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No.14338の一覧
[0] 【ネタ】 降り頻る雨の中で (H×H 転生 オリ主 TS R-15 グロ)[ブラストマイア](2010/03/07 04:48)
[1] プロローグ[ブラストマイア](2009/11/28 22:16)
[2] 第一話[ブラストマイア](2009/12/02 00:15)
[3] 第二話[ブラストマイア](2009/11/29 20:25)
[4] 第三話[ブラストマイア](2009/11/30 20:43)
[5] 第四話[ブラストマイア](2009/12/01 20:46)
[6] 第五話[ブラストマイア](2009/12/04 03:25)
[7] 第六話  幕間[ブラストマイア](2009/12/06 22:51)
[8] 第七話[ブラストマイア](2009/12/06 22:52)
[9] 第八話[ブラストマイア](2010/03/07 04:43)
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[14338] 第二話
Name: ブラストマイア◆e1a266bd ID:fa6fbbea 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/11/29 20:25


 ルーの居住地であるウィールグ村は、こういう村に対して固定観念を持つよそ者にとっては意外かもしれないが、けっこう近代的で文化的である。
 強者を食べてその力を取り込むという風習があるように、便利な物、優れた物は認めて吸収するだけの柔軟さと強かさを備えているのだ。

 竪穴式住居のような家も少数あるが、近くの岩山から岩石を運んでくると言うトレーニング方法があるため、それを建築材料として活用できる。
 それなりの実力者の家はログハウスのような作りになっている事も多く、一見すれば避暑地か何かだと思えるかもしれない。少数民族にありがちな 「お払いで病気を治そう」 とか 「雨が降らないから生贄を捧げよう」 という前時代的な思想だって消えている。
 前者は念の存在があるので少々遅れていたが、数十年前に疫病が蔓延した際に薬が有用である事は学習済みだそうだ。

 今では有志の人間が町に出て医学を学ぶという風習もあり、闘争を好まない性分であるとか、15歳で受ける餞別の儀式が嫌だというのなら、そういう補助要員に回る事も出来る。村人ならば誰でも小学校でやる程度の教育は受けているので、勉強が好きなら更に学んで医者になるのもいいだろう、村全体で購入する物をまとめる会計士(?)になるおもいい。手先が器用なら儀式で使うアイテムを製作する職人や、土いじりが好きならば畑や家畜の管理人になるのもありだ。

 昔はまた違ったらしいが、今は職業選択の自由というか、そんなようなものがある。
 自ら望まなければ究極には至れず、半端な心で挑む事は先人への冒涜うんぬんという理由らしい。

 ルーも含め、体を鍛えより神に近づくのを目的とした 『戦士』 には彼らを守る義務もあるので、弱いからと差別するのは厳禁。お互いに力を合わせ助け合わねば生きていけなかった環境もあってか、身内での争いはご法度になっている。
 それに戦士は軍人のようなイメージであり、強ければ長になれるという訳でもない。勿論、最も強い人間には 『戦士長』 なんて役職が与えられ、限りなく神に近い存在として尊敬されるし発言力だって高い。村人の将来なりたい職業№1に輝き続けており、尊敬の的。ただ政治に首を突っ込む事は役割ではない、とそういう事だ。荒事に限っては族長以上の権限を持ち、戦士は戦士長の言葉に従う。将軍というか切り込み体長というか、そんな感じである。


