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No.13840の一覧
[0] 【ネタ・完結】NARUTO ~うちはサスケと八百屋のヤオ子~[熊雑草](2013/09/21 23:12)
[1] 第1話 八百屋のヤオ子[熊雑草](2013/09/21 21:27)
[2] 第2話 ヤオ子のチャクラ錬成[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[3] 第3話 ヤオ子の成果発表[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[4] 第4話 ヤオ子の投擲修行[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[5] 第5話 ヤオ子と第二の師匠[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[6] 第6話 ヤオ子の自主修行・豪火球編①[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[7] 第7話 ヤオ子の自主修行・豪火球編②[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[8] 第8話 ヤオ子の悲劇・サスケの帰還[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[9] 第9話 ヤオ子とサスケとサクラと[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[10] 第10話 ヤオ子と写輪眼[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[11] 第11話 ヤオ子の自主修行・必殺技編①[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[12] 第12話 ヤオ子の自主修行・必殺技編②[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[13] 第13話 ヤオ子の自主修行・必殺技編③[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[14] 第14話 ヤオ子の自主修行・必殺技編④[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[15] 第15話 ヤオ子の自主修行・必殺技編⑤[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[16] 第16話 ヤオ子とサスケと秘密基地[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[17] 第17話 幕間Ⅰ[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[18] 第18話 ヤオ子のお見舞い①[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[19] 第19話 ヤオ子のお見舞い②[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[20] 第20話 ヤオ子のお見舞い③[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[21] 第21話 ヤオ子の体術修行①[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[22] 第22話 ヤオ子の体術修行②[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[23] 第23話 ヤオ子の中忍試験本戦・観戦編[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[24] 第24話 ヤオ子の中忍試験本戦・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[25] 第25話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅護衛編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[26] 第26話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅壊滅編[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[27] 第27話 幕間Ⅱ[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[28] 第28話 ヤオ子の新生活①[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[29] 第29話 ヤオ子の新生活②[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[30] 第30話 ヤオ子の新生活③[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[31] 第31話 ヤオ子の下忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[32] 第32話 ヤオ子の下忍試験・実技試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[33] 第33話 ヤオ子の下忍試験・サバイバル試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[34] 第34話 ヤオ子の下忍試験・試験結果編[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[35] 第35話 ヤオ子とヤマトとその後サスケと[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[36] 第36話 ヤオ子の初任務[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[37] 第37話 ヤオ子の任務の傾向[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[38] 第38話 ヤオ子の任務とへばったサスケ[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[39] 第39話 ヤオ子の初Cランク任務①[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[40] 第40話 ヤオ子の初Cランク任務②[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[41] 第41話 ヤオ子の初Cランク任務③[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[42] 第42話 ヤオ子の初Cランク任務④[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[43] 第43話 ヤオ子の初Cランク任務⑤[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[44] 第44話 ヤオ子の憂鬱とサスケの復活[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[45] 第45話 ヤオ子とサスケの別れ道[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[46] 第46話 幕間Ⅲ[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[47] 第47話 ヤオ子と綱手とシズネと[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[48] 第48話 ヤオ子と、ナルトの旅立ち[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[49] 第49話 ヤオ子と第七班?①[熊雑草](2013/09/21 21:50)
[50] 第50話 ヤオ子と第七班?②[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[51] 第51話 ヤオ子の秘密[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[52] 第52話 ヤオ子とガイ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[53] 第53話 ヤオ子と紅班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[54] 第54話 ヤオ子とネジとテンテンと[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[55] 第55話 ヤオ子とアスマ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[56] 第56話 ヤオ子と綱手の顔岩[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[57] 第57話 ヤオ子とサクラの間違った二次創作[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[58] 第58話 ヤオ子とフリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[59] 第59話 ヤオ子と続・フリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[60] 第60話 ヤオ子と母の親子鷹?[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[61] 第61話 ヤオ子とヒナタ班[熊雑草](2013/09/21 21:56)
[62] 第62話 ヤオ子と一匹狼①[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[63] 第63話 ヤオ子と一匹狼②[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[64] 第64話 幕間Ⅳ[熊雑草](2013/09/21 21:59)
[65] 第65話 ヤオ子とヤマトの再会[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[66] 第66話 ヤオ子とイビキの初任務[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[67] 第67話 ヤオ子の自主修行・予定は未定①[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[68] 第68話 ヤオ子の自主修行・予定は未定②[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[69] 第69話 ヤオ子の自主修行・予定は未定③[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[70] 第70話 ヤオ子と弔いとそれから……[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[71] 第71話 ヤオ子と犬塚家の人々?[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[72] 第72話 ヤオ子とカカシの対決ごっこ?[熊雑草](2013/09/21 22:03)
