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No.13840の一覧
[0] 【ネタ・完結】NARUTO ~うちはサスケと八百屋のヤオ子~[熊雑草](2013/09/21 23:12)
[1] 第1話 八百屋のヤオ子[熊雑草](2013/09/21 21:27)
[2] 第2話 ヤオ子のチャクラ錬成[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[3] 第3話 ヤオ子の成果発表[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[4] 第4話 ヤオ子の投擲修行[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[5] 第5話 ヤオ子と第二の師匠[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[6] 第6話 ヤオ子の自主修行・豪火球編①[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[7] 第7話 ヤオ子の自主修行・豪火球編②[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[8] 第8話 ヤオ子の悲劇・サスケの帰還[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[9] 第9話 ヤオ子とサスケとサクラと[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[10] 第10話 ヤオ子と写輪眼[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[11] 第11話 ヤオ子の自主修行・必殺技編①[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[12] 第12話 ヤオ子の自主修行・必殺技編②[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[13] 第13話 ヤオ子の自主修行・必殺技編③[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[14] 第14話 ヤオ子の自主修行・必殺技編④[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[15] 第15話 ヤオ子の自主修行・必殺技編⑤[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[16] 第16話 ヤオ子とサスケと秘密基地[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[17] 第17話 幕間Ⅰ[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[18] 第18話 ヤオ子のお見舞い①[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[19] 第19話 ヤオ子のお見舞い②[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[20] 第20話 ヤオ子のお見舞い③[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[21] 第21話 ヤオ子の体術修行①[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[22] 第22話 ヤオ子の体術修行②[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[23] 第23話 ヤオ子の中忍試験本戦・観戦編[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[24] 第24話 ヤオ子の中忍試験本戦・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[25] 第25話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅護衛編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[26] 第26話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅壊滅編[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[27] 第27話 幕間Ⅱ[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[28] 第28話 ヤオ子の新生活①[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[29] 第29話 ヤオ子の新生活②[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[30] 第30話 ヤオ子の新生活③[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[31] 第31話 ヤオ子の下忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[32] 第32話 ヤオ子の下忍試験・実技試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[33] 第33話 ヤオ子の下忍試験・サバイバル試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[34] 第34話 ヤオ子の下忍試験・試験結果編[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[35] 第35話 ヤオ子とヤマトとその後サスケと[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[36] 第36話 ヤオ子の初任務[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[37] 第37話 ヤオ子の任務の傾向[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[38] 第38話 ヤオ子の任務とへばったサスケ[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[39] 第39話 ヤオ子の初Cランク任務①[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[40] 第40話 ヤオ子の初Cランク任務②[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[41] 第41話 ヤオ子の初Cランク任務③[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[42] 第42話 ヤオ子の初Cランク任務④[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[43] 第43話 ヤオ子の初Cランク任務⑤[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[44] 第44話 ヤオ子の憂鬱とサスケの復活[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[45] 第45話 ヤオ子とサスケの別れ道[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[46] 第46話 幕間Ⅲ[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[47] 第47話 ヤオ子と綱手とシズネと[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[48] 第48話 ヤオ子と、ナルトの旅立ち[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[49] 第49話 ヤオ子と第七班?①[熊雑草](2013/09/21 21:50)
[50] 第50話 ヤオ子と第七班?②[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[51] 第51話 ヤオ子の秘密[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[52] 第52話 ヤオ子とガイ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[53] 第53話 ヤオ子と紅班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[54] 第54話 ヤオ子とネジとテンテンと[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[55] 第55話 ヤオ子とアスマ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[56] 第56話 ヤオ子と綱手の顔岩[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[57] 第57話 ヤオ子とサクラの間違った二次創作[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[58] 第58話 ヤオ子とフリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[59] 第59話 ヤオ子と続・フリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[60] 第60話 ヤオ子と母の親子鷹?[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[61] 第61話 ヤオ子とヒナタ班[熊雑草](2013/09/21 21:56)
[62] 第62話 ヤオ子と一匹狼①[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[63] 第63話 ヤオ子と一匹狼②[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[64] 第64話 幕間Ⅳ[熊雑草](2013/09/21 21:59)
[65] 第65話 ヤオ子とヤマトの再会[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[66] 第66話 ヤオ子とイビキの初任務[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[67] 第67話 ヤオ子の自主修行・予定は未定①[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[68] 第68話 ヤオ子の自主修行・予定は未定②[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[69] 第69話 ヤオ子の自主修行・予定は未定③[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[70] 第70話 ヤオ子と弔いとそれから……[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[71] 第71話 ヤオ子と犬塚家の人々?[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[72] 第72話 ヤオ子とカカシの対決ごっこ?[熊雑草](2013/09/21 22:03)