「変に近代的だよね、うちの村は……。さすがに電気までは通ってないけど」


 パソコンや掃除機といった物こそ無いものの、蝋燭やランプならばどんな家でも揃っているし、ルーの自宅のキッチンに至ってはガスボンベを利用したコンロさえあった。元はハンターが傭兵を雇って数十人がかりで攻め込んできた時の戦利品らしいが、これを見たら一部の学者などは目を回しそうだ。
 ただし、村にはガス屋さんなどいう便利な物は存在していないので、ルーの父が定期的に近くの町までガスボンベを買いに行っている。
 まあ、近く、とはいってもここは辺境のド田舎。直線距離でも250キロ以上はあるうえに、整備された道なんてものは存在していない森の中を延々と走る事になるのだから、鍛え上げたハンターでさえ1日で往復するのは困難だろう。
 しかしルーの父親は母親にベタ惚れなので、この程度のハードルは問題の内に入らないらしい。障害が多いほど燃えるというやつだろうか。行きはまだしも帰りは重い荷物があるというのに、その気になれば日帰りも可能だと言うのだから尋常ではないスタミナである。
 どうやら長距離を移動するタイプの魔獣の血が発現しており、恐ろしく強靭な心肺機能を有しているらしく、持続力だけなら村一番。ルーが抱いている15歳までの目標の一つが買い出し付いて行く事だ。行きだけならたまに同伴するが、帰りは流石に厳しい。


「よお、ルゥ! 相変わらず小さいな、お前は! ちっとは強くなったか?」


「……おはよう、ロプス。相変わらずでかいわね……体も、声も」


 背後から近づいてきた気配を察知して耳を塞いでいたルーだが、容赦なく両手を貫通する大音量の前に、危うくノックダウンされかけた。
 耳が良過ぎるのも考え物である。キンキンと頭の中を反響する大音量を振り払い、顔を顰めながらも言葉を返した。


「はっは! 男ってのは、デカくて強くねえとな!」


 ルーの前に立つロプスという男を表すのには、見上げるような巨人という言葉が最もよく似合うだろう。なにせ彼の身長は2メートルを優に超えており、ルーの倍近い身長がある。
 山のようにそそり立つ力こぶの大きさは尋常でではなし、その肉体を包む衣服もまた凄い。彼が成人を迎えた際に念さえ使わず素手で仕留めたという巨大な大角熊の毛皮を利用しているだけあって、死してなお凄まじい生命力を感じさせる一品だ。ロプスの肉体と合わせると視覚的な圧力はかなりのものだった。

 ロプスは水見式など必要ないほど分かりやすい強化系能力者であり、オーラを纏ってのガチンコ殴り合いでの戦闘ではルーなんて足元にも及ばない戦闘力を持つ。肉体にしてもボディビルダーが裸足で逃げ出すような筋肉をしているし、小口径の弾丸では絶状態の彼の皮膚を傷つける事さえ難しい。熊などの獣を仕留めるにはライフルやマグナムといった大口径の拳銃が必要になるが、オーラを纏い本気になったロプスを殺そうとしたらバルカン砲でも足りなさそうだった。
 肉の鎧による恩恵は防御力だけではなく、当然ながら攻撃力もずば抜けている。
 彼の両腕はゴリラ系の魔獣の血を発現させた事によって異常なまでに発達しており、銃を指で挟み潰したり、ナイフをデコピンで圧し折ったり、と素のままでも半端ではない。下手な念能力者など素手で殴り殺してしまうだろう。


「……私も、ロプスみたいな力が欲しかったなー。小細工じゃなくて」


 ルーはない物ねだりだと思っていても、ついつい口から出てしまう言葉を抑えられなかった。

 ロプスは肉体も強くて念の才能もあって、村でも最も有力な次代の戦士長候補だ。それも歴代最強ではないかと噂されている。
 ルーとは地力となる肉体の強さにかなりの差があるし、オーラの器用さにおいてはルーに分があるものの、一度に出せるオーラ量は圧倒的にロプスの方が勝っている。小数点以下の細かい制御など行えずとも、ただ全力で巨腕を思い切り叩きつければ、それだけで一撃必殺になってしまうだろう。
 ルーが大きなリスクの代わりに攻防力を飛躍的に上昇させる硬で攻撃したとして、ロプスにしてみれば全力で堅をするだけで防げる程度の物にしかならない。


