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No.14434の一覧
[0] 【ネタ・習作・処女作】原作知識持ちチート主人公で多重クロスなトリップを【とりあえず完結】[ここち](2016/12/07 00:03)
[1] 第一話「田舎暮らしと姉弟」[ここち](2009/12/02 07:07)
[2] 第二話「異世界と魔法使い」[ここち](2009/12/07 01:05)
[3] 第三話「未来独逸と悪魔憑き」[ここち](2009/12/18 10:52)
[4] 第四話「独逸の休日と姉もどき」[ここち](2009/12/18 12:36)
[5] 第五話「帰還までの日々と諸々」[ここち](2009/12/25 06:08)
[6] 第六話「故郷と姉弟」[ここち](2009/12/29 22:45)
[7] 第七話「トリップ再開と日記帳」[ここち](2010/01/15 17:49)
[8] 第八話「宇宙戦艦と雇われロボット軍団」[ここち](2010/01/29 06:07)
[9] 第九話「地上と悪魔の細胞」[ここち](2010/02/03 06:54)
[10] 第十話「悪魔の機械と格闘技」[ここち](2011/02/04 20:31)
[11] 第十一話「人質と電子レンジ」[ここち](2010/02/26 13:00)
[12] 第十二話「月の騎士と予知能力」[ここち](2010/03/12 06:51)
[13] 第十三話「アンチボディと黄色軍」[ここち](2010/03/22 12:28)
[14] 第十四話「時間移動と暗躍」[ここち](2010/04/02 08:01)
[15] 第十五話「C武器とマップ兵器」[ここち](2010/04/16 06:28)
[16] 第十六話「雪山と人情」[ここち](2010/04/23 17:06)
[17] 第十七話「凶兆と休養」[ここち](2010/04/23 17:05)
[18] 第十八話「月の軍勢とお別れ」[ここち](2010/05/01 04:41)
[19] 第十九話「フューリーと影」[ここち](2010/05/11 08:55)
[20] 第二十話「操り人形と準備期間」[ここち](2010/05/24 01:13)
[21] 第二十一話「月の悪魔と死者の軍団」[ここち](2011/02/04 20:38)
[22] 第二十二話「正義のロボット軍団と外道無双」[ここち](2010/06/25 00:53)
[23] 第二十三話「私達の平穏と何処かに居るあなた」[ここち](2011/02/04 20:43)
[24] 付録「第二部までのオリキャラとオリ機体設定まとめ」[ここち](2010/08/14 03:06)
[25] 付録「第二部で設定に変更のある原作キャラと機体設定まとめ」[ここち](2010/07/03 13:06)
[26] 第二十四話「正道では無い物と邪道の者」[ここち](2010/07/02 09:14)
[27] 第二十五話「鍛冶と剣の術」[ここち](2010/07/09 18:06)
[28] 第二十六話「火星と外道」[ここち](2010/07/09 18:08)
[29] 第二十七話「遺跡とパンツ」[ここち](2010/07/19 14:03)
[30] 第二十八話「補正とお土産」[ここち](2011/02/04 20:44)
[31] 第二十九話「京の都と大鬼神」[ここち](2013/09/21 14:28)
[32] 第三十話「新たなトリップと救済計画」[ここち](2010/08/27 11:36)
[33] 第三十一話「装甲教師と鉄仮面生徒」[ここち](2010/09/03 19:22)
[34] 第三十二話「現状確認と超善行」[ここち](2010/09/25 09:51)
[35] 第三十三話「早朝電波とがっかりレース」[ここち](2010/09/25 11:06)
[36] 第三十四話「蜘蛛の御尻と魔改造」[ここち](2011/02/04 21:28)
[37] 第三十五話「救済と善悪相殺」[ここち](2010/10/22 11:14)
[38] 第三十六話「古本屋の邪神と長旅の始まり」[ここち](2010/11/18 05:27)
[39] 第三十七話「大混沌時代と大学生」[ここち](2012/12/08 21:22)
[40] 第三十八話「鉄屑の人形と未到達の英雄」[ここち](2011/01/23 15:38)
[41] 第三十九話「ドーナツ屋と魔導書」[ここち](2012/12/08 21:22)
[42] 第四十話「魔を断ちきれない剣と南極大決戦」[ここち](2012/12/08 21:25)
[43] 第四十一話「初逆行と既読スキップ」[ここち](2011/01/21 01:00)
[44] 第四十二話「研究と停滞」[ここち](2011/02/04 23:48)
[45] 第四十三話「息抜きと非生産的な日常」[ここち](2012/12/08 21:25)
[46] 第四十四話「機械の神と地球が燃え尽きる日」[ここち](2011/03/04 01:14)
[47] 第四十五話「続くループと増える回数」[ここち](2012/12/08 21:26)
[48] 第四十六話「拾い者と外来者」[ここち](2012/12/08 21:27)
[49] 第四十七話「居候と一週間」[ここち](2011/04/19 20:16)
[50] 第四十八話「暴君と新しい日常」[ここち](2013/09/21 14:30)
[51] 第四十九話「日ノ本と臍魔術師」[ここち](2011/05/18 22:20)
[52] 第五十話「大導師とはじめて物語」[ここち](2011/06/04 12:39)
[53] 第五十一話「入社と足踏みな時間」[ここち](2012/12/08 21:29)
[54] 第五十二話「策謀と姉弟ポーカー」[ここち](2012/12/08 21:31)
[55] 第五十三話「恋慕と凌辱」[ここち](2012/12/08 21:31)
[56] 第五十四話「進化と馴れ」[ここち](2011/07/31 02:35)
[57] 第五十五話「看病と休業」[ここち](2011/07/30 09:05)
[58] 第五十六話「ラーメンと風神少女」[ここち](2012/12/08 21:33)
[59] 第五十七話「空腹と後輩」[ここち](2012/12/08 21:35)
[60] 第五十八話「カバディと栄養」[ここち](2012/12/08 21:36)
[61] 第五十九話「女学生と魔導書」[ここち](2012/12/08 21:37)
[62] 第六十話「定期収入と修行」[ここち](2011/10/30 00:25)
[63] 第六十一話「蜘蛛男と作為的ご都合主義」[ここち](2012/12/08 21:39)
[64] 第六十二話「ゼリー祭りと蝙蝠野郎」[ここち](2011/11/18 01:17)
[65] 第六十三話「二刀流と恥女」[ここち](2012/12/08 21:41)
[66] 第六十四話「リゾートと酔っ払い」[ここち](2011/12/29 04:21)
[67] 第六十五話「デートと八百長」[ここち](2012/01/19 22:39)
[68] 第六十六話「メランコリックとステージエフェクト」[ここち](2012/03/25 10:11)
[69] 第六十七話「説得と迎撃」[ここち](2012/04/17 22:19)
[70] 第六十八話「さよならとおやすみ」[ここち](2013/09/21 14:32)
[71] 第六十九話「パーティーと急変」[ここち](2013/09/21 14:33)
[72] 第七十話「見えない混沌とそこにある混沌」[ここち](2012/05/26 23:24)
[73] 第七十一話「邪神と裏切り」[ここち](2012/06/23 05:36)
[74] 第七十二話「地球誕生と海産邪神上陸」[ここち](2012/08/15 02:52)
[75] 第七十三話「古代地球史と狩猟生活」[ここち](2012/09/06 23:07)
[76] 第七十四話「覇道鋼造と空打ちマッチポンプ」[ここち](2012/09/27 00:11)
[77] 第七十五話「内心の疑問と自己完結」[ここち](2012/10/29 19:42)
[78] 第七十六話「告白とわたしとあなたの関係性」[ここち](2012/10/29 19:51)
[79] 第七十七話「馴染みのあなたとわたしの故郷」[ここち](2012/11/05 03:02)
[80] 四方山話「転生と拳法と育てゲー」[ここち](2012/12/20 02:07)
[81] 第七十八話「模型と正しい科学技術」[ここち](2012/12/20 02:10)
[82] 第七十九話「基礎学習と仮想敵」[ここち](2013/02/17 09:37)
[83] 第八十話「目覚めの兆しと遭遇戦」[ここち](2013/02/17 11:09)
[84] 第八十一話「押し付けの好意と真の異能」[ここち](2013/05/06 03:59)
[85] 第八十二話「結婚式と恋愛の才能」[ここち](2013/06/20 02:26)
[86] 第八十三話「改竄強化と後悔の先の道」[ここち](2013/09/21 14:40)
[87] 第八十四話「真のスペシャルとおとめ座の流星」[ここち](2014/02/27 03:09)
[88] 第八十五話「先を行く者と未来の話」[ここち](2015/10/31 04:50)
[89] 第八十六話「新たな地平とそれでも続く小旅行」[ここち](2016/12/06 23:57)
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[14434] 第十一話「人質と電子レンジ」
Name: ここち◆92520f4f ID:c077f100 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/02/26 13:00
美鳥の部屋のベッドに座り、部屋の中心に立っているタンクトップとスパッツだけを身に付けた美鳥を眺める。

「うー、ん……」

難しい顔をした美鳥がその表情のまま軽く拳を振る。音速を超えた拳先がパンッ、という音を立て空気を破裂させた。

続けて二撃三撃と振るう。流れるような左右のコンビネーション、更に蹴り脚も加わり常人では動きが捉えきれない速度まで加速していく。

動作は流派東方不敗の物にアレンジが加えられている独自のモノ。恐らく美鳥の中にある姉さんの因子から肉弾戦時の動きを抽出して混ぜ込んでいるのだろう。

鋭い。相手を打倒し勝利する為ではなく、最短の時間、最小の手間で障害を踏み倒し次へ進む為の技術。

格闘術を武骨さと流麗さを備えた刀の類に例えるとするならば、美鳥のそれは医療用のメスか軍用のナイフ、いや、いっそ鋏やカッターといった工具の同類とでも言うべきか。

美や威を備えず、一切の余剰を削ぎ取り只管に効率を重視したその動きは機械的でありながらどこか艶かしい。

己が現時点で表現できる最高の機能美をこれでもかと見せつけるようなシャドー。きっかり三十秒動いたあたりでぴた、と動きを止めこちらを振り向く。

「なんかさ、動くと身体が軽いのに止まると重い、いや、インパクトの瞬間だけ重いというか、重さが無い筈なのに当たった時はみっしり詰まってそうというか、ふしぎな感覚だね」

