DQD 31話
『空裂斬』、それは見えざる敵の急所を斬り、ゴーストなどの実体のないモンスター相手に絶大な効果を発揮する技と言われている。
それは正しいがこの技の本質を語ってはいない。それが周囲から見たときに一番分かりやすいため、そう言っているに過ぎない。
この技の本質は、『空裂斬』を説明するときの前半部分にある。
つまり心眼で相手の急所を見抜き、そこを突くことこそが『空裂斬』の真骨頂なのだ。
だが相手を見ただけで何処が急所かを見抜けるようなレベルには、なかなか到達することは出来ない。
それを修得するための前段階として急所を見抜くという感覚を得やすいのが、ゴーストなどの実体を持たないモンスターだ。あれらのモンスターは身体の中にその身体を構成する“核”を持っており、それは力の塊でもあるため比較的にその存在が感じやすくなっており、それと同時に急所にもなっている。
その結果、『空裂斬』は何時しかゴーストなどの実体の無いモンスター用の技として有名だが、『空裂斬』を修得するにあたってその技の本質は理解しなければ修得に不備が出る場合がある。
ヒュンケルは『空裂斬』を修得する心構えとしてトールにそう語った。
『空裂斬』の修練方法、それは至って簡単だった。
目を隠し耳を塞いで、そのままの状態で戦うのだ。何故そうするのかについてはもちろん理由はある。
人間というのはある種の器官、目や耳などが使えなくなった場合に他の器官で補おうとする傾向にある。
今回は目と耳を使えないようにして、その代わりに心の眼でもある第六感を鍛えようとしているのだ。
相手の弱点を見ただけでの見抜くというのは、ある意味感覚に頼る部分が大きいからだ。
ヒュンケルが用意した物は魔力のこもったペンダント。ペンダントでなくても、力の感じ取れる物なら何でもかまわない。急所となる場所は魔力であれ闘気であれ力の偏りがあるため、それを感じ取る事がこの修練の目的だ。
ヒュンケルが強大な魔力を込めたペンダントを用意したのは、ヒュンケルの魔力素養がないため、魔力が分かりやすいからだ。
ヒュンケルは魔力のこもったペンダントをしてトールに攻撃をし、トールはそれを交わしながらペンダントに一撃を入れるだけだ。
言葉にすると実に簡単だが、実際はそうではない。
人間が外の情報を得るための大半は視覚と聴覚に頼っている部分が大きい。それを失くした時の不安感は凄まじい。ただ立っているだけでも自分が本当に立っているかを怪しく感じてしまうのだ。
そんな中でのヒュンケルからの攻撃。もちろん手加減はしているし、使う得物も『ひのきのぼう』だ。
トールの方も『闘気』で身を固めるため、ヒュンケルが攻撃を『闘気』で強化しない限りは大怪我を負う事もないだろう。
だがそれは普通の場合ならだ。視覚と聴覚が塞がれ、何時何処から攻撃が来るか分からず、上下の感覚も不確かになっている今の状態では、ほんの少しの衝撃にも大げさに反応してしまい余計に危険だった。
(こんな状態で何が出来るんだ)
トールがそう思っても仕方のない事だろう。
だが言われた以上、このやり方を続けるしかない。他に心眼を鍛える方法なんてトールは知らないのだから。
30分程続けては休憩の繰り返し。はじめはその30分が数倍の時間にも感じられた。感覚を塞ぐという事は時間の感覚さえもおかしくなると思った。
だが何度か続けていき暗闇にも慣れてくると、次第にある方向から何かを感じるようになってきた。
トールはその方向へ思い切り『ひのきのぼう』を振る。
ガツッ!
