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No.13837の一覧
[0] DQD ~ドラゴンクエストダンジョン~ (現実→オリジナルDQ世界)[ryu@ma](2010/10/02 23:31)
[1] DQD   1話[ryu@ma](2009/11/10 23:28)
[2] DQD   2話[ryu@ma](2009/11/10 23:42)
[3] DQD   3話[ryu@ma](2009/11/11 23:03)
[4] DQD   4話[ryu@ma](2009/11/12 22:35)
[5] DQD   5話[ryu@ma](2009/11/14 00:01)
[6] DQD   6話[ryu@ma](2009/11/14 22:32)
[7] DQD   7話[ryu@ma](2009/11/15 23:14)
[8] DQD   8話[ryu@ma](2010/01/03 22:37)
[9] DQD   9話[ryu@ma](2010/01/03 22:37)
[10] DQD   10話[ryu@ma](2010/01/03 22:38)
[11] DQD   11話[ryu@ma](2010/01/03 22:38)
[12] DQD   12話[ryu@ma](2010/10/07 22:18)
[13] DQD   13話[ryu@ma](2010/10/07 22:19)
[14] DQD   14話[ryu@ma](2010/10/07 22:21)
[15] DQD   15話[ryu@ma](2010/10/07 22:22)
[16] DQD   16話[ryu@ma](2010/10/07 22:24)
[17] DQD   17話[ryu@ma](2010/01/31 22:16)
[18] DQD   18話[ryu@ma](2010/01/31 22:08)
[19] DQD   19話[ryu@ma](2010/02/07 22:28)
[20] DQD   20話[ryu@ma](2010/02/14 21:42)
[21] DQD   21話[ryu@ma](2010/02/28 23:54)
[22] DQD   22話[ryu@ma](2010/03/28 23:23)
[23] DQD   23話[ryu@ma](2010/03/28 23:23)
[24] DQD   24話[ryu@ma](2010/03/28 23:24)
[25] DQD   25話[ryu@ma](2010/03/28 23:35)
[26] DQD   26話[ryu@ma](2010/05/10 23:13)
[27] DQD   27話[ryu@ma](2010/04/14 23:31)
[28] DQD   27.5話[ryu@ma](2010/05/10 22:56)
[29] DQD   28話[ryu@ma](2010/05/10 23:18)
[30] DQD   29話[ryu@ma](2010/05/28 22:28)
[31] DQD   30話[ryu@ma](2010/06/13 00:30)
[32] DQD   31話[ryu@ma](2010/07/06 22:16)
[33] DQD   32話[ryu@ma](2010/09/03 20:36)
[34] DQD   33話[ryu@ma](2010/10/02 23:14)
[35] DQD   34話[ryu@ma](2010/10/02 23:11)
[36] DQD   35話[ryu@ma](2010/10/02 23:21)
[37] DQD   35.5話[ryu@ma](2010/10/07 22:12)
[38] DQD   36話[ryu@ma](2010/11/21 00:45)
[39] DQD   37話[ryu@ma](2010/12/07 23:00)
[40] DQD   38話[ryu@ma](2010/12/30 22:26)
[41] DQD   39話[ryu@ma](2011/01/26 23:03)
[42] DQD   40話[ryu@ma](2011/02/09 22:18)
[43] DQD   41話[ryu@ma](2011/03/02 22:31)
[44] DQD   42話[ryu@ma](2011/05/15 22:07)
[45] DQD   43話[ryu@ma](2011/09/25 22:54)
[46] DQD   44話[ryu@ma](2011/12/30 21:36)
[47] DQD   45話[ryu@ma](2012/05/04 21:57)
[48] DQD   46話[ryu@ma](2012/05/04 21:50)
[49] DQD   47話[ryu@ma](2013/03/22 23:00)
[50] DQD   47.5話[ryu@ma](2013/03/22 22:57)
[51] DQD   48話[ryu@ma](2013/10/11 22:33)
[52] DQD   設定[ryu@ma](2010/10/07 22:13)
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[13837] DQD   27話
Name: ryu@ma◆6f6c290b ID:2744ce44 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/04/14 23:31
DQD   27話

何の問題もなく数日かけて1、2階の探索を終え、トールたちは3階へ降りた。
ここまでは彼女たち三人にとって復習のようなものだ。だから心に余裕を持っていられた。
だが、ここから先は別だ。
三人の雰囲気に緊張が混ざる。彼女たちにもここからは今までと違うと分かっているのだろう。

今までは学園での経験が役に立ったが、ここから先は三人にとって未知の領域になる。
3階から新たに出てくるモンスターは、『ぐんたいアリ』に『キングコブラ』に『わらいぶくろ』。
トールの見立てでは、彼女たち三人の実力なら何の問題もないと思えた。

迷宮探索自体3階になっても大して変化はない。モンスターに出会っては撃退して先に進む。これの繰り返しだ。
それがおかしくなったのは、『キングコブラ』に遭遇してからだ。パーティーの先頭に立って戦っていたソフィアの態度が明らかに変わった。

始めての遭遇の時、『キングコブラ』は一匹しかおらず、ビアンカのムチでの攻撃とフローラの『まどうしの杖』を使っての攻撃で倒してしまった。明らかにソフィアの反応が鈍かったが、そんな時もあるだろう、程度に思い気にもしなかった。

だが、二度目にキングコブラの集団と遭遇した時には、トールもさすがにソフィアがおかしい事に気づいた。
すぐにソフィアの前へかばうように出て、『キングコブラ』を倒したため事なきを得たが、顔が真っ青になっているのは分かった。