[73] 第73話 ヤオ子の居場所・日常編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[74] 第74話 ヤオ子の居場所・異変編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[75] 第75話 ヤオ子の居場所・避難編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[76] 第76話 ヤオ子の居場所・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[77] 第77話 ヤオ子の居場所・救助編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[78] 第78話 ヤオ子の居場所・死守編[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[79] 第79話 ヤオ子がいない①[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[80] 第80話 ヤオ子がいない②[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[81] 第81話 幕間Ⅴ[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[82] 第82話 ヤオ子の自主修行・性質変化編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[83] 第83話 ヤオ子の自主修行・能力向上編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[84] 第84話 ヤオ子の自主修行・血の目覚め編[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[85] 第85話 ヤオ子の旅立ち・お供は一匹[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[86] 第86話 ヤオ子とタスケの口寄せ契約[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[87] 第87話 ヤオ子の復活・出入り禁止になった訳[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[88] 第88話 ヤオ子のサスケの足跡調査・天地橋を越えて[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[89] 第89話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ①[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[90] 第90話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ②[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[91] 第91話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ③[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[92] 第92話 ヤオ子のサスケの足跡調査・状況整理[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[93] 第93話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁①[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[94] 第94話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁②[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[95] 第95話 ヤオ子とサスケの新たな目的[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[96] 第96話 ヤオ子と小隊・鷹[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[97] 第97話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・マダラ接触編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[98] 第98話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[99] 第99話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・深夜の会話編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[100] 第100話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦開始編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[101] 第101話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・奪還編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[102] 第102話 ヤオ子とサスケの向かう先①[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[103] 第103話 ヤオ子とサスケの向かう先②[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[104] 第104話 ヤオ子とサスケの向かう先③[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[105] 第105話 ヤオ子とサスケの向かう先④[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[106] 第106話 ヤオ子の可能性・特殊能力編①[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[107] 第107話 ヤオ子の可能性・特殊能力編②[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[108] 第108話 ヤオ子と砂漠の模擬戦[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[109] 第109話 ヤオ子とイタチの葬儀[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[110] 第110話 ヤオ子とサスケの戦い・修行開始編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[111] 第111話 ヤオ子とサスケの戦い・修行編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[112] 第112話 ヤオ子とサスケの戦い・最後の戦い編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[113] 第113話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[114] 第114話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・サバイバルレース編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[115] 第115話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・本戦編[熊雑草](2013/09/21 22:22)
[116] 第116話 ヤオ子の八百屋[熊雑草](2013/09/22 01:07)
[117] あとがき[熊雑草](2010/07/09 23:40)
[118] 番外編・ヤオ子の???[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[119] 番外編・サスケとナルトの屋台での会話[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[120] 番外編・没ネタ・ヤオ子と秘密兵器[熊雑草](2013/09/21 22:24)
[121] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と①[熊雑草](2013/09/21 22:25)
[122] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と②[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[123] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と③[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[124] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第1話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[125] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第2話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[126] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第3話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[127] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第4話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[128] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第5話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[129] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第6話[熊雑草](2013/09/21 22:29)
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[13840] 第49話 ヤオ子と第七班?①
Name: 熊雑草◆890a69a1 ID:9b88eec9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/09/21 21:50
 == NARUTO ~うちはサスケと八百屋のヤオ子~ ==