「ルゥが俺みたいになったら? そりゃ……、目に入っただけで俺の負けだな。絶対に笑っちまうよ!」


 なにを言い出すかと眉をひそめたルーだったが、彼のガチムチボディの上に今の自分の顔が乗ったのを想像して納得した。
 アメコミで出てくるような筋肉超人タイプの体に、可愛い着せ替え人形を思わせる顔が乗っかったら、それはもうギャグにしか見えないだろう。
 前衛芸術にしても先取りしすぎというか、新しさだけに固執してとんでもない方向に進んでいる。


「強くはなりたいけど、そんなになるのは、ちょっと……」


 最初こそ女の子である事に戸惑いを覚えた事はあったものの、人格が統合してからは髪の毛の手入れだとか態度だとかは最低限気を使うようにしている。言葉遣いだって他人がいる時は意識して丁寧に、と、それなりに女の子なライフを送っているルーは嫌そうな顔をした。
 かつての世界では自分の容姿と体系にコンプレックスを持っていたという記憶も後押ししてか、今の体を少なからず気に入っている部分もあり、そんな子供の悪夢に出てくるような状態になるまで鍛えるのはごめんだ。


「ルゥは素早いからな、そっちを伸ばせばどうだ? ……そうだ、久々に手合わせをするか! ルゥとやると、いい訓練になるからな! いくぜ!」


「別にいいですけど……って、相変わらず人の話を……!」


 返事をする前にズンズンと歩いて行ってしまうロプスの背を見て、ルーは彼って絶対強化系だよねとため息を吐く。
 強引だなあと思いつつも、彼を嫌っていない自分がいる事に気付いて肩を竦めた。






 二人は村の東側、森を大きく切り開いて作られた訓練場の一角に立っていた。
 訓練場とはいえだだっ広いスペースがある程度で、最低限の区切りがある以外は何もない。的が欲しいなら自分で作れと言うわけだ。
 なにせここの住人は異常が通常であるからして、材料に鋼鉄でも使わないとすぐにスクラップになってしまうのである。

 ロプスと向かい合ったルーは両目を閉じて意識を集中させる。体内のオーラを淀みなく流し、その時を目指して限界まで溜め込み、一気に放出した。
 全身から蒸気のごとく噴出すオーラの力強さは満足の行くものだったが、目の前で獣のような咆哮を上げている男と比べると、幾分か見劣りする事は否めない。


「むぅ、半分にも届かないとは……。頑張っているのになあ」


 ぼやいたルーの前で、ロプスは蒸気機関車のように力強いオーラを全身から吹き上げている。
 その迫力たるや物凄く、数メートルの距離を置いてもビリビリと全身が震えるような圧迫感があった。

 ルーだって念を齧っただけの使い手ならば圧倒できるだけの技量がある。ライセンスなしのアマチュアまで含めれば10人以上のハンターを屠ってきたし、同年代なら比肩しうる者がいない自分の実力は結構自信があったのだが、彼を前にすると無意味な物のように思えて仕方が無かった。
 絶対的なオーラ量の差を前に、羨ましいなと臍を噛む。ロプスのほうが倍近く生きているのだし、自分が行っているのと同じかそれ以上の訓練をしているのだろうとは知っているものの、卑しくも心中に湧き上がる嫉妬の念は消せなかった。


「ハッハ! ま、修行だ、修行!」


 豪快に笑う彼に追いつきたいなあと思いつつも、ルーは全身を覆うオーラ量を半分ほどにまで落とした。
 ロプスもそれを見て練を弱め、先ほどのやり取りで計った二人の差を大まかに再現する。

  念能力者のパンチやキックは極めて強力であり、優れた強化系の能力者であればオーラだけで岩をも砕く事が出来る。人間の範疇を逸脱しているとしか思えない圧倒的なパワーは大地を揺るがせ、周囲の自然を著しく傷つけるため、全力でやりあうのは特殊な時のみと決まっていた。
 こうすれば万が一の際でも練をすれば致命傷を避けられるし、少ないオーラを効率的に使用する訓練にもなる。ついでに周囲の被害も減るのでいい事尽くめだし、多少骨が折れたり砕けたりはするかもしれないが、頭が潰れなければ死ぬ事はほぼありえない。


