマギリ王子には、それなりに本気の忠誠を持つに至ったそうです。
本編終了後は引退して余生静かに暮らすのがいいと思いますけど、中々どうして、楽をさせてもらえないようです。
後はオペ子さん達でしょうか。
背中の大きく開けたメイド服と言う、それ誰得なんだよと言う衣装を着込む、美人のお姉さん方である。
後半戦に突入した瞬間に、旗艦となるべきオデットが爆破処分の憂き目にあってしまったため、その後に出番がありませんでした。
本編終了後は―――と言うか本編中から変わらず、凛音の愛人さん一同。合理的な主従関係だと思います。多分、そのヒエラルキーの中では、ワウがトップなんでしょうが。
・リストラ組・
所謂山賊の皆さん。
世界規模の事件、と言う感じをちゃんと出したかったので、場末の山賊集団が幅を利かせるとか無いわ、と言う判断から出番と言うか存在が削られる事に。
先に書いたとおり、出たとしても即デストロイされそうだったと言うのも有ります。
コルディネ親分は一応台詞もありましたし、劇中どおりに濡れ場もあったっぽいです。
―――まぁ、とある凛音のレールガンに蜂の巣にされかかったんですが。
娘のランのほうに関しては、もうすっぱり削除。
コイツを敵側で原作どおりに活躍させると、敵側が酷くみみっちい集団になってしまいますので、仕方ないです。
と言うか、マジでこんな小娘がラストまで幅を利かせ続けるとか、真面目にやる気あったのかと……いや、無いから良いのか。
因みにSS本編では纏めて一網打尽にされた挙句、送られた収容所は情報部管轄。
その後はお察しくださいという感じです。
『思想教育』でも受けて、美人局でもやらされてそうなエグい空気が……。
・以上、まとめ・
この時点で本編の五話分くらい使ってますけど、まだもうちょっとこの後書き続きます。
しかしまぁ、やっぱりキャラが多い、多すぎますね。
特に、マリアとユキネとリチアなんて、足して三で割ったキャラを一人用意すればそれで事足りそうなものなのに、まぁわざわざ被りそうな人たちを三人も並べて。
その辺のアバウトに飽和してる感じが梶島作品の魅力ではあるんでしょうけど。
其処にオリキャラ突っ込んでSS書こうって言うんだから、良いとこ無茶な話でしたが、無事完結して本当に良かったです。
・用語解説・
劇中に登場した設定用語を片っ端から……なんて、流石に全部は覚えきれていないので、思い出したのを片っ端から雑多に書き連ねていきます。
・亜法・
誤字。
正確には『亞』法が正しい。
全編通して間違ってますけど、ぶっちゃけ収拾がつきそうに無いので最後まで誤字のまま押し通しています。
何時から間違えていたと言うか、書き始める前に辞書登録した段階から間違いが始まっていたと言う。
原作的に言えば、世界観の根底にある理論と言うか設定と言うか。
『圧縮』とか『重力リング』とか、芝居上重要な要素に限ってさらっと流されると言う、演出的にそれはどうなんだろうと言う事もしばし。
つーか、序盤あれだけ尺が合ったんだから、後半のためにそういうのも説明しておこうよ……。
索敵が動物の感覚頼りの割りに、通信はリアルタイムの映像の送受信が可能だったりする、謎テクノロジーです。
因みにこのSSだと、キャラ的にコロは無いな、と言う事でレーダーっぽいものが実用化されています。一話から。
・聖機人・
二種類あって、『剣士の機体』と『それ以外』と言うカテゴリーが存在します。
ロボット物でライバル機が全く存在しないってのも、凄いっちゃあ凄いよねぇ。
まぁ、冗談はさて置き。
描写的にどう考えても戦闘可能時間が短すぎないですかとか、レールガンっぽいものが実用化されているのに要塞は岩石落としですかとか、まぁ、色々と。
多分、コアロボットよりは強そうです。
一応見た目で個性が分けられてるのですが、肝心の性能差はどうなのよと言うと、良く解らない。
ぶっちゃけ、上に書いたとおり剣士以外の機体は皆平等にやられ役である。敵も味方も含めて。