「ん、それも次元連結システムのちょっとした応用──ではなく、どっちかって言えば重力制御の応用だな。ガイバーのパンチと似た原理だと思えばいい」

重力制御装置の機能がナノマシンそのものに付加されている為、素の状態でもこういった芸当が可能となっているのだ。重力制御技能はチートトリッパーのステータスだし付けて悪いということは無いだろう。

部屋の鍵をしっかりと締め、ピーピングされないようにしっかりオモイカネにも言い聞かせてまで何をしているのかと言えば、それは全身のナノマシンを新しいものに差し替えた美鳥の動作チェック。

今まで取り込んだ技術をとりあえず美鳥の肉体に全て反映させてみたのだ。DG細胞の理論も組み込んであるため、再生能力も以前の肉体より大分マシになっているし、以前より派手に質量保存の法則を無視した大きさの複製を作り出せる筈。

更に手のひらサイズにまでダウンサイジングされた次元連結システムを体内に瞬時に生成することも可能な為、異次元から取り出す無限のエネルギーにより単位時間ごとの最大出力も大幅に上昇。いや、出力無限なら大幅に上昇もくそも無いか。

むしろ今回の更新によりボウライダーもスケールライダーも他のエンジンを積む必要がほとんど無くなってしまった。というかもう生身の方が強いんじゃなかろうか。

さらにに小型のオルゴンエクストラクター、ラースエイレムキャンセラーを搭載、これは万が一ベルゼルートが居ない状況でフューリーと遭遇した際に機体と直結して機動することによりラースエイレムの中でも機体を動かすことが可能となり安全面から考えても大変有用だ。

「で、ダメ押しとばかりに小型の光子力反応炉も搭載している、どうだ?」

「いや、もうこれは無茶苦茶だね。機体に乗る必要無いんじゃない?」

そうでもない、次元連結システムは文字通り無限のエネルギーを供給してくれるが、反応炉やエクストラクターはいくら高効率化してもこのサイズでは出力に限界がある。オルゴンや光子力に依存するタイプの攻撃はこの状態では大した威力を見込めないだろう

その他のビームや実弾兵器も口径の関係で生身のサイズでは威力に限界があるし、やはりそこら辺の武装は大型のロボットに積み込んだ方が威力の効率がいい。

今まで取り込んだ全技術をスケールライダーとボウライダーに組み込むことができれば文字通りの意味で無敵モードになれるのだが、現状ではそこまでする必要も無いだろう。

「でも、それよりなにより嬉しいのがこれだね」

難しい顔を崩し、にへら、とニヤけながら自らの胸に手を当てる美鳥。

その胸のサイズは以前に比べそれなりに膨らんでいる。今までの美鳥のサイズだと今回の追加改造に無理が出る為、全体的に身体の大きさを増して余剰スペースを確保しているのだ。

身長もわずかに伸び、身体全体の肉付きも心なしか良くなっている。この大型化により産まれた余剰スペースに様々な機能を搭載している。

まぁいきなり大きくなると怪しまれるので軽い認識阻害を日常的にかけ続け、こっそりとメディカルセンターの美鳥の情報も書き換えなければならないが、それくらいは俺達にとって朝飯前だ。

「おにーいさん♪」

上機嫌な風の美鳥がタンクトップとスパッツに手を当て隠し、手の陰に隠したまま身体に取り込み、一瞬で可愛らしいフリルやレースの付いたブラとショーツに再構成。その場でくるっと回って一回転。

「どう?」

以前は薄過ぎる肉付きのせいでセクシーな下着を付けても違和感が付きまとっていたが、それなりに発達した現在の美鳥の肢体はそれなりのエロスを演出していて実に目に眩しい。

成長したお陰でまた一歩姉さんに近づいた部分と俺に似た部分が顕著に表れてきたようで、その微妙な違いもまた男心を擽るものがある。

「ああ、けっこう色っぽいぞ」

俺の素直な感想に、にぃっと無邪気そうに笑う美鳥。そのまま隣にぴったりとくっついて座ると、俺の腕に両腕で絡みついて、胸を押しつけるようにしながら顔を近づける。

少し高めの体温が伝わり、どことなくミルクを思わせるような甘い匂いが鼻をくすぐる。唇が触れるような距離から、耳に呼気を吹きかけるように囁いてきた

「じゃあ、こうふんする?」

やや釣り目の美鳥だが、眦を下げると姉さんと瓜二つに見える。俺は美鳥の肩を抱き、そのままベッドに倒れ込み、のしかかるような体勢で覆いかぶさる。

「あ……」

押し倒される形になった美鳥が思わず声を上げ、しかし目を潤ませたままこちらに微笑みかけてきた。

「ね、ご褒美、ちょうだい?」

いつもより舌っ足らずな甘えた口調で告げ、目を閉じて唇を控えめに突き出す美鳥。それに応え軽く触れるように唇を合わせ、放す。

予想外の軽いキスに一瞬きょとんと呆けた顔をする美鳥だったが、クスリと笑ってから真似るように軽いキスを返してきた。

美鳥の顔から離れ、首筋に鼻を近づけて匂いを嗅ぐと、かすかに触れる鼻先がくすぐったいのか僅かに身を捩じらせる。

そのまま鎖骨に舌を這わせ、肌の味を確める。美鳥はくすぐったいのを堪えるような声を出しつつ、首筋に顔を埋めるこちらの頭を軽く抱きしめ、掌で髪を軽く撫でつけてきた。

「んぅ……。ふふ、おにいさん、犬みたいでかわ、ひゃっ!」

唐突に鎖骨に噛み付く。俺に可愛いとか多分20年ぐらい早い。

「人を犬扱いするやつはこうしてやる」

皮の上から歯で鎖骨をこりこりと刺激。逃れようと暴れる手足を抑えひたすらこりこりし続ける。

しばらく甘噛みを続けていると、ぱたぱたと慌てるように暴れていた手足の動きが次第に緩慢なものに変わっていった。

「やぁ、そこ、よわ、んぅ……ずるいってぇ……」

顔を真っ赤に染め、眼にはっきりと涙を溜め半泣きのような表情で途切れ途切れに抗議の声を上げるが気にしない。挑発してきたのはそっちなんだから気にしてやらない。

肉体のデザインが俺と姉さんのハイブリッドな美鳥は、俺と姉さんの弱点(もちろん性的な意味で)を両方とも備えている為、こういった行為ではどうしたって受けに回ってしまうのだろう。

しかも本人は散々俺や姉さんを誘ってはいるが、俺とも姉さんとも、それ以外の誰とも致した事が無い。圧倒的に経験値が足りないのだ。

鎖骨を噛みながらブラの肩ひもをずらし、胸の頂きへと舌を滑らせる。舌と歯で刺激を加えつつ両の手を下半身へと移動させ、腿の外側を指先でなぞる。

「ぅ……、そんなの、うゃあっ!」

美鳥が何か言おうとするが口の中で転がしている突起を齧り黙らせる。

指を腿の外側から内側へと滑らせ、徐々に上を目指すように移動させる。じっとりと湿気を吸った白い布に触れるか触れないかの位置に到達したところで指を止める。

そのまま暫く美鳥の身体を一方的に弄り続ける。口は胸から放し浮き出た肋骨を舌でなぞり、臍の中まで優しく丹念にほじくり返し、しかし一部の敏感な局部には一切触れない。

数十分も弄り回した頃には、はっ、はっ、と犬のように舌を出しながら短い呼吸を繰り返すようになり、興奮で白い肌をほのかに桜色になるほど上気させた美鳥が、熱っぽくとろけた眼でこちらに期待の視線を送ってきた。

「おに、さぁん……。お、にいさん、のぉ……」

震える手でショーツの一部を原子分解し切断する美鳥。隠していた布がはらりと捲れ、むあ、と一瞬で部屋の中にむせかえるような女の匂いが広がる。

「ここ、ここにぃ……」

欲情しきった美鳥の姿に、俺は思わず──

―――――――――――――――――――

……………………

…………

……

ベッドに座り込み膝に肘を付いて頭を抱える。ついにやってしまった、これでは姉さんに合わせる顔が無い。

最近そういう事をしていなかったから溜まっていたというのもあるし、何よりもやや成長した美鳥の姿が姉さんに重なってしまったというのが大きな要因だと思う。

いや、姉さんの言によれば本来美鳥はこういう用途に『使う』ことも想定して作ったらしいから気にしないだろうことは想像に難くないけど、これじゃ余りにも不貞だ。

「まぁ気にしない気にしない。あたしへのご褒美の一環だからノーカンだって」

「随分高く付いたって気がするけどな……」

頭を抱えてうずくまる俺の背に、後ろから覆いかぶさりながら美鳥が気楽なセリフを吐く。まぁ、次元連結システムを取り込めた手柄から考えれば安い褒美なのかもしれないが、だからってこれは……。

「大丈夫だよ。お姉さんは実際、あたしのことは愛着のある便利なハサミ程度にしか見てないと思うから」

「そう、か? 最近、つってももうこの世界きてからしばらく経つけど、まぁ最近は最近か。最近はそれなりに家族として扱ってるように見えたけど」

言いつつ、美鳥の言葉にも一理あると頭の冷静な部分が肯定する。ブラスレ世界から帰ってきて美鳥に名前を付けたことを告げた時、姉さんは最初、本気で理解できないと首をひねっていた。

姉さんにとっては美鳥は、旅の道具一式にエロパーツが付いた便利エログッズ程度の認識だったらしい。

男の子はえっちいのが溜まっていろいろと不便になってしまうらしいから、適度に『それ』を使って発散できればいいかなと思っていた、反省はしていない。そんな感じの事を言っていた記憶もある。

因みに男の子は溜まって云々のソースはやはり新聞配達員の千歳さん。毎度の事ながら碌な事をしない人だ。

今は表面上家族として扱っているし、意識の浅い部分では本気で家族だと思っているだろう。しかし根っこの部分では、やはり家族として扱っているペットか何か止まりなのだという予想も簡単に付く。