 (ナルトさんと話してから気が楽になりました。
  たった、あれだけで気分が変わるあたしの単細胞さにも呆れますが……。
  でも……。
  ナルトさんの言葉は、とても嬉しかったんです。
  かと言って、頼ってばかりもいられないです。
  新たに追加した目標のためにも頑張らないと……。
  目的があるかないかでやる気も違いますしね。
  ・
  ・
  しかし、ナルトさんが去って、早々に二人の居た第七班で任務とは……)



  第49話 ヤオ子と第七班?①



 約束の時間三分前……。
 また、ヤオ子はギリギリに到着する。
 そこには、短い髪が伸びて長髪になったサクラが居た。


 「おはようございます」

 「ギリギリに到着とは、いい度胸じゃない……」

 「遅刻するより、いいでしょ?」

 「まあ……。
  遅刻するよりね……」


 サクラの含みのある乾いた笑いに、ヤオ子は首を傾げる。


 「ところで……。
  あんた、何で、サスケ君と同じデザインの服を着てんのよ?」

 「下はミニスカートですけど?」

 「色!」

 「サスケさんを意識してるんだもん」

 「まさか……。
  サスケ君のこと……好きなの?」


 ヤオ子は両手をあげて溜息を吐く。


 「ハッ!
  あんなドSの何処がいいんですか?」


 サクラのグーが、ヤオ子に炸裂する。


 「サスケ君の悪口を言うな!」

 (そういえば……。
  この人は、サスケさんに色呆けしてましたね)

 「あんた!
  何で、サスケ君の格好をしているのよ?」

 「…………」


 ヤオ子は口を手で押さえ、意地悪そうな顔で笑う。


 「知りたい?」


 サクラに青筋が浮かぶ。
 『別にいいわよ!』と言いたかったが……好奇心に負けた。


 「……知りたい」


 ヤオ子が口を開く。


 「妻だからです」

 「ええっ!?」

 「嘘ですよ?」


 サクラのグーがヤオ子に炸裂し、そのまま殴った手はヤオ子の胸ぐらを掴む。


 「大人しくしゃべれ!
  しゃーんなろー!」

 (キレた……)

 「必死ですね?」

 「一生、愛の人生だ!」

 「意味が分りません……。
  まあ、いいです」


 サクラがヤオ子を放すと、ヤオ子はポンポンとシャツを叩いて誇りを払う。
 そして、更に咳払いを一つ。


 「サスケさんってクールですよね?」

 「うん!
  そこがいい!」

 (逝っちゃってますね……)