喫水内なら稼働時間無制限、喫水外に出た瞬間に稼動限界までゴッドスピード、とか言う設定の方が解りやすそうな感じですが。使い勝手が悪すぎに見えるんですよね、聖機人。
このSSでは当初もっと、このロボットを大活躍させようとか思っていたのですが、如何せん話の流れにロボットを載せ難い。
ついでに言うと戦闘シーンと言うのは創作カロリーを多く消費するため、余り高頻度に場面を用意する事も不可能。
結果、後半に行くに従いピンポイントで局地戦と言う形になりました。
主人公の機体は例によって、見た目が他とちょっと違うと言うか、原作主人公程ではないが少しだけスペシャル、と言う何時ものやり方を踏襲してああいうデザインに。
仕掛けとして入れておいた『喫水外でも戦闘可能』と言う設定は、殆ど生かされませんでしたが。
それ以上に光鷹翼がメインに座っちゃってたので、まぁ、仕方ないです。余り視点をブラす訳にも行かなかったですし。
・オデット・
序盤に乗っていた船。
見た目はフライングVモデルのギター。
名前の由来は、スワンでオデットでオディールとくれば、特に説明も入らないと思います。
因みにオディールは三つの岩塊を二等辺三角形に配置した感じで。
初期の構想段階では、終盤のイメージに『あの岩の船を皇家の船に見立てる』と言うのがありましたので、必要になるかもしれないと用意されたものです。
結果としてはラストへの流れが原作から大きくずれていったために、途中でBA☆KU☆HAされる事になりました。
因みに、爆発の原因はババルンの側に押し付けたそうです。
でも、初めからオディールも用意していたあたり、初めから爆破するつもりだったのかもなぁ。
・反応弾・
かくばくだん。
それ以外に言葉が見つからない、つまりそう言う物。
凛音曰く、原始的で安上がりで破壊力の大きい兵器、だそうです。
あれだけナノテクノロジーの発達している世界ですので、汚染兵器の大半は無効化されていると思うんですが、どうなんでしょうね?
ヤバい物に頼りすぎるとろくな事にならない、って言う因果応報は必要かなと思って、ラストの方でちょこっとだけ危険性を指摘してみたりしました。
まぁ、他にも機関銃とかミサイルとかジェットエンジンとか、やりたい放題だったわけですが。
最後までイマイチ文明の発達具合が見えなかったなぁ。
・人造人間関連・
唯でさえ過剰に用語が多いのに、これで『コアクリスタル』とか更に増やされてたまるか、と言う事で一貫してその単語だけは避けていました。
梶島作品らしく、伏線に見える部分が実は裏設定の顔見せに過ぎないって言う状況が多々あるんだろうなぁと言う感触が当初から存在していたので、単独で完結するこのSSでは、外に広がる世界観の中での設定なんて知らん、と言う割り切った進め方をしていました。
基本的には、『映像として出たものだけが原作』と言う解釈です。
後は全部そこから独自の解釈を加えた俺設定。
知ってる範囲のうら設定を逸脱することがあっても、時たま平然と無視させてもらったりもしていました。
閑話休題。
兎角、この人造人間と言う設定が困りモノで、『つまり、どういうことだってばよ……』とか言いたくて仕方が無い状況を生み出すわけです。
洗脳とか変身とかワープとか人間にも移植可能だったりとか、もう、ね。
・機工人・
コレがあると聖機人が不要になってしまうので、スポットでギャグ演出の時に出すくらいでやめて置きました。
性能良すぎるよね、少し。火器の威力もぶっちゃけ聖機人より高かったりさ。
SS内では魔改造によって更にパワーアップしています。ぶっちゃけ、スワン辺りよりも出力高い。
聖機神と殴り合いできたんでねーと言うレベルですが、使わなかったのは多分凛音が空気を読んだからなのでしょう。
原作的に言うと、序盤でワウの工房にこれ見よがしに置かれていたメカメカしい頭部は最終的に何処へ行ったんだと言う。―――アレか、聖機神の頭部にでもなったのか?