「おうし! いつでも来い!」


 ルーは一回り大きい程度にオーラを落としたロプスと向かい合ったまま、お互いに動くタイミングを計りあう。
 暫く睨み合った後でもロプスは隙を見せない。じりじりと時間だけが過ぎていった。

 戦いをスタートさせる権利は弱者側、つまり今回だとルーにあるので、まず行うべき事は如何に不意を突いて彼の視界から消えるか、である。
 今迄の経験上、正面からは突破不可能だと分かっている。必然的に死角からの攻撃を行う以外にない。ロプスは百戦錬磨であり、ルーの作戦など百も承知だろうが、それでもどうにかしなければ勝機はないのである。


「ッ!」


 ルーは刹那の隙を突いて地面に足を踏み下ろし、周囲を砂煙で覆った。お互いに手の内は知り尽くしている仲だ。煙幕は彼と戦う時の常套手段。
 いつものように両足へとオーラを集め、即座にその場から離脱すると、直後に振り下ろされたロプスの拳が轟音を響かせた。いくら力を抑えているとはいえ、生身の肉体でも重機のような馬鹿力を持つ彼だ。直撃を食らえば星になってしまう。
 翻弄すべく全身を覆うオーラを隠で消しつつ、足にオーラを集めながら飛びまわる。常人には絶対に認識できない高速機動なのだが、やはりロプスには通じない。


(なんで意識はこっちに固定なのさ! 円を行っている訳でもないのに!)


 砂埃の動きなどから直観的にルーの位置を補足しているのだろう。野生の獣顔負けの感性を働かせている彼に対し、ルーは内心で盛大に愚痴を吐く。
 この移動法が本領を発揮するのは、木や茂みなどの障害物や足場が多い森の中なのだ。三次元的に空間を生かし、相手が追い切れなくなったのを見計らって死角を突くのがルーのやり方だ。無防備な空中に身を晒すのはリスクが大きすぎるし、平べったい場所ではどうしても限界があった。
 右へ左へ前へ後ろへ。必死に攪乱しているのに、現状ではただ体力とオーラを消費する愚策になってしまう。


「こなくそっ!」


 ロプスが自信満々の笑みを浮かべている事に気づき、無策で突撃……する瞬間に急停止。地面を思い切り蹴りつけて砂埃を立ち上げて目隠しにした。
 顔のすぐ脇を通過していく巨大な拳に、髪の毛が数本巻き込まれて宙を舞う。間一髪だったと冷や汗が背筋を伝うが、今は無視。可能な限り静かに、しかし素早く死角へと移動。隠の状態のまま忍び寄り、無防備に思えるロプスの右脇腹へとパンチを見舞った。


「捕まえたぜ!」


 相手が常人なら上半身ごと吹き飛ばすような気概だったが、ルーは岩のような皮膚の感触から自分の攻撃が届かなかった事を知った。
 トラバサミのような彼の指が硬くルーの拳を拘束しており、それを理解するとほぼ同時に右腕を基点して体を縮めながら跳ね上げ、脱出するために両足で彼の腕を蹴りつける。
 拘束が緩んだ一瞬の隙に腕を引くが、ロプスもタダでは逃がしてくれない。流で両足にオーラを集中させたため、防御の薄くなった右腕がボキリと音を立てて握り潰された。脳内を痛みがノイズとなって走る。今は傷の分析だけに留め、脱出の反動で回転している体を瞬時に立て直し、迫ってくる巨椀を左手で受け流す。


「馬鹿力めー! 人の骨を木の枝みたいに!」


 どうやら人差し指の根元辺りの骨が折れたらしく、上手く力が入らない。相変わらずのパワーだった。
 残像を残しながら乱れ飛ぶ巨大な掌を回避し、熊さえも蹴り殺す大木のような足を避け、死に神の鎌も真っ青なラリアットから体を逸らす。
 最初からは分かってはいた事であるが、こちらの攻撃は当たってもほぼ無効化される事が決定事項で、相手の攻撃は食らうと致命的になる可能性が高い。面白くない展開だった。


「ハッハッハ! 相変わらず素早しっこいな、ルゥは!