それは決して悪いことでは無い。便利に使い潰す為の道具に愛着が湧いて、不便に大事にするようになってしまったら本末転倒、むしろ見方によっては美鳥を家族の一人として扱う俺の方がおかしいのかもしれない。

「お兄さんが大切に、それこそ人間みたいに、妹みたいに扱ってくれてるのも嬉しいんだけどさ、やっぱりあたしの本質はお姉さんの思っている通りのモノなんだよ」

背中に覆いかぶさっている美鳥が両腕でこちらの身体を軽く抱きしめながら呟く。振り向かないと顔が見れないが振り向けない。今振り向くのはマナーに反するような気がする。

「だからさっきみたいに、あたしの持ち主であるお兄さんが、おもちゃみたいに好き勝手弄りまわして遊んでくれるのも、すっごく嬉しいし、満たされて、幸せ。だから──」

ぎゅう、と抱きつく腕の力が強くなる。

「あったかくて冷たくて、優しいのに意地悪なお兄さん。これからも、あたしをいっぱい使い潰して。ね?」

力いっぱいしがみ付いてくる美鳥の腕を撫でながら、ただ頷きだけを返した。

―――――――――――――――――――

ズルイ手を使ってしまったかもしれない。少しお姉さんに近づいた体の肉付き、少しだけお姉さんに近づいた顔の造り、少しだけお姉さんに近づいた声の音域。

何もかもが少しだけお姉さんに近づき、前より少しだけお兄さんを身近に感じる身体で、意識してお姉さんの仕草を真似た。微細な筋肉の動き、神経を走る信号まで可能な限りトレースしている。

人間に擬態するにあたっての生体データのモデルも当然お姉さん。多分体臭から声まで中学校時代のお姉さんに似せていたと思う。

身体の素材、機能、構成はお兄さんが全て決めたが、運用方法はあたしに一任されているのだし、お姉さんから離れて久しいお兄さんのせめてもの慰めになれればと──

いや、これは只の言い訳かな。ナデシコに乗っていると下手にお兄さんにひっついていられないし、お風呂だって一緒に入れない。

寂しかった。それでも我慢できないレベルでは無かったけど、お兄さんに取り込まれて身体を再構成する途中で、不思議な現象が起こって耐えきれなくなった。

お兄さんとお姉さんの行為、元の世界で夜な夜な行われていたその情景を、お兄さんの視点で見せられた。いや、共感したとでも言うべきか。

お姉さんの身体を貪る時のお兄さんの心、お姉さんにいろいろされている時のお兄さんの感情、そういったモノを嘘偽りの無い形で体感させられてしまった。

そしてそれ以外、あたしと接している時の心も。ご飯を食べている時、料理を手伝った時、遊んだ時、訓練の時、お風呂の時、みんなで一緒に眠った時。とても温かいその生の感情を実感した。

親しみはある、家族、妹のようなものという言葉に嘘偽りは一切無い。しかしお姉さんへのモノとは決定的に違うそれを見た時、あたしはお姉さんやお兄さんから引き継いだものの中で、未だにはっきりと実感できていなかった感情を自覚してしまった。

そうと知れない部分でお姉さんの真似をして、お兄さんに感知できないレベルの魔力運用で魅了の魔法までかけてお兄さんの動物的本能のようなものを後押し。

はっきり言うと、お兄さんから押し倒してくれるように誘惑した。そしてそれは見事に成功してしまった訳で、お兄さんは少し困惑気味。困惑気味だけど、今もすがりつくあたしの腕を優しく撫でてくれている。

優柔不断ではない。もしどちらかを選べと言われたら一切の躊躇なくお兄さんはあたしを切り捨てる。お姉さん一筋、それだけははっきりしている。お兄さんの行動の理由は結局のところそこに帰結するのだから。

使い潰してと願い、頷いてもくれたけど、それでもお兄さんは自分からあたしを使おうとはしないだろう。無理に押し倒しても拒否されるのも分かる。今回の事は運が良かったというのが大きいし。

これで何かが変わる訳が無いなんて百も承知だ。でも、それでも、あたしは、鳴無美鳥という一個体は──。

あぁ、考えが支離滅裂になっているのが自覚できる。肉体を再構成したばかりだから思考を司る機能が上手く回っていないのかもしれない。

一眠りして頭の中身が整理されれば、きっと今考えていることだって綺麗さっぱり黒歴史認定できる。お兄さんには悪いけど、この背中で少し眠らせて貰おう。

お休みなさい、お兄さん。起きたらきっと元通りのあたしだから、それまで少し我慢してね?

―――――――――――――――――――

■月□日(今宵のボウライダーは一味違うかも)

『甲児とさやか、そして統夜があしゅら男爵にさらわれてしまった。戦争が激しくなってきたので学校が一時的に閉鎖されるという知らせを聞いた三人は、閉鎖される前に最後に様子を見に行こうという話になったのだ』

『貴重な戦力なんだから護衛なりなんなりを付けるべきではないか、などというのをスパロボ世界で言っても始まらないのでスルーしておくにしても、これは少し間抜け過ぎるというか、タイミングが悪すぎるのでは無いだろうか』

『学校について行くのは面倒なのでご免だが、できればその学校周辺の商店街の名物っぽいトライデント焼きや、学校にパンを卸している店を見つけて爆熱ゴッドカレーパンを確保しておきたかった』

『確保しておきたかったが、戦争が激しくなってきているし、行ったところで店が開いているか分からないからやめておいた。これもエンディング後にでも探しに行こうと思う』

『そんなこんなで空いた時間に整備班の人たちに手伝って貰って内職の仕上げをしておいた。ボウライダーとスケールライダーの追加武装の作成だ』

『殆どありもののパーツ(といっても、以前ナデシコの整備中に外出して外から送り込んだ物だが)を組み立てるだけの簡単な作業だが、複製を作り出すのとは違い手間も時間も掛かって苦労した。しかし御蔭で完成品は中々面白いものに仕上がった』

『ついでに速射砲にも別の追加パーツを取り付けておいた。以前のものよりも重くなったが、そも今のボウライダーは馬力が元のモノとは段違いに上がっているので問題は無い』

『これから三人と相良宗助に千鳥かなめ、ついでにその他人質三百人位の救出作戦、俺達はザフト相手に暴れてあしゅら男爵の注意を引く囮役だ。この追加武装を使って、そこら中で派手にやってやろう』

―――――――――――――――――――

メガブースターを三つ付けたボウライダーで海面スレスレを飛行する。誰よりも先に出撃し誰よりも敵に近い位置に陣取りそして今の俺の移動速度は誰よりも速い!

海中のゾノの集団目掛け速射砲を乱射、水の抵抗で僅かに威力の落ちた砲弾はしかし、減速してなお有り余るその破壊力によって敵集団を大破寸前のスクラップへと作り替える。放置しても水圧で勝手に潰れるだろう。

「俺の機体はぁッ!」

水中、普通なら死角にあたる場所から水しぶきを上げながら体当たりを仕掛けてきたグーンを踏み台に上空高く跳びあがる。

跳んだ先の空にはディン、一瞬で距離を詰めてきたこちらにひるまず散弾を放ってくる。流石はコーディネイター、反応の速さはぴか一、判断力も悪くない、古参兵ってやつか?

「無敵!」

しかし残念な事にMSの手持ち火器の散弾程度ではバリアすら抜けない。速射砲を投げ捨て回転鋸型のブレードを展開、更に超電磁フィールドでコーティング、煌きつつも暴力的な速度で回転を開始する刃を突き付ける。

後ろに引き下がりながらランチャーを撃とうとするディンに追いすがり、鋸の刃を見せつけるように頭部モニタにゆっくりと近づけ、触れる寸前で一気に唐竹割り。左右に分断され空中で爆発するディン。

「素敵!」

再び海面まで降りようとすると、足元からブースターを吹かし、突撃銃を乱射しながら近づいてくるジンが一体。

「ナチュラル風情がぁー!」

ハイネうるさい、なんでオープン回線なんだあんたは。さっさと退場して新曲のレコーディングでもしてろよ。

効果が無いのを見てとったのか突撃銃を投げ捨て重斬刀で切りかかってくるジンを、肩に新たに取り付けられた歪で巨大なクローアームで鷲掴みにして捕える。

巨大なクローアームが、ジンを握り潰すように締め付け、その鳥の鉤爪のような鋭い尖端がミシミシと音を立てて装甲を押し破りながらめり込んでいき、心地よい断末魔の悲鳴がスピーカーから溢れ、そして聞こえなくなる。

めり込んでいた爪先を引き抜き、束縛から逃しても動かないジン。クローアームの、人間で言うなら掌に当たる部分に埋め込まれた機械を起動。巨大な掌の上のジンが一瞬にして真っ赤に赤熱しながら膨れ上がり、破裂した。ドロドロに溶けた金属が海に落ちゴボゴボと海水を蒸発させる。

「か・い・て・き」

流石ドイツ製の業務用電子レンジを元に作っただけのことはある。まぁ出力を無理やり上げても大丈夫なように大分作り替えたから基はどんな電子レンジでもよかったのかもしれないが。

ブラスレ世界で取り込んでから今まで使う機会が無かったが、やっと家電から武器を作ってみるプロジェクトのスタートラインを切れた。

あとはハンドミキサーを残すだけ、スタートラインからゴールにすぐ手が届くのは中々手軽で良い企画だ。元の世界で何か思いついたら隣町のケー○電気かヨド○シカメラにでもウィンドウショッピングに行くのも良いかな。

しかし、溶けた敵の機体の飛沫がクローアームについてしまう。接触させるのではなくぎりぎりまで接近しつつも距離を空けるのが正しい使い方だったか? 要練習だな。

クローアームをブンと乱暴に振るい、融けてこべり付きそうな金属を掃い落とす。

「み、ミゲルぅぅぅ!!」

イージスから悲痛な叫びが聞こえるが無視、一気に全滅させても囮の役目を果たせないので一旦後退。背後からビームライフルで追撃されるが適当に機体を左右に揺らすだけで簡単に外れてくれた。