[73] 第73話 ヤオ子の居場所・日常編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[74] 第74話 ヤオ子の居場所・異変編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[75] 第75話 ヤオ子の居場所・避難編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[76] 第76話 ヤオ子の居場所・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[77] 第77話 ヤオ子の居場所・救助編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[78] 第78話 ヤオ子の居場所・死守編[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[79] 第79話 ヤオ子がいない①[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[80] 第80話 ヤオ子がいない②[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[81] 第81話 幕間Ⅴ[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[82] 第82話 ヤオ子の自主修行・性質変化編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[83] 第83話 ヤオ子の自主修行・能力向上編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[84] 第84話 ヤオ子の自主修行・血の目覚め編[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[85] 第85話 ヤオ子の旅立ち・お供は一匹[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[86] 第86話 ヤオ子とタスケの口寄せ契約[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[87] 第87話 ヤオ子の復活・出入り禁止になった訳[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[88] 第88話 ヤオ子のサスケの足跡調査・天地橋を越えて[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[89] 第89話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ①[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[90] 第90話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ②[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[91] 第91話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ③[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[92] 第92話 ヤオ子のサスケの足跡調査・状況整理[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[93] 第93話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁①[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[94] 第94話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁②[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[95] 第95話 ヤオ子とサスケの新たな目的[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[96] 第96話 ヤオ子と小隊・鷹[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[97] 第97話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・マダラ接触編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[98] 第98話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[99] 第99話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・深夜の会話編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[100] 第100話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦開始編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[101] 第101話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・奪還編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[102] 第102話 ヤオ子とサスケの向かう先①[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[103] 第103話 ヤオ子とサスケの向かう先②[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[104] 第104話 ヤオ子とサスケの向かう先③[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[105] 第105話 ヤオ子とサスケの向かう先④[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[106] 第106話 ヤオ子の可能性・特殊能力編①[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[107] 第107話 ヤオ子の可能性・特殊能力編②[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[108] 第108話 ヤオ子と砂漠の模擬戦[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[109] 第109話 ヤオ子とイタチの葬儀[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[110] 第110話 ヤオ子とサスケの戦い・修行開始編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[111] 第111話 ヤオ子とサスケの戦い・修行編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[112] 第112話 ヤオ子とサスケの戦い・最後の戦い編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[113] 第113話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[114] 第114話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・サバイバルレース編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[115] 第115話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・本戦編[熊雑草](2013/09/21 22:22)
[116] 第116話 ヤオ子の八百屋[熊雑草](2013/09/22 01:07)
[117] あとがき[熊雑草](2010/07/09 23:40)
[118] 番外編・ヤオ子の???[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[119] 番外編・サスケとナルトの屋台での会話[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[120] 番外編・没ネタ・ヤオ子と秘密兵器[熊雑草](2013/09/21 22:24)
[121] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と①[熊雑草](2013/09/21 22:25)
[122] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と②[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[123] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と③[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[124] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第1話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[125] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第2話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[126] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第3話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[127] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第4話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[128] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第5話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[129] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第6話[熊雑草](2013/09/21 22:29)
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[13840] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第5話
Name: 熊雑草◆890a69a1 ID:96ed7643 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/09/21 22:28
 == 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第5話 ==