・聖衛師・
いや、この設定原作でも生かされてなかったしさ……。
そもそも『普通の』洗礼の描写すら無いのに、あのちょっとの場面だけで剣士が特別だと思えとか割と無理ゲー。
因みに聖衛師は聖機人の修復すら出来るらしいです。
エナって万能ですよね。―――と言うかホント、何で味方サイドに一人用意しておかなかったのか。
剣士含めて全員前衛とか、無いよなぁ。
乗艦がスワンだったせいで、支援砲撃とかのシーンも無かったし、だから最後皆、雁首そろえて見てるだけなんて事に……。
・動甲冑・
機工人と並んで、使いようによっては便利すぎて聖機人の影が薄くなってしまいますから、無しで。
瓦礫の山に埋もれる事になりました。
・喫水外/高地・
ガイアは喫水外に押しやられるとどうなるんでしょうか。止まるの?
―――と言う、映像を見ていると常に思う疑問が最後まで解消されませんでしたので、余り後半は意識しないようになりました。
と言うか、聖地での戦闘シーンが書かれちゃった段階で、序盤の港に着艦するシーンに突っ込みどころが発生しちゃったのがマズかったような。
そして、何故危険物を喫水内に置いておいたのかという……。
このSS的には、喫水とか飛び越えて『最後は宇宙』と決めていたので、まぁ、あんまり関係ない感じ。
いや、龍機人の設定的に大いに関係がある筈なんですが、アレはまぁ、微妙に一発ネタ的なところがありますから、物語を牽引できる要素にはなりえないのです。
高地での暮らしの描写、とかが無かったのも問題ですよねぇ。
バカンスの回、高地でスローライフを楽しみましょうとかの演出にすればよかったのに。
・天地岩・
後半に突如出現した不思議スポット。
いや本当に、こんな馬鹿でかい物体があったらもっと栄えてると思うんだけど、何か描写的に隠れ里っぽい。
ぶっちゃけた話、ユキネさんが萌え担当以外の仕事をしていない状態であんな場面を用意されても、どう受け止めていいのやら。
そんな訳で、良く解らなかったのでこのSSでも『何か過そう』と言う曖昧な感じに留めておきました。
つーか、『結界』ってなんなんだろうね……。
亜法は何ができて何ができないのかと言う説明が無さ過ぎる関係で、何が凄くて何が凄くないのか、結局良く解らないと言うのが実に残念。
ただまぁ、巨大な岩を圧縮して振り回す、って言うアイデアは実に浪漫でしたね。
重力制御で軽くしてるのに振り回すと質量分の衝撃波が発生してるっぽい不思議とか、割りと突っ込みどころは多いんですけど、見た目で勝ちですよね、アレは。
まぁ、残念な事にアレを振り回した戦果はダグマイア様をミンチにした以外に特に無く、どうせならガイアの表面を凹ます(正し、即行で修復)とか位はやって欲しかったものです。
その後のビーム剣も良い演出でしたし。
・光鷹翼/皇家の樹・
公式チート。
原作だと最後にそれっぽいものが全部持ってきましたけど、アレは……。
演出的には、天地一期のオマージュ的な意味なのかなぁと解釈していますが、実際どうなんでしょうね。
てっきり、何時ものように、背中からバンバン羽出して、超重力で押しつぶすものだとばかり思ってましたけど、割りと意外でした。
しかし、最近の若い子は光鷹翼知ってるんですかね……?
あ、GXPがあるしギリギリ平気なのか?
凛音の光鷹翼は三枚。
つまり第二世代級のパワー……と言うか、第一世代の木から取れた種なんだから、第二世代の樹って解釈で良いんだろうか。
まぁ、一枚じゃ少ないし五枚じゃ多すぎるって事で三枚と設定した程度のことなので、余り深く突っ込んだらいけない気もします。
このSSでは『使うと血を吐く』無敵の盾と言う扱いに終始していますが、原作宇宙で活躍しようと思えば、コレぐらい当たり前に出来ないと生きていけない。むしろ、出来てもたまに死ぬ。
尚、凛音は人間でありながら皇家の樹であるから、人間のマスターを選ぶ事が出来る。
そして、『皇家の樹でありながら人間でもある』ので、実は皇家の樹と契約できる可能性も残されているのです。
もう終わってしまった以上何の役にも立ちませんが、頑張れ凛音。夢の光鷹翼六枚体制を目指して。
・属性付加クリスタル・
原作のラストでね、てっきりダグマイア様がコレの使用をやめると、途端に尻尾の無くなった惨めな機体が現れる、とか言う漢気溢れる演出があるのかと思ってたんですが、特にそんな事はありませんでした。
―――と言うか姿が変わるって言う設定なら、ちゃんと元の姿を画面に出そうぜ!!