錯乱した状態で焼け糞気味に乱射なんかするからだ。さっきのディンのパイロットの方がよほど質が高かったような気がするのだが、やっぱり調整に高い金賭けた方が優秀だという偏見でもあるのだろうか。

ついでなのでこいつも適当に料理しておこう。慣性を無視して一気に進行方向を反転、うろたえ反応しきれないでいる内に超電磁電動鋸とレーザーダガーでイージスの手足をバラバラのサイコロステーキに、残った胴体を蹴り飛ばして改めて後退。

なんだかこれまたオープン回線でキラに捨て台詞を吐いて撤退していくほぼダルマなイージス。あんな状態で良く飛ぶもんだ、以外と性能は悪くないのかもしれない。

そのまま海中に潜り投げ捨てた速射砲を回収する。しかし先程のアスランの叫び、いったいなんだったんだろうか。

「ミゲル、一体何者なんだ……」

西川声だからまだ未熟なハイネが混じってたもんだと思ってたんだが……。人違いだろうか、ダメだなぁあの凸野郎は、クルーゼから指揮権を預けられているのに味方の名前も覚えきっていないなんて。

敵指揮官の未熟を嘆きながらも速射砲の位置まで移動し回収する。腕に装着し直そうとした瞬間、岩陰に潜んでいたグーンが魚雷を放ってきた。頭が凹んでいるからさっき踏み台にしたやつかもしれない。

面倒臭くなって思わず機体越しに念動力発動。視界に入っていた魚雷とグーン、その向こう少し離れた場所に居るゾノ。それらを含む海底全てが歪み、うねり、爆発した。

海底の岩や魚や海藻や地面自体も全て粉々に粉砕されている。念のためにレーダー確認、周囲に味方機影無し、それなりに深い海底なので映像にも残らない。

改めて速射砲を装着、敵から一定の距離を保ちつつ一息ついてさぼっていると遅れてやって来たブレン、シャイニングがようやく追いついて来た。

「ヘイ大将、いくらなんでも飛ばし過ぎだぜ」

「しかし単騎でエース級の機体を仕留めたか。流石、猿真似程度とはいえ流派東方不敗を使うだけのことはある」

「いや悪い悪い。陽動だから目立たないといけないと思ったから、ついな」

色グログラサンに注意されドモンにツンデレ気味な褒められ方をしてしまった。しかし、どれがエース級だったんだろうか。

まずジンは除外。海での戦いなのに空中戦も海戦もできないような機体で出てる時点で判断力は並み以下、数合わせで出された新兵の可能性すらある。次にゾノ、これも見るべき点は無かった。というか印象に残らなかった。

アスランの乗るイージスは……無いな、これは無い。何かアイテム落としてったけど撃墜してないし、ついでに言えば中身は金持ちのボンボンだ。ここまでこれといった戦果も出していない新人をエース呼ばわりはありえない。

死角からのばかり狙ってきたグーン、これも惜しい気がするが除外。死角から不意撃ち狙いとかは地力で劣る場合に取る行動では基本中の基本、自信過剰な者が多いザフトの中では珍しいがそれだけだ。

なるほど、撃墜したエースとはあのディンのことだな。こちらの行動に一々的確に対応しようとした小器用さは中々のものだった。一般兵のステータスが均一になっているゲームでは登場できなかった無名のエース的な存在なのだろう。

しかしエースなのにあんな軟いカトンボみたいなディンに乗せられるとかあんまりだ。ザフトって中々に厳しい職場なのかもしれんな。もうちょっと良い機体は用意してあげられなかったのか?

「わかってなさそうなので補足しておきますね」

ぼんやりと敵の職場環境に思いを馳せていると、ナデシコのしまじろうから通信で注釈が入った。

「一体だけ混じっていたジンのパイロット、通信の内容から察するに黄昏の魔弾の異名を持つザフトのエースだったようです。……いっぱい居るんですけどね、ザフトの二つ名持ちのエースって」

なんと、ハイネにはそんな二つ名が存在していたのか、また一つ勉強になった。種運命は視聴したのが大分前だからそんなに覚えて無いんだよなぁ。

「解説乙だ。後で好きなだけジャンクフードを奢ってあげよう」

「ありがとうございます」

無表情のままモニタの向こうでぺこりとお辞儀をするしまじろう。そこにテンカワが通信で割って入ってきた。敵があまりナデシコに近づかないからヒマなのかもしれない。

「ダメだよ卓也。ルリちゃんせっかく最近は食堂でご飯食べるようになったんだから」

「ジャンクフードだって人間の英知の結晶だと思うんだけどなぁ」

肩を竦めて首を横に振る。そこまでジャンクフードを毛嫌いされると少し哀しくなってしまう。ああいう食い物だってメーカーの人が試行錯誤して作っていることには変わりないんだから差別するべきではない。

しかし、海なのに一人だけジンに乗せられるエースか……。ザフトの中ではいじめも横行しているのかもしれない、エース様ならジンでも水中戦余裕っすよねー、みたいな。

周りの人間がそんな奴ばかりだから戦闘中もオープン回線で叫んでいたのか、寂しかったんだな。奴もこの戦争の犠牲者だったということだろう。

しみじみしつつレーダーを再確認、コンVとボルテスのマーカーが敵陣に迫り、ザフト機の反応が次々と消滅していく。海中の敵が多い為SPTは前に出ず、エステ隊はナデシコの周辺に近づいた機体を処理していっている。

美鳥のスケールライダーは……、居た。敵陣の外周をうろちょろしてる。あいつ、新武装を撃つタイミングを見計らってるな?

ギリギリまで射線を見極めて、あの位置だとテックランサーで奮戦してるDボウイが邪魔になるな。移動するのか? しないな。しないよなそりゃ。

あ、撃った。おお凄いなDボウイ、不意撃ち気味に敵ごと撃たれそうになったのにギリギリでちゃんと回避したよ。テッカマンの超反応あればこそってやつか。

「凄まじい威力だな」

ドモンも思わず唸るボウライダーの新兵器、両翼の半ばに設置された重力ブレードから発射されるグラビティブラスト。重力制御装置がキモになる武器だから実は重力ブレードは要らかったりする。

見事に命中した敵母艦が爆散していき、周辺を飛びまわっていたMSも巻き添えで数機撃破された。派手だなー、俺今回雑魚を少し散らしただけなのに美鳥はあれか、俺ももうちょい頑張んなきゃな。

「おいおいおい、今Dボウイごと撃とうとしなかったか?」

「ひぇぇ、美鳥ちゃん容赦無いねー」

一部の詳しい状況が見えていた人に恐れられてしまったようだ。一応フォローしておこうか。

「あれはDボウイなら上手く避けれるという信頼の表れだな。肉体言語で語り合った仲だから信頼関係が生まれているんだよ」

アームロックという肉体言語を使うことにより言葉では表せないあれな感じのそれを見事に伝えた美鳥に隙は無かった。

いかんな、これはフォローしてると言わないんじゃあるまいか。自分の言語機能に少し不安を覚える。

「あれは、肉体言語で一方的に語り聞かせてたんじゃないかしら……」

「反撃出来て無かったしな」

冷静なアキさんとノアルさん。流石に弁護のしようも無いぜ。

―――――――――――――――――――

その後、合流したドモンと電影弾撃ったりボルテスとダブル超電磁斬りしたりしつつさらっとザフトを殲滅。小島に燃料切れで不時着してる風を装っていると、しっかりと騙されたあしゅら男爵がのこのことやってきてくれた。

機械獣軍団相手に手も足も出ない(ように演技している)俺達、絶対絶命の大ピンチ!

狭い小島の上をローラーを廻しひたすら逃げ回るボウライダー。他の機体も適当に撃墜し過ぎない程度に反撃や回避を繰り返して時間を稼いでいる。

「くそう、ぼうらいだーがたまぎれじゃなきゃあんなやつらー」

超棒読みで危機感を演出する俺。ちら、とモニタに映るドモンに次はお前の番だと目くばせ。

嫌そうな顔をしつつも作戦の為と仕方なさそうにコックピット内に貼り付けておいたメモをチラ見しつつ音読するドモン。

「お、おのれ、しゃいにんぐが全快ならこのようなやつらあっというまに」

微妙に頬を染めながら下手くそな演技を一生懸命こなしている。まぁこんな演技しなくても敵に回線を開かずにいる今の状況なら適当に逃げ回っているだけで済むのだが、見事に騙されてるなぁ。

モニタに映る美鳥がしかめっ面をしているが、よく見るとフルフルと細かく震えて笑いを堪えているのがわかる。

もうそろそろ6分経つかどうかという頃合いでナデシコから通信。ミスリルが人質の救出に成功したらしい。

さぁ、レクリエーションはここまで、あとは楽しい楽しい狩りの時間だ。

「ドモン? 敵に通信が繋がっているわけじゃないから演技なんてする必要は無いのよ?」

「なんだと? おい、鳴無貴様ぁ!」

レインさんのツッコミに怒声を上げるドモン。演技で無駄に労力を使わせてしまったな、だが私は謝らない。

あれこれ言われる前ににやりと笑いだけ返して通信を切った。こんな冗談騙される方が悪い。

重力制御装置出力調整、ボウライダーを浮かび上がらせ全ブースター点火。目前まで迫っていた機械獣軍団に肉薄、殲滅戦を開始した。

―――――――――――――――――――

ザフトを迎撃してからあしゅら男爵がやってくるまでに全ての機体が補給も応急修理も済ませてしまっていたので戦闘はあっという間に終わった。

まさにスイーツ。あの程度の戦力でこちらに攻撃を仕掛けてくるとは片腹痛くて臍で茶が沸いてしまう。

ナデシコに着艦し、ブリッジに戻るのも面倒なので格納庫で時間を潰していると、後ろから近づいて来ていたウリバタケさんにメガホンで頭を叩かれた。

「鳴無ぃ、あれ使う時は敵掴みっぱなしで使うんじゃねぇって言っといたろぉ?」

こめかみに血管を浮かばせたウリバタケさんが親指で指し示す先では取り外された大型クローアームに整備員が数人とりつき、こべり付いた金属を剥がす作業を行っている。

もともとは融けた金属がこべり付いて塊になって酷い有様になっていたのだが、あしゅら男爵の潜水艦を落とすどさくさで内側から取り込み、表面に少しだけこべり付いている形に仕上げ直したのだ。

