== 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険 第1話 ==
※混ぜるな危険は、「オリ主×とある科学の超電磁砲」という実験的なものです。
※作者は、「とある科学の超電磁砲」に関してはアニメで見た程度なので、
※原作の表現ではなく、作者が聞いたアニメの声の表現で作成されています。
※テーマは、「変態×変態=混ぜるな危険」。
※とある科学の超電磁砲の白井黒子とヤオ子を合わせてみました。
※原作と表現が違うなど、指摘する箇所も多いと思いますが寛大な心でご容赦頂ければと思います。
火の国、木の葉隠れの里には変態が居る。
トレードマークはポニーテール、藍のTシャツ、白いミニスカート。
もう少し付け加えるなら、黒のスパッツに両腿にホルスター、膝下にはレッグウォーマー。
名前を八百屋のヤオ子。
悪い噂をあげれば、数え切れない。
そして、本日のヤオ子は……。
「いや~、さすが独身の忍者の男性寮前。
資源ごみの日は、宝の山です」
如何わしい本を漁っていた。
変態に備わる心眼を使い、捨てられたアレな本から自分の求める真のアレな本を見極める。
そして、鋭い目がぽっかりと開いた謎の穴の本を掴み取った。
「手書きのこの怪しい本!
『お姉さまのHimitsu♪』!
これを本日の戦利品に決めました!」
がっしりと掴み取った、その本。
しかし、引っ張っても取れない。
「あれ?」
ヤオ子は、首を傾げながらも引っ張り続けた。
…
学園都市には変態が居る。
茶髪ツインテールの中学一年生。
本人に自覚があるかどうかは不明だが、行き過ぎたある一人の友情や尊敬が恋愛感情すら掛け離れた変態の域まで達している。
名前を白井黒子。
ある一人……御坂美琴にセクハラを働いての電撃、格闘技のオンパレードは数え切れない。
そして、本日の黒子は……。
「一向に捗りませんわね……」
学生の務め、勉強に集中出来ずに机の前で頬杖を付いていた。
二名居る部屋の住人の一人は外出中。
気分転換に話し掛けることも出来ない。
「でも、お姉さまが居ないからこそ……。
ささやかな幸せを噛み締めるとしましょう」
手を伸ばしたのは、近くの本棚。
タイトルは、『お姉さまのHimitsu♪』。
「あはぁ~……」
だらしなく緩んだ口元から興奮した息をハァハァと漏らしながら、件の本に手を掛ける。
「ん?」
件の本がピクリとも動かない。
「どうなっていますの!
ふんぬ~!」
黒子は、両手で件の本を引っ張り続けた。
…
ヤオ子の目の前で、謎の穴が縮まり始める。
ヤオ子は、焦り出す。
「拙いです!
この穴、時空間忍術の類に違いありません!
このまま、穴が閉じれば腕が切断されます!」
ヤオ子は、ギリリと奥歯を噛み締める。
常人なら、確実に手を放して逃れる展開だったが……。
「うおぉぉぉ!
まだ見ぬ究極のエロ本を前に手を放せるか!」
馬鹿だった。
果てしなく馬鹿だった。
そして、取った行動……。
「腕も切断されてたまるか!」
ヤオ子は、穴に飛び込んだ。
考えなしに、迷いなしに、躊躇うことなく……。
一冊のエロ本のために……。
…
黒子は、目を血走らせながら、件の本を引っ張り続けていた。
自身の能力テレポートを使うのも忘れて力を込める。
「私のお姉さまの秘密を~~~!
お返しになりませ~~~!」
そして、本は、抵抗をやめる。
ガッターン! と大きな音を立てて黒子は転倒した。
しかし、件の本から張力を感じる。
「「ん?」」
掴み合った本を挟んで、変態同士の目が合った。
…
黒子は、自分の部屋に現れた謎の少女に目を向ける。
「貴女は、誰ですの?」
「あなたこそ、誰ですか?」
「私は、この部屋の住人です。
そして、さっきから貴女が掴んでいるその本は、私のものです」
「…………」
ヤオ子は、黒子の言葉に周りを見回す。
しかし、場所なんかどうでもいい。
もっと優先することがある。
「場所は、どうでもいいんですよ……。
あたしは、このエロ本を見たいだけなんです。
手を放せです」
ヤオ子は、黒子を睨み返した。
しかし、黒子は、澄ました表情で言い返す。
「この本をエロ本などと一緒にしないでくださいませ。
この本は、高貴にして崇高な……神聖なお姉さまの肢体を収めたものですの」
「ただの写真集ですか?」
「ただのではありません」
「でも、写真集じゃ……。
あたしは、思春期男子が集めた自分的ベストの切り抜きだと思っていたんですけど……」
「貴女は、何を言ってますの!」
「いや、だって……。
一気に興味が失せちゃった……」
「その言葉、聞き捨てなりませんわね……。
私の血と汗と涙の結晶が、そこら辺の男子の趣味に負けるとでも?
・
・
いいでしょう。
その目で、しかと確かめなさい!」
黒子は、『お姉さまのHimitsu♪』をヤオ子に突き付ける。
「いえ、もういいです」
「見なさい!」
「仕方ありませんね」
ヤオ子は、『お姉さまのHimitsu♪』を手に取ると捲り始める。
そして、全て見終えると、パタンと『お姉さまのHimitsu♪』を閉じる。
「ふ……。
確かに予想以上ですね」
「そうでしょう?」
「しかし、想像以上ではない!」
「……は?」
「被写体に関しては、文句のつけようもありません」
「当然です」
「そして、盗撮という行為で素の姿を写すというのもいいでしょう。
しかし、私なら……もっと、エロいものを撮れます!」
「なん…ですって?」
ヤオ子は、黒子の手を取る。
「確かに想像以上ではありませんが認めましょう。
この『お姉さまのHimitsu♪』には写した者の心があると」
「貴女……」
「この自作写真集には疚しい心が詰まっている!
間違いなく魂がある!
被写体の少女の全てを見たいという怨念のようなものを感じます!」
「その通りです!」
「是非、あなたの名前を教えてください」
「白井黒子ですわ」
「あたしは、八百屋のヤオ子です」
二人は、がっしりと握手を交わす。
「黒子さん……。
この写真集が完成したあかつきには……。
是非、あたしにも!」
「いいでしょう」
「あたしも、黒子さんに恥ずかしいコレクションを……あれ?」
「どうしました?」
「ここ、どこ?」
「話が最初に戻りましたわね……」
ヤオ子は、ようやく自分の居場所の違和感に気が付いた。