このSSでは序盤のギミックとして登場。
コレの存在と言うか、ようするにワウを出すための取っ掛かりとしてコレが必要だっただけだったりします。
そんな訳なので、後半自然とフェードアウト。
戦闘シーンが少なかったですし、仕方ないですよね。ワウ涙目でしょうけど。
初期の構想段階では、コレを使い続けていた関係で、聖地決戦の折、凛音の龍機人が『ガイアと誤認される』、それによって隙が発生した剣士が刺される―――と言うような流れも考えていたのですが、しまった、もうキャイア見ちゃってるじゃん、と言う事で無しに。
・俺☆チート・
ラストで突如として出現した聖機人の遠隔操作とか聖機師の代用部品とか、ようするにアレはラストバトルのガイアをドール抜きで暴れさせるために必要だったから用意したと言う事だったりします。
無線封鎖とかも、アレは聖地決戦でフローラに出てこられると話が終わっちゃうからと言う理由でしたかねぇ。
後は凛音の空間跳躍でしょうか。
あれ、演出的に面白いかなと思って出してみたんですけど、冷静に考えるとアレが自在に出来てしまえば全てが解決可能だなと気付いてしまい、慌てて機能不全に追い込むことに。
ガイアをワープさせちゃえば、それで終了ですからね。
最終的には重いと運ぶのが凄い大変と言う屁理屈をつけてごまかす事になりました。
・神様からのラブレター・
別にラブは欠片も無いですけど、原作編開始時冒頭でモザイクが掛かっていた文面の内容です。
『あー、テス、テス、マイクテス。……おや、もう聞こえてるのかい?
話しには聞いていたけど本当に一発で受信してくれるなんて、中々良い感度をしてるじゃないか。
まずは始めまして。あたしは銀河最高の哲学師、白眉鷲羽だ。気軽に、鷲羽ちゃん♪ ―――とでも呼んでおくれ。
ま、アンタにとっては瀬戸殿のお友達だって言った方が早いかもしれないね。
ああ、そうそう、そう言えばその瀬戸殿から伝言を預かってるんだ。いやいや、忘れるところだった。えーっと、何処置いたっけな……おっと、その前に。
一応念のために確認しておくけど、あんたが稟音殿で間違ってないよね?
え? ―――覚えてない?
あー、平気平気。こっちではちゃんと解ってるから。うん、アンタは甘木家の五男坊、稟音殿で間違いないよ。
それでなんだっけ? ―――おお、そうそう、瀬戸殿の伝言だったね。よし、じゃ聞かせるよ。ごほんっ!
”再会の日を楽しみにしているよ坊や”。
―――だ、そうだ。いやぁ、遠く離れても我が子を心配しているなんて、泣かせる親心じゃないか。
え? 我が子でも無いし、ついでに放置されたまま百年以上経ってないかって?
ははは、それは違うさ稟音殿。正確にはアンタが樹雷を離れてからもう、七百年以上は過ぎている。放置していた理由は―――そうさな、帰ってきてからのお楽しみだ。
何? 帰りたく、ない?