数時間しない内に再出撃だからささっと剥がせるようにしたのだが、あれでも常人では苦労するらしい。次回からはきっちりと運用法を考えて使うことにしよう。

「いやー、うっかりしてました。でも凄い威力だったでしょ?」

「木星トカゲの虫型相手にゃ使いでがねぇけどな。それなりに大型の相手なら有効だろうよ」

「今がそういう状況だから使ってるんですよ。MSにも機械獣にも効いてたんですからいいじゃないですか」

「まぁ、そりゃそうなんだけどよぉ……」

苦虫を噛んだような表情で整備指揮に戻るウリバタケさん。この新兵器はあまりお気に召さなかったようだ。

まぁ威力はともかくあんな形にしたのは完璧に俺の趣味だから仕方がない。そも威力云々で言うなら今のブレードだけでも接近戦は十分な訳だし。

悪魔の手指のように刺々しい形をしたクローアーム、重力制御装置を積んでいなければ直立ができなくなる程巨大なそれが、10メートル弱のボウライダーの肩から生えている。確かにメカニックからしたら頭の痛くなるような光景だろう。

通常のMSならそのまま握り潰せる程の馬力を備え、拳のように握り込み殴りつけるだけで敵のフレームは拉げる。

そして掌に埋め込まれた巨大強化電子レンジ、種のサイクロプスとかギアスの輻射波動の親戚のようなものだ。運用方法は紅蓮二式とかを参考にすればいいとさっき気付かされたトンでも馬鹿兵器。

それこそ小型の敵を大量に出してくる木星トカゲには利かないのであれだが、MSや機械獣、そして多分獣士相手にもそれなりに使える兵装である。

今回は直前で握りつぶしてから留めに使用したが、本来なら敵は断末魔の悲鳴をあげる暇さえ無く膨張・破裂して死ぬ。まぁそんなエグい兵器を気にいる奴もなかなか居ないが、どうせ洗浄くらいしか任せる部分も無いのでそこら辺は我慢して貰いたい。

クローアームに付いた汚れを洗浄している整備の人たちを眺めボーっと考える。

統夜にはこの間発信機を飲ませたから今から助けに行こうとすれば勝手に行けるんだよなぁ。でも今回は特に見所のある話でも無いし助けに行っても旨味は少ない。

ラムダドライバ搭載機が居るが、念動力で代用が利く上に自軍にも似たような機体がすぐ合流する。どうせ先に出ても数分の違いでしか無いし、どうするか。

考え込んでいると、通路から三人娘と美鳥が手を振りながら近づいて来た。これは何かありそうな予感、とりあえず話を聞いてみようか。

―――――――――――――――――――

通信施設に居た為にミスリルの救出部隊とすれ違ってしまった5人は、ガウルン操るラムダドライバ搭載ASに追い詰められるも、ガウルン機の新型機ゆえのマシントラブルにより辛くも逃げのびることに成功する。

囮になるから皆は逃げろと言った相良宗助と兜甲児を千鳥かなめが説得し、紫雲統夜に弓さやかを合わせた5人で力を合わせ、海岸近くまでの移動に成功。隠れるのを止めて森を抜け、海の見える場所に出ていた。

「うわっ、あんなにいっぱいいるんだ」

見晴らしの良い平地から、そこに大量に配置されている傭兵のAS部隊を見て顔を少し青ざめさせながら驚くかなめ。

「発見されるのも時間の問題か……」

「ま、あそこにいたってどうせ見つかってたしな」

冷静に状況を分析する宗助と、進むしか無いと開き直る甲児。

「まだまだ。あきらめてたまるもんですか」

「そうよ!」

「ああ。行こう」

気合を入れるさやかとかなめと統夜。全員服もボロボロで疲労困憊だが、その眼はまだ希望を失っていない。なんとしても生き残る、という強い意志の光に満ち溢れている。

しかしそうそう話は上手く行かない。空には海岸を目指す5人に迫る巨大な陰、あしゅら男爵の駆る飛行要塞グール。

マシントラブルによって5人を逃がしたガウルンであったが、あしゅら男爵へ通信を送り追撃に出るように仕向けていたのだった。

「甲児くん、あれ!」

「グール! あしゅら男爵か!?」

「俺達をここへ連れてきた飛行要塞か。発見されたようだな」

空に浮かぶ威容を忌々しげに睨みつける。そんな4人とは別に、全く逆の方向を向く人間が1人、ウィスパードの千鳥かなめ。

何者かに囁かれたか、それとも突っ込み担当にありがちな野生の勘か、彼女は誰も気付かない異変に気付く。

「あれ、何かしら……」

訝しげな表情でつぶやく。彼方の上空に見える小さな点、それがどんどん大きくなっていく。

速い。目を凝らしても青空の中に文字通りの点でしか見えなかったそれは、数秒経たず歪な人型へと変わり──

「ふふふ、見つけたぞ兜甲児め。ガウルンのい、ぎゃぁぁぁ!!」

落下の勢いを殺さず飛行要塞に激突、地上へと墜落させた。

呆然とする5人、地面に墜落した飛行要塞の中からは巨大な羽虫の大群が飛びまわるような音と、耳を劈くような金斬り音が絶えず響き渡り、その度に地に落ちた飛行要塞に細かい穴がいくつも空いていく。

そしてその奇怪な現象が起きている山の麓の反対側、先ほど飛行要塞に激突したものに比べ丁寧に着地したASが2機。ミスリルのM9だ。

「いぃぃぃやっほう!! こちらウルズ6、着地成功! ターゲットも全員ここにいるぜ!」

「ソースケ、しぶとく生きてるわね! 助けに来たわよ!」

同じチームの人間の呼びかけで正気に戻った宗助が小型の通信機で問いかけた。助けに来たことに安堵してはいる、感謝の言葉や状況の報告もするべきだろう。しかし、先にこれだけでも確認しておきたいという欲求を優先した。

「こちらウルズ7、二人より先行した機体は居るか?」

「うちらは出して無いけど、あっちの連中から三機先行させたって話は来てるわ。一機が先行して露払いをするんだってさ」

「ネルガル雇われの腕っこきの傭兵らしいぜ」

あれがなんであれ、味方であるならば問題は無い。ほう、と安堵に胸を撫で下ろす宗助。

そのやり取りを聞き、落ちてきたのが誰かわかった甲児とさやかの顔も明るくなり、詳しくは分からないがなにはともあれ助かる目途が立ってきたのだと安心した顔のかなめ。

しかし、統夜だけはどこか落ち着かない様子だった。2機のASから目を離し、今にも爆発しそうなほど激しく燃え上がる飛行要塞に振り返る。

背筋がざわつく。あそこに居るのは味方、火星に行く前からの付き合いで、初めてベルゼルートに乗った時もフォローしてくれて、訓練では戦い方も教えてくれて、悪ノリもすれば冗談も言うけど、でも時折相談にも乗ってくれる頼りになる先輩のような人の筈なのに、何故ここまでざわつくのか。

閃光。飛行要塞を内側から食い破り極太の熱光線が吹き出し、空いた大穴からゆっくりと姿を現す影。

飛行要塞内部の炎に照らされ純白の装甲は紅く染まり、肩からは悪魔のような禍々しい鉤爪のある巨椀を生やし、その鉤爪に自らの倍近い大きさの機体を鷲掴み、普段二丁の速射砲を持っている腕には身の丈ほどもある巨大な長銃を携えている。

凶暴な獣性と狡猾な理性を、戦う者の非道な一面を、慈悲無き酷薄な戦闘の真実を、悪意を持って具現化したような異形が、そこに存在していた。

―――――――――――――――――――

地上に墜落したであろうグールの中でむくりとボウライダーを起きあがらせ、呟く。

「これぞ強化ボウライダー新必殺、江ノ島キック(仮称)……!」

御姫さん超リスペクトである。威力で劣るが島を吹き飛ばすと統夜達が助からない為に自重しているので問題無し、とりあえず目障りなグールに命中させておいた。

三人娘が美鳥と共に言ってきた作戦は、統夜達の居る島まで部隊内で一番脚の速いスケールライダーに乗せていって貰い、超高高度から接近することにより全ての敵をスルーして一発で合流するというもの。

……作戦? これは作戦ではなく作戦(笑)という物に分類されるものだと思う。まぁそれはともかくとして、輸送形態で機体を乗せるとなれば一部武装が使えなくなるし、一発で統夜等と合流出来なかったら棒立ちのベルゼルートを守りつつスケールライダー単体でしばらく戦わなければならなくなるという問題点を指摘されたとか。

で、それならボウライダーも載せていって、ついでに途中で先行して露払いをして貰えばいいんじゃないか、という提案を美鳥がしたら何故か艦長達に納得されてしまったらしい。

何はともあれ現在無力の統夜にベルゼルートを当てがってしまえば5人の危険度も下がるという判断もあっての決断らしい。先行した俺が先に統夜の位置を見つけてスケールライダーとベルゼルートに知らせれば一石二鳥でもあるとか。

ここまでそれなりに戦果をあげ、今では俺と美鳥で撃墜数一位二位を独占してしまっているからか何故か戦力としての評価も高い。御蔭で俺達なら多少無茶でもどうにか出来てしまうだろうという評価を貰っているのだが、良いように使われているようで少し気に食わない。

ラダムに察知されるかされないかギリギリの高度で飛行して島の近くまで移動、超高高度から落下することによる重力加速度、重力制御装置で自らに掛かるGを大きくすることにより尋常ならざる速度で落下。ダメ押しにブースターで地面目掛けて再加速。

当然この落下の瞬間だけはボウライダーの素材を大きく作り替え、大気圏外からの自由落下にすら耐えきる超合金ニューZαを更に強化した素材に変更済み。こうして見事にグールを一撃で撃破したのだ。

