学校で・・・
「起きろー神無月」
それはホームルーム――のことである。誰かが怒鳴った。
白鳥先生…の声だ。バコッと頭に竹刀が当たる。痛っ・・寝てたのか?
「白鳥(はくちょう)先生・・・?」
神無月火楽は目をこすりながら、囁いた。
「だから、白鳥(しらとり)だっ。何回言えばえーねん」
ぼりぼり頭を掻きながら白鳥いずな先生は言う
白鳥いずな――は火楽の担任であり体育の先生である。
いっつも関西弁をしゃべる実にユニークな先生
本人によると、自分は、大阪出身ではなく元々は関西弁をしゃべってなかったらしいけど、先生の憧れの先生がいて、その先生が関西弁をしゃべっていたのをマネたらしい。
「ホンマよーねるなー神無月。眠たーなれば、竹刀でしばいたるけん言えよ」
「ふぁーい・・・はぁー」
それから間もなく火楽の頭にしないがふりおろされたのはいうまでもない。
☆
「痛たたた」
火楽は先ほどの事件のあと、保健室にいた。頭を氷で冷やしている。
「神無月さん最近よくここにくるわね。いっつも頭を打って・・・」
保健室の宮本先生だ。
「いやーうったというか・・・、うたれたというか・・・」
「神無月さんがいけないのよ。寝るから・・・」
「・・・はい・・・」
そしてもう一度頭に氷をあてた。そしてベットに横になった。
☆
「お前よくここに来るなー」
保健室に来てから一時間。不良の冬土白夜が声をかけてきた。
さすが不良。髪は銀色。あんたの方がよくいるんじゃないのっと思うが口には出さない。
「えっ・・・まぁ・・・」
「でもオレはお前がいると助かるよ」
・・・なぜ・・・?
「しかし、本当にこのコロッケパンうめーな」
わざとらしく白夜がいう。口には何か食べているのがわかる。
「あ、あたしのコロッケパン」
火楽は保健室でしばし寝ようと思い(昼まで)昼食を持ってきてたのである。それがコロッケパンのわけである。
「返せー」
と、火楽は叫んだがもはやおそかった。今は白夜の腹の中である。