それはあたしが感知するところじゃないね。頑張って自力で瀬戸殿を説得しておくれ。
―――さて、あんまり無駄話で時間を食っても船穂と龍皇の負担になるだけだし、そろそろ本題に入ろうか。
実はね、ウチの子を一人、そっちへ送ったのさ。
とりあえず鍛えられるだけ鍛えてはおいたけど、何処まで出来るかはあの子次第さね。
会うことがあったら、先達としてちょっと気にかけてやっておくれ。
素直に育ちすぎて、ほいほい人の言う事を聞いちゃうような子に育っちゃったからねぇ……。ま、其処があの子の可愛いところなんだけど。
おっと、話が逸れたね。そう言う訳なんで宜しく頼むよ、凛音殿。
そのお礼代わりといっちゃあなんだけど、あの子にはあたしが作ったアンタの機能を安定化させる修正パッチと、瀬戸殿の仕掛けたロックを解除する解除コードを持たせておいたから。
即席で悪いけど、これさえ入れておけば肉体に負担無く最低限の能力の行使が可能になる筈さ。―――必要だったら使っておくれ。
あ、念のため忠告しておくけどね。
二度と今の調整不良の状態で光鷹翼を展開しようなんて考えるんじゃないよ。
アンタはまだ完全に皇家の樹になりきれていない、人と樹の間を揺らぐ非常に不安定な状態だ。人であろうとしても、人でありきれず、樹になろうとしても、樹とはなりきれない。
そんな状態で樹の本質に近づこうとしてごらん。アンタのただでさえ壊れかけている人間としての部分が完全に壊れちまうさね。
早い話が―――。』
と言うような内容。
ネタバレの宝庫と言うか、凛音の名前までモロバレだったりします。
あと、蟹の人の本名が唯一出ているレアな場面。自称だけどな!
・以上、まとめ・
……解説と言うか、原作に対するツッコミが八割くらいに?
まぁ、突っ込みたくなるほど楽しんで見ていると言うのが実情です。
原作の設定解説が凝った世界観の割りに原作者の同人誌でしか行われないってのが、多分最大の問題だと思うんだよなぁ。
何のためのOHPなのか。
毎度の如く、執筆中はウィキペディア先生の元に行脚する毎日でした。
・没ネタ・
本編で使わなかったネタに関して。
ようするに、プレ編二年目とか、どうなのよという話。
まぁ、長すぎると削除されたプレ編二年目な訳ですが、イベント的にはこんな感じです。
・ワウアンリーと結界工房訪問
・マリア強襲事件
・と思ったら起きたら隣にフローラ様寝てた
・ダグマイアと図上演習で勝負
・卒業記念武道大会
重要なのは、一番最後の卒業記念武道大会でしょうか。
プロットは以下の通り。
文字通りに、卒業生が中心となって行われる聖機人による競い合い。
凛音は生徒会において、『たまには男性聖機師にも日の目に当ててやるべきだ』と発言し、結果として男性聖機師のみによる大会も同時開催する事を決定する。
しかし、男性聖機師の『ランク付け』は、後の国家運営にすら支障が出る大事だろうと反対意見が飛び出し、凛音はそれを回避するための手段として、『八百長』を提案する。
即ち、成績優秀者によるシード枠を用意し、トーナメントを管理、果ては『勝って問題が無い人間』を用意する事により、事後の軋轢を最小限に食い止めるのだと。
そして、じゃあ誰が『優勝者役』をやるのだと言うリチアの溜め息混じりの声に、凛音は自信を持って答えるのだ。
―――ダグマイア君、宜しく。
当然、ダグマイアは『私にピエロになれという気か』と激怒。
凛音は逆に、『大物気取りたいならピエロくらい演じて見せろよ』と挑発。
売り言葉に買い言葉で、ダグマイアは役回りを了承するが、気がおさまるはずも無く、凛音に要求を突きつける。つまり、『お前も出ろ』と。
断ったら腑抜けと断ぜられそうな、しかし了承するのも流れ的に難しい場面で、しかし凛音はあっさりと了承してダグマイアを拍子抜けさせる。
会議終了後、『負けが付くが良いのか』と問うてくるアウラに、凛音は肩を竦めて返すのだ。
―――偉い人らしく、代理を立てるつもりだし。
代理として大会に参加するのは、勿論従者ワウアンリー。
―――の筈だったのだが、そこへユキネが物言いをつける。
曰く、『これが貴方にお仕えする最後の機会だから、私にやらせて欲しい』と。
渋々と了承する凛音。
大会当日が近づき、凛音打倒に燃えるダグマイアは、遂に彼が代理を立てるつもりだと知ってしまう。