 忍者の姿をしないのも久しぶり。
 シャツにジーンズ。
 ジーンズの下に重り入りのレッグウォーマー。
 黒子に借りたベルト。
 道具入れにホルスター。
 靴だけは、木の葉使用。
 見た目は、どっかのヤンキーのねーちゃん。


 「額当ては、置いてこ」


 学園都市は、学生の街。
 授業を受ける学生が学校に行けば、街は意外と静かだ。
 ヤオ子は、お弁当を片手に街に繰り出す。


 「街に出れば、寮監さんに迷惑を掛けることはないです」


 目的は、特にない。
 強いて言うなら、街の調査。
 時々、目につく地図を頼りに街を駆け回る。


 「新しい出会いの予感……」


 もとい、新しいトラブルの予感。


 …


 学園都市の監視カメラが妙なものを映し続けていた。
 片方の手に弁当箱を持ち、片方をジーンズのポケットに突っ込む。
 揺れるポニーテール。
 その変な少女が一定の早さで走り続け、一定の時間で次の監視カメラに映る。
 おかしいのは、障害物を気にせずに直進しているように見えること。

 ヤオ子は、朝からの探索を引き続き続けている。


 「恐ろしいほど正確な地図ですね。
  一定の速度で走っている自信があるから、
  時間と速度で距離が分かる。
  ・
  ・
  ここにある地図は信用出来る。
  能力者が居るという割には無警戒?
  いや、ルールが違うんでしょうね。
  だったら、ここのルールに従うべきでしょう」


 ヤオ子は、一人納得すると、近くにあるはずの公園へと向かう。


 「さすが」


 正確な地図に記された公園のベンチに座る。
 時間は、そろそろお昼時。
 お弁当を食べるには丁度いい。


 「…………」


 しかし、目の前に行き倒れた人。


 「子供が死体ごっこでもしているんでしょう。
  シスターのコスプレなど。
  色も黒じゃなくて白だし。
  そんな間違いも子供らしいです」

 「…………」


 無言で視線を向けられた。
 ヤオ子は、お弁当を仕舞う。


 「場所を変えるか……」

 「無視して行っちゃうつもりなのかな?
  わたしは、助けてって視線を送ってるつもりなんだけど」

 「無視して行っちゃうつもりです。
  人間話せるうちは、まだ限界じゃありません。
  頑張ってください」

 「待つの!」


 這いずって来て、足を掴まれた。


 「何ですか?」

 「助けて欲しいんだよ」

 「立てない?」

 「お腹が減って行き倒れてるの」


 シスターの視線は、ヤオ子の片手にあるお弁当。
 ヤオ子は、指を差す。


 「見えますか?
  あれは蛇口と言って、捻ると水が出るんです。
  水を飲んで腹を膨らましてください」

 「…………」


 涙目で睨まれた。


 「あたし、お金を持っていないんですよ。
  居候の身で、お金を少し頂いていると。
  今日は、お弁当を作る機会があったので、
  お金を貰っていません。
  ユー アンダースタン?」

 「わたしがこのまま死んだら、
  あなたのせいなんだよ!」

 「じゃあ、あたしが必要不可欠の栄養を摂取出来なくて死んだら、
  あなたのせいなんですよ?
  おうちの人は?」

 「とーまは、またお昼を作り忘れたんだよ!」

 「誰?」

 「かみじょうとーま!」

 「過剰なトンマ?
  はあ、そのトンマのせいで飢えていると?」

 「そう!
  だから、お腹一杯ご飯を食べさせてくれると嬉しいな♪」


 満面の笑顔。


 「その笑顔に騙された人も多そうですね。
  しかし、その要求には応えられません。
  あたしも栄養を摂取しないといけないので、
  半分こならいいですよ」

 「うん!」


 シスターは、立ち上がるとベンチに腰掛けた。


 (意外と元気じゃないですか……)