耳には聞こえないが何かに当たり手に響く感覚からそれは分かる。トールとヒュンケルの『ひのきのぼう』がぶつかり合ったのだろう。
これにはトール自身がびっくりした。
だがただ一度きりならそれは只の偶然でしかない。二度三度と続いて始めて意味がある。
そしてトールはその後も何となくだがヒュンケルのいる方向が分かるようになっていた。棒で打ち合えるほどはっきりとしたものではなく、ただ漠然とその存在を感じる程度のものだ。
自分自身でもよくこんな事が出来るようになったと思ったが、考えれば下地は出来ているとも思えた。
『海波斬』の修練で呪文を感じ取れるようになる訓練をして、その時には何とか感じ取れるようにまでなったが、力を見抜くという点においては同じだ。
多分これのおかげなのだろう。
力の質は違えど力の塊に対する探査能力は鍛えられていた。『盗賊』という職自体が、力を感じやすい職なのかもしれない。そうでなくては索敵能力で敵の居場所を探る事など出来ないだろう。これも運が良いと言っていいのかもしれない。
とりあえずは一番の不安であった場所を探ることだけは出来るようになっていた。
これにはヒュンケルも驚いていた。
ヒュンケル自身『海波斬』の修練でトールが多少なりとも力を見抜く能力を身につけているとは思っていたが、これほどの短時間で相手の位置を感じ取れるようになるとは思っていなかった。
まだ『空裂斬』の修練初日なのだ。残りの日数全て使って何とかこの初歩の段階である相手の場所が何とか分かる、をクリアーできるかどうかと思っていたため、ある意味嬉しい誤算だと言っても良かった。
この後は今のただ漠然と分かるという状態からより正確に位置や力の強さなどを把握出来るように修練を続けていくだけだ。
物事は切っ掛けをつかむのが難しい。ある意味そのきっかけさえつかめば後はスルスルと進んでいくということは良くある。
『空裂斬』は正にそういった類のものだった。
魔力のこもったペンダントの強さの変えたり、複数個身につけたりしながら、感覚の違いを探ったり、ヒュンケルが『ひのきのぼう』に『闘気』を纏わせる事によりその存在を感じながら打ち合いをしたりと修練は続けられた。
そしてそれから三日後、『空裂斬』に関して最低限の能力は身についたとされた。
これで基本となる『大地斬』、『海波斬』、『空裂斬』の三つを最低限だが使えるようになった。後は実戦や訓練をしながら、より的確に使用できるようにしていくだけだ。
講座の残りの日数も後5日、ヒュンケルの教えている流派がアバン流ならこの後教わるのは『アバンストラッシュ』だと思われるが、漫画と同じなのかどうかはトールには分からない。
だが後5日で、何か新しい事を覚える事が出来るとは思えない。身につけた3つの技もまだ完璧には程遠いしこのまま訓練するのも良いだろう。
ヒュンケルとの実戦形式の稽古も強くなるのに十分役立つため、それでもトールには文句は無い。
教わる身としてはヒュンケルの指示に従うのみだ。
****
残りの日数は迷宮でモンスター相手に実戦訓練を行うことになった。
迷宮でモンスターを実際に相手に押しながら、その都度ヒュンケルからの注意等を受ける事になる。
まずはヒュンケルとパーティーを組む。これは様々な事でフォローをしやすくするためだ。
経験値や得られるGやアイテムについては折半する事になった。
トールとしては、パーティーを組んでいる以上、経験値が折半になるのはしょうがないが、Gやアイテムについては辞退するつもりだった。だが講義分のお金は貰っているのだから、普通のパーティーを組むのと同じ折半でいいと言うのだ。
まあ、お金の事でグタグタ言うなら、剣の講義などしていないだろう。長年の疲労やケガで本調子ではなくなったとはいえ、ヒュンケルがトールよりも強いのは明らかなのだ。講義の日数を迷宮で過ごせば、講義代の何倍ものお金を稼げるのだから。
トールにしてもお金はこれからも必要になる事だし、そう言うのならと、その申し出を受ける事にした。