激怒するダグマイアが起こした短絡的な行動とは、即ち機体に細工をしてユキネに怪我を負わせてしまう事。
卒業大会を優勝し、そして男性聖機師大会でも順調に勝ち進んでいたユキネは、ダグマイアの(と言うかエメラの)仕掛けた罠に嵌り、聖衛師でも直ぐには治しきれない重傷を負う事となる。
ワウの調べにより機体に仕掛けられていた罠の存在を知り、凛音は激怒する。
そして、決勝戦。
訪れない対戦相手―――ユキネに、舞台の上で一人ほくそえむダグマイアの前に、属性付加クリスタルを外した凛音が現れる。
竜の逆鱗の恐ろしきかな、圧倒的な恐怖を味わうダグマイアは、その晩、ベッドの上に蹲り合わぬ歯を噛み鳴らす。
震えるダグマイア。そこへ、暗い顔をしたユライトが現れ、一つの指針を与える。
―――即ち、原作の開始の時だ。
そんな感じで、ユキネさんがめっちゃヒロインしてる話だったのですが、残念お蔵入り。
真面目にやってたら、多分あと二ヶ月は連載してたと思います。
これらのイベントは、本編のそこかしこに再配分される事になりました。
・感想・
沢山のご感想ありがとう御座いました。
此処に直接の返答は避けていますが、全て目を通させていただいています。
Arcadia様の感想板のシステムは、『人に読まれている』と自覚するためにも良いシステムだと思います。気が引き締まりますし。
ただ、たまに感想板に書き込んで居る人たちが『その感想、人に読まれるんですよ?』と言うことが解っていないんじゃないかと思える事もあるのが玉に瑕ですが。
基本的に私は感想を気にし過ぎるタイプですので、まぁ、連載中は常に心のどこかでビクビクしてる部分があって、気分が重たい。
目だった荒地もそれほど存在せずに長丁場を切り抜けきれて、本当によかったなぁと、終わった今だからこそ安堵できている状況です。
兎も角、長い間お付き合いいただき、真に感謝感謝です。
此処に改めて御礼申し上げます。
・誤字とか脱字とか・
アップする前に確認してる筈なのに出るんですよね、誤字って本当に。
基本的なスタンスとして、『一度形を決めて世に出してしまったものは直せないのだ』と言う風に考えていますので、アップ後の修正と言うのは行っていません。自戒の意味も込めて。
まぁ、そういう気分で注意力を保っていれば中々間違えない筈だ―――といえば、そんな事も無く。
今後の創作活動においても、気をつけていきたい問題ではあります。
―――と言っても、余程まずいと感じた時ははこっそり直してたんですが。
何気に最終話もさっき、チョコチョコと手直しを……。
・今後について・
詰みゲー崩しかな、まず。
とりあえず『おとぼく2』とか辺りから。あ、七月発売のソフトも多いんですよねー。
冗談はさて置き、今後、ねぇ。
恐らく二次創作でこの規模のものを書くのは、後にも先にもこれで最後だと思いますので、今後何か文章を書く場合は、またこれまでの延長上でありながら、一ひねり加えたものになるのではないかと思います。
まぁ、しばらくは完全に読む側に戻って、まったりとした時間の使い方をしてみたいです。
いや本当に、半年以上も書き続けていると、毎日書かないと落ち着かなくなるんですよね。
常に頭の何処かでコレの展開を考え続ける日々が続きましたから、一旦リセットするためにも、暫くはお休みと言う感じでお願いします。
・総括・
えー、此処までで、本編の八話分くらいあります。
いや、もっとかな。元々は、『50文字×100行』と言うのが一話の最低基準だったので、まぁ、それだと14話分ですか。
尤も、中盤以降はその1.5倍以上が最低基準になっていたような気もしますから、八話くらいで正しいですね。
ラストの方はかなりインフレしてたしなぁ。最後の二話を足すと、ぶっちゃけ平時の十話分くらい行くし。
まぁ、さておき。
長々と続いてきましたこの後書きも、コレで終幕です。
書き足りない事が沢山有るような気もしますが、直ぐには思いつかないのでコレで締めさせていただきます。
七ヶ月。
思えばいろいろと有りましたが、兎角、完結までいけたのは皆様にお読みいただけたお陰です。
重ね重ねになりますが、本当にありがとう御座いました。
―――それでは、また。
今回は、コレにて終了とさせていただきます。
2010年7月14日 中西矢塚
※ お疲れ様でした!