今は回想しつつごうごうと燃え盛るグール艦内で破壊活動中。逃げまわる仮面だか兜だかをかぶった兵士風の連中を轢き潰し走り周りながら速射砲を乱射、回転鋸ブレードを振り回し隔壁を切り開きながら外を目指す。

脱出を促す警告音を鳴らす艦内を突き進むと、大量の機械獣が納められた格納庫に到達した。その機械獣に紛れ一つだけセンスの違う、いや、アレンジの仕方だけが同じセンスの機体が。

全身を鋲でデコレーションされた趣味の悪い片目のマジンガー、あしゅらマジンガーだ。こちらに拳を向けロケットパンチ──と思ったら指を突き付け外部スピーカーで何か喋り出すあしゅら男爵。

凄い、隙だらけだ。

「おのれ一度ならず二度までも、このあしゅらマジへぶぁぁ!」

口上の途中でパイルダーの代理が居座るマジンガーの頭部に速射砲を叩きこむと、ガクンと揺れるあしゅらマジンガーの頭部。固定が甘かったのか代理と共に見事にあしゅら男爵が放り出され無人のマジンガーが残された。

今さらマジンガーっても戦力としては微妙だが、ついでだから貰って行こう。肩部大型クローアームで胴体を鷲掴みにして持ち上げる。

このままだとパイルダーが無いな、適当にでっちあげるか。ボウライダーと深く融合、機体表面から触手を生やし、その先端からマジンガーZのパイルダーを適当に鋲でデコレーションして複製、頭部にドッキング。

ついでに触手をマジンガーの中に潜り込ませ自爆装置の類が付いていないかチェック──杞憂だったらしい。奪うことは考えても奪い返すことは想定しないらしい。

「じゃ、ありがたく貰ってくぜ」

両手の速射砲をドッキングさせモードチェンジ、大出力の荷電粒子砲で壁に風穴を開け、燃え盛るグールの艦内から脱出した。

―――――――――――――――――――

グールから出ると、少し離れた所に統夜、甲児、さやかの姿を確認。ついでに相良軍曹とウィスパードも居る。少し離れた海岸にはM9の姿も。

ぱっと見大丈夫そうだけど、とりあえず通信で全員ちゃんと無事か確認しなきゃな。怪我してる奴が居た時の事も考えて治療用の道具一式も持ってきてるし。

ローラーダッシュで5人に近づき、通信を繋ぐのも面倒なので外部スピーカーで対応。

「見て分かるだろうけど、助けに来たぞー。あと甲児、ナデシコが来るまでとりあえずこれに乗りな。見てくれは悪くなってるけどこの状況じゃ無いよりはマシだろ?」

クローアームで持ち上げていたマジンガーを脚元にそっと降ろす。

「こりゃあ、マジンガーZ! 取り返してきてくれたのかよ!? へへ、さっすが卓也さんだ」

おまえのために、はやおきしてマジンガーZをよういしてきたんだ。まぁ成り行きだったけどな、しかも鋲打ちっぱなしの悪役仕様のままだし、片目が潰れてて光子力ビームは威力半減だし。

横倒しになったマジンガーZの頭部に甲児が近づき、よじ登ってスクランダーに乗り込む。これでまず一人安全確保、戦力も少し増強。

次は、あちこちから血をだらだら流しているこいつか。

「お久しぶり軍曹、治療の道具は要るかい?」

「鳴無か。用意がいいな、感謝する」

「これで前回の援護の借りは返したってことで。お嬢さん達は軍曹の手当てを宜しく」

ボウライダーをしゃがませて、荷電粒子砲を持っていない方の手を差し伸べ、その指先にいつの間にか括りつけておいた救急箱を差し出す。

すぐさま弓さやかともう一人の女、多分千鳥かなめがそれを受け取り、自分で治療しようとする相良軍曹を押さえつけて治療を開始した。

あとは統夜だけなんだが、こいつは周辺の敵をどうにかしないと機体を下ろせないからな。さっきから変な表情でぼーっとこっち見てるし、助けが来たから緊張の糸が切れたのか?

「統夜」

「え、あ、はいっ!」

授業中に居眠りしていた所を指名された生徒のようにビクリと飛びあがる。本当に大丈夫なんだろうか、まぁ最悪でも敵の攻撃から自分で身を守れる程度に動いてくれればいいか。

「もう少ししたらベルゼルートも届くから、気合い入れておけよ」

「分かりました。あの、ありがとうございます。助けに来てくれて」

「感謝するなら3人娘に言えばいいと思うぞ? あの3人が提案しなければわざわざ先行して助けに来たりしなかった訳だしな」

それでも十分間に合ったのは間違いないだろう。今回のことは、なんだろうな、気まぐれ?追加武装の出来も良かったから新鮮味がある内に使いまくりたいってのもあるし。

先行すれば山ほど機械獣と戦える、ザフトのMSよりは手ごたえがあるだろう。戦い方ならAS乗りの本物の傭兵達も巧そうな印象もある。

とりあえず足元のこの位置をマップにマーキング、踏みつぶさないように気をつけて戦おう。ついでに統夜の位置情報ってことでこのマップをスケールライダーとベルゼルートにも送信。

周りは海の側以外全てASか機械獣に囲まれている、適当に撃っても何かの機体には当たりそうだが、観客も居ることだしできるだけ丁寧に片付けて行こう。

マジンガーを渡したり救急箱を渡したりしている間にも機械獣とASはどんどん近付いてきているし、手近な奴からどんどん潰してしまおうか。

「こっちは準備完了だ! さぁて、今までの借りを返してやるぜ!」

「こちらウルズ2、わざわざ単騎で先行して来たからにはそれなりにやれるんだろうね?」

「あんだけ派手に登場したんだ、見かけ倒しでした、なんてオチは勘弁しろよ?」

マジンガーZとM9から通信、前回ミスリルと共闘した時は殆ど援護しかしなかったからどの程度の腕前か分からないというのもあるのだろうけど、随分と舐められたものじゃないか。

こちとらゲームバランスも糞も無いような超魔改造機体と、文字通り人間離れしたステータスの持ち主、そこらのバランスのいい性能の機体やパイロットとは一味も二味も違うって所を見せつけてやろう。

山側へ少し踏み出す。破壊したグールの残骸からわらわらと湧き出し、ガシャガシャと金属音を鳴らしながらこちらへ駆け寄ってきている生き残りの機械獣軍団。

ボウライダーの片腕に提げていた荷電粒子砲を分解、速射砲に戻し、改めて横に束ねて接続、迫る機械獣の群れの真ん中辺りに砲口を向ける。

ASを潰すよりは機械獣を潰す方がデモンストレーションとしては派手で見栄えがいいだろう。経験値も資金も努力と幸運で更に倍、お得だ。

【卓也・精神技能・発動・愛・成功】

予め自らに刷り込んでおいたシステムメッセージが脳内に表示され、文字通りの必殺必中が約束される。

これは精神コマンドを発動する為の自己暗示に過ぎないので、場合によっては『この感情、まさしく愛だぁぁ!』とかでも構わないのだが、とりあえず汎用性の高いこれにしておいた。

このスパロボ世界に元から居る住人ならこんな自己暗示に頼る必要も無く、必要な時に無意識に発動するようだ。自分が異邦人であることをまざまざと思い知らされているようで、なんとも言い難い気分になる。

「それなり、ってのがどの程度を指すのかは知らないけど、そうだな、例えば……」

搭乗機体への融合同化開始──完了。機体内部構造再構成開始──完了。

オルゴンエクストラクター、光子力反応炉、機体内部への組み込み完了、共に正常に稼働中。

エネルギーバイパス接続、チャージ開始、三、二、一、チャージ完了。

重力制御装置超過稼働開始。目標、山の方に居る機械獣軍団纏めて全部。

発射。古い特撮の怪獣が発する甲高い叫び声のような音を発しつつ、強力な重力波の奔流が周囲の地形を抉り作り替えながら進む。

頑強なフレームを持つ筈の機械獣達が歪み潰れ、少し遅れて爆発した。機械獣の向こう側の山まで崩れてしまっているが、人質は全員救出したらしいので周辺被害は気にしない。

「これぐらいかな?」

「……ヒュゥ、馬鹿げた火力だぜ」

「十分過ぎるわ。引き続きよろしく」

重力制御装置へのエネルギー供給を平常のレベルまで下げ、機体の姿勢制御にのみ割り振る。

重力波砲を撃ちっ放しにして砲口を横に動かすだけでAS群も粗方片付けることもできたが、それではせっかく先行しての露払いを引き受けた甲斐が無い。

連結させていた砲を分離させ、元の速射砲に戻す。とはいえこれも今回は控えめにしか使うつもりは無い。

M9を無視しこちらに接近してきた数体のASが、後方から単分子カッターを構え躍りかかってくる。今の攻撃を見て鈍重な火力重視機体だとでも判断したか。それとも敵よりも足下に居る目標を捕えることを優先したか。

ありがとう、今回は接近戦大歓迎なんだ。新武装を使う機会を身体を張ってまで作ってくれるなんて、この世界の傭兵さんは紳士な方ばかりらしい。

クローアームで拳を作り、右後方から飛びかかって来た一体を殴り飛ばす。金属と金属が激しくぶつかり合う快音、そして精密機械を粉砕するような複雑な異音と共に吹き飛ぶ一機。

殴打された衝撃で全身の関節を曲げてはいけない方向に捻じ曲げられたASは、そのままゴロゴロと転がって行き、爆発。

仕事仲間が一機やられ、それでも斬りかかってくる細長いASと、少し離れて銃器で応戦しようとするずんぐりむっくりしたAS。残念ながら、どっちも外れ。

地面をジグザグに動きながら接近する一体を、もう片方のクローアームで鷲掴み、アサルトライフルを撃ってくる敵に向け盾にし、ローラーダッシュで急速接近。

単分子カッターで自分の機体を掴むクローアームを破壊して逃れようとするが、申し訳ない事にこのクローアームも空から飛び降りる前に超合金ニューZα製に作り替えたばかり、その程度では破壊どころか傷一つ付かない。