さて、パーティーを組んで迷宮へ行く場合、訪れる場所はパーティー内で浅い階層のほうに合わせられるため、トールが行ける最も地下の階層に行く事になった。
つまり11階からだった。
――― ステータス ―――
ヒュンケル おとこ
レベル:53
職:バトルマスター
・装備品
頭:ヘッドバンド(守+21)
身体上:プラチナメイル(守+43)
身体下:バトルパンツ(守+17)
手:メタルグラブ(守+16)
足:スパイクレガース(守+14)
アクセサリー:スーパーリング(守+5、各種状態異常耐性UP)
武器:プラチナソード(攻+51)
HP:626
MP:26
攻撃力:479
防御力:284
武闘家スキル:☆(おたけび、常時すばやさ+5、常時ちから+10、カウンター、ふとうふくつ、常時ちから+30、しんとうめきゃく、常時すばやさ+30、めいそう、常時すばやさ+60)
戦士スキル:☆(かばう、常時ちから+10、最大HP+10、身の守り+20、たいあたり、常時ちから+30、ロストアタック、常時身の守り+30、最大HP+60、やいばくだき)
盗賊スキル:6(索敵能力UP、すばやさ+10、ぬすむ、器用さ+20、リレミト、しのびあし、盗人きり)
芸人スキル:4(遊び、一発ギャグ、みかわし率UP、くちぶえ、常時みりょく+30)
バトルマスタースキル:8(最大HP+10、とうこん討ち、常時ちから+10、すてみ、最大HP+20、もろば斬り、ちから+30、無心こうげき)
剣スキル:☆★+2(剣装備時攻撃力+5、ドラゴン斬り、メタル斬り、剣装備時攻撃力+10、ミラクルソード、はやぶさ斬り、剣装備時攻撃力+20、剣装備時の会心率UP、まじん斬り、ギガスラッシュ、剣が得意武器になった、剣装備時攻撃力+10、剣装備時攻撃力+10)
槍スキル:☆★(槍装備時+5、しっぷう突き、けもの突き、槍装備時+10、槍装備時の会心率UP、一閃突き、槍装備時+20、なぎはらい、さみだれづき、雷光一閃突き、槍が得意武器になった、槍装備時+10)
素手スキル:9(未装備時攻撃力+10、あしばらい、しっぷう突き、素手時の会心率アップ、きゅうしょ突き、せいけんつき、未装備時攻撃力+25、みかわし率+4%、爆裂拳)
闘志スキル:☆(自動レベルアップ、常時ちから+5、常時身の守り+5、最大HP+10、常時すばやさ+5、常時ちから+20、常時身の守り+20、最大HP+20、常時すばやさ+20、常時ちから+30、常時HP+30)
特殊技能:闘気法(オーラブレード、ためる)、アバン流交殺法(大地斬、海波斬、空裂斬、アバンストラッシュ、ブラッディースクライド、常時ちから+20、常時身の守り+20)
【☆はスキルをマスターした証だが、それ以上スキルが上げられないわけではない。そのまま職業を続けたり、武器を使い続ける事によって、それに見合ったステータスが上がったりする。その際は★がつきます】
パーティーを組んで始めて目にするヒュンケルのステータス。強いとは思っていたがレベル50オーバーだとは思っていなかった。ゲームのDQならラスボスを倒せるくらいのレベルだ。
そんなレベルのヒュンケルでも『塔』の最上階には辿り着けていない。トールは改めて自分が行う事の難しさを知るのだった。
11階でまずはヒュンケルの戦うところを見学する事になった。
実戦で3つの技を使っての戦い方がどのようなものなのか、それを見せるとの事だった。
11階にいるモンスターは『スライムナイト』、『ミイラ男』、『しにがみ』、『さまよいたましい』、『ドラゴンキッズ』の5種類だ。
『スライムナイト』は緑色のスライムに鎧を着込み剣と盾を持った騎士が騎乗しているモンスターだ。上の騎士と下のスライム、どちらが本体かはゲームのDQでもまちまちだが、この迷宮では騎士を倒すと消えるため上の騎士の方が本体なのではないかを思われる。『ホイミ』で傷を治し、痛恨の一撃も仕掛けてくる油断なら無い相手だ。