 笑いながらパンチを繰り出してくるロプスを睨み付け、腕が伸びきる瞬間を狙って蹴りを入れたが、折れるどこか跳ね返されてしまった。鉄骨を蹴ったような感触に心中で溜息を吐き、やはりというか全く効果が無かった事に軽く苛立つ。
 前の知識からすると、日本軍の悲しき戦車チハたんvsタイガー戦車というところか。無茶もいいところだ。
 ルーの知る限りだと自分は強化系から遠い位置にあるらしく、こういう殴り合いは向いていないらしい。攻撃を加える事自体は難しくないのだが、ダメージを与えるのは厳しかった。


 それからは攻撃を避けながらタイミングを見計らって反撃、という流れが延々と続いたが、戦闘開始から10分が経過したところでガッチリと捕まってしまった。もがいてみても鋼鉄より頑丈な拘束具が緩む気配はなく、ゲームセットだと諦めて堅を中止する。
 これで0勝15敗だ。やったぜ! という風に勝ち誇っているロプスの顔が憎い。ルーは自分の胴体を覆っている馬鹿でかい掌を眺め、ツルペタだとしても乙女の胸まで鷲掴みにする男はモテないぞ、と文句を言って心中を誤魔化した。
 決して彼の溌剌とした笑顔に女の子なハートが反応したとか、そういう事では決してない。


「まさか、ここまで時間を食うとは思わなかったぞ。ヒヤリとされた事も何度かあるし、ルゥも強くなってるな!」


 あれだけの力を見せておいて、終わってみれば真顔で褒めてくるのだから困る。やっと落ち着き始めていた心臓が少しビートを上げた。


「ま、まあ、私だって修行してるからね! ……それと、いい加減に離すように!」


 前の記憶によるとツンデレだのフラグだのという言葉が乱舞しているが、全力で無視する。いつの間にか脳内に乙女回路が作られているようだった。
 やっと地面に足がついたルーは、心のどこかであのまま持ち帰られてもいいかなと思っていた自分がいた事に気づいて頭を振る。
 ルーの男としての記憶が全力で拒否しているし、まだ女の子の日も来ていない。だから今なら生でやり放題……ではなく、結婚を前提に……でもない。混乱中の自分の頭を落ち着かせようと叩いたところ、骨が折れているのを忘れていて猛烈に痛かった。


「……どうした?」


 右手もズキズキと響くが、馬鹿じゃないのか? という視線がまた痛い。混乱の方はどうにかなったのだが、気が緩んでいたので十秒近く悶絶するはめになった。


「な、なんでもないよ! なんでも……」


 うっすらと目に涙を浮かべながら右手を抑え、骨を正しい位置に戻してから大量のオーラで覆う。
 爪を伸ばすのと似た要領で骨の成長を強くイメージし、折れた骨の癒着を促すのだ。1時間もあれば日常生活に問題ない手度にはくっ付くだろう。

 治療の間にロプスと今の手合わせについて問題点を語り合う。基本的に言葉より拳で語り会う仲の二人だが、口に出す事で得られる物も多い。
 まずルーがロプスの改善点であるスピードと細かいオーラの制御について話し、ロプスには 『砂埃を使った煙幕はいいが、やはりルーには攻撃力が不足している』 と指摘されてしまった。
 いくら安全な手合わせといえども事故はあるし、バクチになりすぎる硬で攻撃を行うのは危険だ。模擬選でさえ骨折しているのだから実戦では言うまでもないし、オーラ量の底上げと肉体の強化が急務だろう。


「うし! また、そのうちやろうぜ! ちっとは強くなっとけよ!」


「む……。今度は、こっちが骨の一本ぐらい折れるようになってやりますよ!」


 豪快に笑うロプスを見送り、ルーは気合を入れて森へ向かった。





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