そのまま掴んでいたASを目前で未だアサルトライフルを撃っているASに至近距離から叩きつけ、衝撃で双方怯んだところをレンジでチン。

赤熱、破裂。AS二機分のドロドロに融けた金属がぶちまけられ地が焼かれる。クローアームには汚れも傷も無し、大体はこんな使い方で決まりか。

今ので近づいてきた敵は終了。こっち側の他のASは遠巻きしつつに動きまわって砲撃を警戒、どう出るべきかとこちらの隙を窺っているようだ。

反対側から迫ってきていたASは甲児のマジンガーが相手をしているし、海岸のM9二機の方に向かっている連中もいる。

やっぱり防衛系の仕事は苦手だ、俺一人だったら相楽宗助と弓さやかはミンチに、千鳥かなめはとっくに連れ去られてあれやこれやあんなこんな仕打ちを受けてそれはもう21禁な展開になってしまっていたことだろう。そんな展開は同人でやれとしか言えない。

この娘が居ないとこの後出てくるガウルンすら倒せないしな。ゼオライマーの次元連結砲なりメイオウ攻撃なり、ナデシコのグラビティブラストなりで倒せそうなもんなのに、不思議な話だ。

さて、ナデシコが到着するまでゲーム通りならあと二分ちょい時間があるし、待っている間にあのAS達を実験台にクローアームの面白い運用方法でも研究してみるか。

遠巻きにしているASと追いかけっこを始めようと重力制御装置で地面から浮かび上がった処で、ベルゼルートを背に乗せたスケールライダーが空から凄い勢いで降りてきた。

地面に激突する寸前で急停止したスケールライダーからベルゼルートがふらふらとよろけるように地面に降りる。

あの速度、スケールライダーの背中に何の固定も無くしがみついていただけのベルゼルートに乗っていた三人娘は、パラシュート無しのスカイダイビングでもさせられたような気分だったろう。

ふらついたまま数十メートル歩き統夜達の居る場所に今まさに倒れこんだベルゼルートを眺めていると、スケールライダーから通信が入った。

「お兄さん、やっほ。グラビティブラストまで使ってノリノリだね」

「さっきの海上では暴れ足り無かったからな。それと、露払いはまだ終わって無いぞ?」

「統夜の位置も把握出来てるし、ベルゼルートに乗り込む時間くらいは十分確保できるってば。つうかさ、あしゅらマジンガーに甲児が乗ってるのは何で? 隠し機体じゃないだろうし」

首を傾げてうんうん唸る美鳥。手元に本体とソフトがあり、なおかつ現在プレイ中だからそこら辺のフラグには詳しいのだろう。

しかしここは俺達二人が追加されたスパロボJの世界なのだ。何もかも元のソフトと同じ内容になる訳では無い。

ゲーム的な条件としては、先行出撃するかしないかの選択肢に出撃すると答えるとか、俺がBPを技量に十以上振っているとか、そんな条件で手に入るユニットだったのかもしれない。

そうなるときっと味方増援(スケールライダー、ベルゼルート)の条件は敵機体一定数撃破が条件とかか、まぁそうそう俺達が話の本筋に絡むことも無いからそこまで気にする必要も無いんだろうけど。

「グールの中に落ちてたから拾って持ち主に返した。これでトリプルマジンガー揃い踏みだな」

「甲児は今カイザー専属だから、乗るのはきっとボスだね」

「じゃあ、余ったボスボロットは廃棄処分か?」

「それを すてるなんて とんでもない!」

まだ敵が残っているのに何やってんだとか言われそうなほどリラックスした会話だが、一応ASからの射撃を全てバリアで防いで足元の救出対象に当たらないようにしているし、速射砲の反撃でそのASも一機一機確実に減らしている。口と手を同時に動かして働いているのだから何の問題も無い。

反対側から迫るASも甲児があしゅらマジンガーで無双しているし、ベルゼルートに乗り込んだ統夜だって敵を近づけない戦い方にはなれた物だ。

まぁ、統夜は何故か遠距離戦重視のベルゼルートでも敵に突っ込んで行きたがる突撃癖があるが、流石に今回は自重してくれるだろう。カティアを乗せて遠距離からバシバシ当てて行く形がベストだと思うし。

とかなんとか考えている内にオルゴンライフルを構えて突撃していくベルゼルート、ASの一機にわざわざギリギリまで接近してからオルゴンライフルを撃ちまくっている。何故だ。

「あ、そうそう。今回はのサブパイね、逃避行の後で疲れてるから精密射撃は出来ないだろうってカティアが辞退して、それほど攻撃力のいる場面じゃないからテニアが外されて消去法で防御が少し上がるメメメがやるみたい。援護してやらないとまずいんじゃないかなぁ」

「そういうことは先に言え先に!」

囲まれて、唯一の近接装備が弾切れになったらそこでおしまいだろうが。俺は急いでオルゴンライフルの接射に夢中になっているベルゼルートの援護に向かった。

―――――――――――――――――――

結局、三回ほど援護防御で身を呈して助ける羽目になった。統夜、すいません助かりましたとかはいいから精神コマンドから突撃を削ってくれ、あるいはグランかクストに乗ってくれ。

メメメも止めるなりなんなりしろ、ハンドル握ってんのはお前等だろうが。ていうか移動補正また増えてないか?メガブースターレベルから更に上がって無いか?移動力プラス3で敵陣に突撃とか勘弁しろ。せめてヒットアンドアウェイで撃った後逃げる時に活用してくれ。

結局足元の5人(相良、弓、千鳥の元から居た連中+カティア、テニアの余りサブパイ組)の護衛は甲児に殆ど任せきりで突撃して回るベルゼルートのフォローに掛かりっきりの戦闘だった。

あれから一分と少し程度で敵は全滅。アーバレストが届く前にザイードが出てきてしまった時は焦ったが、ギリギリでナデシコとアーバレストが合流。残り少ない敵増援を相手に質、量ともに上回る虐め的な戦闘を開始、あっという間に殲滅完了。

そんなこんなで現在ステージ終了、ヴェノム対アーバレストのイベント戦闘中。俺は庇いもしなければ近くに居なかったこともあり、殆ど原作同様に話は進んでいく。

今は千鳥かなめが弓さやかから通信機をもぎ取って、ラムダドライバの使い方について教授している場面。想像力に少し欠ける相良宗助はどうにも要領を得ないらしく、焦れた千鳥かなめが怒鳴り出す。

「じゃあ想像して!! あいつに捕まったらあたしは、頭の中さんざんいじくりまわされて殺されちゃうのよ!」

「あたし、前シベリアでその人と似たような状況の女の子を見たことあるよ。クスリの打たれすぎで自我崩壊寸前でさ、酷い有様だったよ……。ただ殺されるだけじゃない、その子も捕まったら先ずはあの手この手で精神的に責められるだろうね」

ここで唐突に美鳥が会話に入った。しかもこのセリフ、これは俺にあのセリフを言えという事か、ナイスフォローだ。

「あの手この手というと、あんなことや、こんなことや、そんなことか……!?」

あの手この手という言葉に過剰に反応したクルツに、わざとらしく顔を赤く染めそっぽを向きながらこくりと頷く美鳥。

「クルツさん、セクハラです」

「十代前半の女の子にセクハラとか……」

「不潔」

美鳥のリアクションを見た女性陣から言葉でフルボッコにされている。これは神がかり的な展開、いざゆかん勇者王への道。

「イメージするんだ軍曹! 彼女のあんな姿やそんな姿を!」

言った言った、言ってやった!風評が下がってもこれだけは言っておきたかったんだ!

「えぇぇえ! ちょ、ちょっと流石にそれは! あぁもう! この際、許す! 想像しなさい!」

慌てふためく千鳥を確認してズームを止め通信も最低限の物に切り替える。余は満足じゃ、ほっこり。

これでもう正真正銘、このステージでやることはやり切った。あとはアーバレストが勝つのを見届けて帰艦、風呂にでも入ってゆっくりしよう。

―――――――――――――――――――

■月▽日(ボケのち突っ込み、ところにより爆発オチの恐れもあるでしょう)

『ひたすらに哨戒任務の日々が続いているが、コメディパートにも定評のあるフルメタルパニックのヒーローとヒロインのお陰で退屈はしていない』

『しかし、毎度毎度艦内で爆発落ちというのもいかがなものだろうか。今のところ負傷者が出ていないのが不幸中の幸いというか、ギャグ空間特有の生命力強化現象とはこういう状況で発現するものなのだろう』

『そんなこんなでメインメンバーが全員合流したフルメタルパニックのメンツだが、どうにも俺や美鳥の機体に含まれる謎のテクノロジーとかから微妙に警戒されている節すらある』

『前回のガウルン戦闘時、ウィスパードに関して少し知識がある風に装ってしまったのが災いしたのかもしれない。あの後呼び出されて偉い人にその事に関しては口外しないようにと頼まれてしまった。更に美鳥が知っているなら俺も知っているだろうと判断され、しっかりと言い聞かせておいてくれと念入りに釘を刺された。くぎゅぅぅ』

『まったくもって遺憾な話ではないか。こちらには一切向こうを害するつもりは無いというのにここまで警戒されるとは。俺は役に立たないテクノロジーとか取り込んでも意味の無い人間にはかなり無害な部類だというのに』

『因みに千鳥かなめ嬢との接触はそれなりにある。爆発落ちの時に近くにいる時もあるため、相良軍曹のフォローに回っている彼女とはそれなりに会話する機会が多い』

『粗暴で短慮でヒロイン格としてどうかと思うような振る舞いをすることもあるが、実際に話してみればどこにでもいる──とは言い難いにしても、ここの連中に比べればまだまともな思考をする善良な一般人だ』

『……まだ設定が固まっていない頃のウィスパードなだけあって、俺や美鳥の正体何かをなんの脈絡も無く知られてしまうのではないか、と少し警戒していたのだが、今のところそういった傾向は見られない』

『とりあえず今のところ安全のようなので、鬱憤晴らしも兼ねて格納庫でささっとアーバレストの取り込みも実施させて貰った。俺に使えるかどうかは未知数の機能だが、取りあえず取り込んでおくに越したことは無いだろう』