 ヤオ子は、溜息を吐きながらシスターの隣に腰掛けた。


 …


 弁当箱の蓋を開ける。
 半分はご飯、半分はおかず……という姿を確認する前に弁当箱が消えた。


 「へ?」

 「この卵焼きは絶品だよ!」


 シスターが弁当箱を抱えていた。


 「この一口ずつに区切ってるご飯も食べ易いかも!
  この焼き魚もいい塩加減!
  和洋折衷で大満足なんだよ!」

 「あたしの分は?」

 「ご飯が半分……かも?」


 戻って来た弁当箱には、白いご飯が半分。


 「これを半分こと言うんでしょうか……。
  何をおかずに食べればいいんでしょうか……」

 「少し足りない……」


 ヤオ子は、溜息を吐く。


 「残りも食べます?」

 「いいの?」

 「ええ、まあ……」


 シスターは、残りのご飯を食べ始めた。


 「何か『朝ご飯を食べてごめんなさい』って、気になって来ました……。
  朝ご飯は、食べたんですか?」

 「時間がなかったから、中途半端だったかも……」

 「中途半端ですか?」

 「とーまは、学校に行くから、
  朝は時間がないんだよ」

 「学生さんと二人暮らしですか?」

 「スフィンクスも一緒だよ」


 シスターは、猫をヤオ子に見せた。


 「この猫に餌は?」

 「え? あ~!」

 「あたしの手持ちは、
  もう、ありませんよ?」

 「どうしよう……」


 ヤオ子は、またまた溜息を吐く。


 「ダメな飼い主に同情します。
  うちは、近くですか?
  冷蔵庫の材料を使っていいなら、何か作りますけど?」

 「ホント!?」

 「うちに入る許可と冷蔵庫の材料の使用許可を頂けるなら」

 「もちろん!」


 ヤオ子は、疑問を抱いて頬をチョコチョコと掻く。


 「少しいいですか?」

 「何?」

 「その住人の方に
  『知らない人を家に入れないように』
  と言われてませんか?」

 「言われてるけど?」

 「あたしは?」

 「…………」


 シスターは、にこっと笑う。


 「お弁当をくれた人!」

 「この人、危ないですね……。
  『お嬢さん、XXXあげるよ』って言ったら、
  確実に付いて行くタイプですよ……」

 「こっち!」


 ヤオ子が、ちょっと目を離した隙にシスターは走って行く。


 「過剰なトンマさんも大変ですね……」


 ヤオ子は、シスターの後に付いて行った。


 …


 件のシスターの住処……。
 マンションの一室だろうか?
 その一室で、冷蔵庫の材料が料理に変わっていく。
 包丁の小刻み良いリズムで適当な大きさに切られ、フライパンと鍋も同時に使用される。
 煮込みハンバーグ、野菜炒め、茸の混ぜご飯、杏仁豆腐、etc...。
 冷凍と冷蔵出来る料理を幾つか作りあげた。
 そして、猫の餌と一緒に、料理がタッパやラップに包まれる。
 ヤオ子は、使用した調理道具を洗い終えるとシスターに声を掛ける。


 「え~と、シスターさん」

 「わたしは、インデックスっていうんだよ」

 「そうですか。
  あたしは、ヤオ子と呼んでください。
  ・
  ・
  で、インデックスさん。
  電子レンジ料理を覚えてください」

 「料理?」

 「はい。
  作った料理を小分けして、タッパに入れたりラップに包んで置きましたので、
  器に移して、レンジに入れて扉を閉めます。
  そして、『あたため』のボタンを押してください」

 「それで食べれるの?」

 「ええ。
  計画的に同居している人と食べてください。
  そして、こっちは猫の餌です」


 ヤオ子が台所の床に餌を置くと、猫が餌を食べ始めた。


 「では、インデックスさん。
  あたしは、これで失礼します」

 「ありがとう。
  また、来てね!」

 「はい」

 (この地域には、二度と足を踏み入れません。
  お腹減ったな……)


 ヤオ子は、溜息を吐くと寮に戻ることにした。


 …


 学園都市の学舎の園の外の学生寮208号室……。
 そこには、黒子が床に手を付く姿があった。


 「どうしたんですか?」

 「失敗しましたわ……」

 「はい?」

 「備え付けのレンジを使った瞬間に、
  匂いに釣られて、お姉さま以外の学生が……。
  どれがお姉さまの体液の染み込んだおかずか
  分からなくなってしまいましたわ……」

 「美琴さんは?」

 「上機嫌で食べていたところまでは確認しましたが、
  それ以降は、ワラワラと……!
  私のお姉さまにーーーっ!」

 (この人、一体……。
  あたしの変態性が霞む人というのも珍しい……)


 …


 一方のシスターの一室……。
 インデックスが同居人に話し掛けていた。


 「とーま!
  わたしね、今日、料理を覚えたんだよ!」

 「料理?」

 「ふふ~ん!」

 「それは、ちゃんと食べられるものなのか?」

 「とーまは、いっつもわたしを馬鹿にして!
  許せないかも!
  ぎゃふんと言わせてあげるんだから!」

 「ぎゃふん……」


 インデックスがヤオ子に教わった通りの電子レンジ料理を披露する。
 同居人の上条当麻は、台所から響く「チン!」の音に溜息を漏らす。


 「今日は、一体何のテレビを見たんだ……」


 何が運ばれて来るかの不安が広がる中で、料理が運ばれて来た。


 「普通だ……。
  普通なのが余計に怖い……」

 「とーま、食べよ♪」

 「あ、ああ……」


 今までの数々の失敗が頭を駆け巡る。
 見た目には煮込みハンバーグ……。
 それにゆっくりと箸を伸ばす。


 「箸でも切れる柔らかさ……。
  食欲を誘う匂い……。
  ここまで、何も起きてない」


 その一切れを口に運ぶ。


 (旨い……。
  今までにないぐらい旨い……)

 「インデックス……。
  これって……」

 「美味しいでしょ。
  じゃあ、もういいよね?
  残りは、わたしの分だね」

 「え? 待った!
  俺の分じゃないのか!?」

 「ん?」

 「食べられた……。
  一口だけでお預けなんて……。
  一口も食べない方が、未練がなかった……。
  ・
  ・
  不幸だ……」


 上条当麻は、インデックスに気付かれる前に、料理の出所を発見して口に入れることが出来るのか?


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