『ミイラ男』は身体中に包帯を巻いた人型のモンスターだ。ゾンビ系モンスターであるためHPが少し高めで攻撃力も強めだが動きは鈍い。痛恨の一撃なども放ってくるが落ち着いて対応する事が出来れば問題になることは無い。トールにとっては人そっくりに見える見た目の方が問題だが、見た目で恐れるようなことがなければ何とかなるだろう。
『しにがみ』は見た目『ゆうれい』と同じような姿で半透明の身体にボロボロのローブを纏ったような姿だが、ローブの色が違い手には巨大な鎌を持っていた。鎌を大振りするときは痛恨の一撃を注意しなくてはいけないが、ただ戦うだけならそれほど手こずる相手ではない。だが時折むやみやたら、めちゃくちゃに狂ったように鎌を振り回すときがある。このときの素早さは油断なら無いものがある。
『さまようたましい』は基本的にまごまごしていて何もしてこない。HPが少なくなると自爆するが普通に倒そう戦っていれば自爆をする前に倒せるだろう。迷宮内でもあまり見かけないほど影が薄いモンスターだ。
『ドラゴンキッズ』は黄色の小型のドラゴンだ。これきり大きくならないのか、名前のとおりドラゴンの子供なのかは分からない。『火炎の息』と『氷の息』を吐いてくし直接攻撃もそれなりに強いため注意が必要にだった。
本来ならトール一人で気をつけながら調べていくのだが、今回はヒュンケルが一緒だったためモンスターのことを知るのに苦労せずに済んだ
思えばトールは今までパーティーを組んできたが自分より格上の相手と組んだことはなかった。いつもトールは守る側としてパーティーにおり自分だけでなく周りのことも気にして、常に気を引き締めてパーティーにいたような気がする。
それがヒュンケルという自分よりも強い相手とのパーティーだと自分だけのことを考えればいいし、もしもの事を考えなくてもいい。
油断しているわけではないが、保護者のような絶対的とも言える強者が身近にいるのは気が楽になるのを感じた。
こんなに落ち着いた精神状態で迷宮にいるのは滅多にない事だった。
ヒュンケルがモンスターを相手に剣を振るう。
その動きも剣捌きも素早く華麗だ。流れるように淀みなく剣は軌跡を描く。
『スライムナイト』は『大地斬』でその盾ごと斬り裂き、『しにがみ』と『さまようたましい』は『空裂斬』の煌くような一閃で掻き消える。『ドラゴンキッズ』は『海波斬』の衝撃波で吐くブレスごと切り裂かれる。『ミイラ男』はその剣捌きで露に消えた。
モンスターとのレベル差があるためこの結果は当然の事かもしれないが、トールに今の動きが出来るかといわれれば、ノーと言わざるを得ない。
ヒュンケルは3つの技を自在に使っていく。それはあくまでトールに見せるための動きであり、必ずしも実戦的な動きではない。それはある意味空手や剣道などの型を行っているようなものだ。
そもそもヒュンケルがこの階層で戦うなら、ただ剣を振るうだけでけりがつくし、無傷で済ます事も出来る。技を使えば多少なりとも体力を消耗するからだ。
今回はトールに3つの技を使う所をトールに見せたかったから使っているに過ぎない。
トールにしてもその辺りの事は理解しているつもりだが、今のトールにはヒュンケルの動きに不自然さは感じられない。
それはレベルや修練の差から考えればしょうがない事だろう。
ヒュンケルの手本が終わると、次はトールによる実戦での講義となる。
トールにしても一対一なら普通に戦っても十分に勝てるが、今回は当然の事ながらあえて技を使ってモンスターを倒していく事になる。
どのようなタイミングでどのように使うかはやはり訓練と実戦では感覚が違ってくる。それを修正するためには何度も実際に戦っていくしかない。
本来なら一人で試行錯誤していくところを側でヒュンケルのアドバイスを受けながら行うのだ。心強いという他ないだろう。
何より不慮の事故の心配をしないで済むのが一番ありがたい。