『まぁ機体のデザインとかはASでは量産型のコダールかM6が最強だと思うがそんな所をえり好みしていても意味が無い。何は無くとも自身の強化が最優先』

『これで自軍への新規参入機体は品切れかな? 追加武装待ちの機体があるにしてももう少し先だし、これからはむしろどのようにして敵機体を取り込むかがキモになってくるので、邪魔な目撃者の居ない状況をどんどん作りあげていかなければならない』

『今後は率先して哨戒任務に志願するべきだろう。度重なる強化改造を施しても相変わらずスケールライダーとボウライダーの合体システムは生きているから、俺と美鳥だけで出撃する言い訳もばっちり』

『日々を過ごす中でやることは方端から片付けて行こうと思う。時は金なり、しかしお金で時間は買えないのだ。まぁ俺はボソンジャンプとかクロックアップで結構融通が利いてしまうが、そこは気にせず頑張ろう』

―――――――――――――――――――

「うわあああぁぁぁぁん!」

ブリッジへ行く為に廊下を歩いていると、ナデシコの艦長であるミスマルユリカが顔を真っ黒に染め、年甲斐も無く大泣きしながら反対方向へ走り抜けていった。

艦内であんな煤けることのできるシチュエーションなどそうそう無い。間違いなく相良軍曹の仕掛けたトラップに引っかかったのだろう。

軍の士官学校を出てるエリートと言えど、日常パートの中にさりげなく潜むギャグパートのトラップにまで気付くことはでき無いということだろう。

しかも相手は秘密部隊の現役兵。そのトラップの巧みさは原始的でありながら極めて効率的で──

「む、鳴無か」

考え事をしていると、千鳥嬢の手を引き警戒している様子の相良軍曹と、

「あ、鳴無さん。ど、どうかしましたか?」

掴まれていない方の手にハリセンを握りしめ今にも相良軍曹の頭に振り下ろさんとしている千鳥嬢が居た。

相良軍曹の服装を見る。どこにでもいそうな軽装の軍人風の格好。こちらは服のあちこちにさりげなく様々な機材が仕込まれているのが見える。

日常的に爆発処理やトラップの設置を行うだけあって中々理にかなった装備だ。

しかし、千鳥嬢の服装はどうだろうか。一般的な女子高生の私服、それこそ適当に人口の多い日本の市街地にでも行けばそれなりに数が居そうなごくごく一般的な装備。

当然ながら、あんな大型のハリセンや突っ込み用の旅館スリッパを隠しておけるようなスペースは見当たらない。

行動の面では明らかに相良軍曹の方が異常であるにも関わらず、物理法則の面では千鳥嬢の異常さが際立つ。

「いや、君達は実に面白いカッポーだと思ってなぁ。あ、これは冗談の類だからリアクションは要らないよ? さっきこっちから聞こえた爆発音と同じレベルの冗談だから深く気にしても意味は無いしね」

「そ、そうですよね。あは、ははは……」

「で、用件はなんだ?」

頬をひきつらせながら乾いた笑いを洩らす千鳥嬢をさりげなく背に庇いながら相良軍曹が問いかける。

ふむ、どうにも警戒があからさまだ。ここまでされると何か尻尾を掴まれているのでは無いかと勘繰りたくなってしまう。

正直、懐に手を突っ込みながら警戒するのは勘弁して欲しい。銃一丁で俺を相手取れると考えられているのも舐められているようで嫌だし。

いやそれは今関係無いか。とりあえずここは話を進めよう。

「手隙の連中はブリッジに集合。もうみんな大体集まっているらしい」

ブリッジに集合、の辺りで微妙に千鳥嬢の頬の引きつり具合が酷くなったがスルー。この程度の爆破で問題として取りざたされるほどこの艦の規律はきつく無いのだ。

「何か問題でも起きたか?」

「秋津マサトが拉致されたんだとさ。基地から出て一人で散歩している所をガバっと」

確か原作だとこっそり護衛が付いていたけど、女イザークみたいなおかっぱの戦闘員にやられているんだよな。鉄甲龍で一番有能な働き者との呼び声もある程だが、残念な事にスパロボJでは未登場。

もし出ていたなら一人二人捕まえてデモニアックの素材にしようかと思ったんだけどなぁ。元の人間が優秀なら余計に性能が上がるし。

仮にブラスレイターとして適合できても、ペイルホースを少し細工してやれば意図的に下級デモニアックにしてしまうこともできる。

ロボットにばかり目が向けられがちだが、こういう細かなところでの強化もおろそかにしてはいけないのだ。

「う……、嫌なこと思い出しちゃったわ」

自分が拉致された時の事を思い出してか顔を青ざめる千鳥嬢。まぁこの娘の場合少なくとも命の保証はされるんだけどな。命以外は全部駄目になる可能性もあるが。

「なぜ一人で行動を。この部隊のパイロットの多くが複数の組織にマークされていることはわかっていたはずだ。理解できん」

「ナイーブな年頃なんだよ、きっと」

四六時中あんな薄暗い地下施設の中にいたら間違いなくノイローゼにもなるだろう。

組織に狙われている重要人物が一人で行動することの危険性と、どのように行動すべきかの説明をする相良軍曹とそれに突っ込みを入れる千鳥嬢の夫婦漫才を聞き流しつつ考える。

今回出てくる八卦ロボ、火のブライストと水のガロウィン。こいつらは戦う直前に誘拐されたマサトのお陰で居場所が丸分かり、戦いが始まる前に取り込んでしまえば戦闘時間を短縮できる。しかし正直火とか水とかそんな雑兵には興味が無いからこいつらの事は一先ず置いておく。

というか、鉄甲龍要塞の場所も既に把握しているので火と水に限らず残りの破壊されていない八卦ロボは暇さえあれば取り込みに行くことも余裕で可能だ。三分以内に全機取り込み完了するだろうことは目に見えている。

今残っているのは、火、水、月、地、山、雷の六機に、多分建造途中のハウドラゴンかグレートゼオライマーと中々に魅力的なラインナップだ。次の戦闘が終わったら少し見学に行ってみるのもいいかもしれない。

氷室美久の中にあったデータと照らし合わせ、斥候まで送って確めてみたがどうやら原作と同じくタクラマカン砂漠で間違い無いらしい。

ウイグル語の『タッキリ(死)』と『マカン(無限)』を組み合わせた造語で死の世界とか死の場所みたいな意味合いだったかな?あ、なるほど大冥界フラグか。

いやそれは置いておくとしても、前になんかの雑誌で見た砂漠の写真が凄い綺麗だったんだよなぁ。デジカメ持ってって帰り道でちょっと真似して撮影してみよう。




続く
―――――――――――――――――――

相手が戦艦ならグラビティブラストを使わざるを得ない。そんな感じで主人公が雑魚相手に無双する話終了。ていうか無双する相手が雑魚ばっかりとかジョセフがうつってしまったのかもしれませんね、くわばらくわばら。

分かり辛いかもしれませんが、前回のラストと今回の冒頭が時間的に繋がってます。で、その後の日記で要らない時間をキングクリムゾン。

あ、冒頭でいきなりエロい気がするシーンを挟んでますが特に意味はありません、書きたいから書きました。

エロシーンがかなり早送りなのも、自分が途中でエロい気分が終了したのでバッサリ途中経過をカットしたからです。本篇の中で語られた補助AIの本来想定されていた使われ方のせいとかそういう言い訳設定もありますが。

その後の補助AIの心情とかも一切複線になりません。主人公がいろいろ葛藤していますがこれまた問題にはなりません。

補助AIがなんか乙女チックな感じですが、宣言通り起きてから頭抱えて悶えてます。補助AIの優秀な頭脳は昨夜の自分の恥ずかしい心の中とかもキッチリとログに残しているので生々しさは半端ではありません。

しいて言うなら、深夜のテンションで書いたポエミィなラブレターを綺麗な発音で感情をたんまり込めて音読させられるレベルの恥ずかしさ。生身の人間なら悶死していた処です。

ちなみにエロい気がするシーンですが、直接的な表現を避けているのでセーフです。実際そんなにエロくはありません、無罪です。疑問に思うならその辺のコンビニで年齢指定の無い少女漫画を立ち読みしてみてください、よっぽどエロくて直接的なシーンが山ほどあります。

むしろエロくしたくても文章表現力が拙くてエロい雰囲気を表現できませんでした。でもエロっぽいシーンを書く為だけに官能小説買うのもあれだし、そこら辺は誰かエロい人(非誤字)アドバイスお願いします。

というか、勢いエロシーン書いてしまって消すのがもったいなかったんですが、消した方がいいですかね? 意見下さい。

電子レンジクローは突っ込みどころ満載ですが、まぁ似たような兵器は結構いろんな世界に存在するので拾い心で受け入れて頂ければ。サイズがおかしいという突っ込み来ないかなぁ。突っ込まれたら嬉々として説明するのに。

一応外観がどんな感じかと言えば、基本は踵の部分がローラーになってて、肩からボウライダー本体並みにデカく、しかもかなりフレキシブルに動くゴツイ腕(多分ガンダムベルフェゴールみたいなの)が生えてるのを想像していただければ大体あってると思います。

あと精神コマンド、色々考えたけど技能(テック)方式に収まりました。これ以外は感情が高ぶった時に特定の決め台詞と共に発動したりとか考えてますが本編で書けるかは不明です。

それ以外は特に無しす。今回戦闘ばっかりだったので次回は殆ど戦闘シーン無いかも。そういうバランスの悪さとか気をつけたいのでアドバイスをよろしくお願いします。

読者の方々にアドバイスを求めてばかりのこんな作品ですが、作品を読んでみての感想、諸々の誤字脱字の指摘、この文分かりづらいからこうしたらいいよ、一行は何文字くらいで改行したほうがいいよ、この小説参考になるよみたいなアドバイス待ってます。どしどしお寄せください。

次回、満を持してフューリー登場、でも戦闘シーンを書くかは未定。ゆっくりのんびりお待ち下さい。


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