 「それでいて美少年」

 「そうそう!」

 「そういう人の普段見たことのない姿を見たくありません?」

 「…………」


 サクラが固まって思考する。


 「例えば?」

 「通りがかりの人があたしを見て……。
  『妹?』とか言われて照れる姿とか?」


 サクラの髪がピーンと伸びる。


 「『ち、違う!』とか言って強がる美少年!」


 サクラの顔が緩む。


 「そして、いそいそと小さい子の手を引いて、
  早歩きで去って行くサスケさん……」


 サクラの口がだらしなく開く。


 「そういうシチュエーションに憧れて、この格好になりました」


 サクラが現実に戻って来る。


 「ヤオ子!
  結果は!?」

 「それが……」

 「もったいぶらずに言いなさいよ!」

 「サスケさんは、本戦以来、黒い服で……」

 「そういえば……」

 「その後も、入院していて……」

 「そういえば……」

 「そして、そのまま里を去りました」

 「あんた!
  期待持たせて、何やってんのよ!」

 「そう言わないでくださいよ。
  あたしだって、こうなるとは思わなかったんですから。
  ・
  ・
  しかも、同じデザインで四着も作ちゃったんですから……」

 「馬鹿じゃないの……」


 サクラは、ヤオ子に思いっきりがっかりした。


 …


 ヤオ子とサクラのおしゃべりで十分過ぎる。


 「担当の上忍さん、来ませんね?」

 「時間通りに来た試しなんてないわよ」

 「へ~」

 「前は、サスケ君とナルトと一緒に待ってたんだけどな」

 「…………」


 サクラは地面に視線を落とす。
 俯いた時に肩から崩れた髪にヤオ子が呟く。


 「サクラさん。
  また髪伸びましたね」


 サクラが肩に掛かる髪を指で弄る。


 「そうね」

 「サクラさんの髪って綺麗ですよね」

 「そう?」

 「はい。
  あたしの髪は少しパサパサしてます」


 サクラがヤオ子のポニーテールを掴むと、手に触れる感触を確かめる。


 「本当だ。
  ・
  ・
  ん?
  あまり、香りがしないわね?」

 「香り?
  サクラさんはフェロモンでも出てるんですか?」


 サクラのグーが、ヤオ子に炸裂する。


 「出るか!
  っんなもん!
  シャンプーとかリンスの香りがしないのよ!」

 「サクラさんは、そんな高級な物を使っているんですか?」

 「ハァ!? 高級!?」

 「うちは、大人だけですからね。
  シャンプーとリンスを使っていいのは」

 「どんな家よ……」

 「基本、石鹸ですね」

 「石鹸!?」

 「変ですか?」

 「おかしいわよ!」

 「ふ~ん」

 「あんた、そろそろ髪質も気にした方がいいんじゃない?」

 「そう言われましても……。
  どんなのがいいんですか?」

 「あんた、本当に女の子?」

 「つい最近までTシャツに短パン、靴下なしで駆けずり回ってました」

 「何処のガキ大将だ!」

 「実は、スカート履くのこれが初めてなんですよ」

 「どんな少女時代を過ごしてたのよ!」

 「極貧?」

 「訳分からない……」


 サクラが額を押さえる。
 そんなサクラを置いて、ヤオ子は思いついた。


 「そうだ!
  今、親元を離れてるから、お金あるんですよ!」

 「何で、親元を離れるとお金が貯まるのよ?」

 「今から洗剤買いに行きましょう!」

 「ハァ!?」

 「サクラさん!
  アドバイスしてくださいよ!」

 「カカシ先生は?」

 「男なんて待たせるのがいい女の条件ですよ」

 「あんたねぇ……。
  ・
  ・
  でも、偶にはいいか……。
  私の行き付けのお店でいいわね?」

 「お願いします」


 ヤオ子は、サクラの後についてその場を後にした。


 …


 ヤオ子達が去って十分後……。
 カカシ参上。


 「あれ?
  誰も居ない……」


 カカシは頭を掻いて辺りを見回した。


 …


 ヤオ子がサクラの後に続いて商品棚を見上げる。


 「何これ?
  こんなに種類あるの?」

 「普通よ」

 「普通……。
  どこら辺が?
  これって匂い嗅がせてくれるの?」

 「無理でしょ……」

 「サクラさんが使ってるのは?」


 サクラは商品棚からシャンプーとリンスを一本ずつ取る。


 「これとこれよ」

 「へ~。
  これで美しい髪が……」

 「まあね」

 「人気商品なんですか?」

 「私は、自分の髪にあったので選んでるから」

 「他に使ってる人は居ないんですか?」

 「…………」


 サクラは視線を斜め下に向けている。


 「どうしたんですか?」

 「犬が一匹……」

 「は?」

 「犬が使ってるわ……」

 「…………」


 何とも言えない空気が流れた。


 …


 カカシは待ち合わせの演習場で座り込んでいた。
 手にはイチャイチャバイオレンス。


 「どうしたのかな……。
  サクラが約束の時間に居ないなんて」


 ページを捲る。


 「もう、二十分も待たされてるよ……」


 そこにヤオ子とサクラが現れた。


 「サスケ……の格好をした女の子?」

 「お久しぶりです!
  カカシさん!」


 ヤオ子が元気よく手を振る。


 (あの子か……)

 「試験以来かな?」

 「そうです」

 「時間……過ぎてるよ」

 「すいません。
  家の時計が壊れてて」

 「手に持ってるのは?」

 「任務に必要な物です」

 (さらっと嘘つくわね……この子)


 ヤオ子の後ろで、サクラは呆れていた。


 「まあ、いいか……」

 (カカシ先生もいい加減ね……)