スキルなどで得た技を試すときなど、使える事は分かってはいるが、その結果生じる隙などがどのような事になるかを心配しながら試しているのだ。
何かあったとき直ぐに対応してくれる者が側にいるのは、改めて考えてみても心強いものだ。それがレベルの上の者ならば尚更だ。
こう考えるとパーティーを組む利点もあるのだが、元の世界に帰るいう目的のことを考えると、やはりあまり周りと親しくしてしまうのもどうかという考えが頭をよぎる。
この辺りがビアンカやマーニャ、彼女達との関係に踏み込めない理由の一つにもなるのだろう。
答えの出ない考え事は置いておきトールもモンスター相手に戦い始める。
予想通り訓練と実戦では大きく違ってくる。一対一で戦うなら何とか技を使って倒すことが出来るが、数が多くなるとそういうわけにもいかなくなる。
『大地斬』はただの力任せで剣を振ることになり、『海波斬』はただ空を薙ぎ炎に包まれる。『空裂斬』はただの空振りだ。
如何なる状況においても、当然のように使いこなせて始めて意味がある、これを実感した思いだった。
とりあえずヒュンケルと迷宮に潜っている間に、何とか形だけでも使えるようになっておきたい。となればこの実戦訓練を繰り返すしかないだろう。
残りは後3日、すべきことは多い。
****
何度も失敗と成功を繰り返し、ようやく技を使うのにも慣れてきた最終日、今回の講座の締めとしてヒュンケルが“とっておき”を見せてくれることになった。
通路の行き止まりで『においぶくろ』を使用する。その匂いに釣られてか通路の先からワラワラと湧いてくるモンスターが見える。
ヒュンケルはそれを確認すると肩幅より少し広く足を開き、剣を右手で逆手に持つと腰をひねり身体を右に回転させた。
剣に『闘気』が収束していくのが分かる。剣はまばゆい光を放ち始めた。
その瞬間、ヒュンケル叫びとともに剣を振るった。
「アバンストラッシュ!」
剣から放たれた光の衝撃波が白い帯となって通路のモンスターを斬り裂いていく。数十匹のモンスターがそれで消え去ってしまった。
トールは驚きで呆然としてしまう。『アバンストラッシュ』、ダイの大冒険の必殺技として知ってはいたが、改めて直接見るとその凄さは分かる。まるでレーザー光線のようだ。
感心するトールを余所に、ヒュンケルは今度は剣を順手に持ち切っ先を未だに湧いてくるモンスターたちの方に向けて手を後ろに引き絞るように構えた。
「ブラッディースクライド!」
ドリルのような高速回転が加えられ突き出された剣は、容易くモンスターたちを貫通した。
見た目の派手さは『アバンストラッシュ』に劣るが、その一撃の強力さは勝るとも劣らない、いや勝っているように感じられた。
この二つこそがヒュンケルの“とっておき”だった。
最適の剣の振り方で、相手より早く、弱点に一撃を決める。これがこの流派、アバン流殺法の根底にある考えだ。それ故に最適である『大地斬』、最速の『海波斬』、急所を見抜く『空裂斬』をまずは身につけるのだ。
そしてこれらが身についたのなら、必殺の一撃が身についているはずなのだ。
『アバンストラッシュ』、『ブラッディースクライド』の二つはその一例としてトールに見せたという事だ。
剣を振るうにしても様々な振り方がある。どの振り方が最も適しているかは各々で違ってくる。先の二つのやり方がトールにとっても最適であるならそれで問題はない。
ただもっと他に適していると思う振り方があるなら、それを極めてみるのも一つの方法だと言う。
事実ヒュンケルは師から教えられた『アバンストラッシュ』は『闘気』だけでなくMPも使用して始めて本当の威力が発揮できるため、MPが心もとないヒュンケルには合わなかった。よって闘気のみを使用する『ブラッディースクライド』を編み出す事になったのだ。
とりあえず見よう見真似でも二つの必殺技は出来るようにしておくに越したことはないだろうが、自分に合わないようなら独自の方法を模索するのも有りだということだ。
ただ自分だけの必殺技というのは男として憧れるものがある。なんて心躍る響きなのだろうとトールは思った。
――― ステータス ―――
トール おとこ
レベル:22
職:盗賊
HP:172
MP:65
ちから:62
すばやさ:57+10+20(+10%)
みのまもり:28
きようさ:60+20+30(+10%)
みりょく:37
こうげき魔力:27
かいふく魔力:33+8
うん:44
・装備
頭:しっぷうのバンダナ(守+11、速+20、回魔+8)
身体上:かくれみのふく(守+20、避+5%)
身体下:ブルージーンズ(守+11)
手:たびびとのてぶくろ(守+4、器+30)
足:エンジニアブーツ(守+6)
アクセサリー:スカウトリング
武器:破邪の剣(攻+40)
盾:ライトシールド(守+10)
こうげき力:137
しゅび力:90
言語スキル:3(会話2、読解、筆記)【熟練度:75】
盗賊スキル:6(索敵能力UP、すばやさ+10、ぬすむ、器用さ+20、リレミト、ピオリム、しのびあし、盗人斬り、ボミオス)【熟練度:2】
剣スキル:7(剣装備時攻撃力+5、ドラゴン斬り、メタル斬り、剣装備時攻撃力+10、ミラクルソード、はやぶさ斬り、剣装備時攻撃力+20)【熟練度:92】
素手スキル:2(未装備時攻撃力+10、あしばらい)【熟練度:22】
ゆうきスキル:4(自動レベルアップ、ホイミ、デイン、トヘロス、べホイミ)【熟練度:52】
特殊技能:闘気法(オーラブレード、ためる)、スカウト、アバン流交殺法(大地斬、海波斬、空裂斬、常時ちから+5、常時身の守り+5)
経験値:52432
所持金:4347G (預かり所:40000G)
Gコイン:26510
・持ち物『大きな小袋』
道具:やくそう(43個)、上やくそう(19個)、特やくそう(5個)、毒けし草(39個)、上毒けし草(5個)、まんげつそう(4個)、きつけそう(6個)、おもいでのすず(5個)、せいすい(13個)、いのちのいし(5個)、まほうのせいすい(13個)、ゆめみの花5個
大事な道具:モンスター袋、従魔の輪、リリルーラの粉、オクルーラの秘石、地図、鍵4個
素材:鉄鉱石(1個)、げんこつダケ(1個)、こおりの結晶(1個)、スライムゼリー(4個)、ルビーのげんせき(1個)、よるのとばり(1個)、へびのぬけがら(2個)
装備品:
頭:バンダナ(守+1)、皮のぼうし(守+3、回魔+2)
身体上:布のふく(守2)、たびびとのふく(守+4)、角つきスライムアーマー(功+8、守+25)
身体下:あつでのズボン(守+3)、けいこぎズボン(守+5)
手:布のてぶくろ(守+1、器+5)
足:皮のくつ(守+1、避+1%)、皮のブーツ(守+2)
アクセサリー:竜のうろこ(守+5)2個、スライムピアス(守+4)、きんのゆびわ(守+2)2個、きんのブレスレット(守+3)3個、ちからのゆびわ(功+4)、金のロザリオ(守+2、回魔+7)、あくまのタトゥー(素+8)、命の指輪(守+6、自動回復)
武器:ひのきのぼう(攻+2)、銅の剣(攻+7)、ブロンズナイフ(功+10)
盾:ドラゴンシールド(守+25)
――― 仲間のステータス ―――
スラきち ?
レベル:15
種族:スライム
HP:18
MP:22
ちから:8
すばやさ:24
みのまもり:16
かしこさ:29
うん:31
こうげき魔力:6
かいふく魔力:6
装備: モンスター袋の中にいるためなし
こうげき力:8
しゅび力:16
言語スキル:0
スライムスキル:3(自動レベルアップ、ホイミ、スクルト、ルカナン)
――― あとがき ―――
ヒュンケルとの修行もこれで一段落しました。まだ完全に使いこなしているわけではないので要修練といったところでしょう。
トール専用の必殺技をつくろうとは思っていますが、皆さんはどう思われるでしょうか。
まあ、例え出てきても何時になるかはまだ定かではありません。
それでは、また会いましょう