 「ところで……。
  何で、サクラと一緒なの?」

 「サクラさんは人生という名の道に迷って──」


 サクラのグーが、ヤオ子に炸裂する。


 「私は、カカシ先生か!」

 「は?
  カカシさん?」

 「サクラ……。
  もういいから……。
  恥の上塗りになる……」


 ヤオ子が首を傾げると、カカシは咳払いをして気を引き締め直す。


 「え~……。
  今度の任務だけど──」

 「はい!」

 「また、君?」


 カカシが嫌そうにヤオ子を見る。
 ヤオ子は、また流れを無視して手を上げたのだった。


 「小隊は、フォーマンセルでしょ?
  あと一人は?」

 「呼んだ中忍は、昨日、コンビを組んだ下忍と一緒に試食した料理店の新商品を食べて食中毒になった」

 「偶然ですね。
  あたしも、昨日、試食したんですよ」

 「…………」


 カカシとサクラの視線がヤオ子に集まる。


 「そんな妙な任務は重ならないと思うんだけど?」

 「私も、そう思います……」

 「もしかして……。
  あたしも食べた?」


 カカシとサクラが頷く。


 「少し酸っぱいぐらいでしたけどね?」

 「「腐ってる!」」

 「賞味期限には気を付ける方なんですけど……。
  実家では、二週間過ぎまでOKでしたから」

 「おかしいよ……。
  この子……」

 「私も、そう思います……」


 カカシとサクラが溜息を吐く。


 「あらためて任務の説明をする……。
  Dランクだから、安心していいから」

 「Dランクで四人必要だったんですか?」

 「そう」


 ヤオ子が考え込むと、サクラが不思議そうに訊ねる。


 「どうしたのよ?」

 「いえね。
  人数いるだけなら、あたし一人で頼むと思うんですよ。
  でも、優秀な忍者をつけるということは、何か別の意図があるのかなって?」

 「いい勘してるな。
  今回の任務は、囮だ」

 「「囮?」」

 「要人を警護する部隊がCランク。
  囮をする部隊がDランクだ」


 ヤオ子がジト目でカカシを見る。


 「嘘でしょ……」

 「どうして?」

 「囮なんて使っている時点で盗賊とか出るでしょ!
  Cランクじゃないですか!」

 「やっぱり、バレたか……」

 「何ですか! それは!」

 「君の先生がねぇ……。
  Cランク以上、嫌がってるって」

 「…………」

 「そうしたら綱手様が勝手にランクを下げて、DランクOKだって」

 「あのババア!」


 サクラのグーが、ヤオ子に炸裂した。


 「師匠に何て口の利き方をするのよ!」

 「だって~」

 「言い訳するな!」

 「酷い……」

 (サクラ……。
  段々、綱手様に似てくるな……)


 全員、少し落ち着くことに努力する。


 「カカシ先生。
  話を戻しますけど、囮ということは変装するんですか?」

 「いや、このままでいい」

 「「?」」

 「警護対象は八歳の女の子だ。
  丁度、こちらには八歳の女の子が居るだろう」

 「…………」


 カカシとサクラの視線が、再びヤオ子に向かう。


 「それって、あたしじゃないですか!?」

 「そうだよ」

 「命狙われてるんですよね?」

 「そうだよ」

 「嫌ですよ! そんなの!」

 「我が侭、言わない」

 「一体、どういう人選で、そうなったの!?
  そんな危ないの、カカシさんがロリコンギャルに変化すればいいでしょ!」


 サクラが想像する。
 カカシが幼女に変化して女言葉を使う……。
 サクラは口を押さえた。


 「やらないよ?
  やらないけど、その態度は傷つくな……」

 「だって……」

 「好き嫌いしない!
  サクラさんは、我慢!
  カカシさんは変態になってください!」


 サクラが口を押さえる。


 「ヤオ子だったっけ?
  お前、黙ってて……。
  急激にサクラに嫌われるから」

 「じゃあ、あたしがやるの~!」

 「そう」

 「本当にどういう人選なんですか?」

 「綱手様からの推薦だ」

 「「?」」


 ヤオ子とサクラが首を傾げている。


 「『何か手裏剣刺さっても死ななそうだから』らしい」

 「ちょっと!」

 「『怪我すれば、サクラの医療忍術の練習台になるから』とも言ってたな」

 「オイ!」

 「『寧ろ、怪我しろ』とも……」

 「ううう……。
  あんまりだ……」

 「師匠……」


 ヤオ子が俯いて震える。
 そして……。


 「やってられるかーーーっ!」


 爆発した。


 「おかしい!
  おかしい!
  おかしい!
  何で、いつも不遇な扱いなんですかッ!」

 「普段の行いのせいなんじゃない?」

 「サクラさん!?」

 「お前、恨み買いそうだもんな……」

 「カカシさん!?」


 カカシが微笑む。


 「安心しろ。
  オレの部下は、誰も殺させやしないよ……」


 サクラは、今のセリフを懐かしく思う。
 しかし……。


 「信用できるか!
  カカシさんって『イチャイチャパラダイス』読んでるところと、
  今日の待ち合わせで遅刻したとこしか見せてないじゃないですか!」


 思い出粉砕……。
 サクラがジト目でカカシを見る。


 「あれ? そうだっけ?」

 「そうですよ!
  ・
  ・
  サクラさん!
  この人、本当に頼りにして大丈夫なんですか!?」

 「…………」

 「いや、サクラ……。
  即答してよ……」

 「多分、大丈夫よ……」

 「…………」

 「激しく不安です……」


 激しい不安を残して第七班(?)の任務が始まる。


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