「ヘビが苦手なんだ」

近くの小部屋に入り『トヘロス』で安全になった場所で、少し落ち着いたソフィアがぼそりと呟いた。
ソフィアの顔色はまだ良くなかった。
聞けば、子供のころに数匹の蛇にかまれた事があるらしい。毒性の低い蛇だったため大事には至らなかったが、幼かったソフィアには十分なトラウマとなった。
それでも年月がたつ事によってそのトラウマも随分解消され、普通にいる大きさの蛇なら別段問題はなかった。
ただ3mはあろうかという大型の蛇型モンスターの『キングコブラ』を見た瞬間、解消したと思ったトラウマが蘇ってきたのだという。

分からない話ではない。
ビアンカや、フローラも『キングコブラ』については生理的にあまり係わり合いになりたくないと言う。
女の子ならそういう感情を持つかもしれないし、トールにしても今はともかく初めは気持ち悪かった。
その内慣れるだろうけど今すぐには無理、というのがソフィアの言葉だ。

苦手なものがあるのはしょうがない。
問題はそれにどう対応するかだ。
一人ならば問題山積みになるが、仲間がいるのなら仲間たちと解決していけば良いし、仲間がフォローすればいい。
初めての遭遇時はビアンカとフローラがうまくフォローしたと思う。
二度目の遭遇時はさすがに数多すぎたためフォローのしようがなかったが、そういう時のためにトールとパーティーを組んでいるのだ。
使える戦力があるなら、それを当てにするのは決して悪い事ではない。
いつまでの頼りきりでは困るが、元々が初心者のパーティーなのだ。
今の時点で何もかもを自力でやる必要はない。
何もかもを一人でしようとしているトールの方が本来変なのだ。
とりあえずソフィアの体調の事も考えて、この日の探索はこれでお開きとなった。


『盗む』:やくそう(6個)、毒けし草(4個)、まんげつそう(4個)


****


翌日、迷宮探索は一旦休む事にした。
迷宮探索を始めて連続で5日ほど潜っている。
地下1から5階の低階層では連続で迷宮探索をしてもおかしくはないが、やはり慣れない者には疲れがでる。
ビアンカ達三人もそれは変わらない。
エルシオン学園で迷宮探索の実習も行ってきたが、何日も連続で行うような事はないし、その実習時間も3~5時間程度で朝から夕方まで潜るような事はない。

トールは平気だ。冒険者になってからは当然として、冒険者になる前の仮冒険者の時から朝から夕方まで潜っていた。
トールとっては当然というべき迷宮探索時間は、この世界の者から見るとおかしい。
アリーナとの冒険時、トールは自分の迷宮探索と同じような時間で潜ったが、あれはアリーナ自身も流派の試験期間だったため特別だったとしか言いようがない。

体力的には大丈夫だが、精神的に三人が疲れているのはトールにも分かった。ソフィアにしてみれば、疲れきっているところに苦手な蛇に襲われたのだ。さぞかし精神的に堪えただろう。
そういう訳で休日にしたのだ。



パーティーを組んでの初めての休日。
体力的な疲労よりも精神的な疲労の解消をする方が必要、ということで街へ出かける事になった。
女の子にとっての精神的疲労の回復という事でショッピングやお菓子の食べ歩き、そしてトールが通う武器屋などへの散策をする事に決まった。
トールの参加は聞かれなかったが、この場合強制参加である事は言うまでもない。



朝、『ダンカン亭』で集合してから出発だ。ここにはトールとビアンカがいるから、それも当然かもしれない。

さて、『ダンカン亭』だが、ビアンカが冒険者の資格を得てから少し変わった。
というのも、毎日のように看板娘として手伝いをしていたビアンカが、時折しか手伝う事が出来なくなってしまったからだ。
冒険で疲れて帰ってきてから、宿屋の手伝いをするのは無理がある。その事はかって自分も冒険者であったダンカンには分かっている事だった。
それではどうしたかといえば、答えは簡単。新たな看板娘の誕生であった。
名前はリッカ。そう、DQⅨのあの宿屋のリッカだ。
活発で働き者の少女で、ダンカンとリッカの父親が従兄弟らしく、その伝で宿屋経営の修行の一環としてこの街に来た。
会ってまだ数日しかたっていないが、心配りの出来る良い子だと言うのは分かった。



宿にフローラとソフィアが来た後、リッカの見送りを受けて街へ出る。
三人の案内で商店が立ち並ぶ東区を連れ立って歩いていく。
時折店の中に入り何かを買ったり、露天で食べ物を買ったりと、久しぶりにゆったりとした時間を過ごす。
どうも一人でいると迷宮関係の事ばかりを考えて焦ってしまう。
焦ってもどうにもならない事は分かっている。いや、かえって害悪になりかねない事も分かっているが、だからといって思考が止まるわけでもない。
困ったものだと自分でも思っている。

すくなくとも誰かといる時は思考が内に向かう事はなく、気持ちに余裕が持てる。
多分自分は寂しいのだトールは思う。
だけどあまり他人と係わり合いになるのもどうかとも思っている。この正反対の気持ちが心の余裕をなくしているのだろう。
それを思うと、三人とパーティーを組むのは、これから自分がどうするかを見つめ直すのに丁度いいのではないかと思えた。



「あら、トールじゃない」

街中で不意にかけられた声、それはトールにとって聞き覚えのある声だった。
すぐに聞こえた方を向く。そこにはマーニャとミネアがいた。
ミネアはいつものように落ち着いた服装をしており、マーニャはさすがに昼間からおなじみの踊り子の服は着ておらず、ミネアと同じような服装でいた。
それでも色気を感じるのは立ち振舞い、そして出るところは出ていてへっこんでいるところはへっこんでいるスタイルの良さからだろう。

「ちょっと姉さん、他の子と一緒にいるみたいだし」

「いいじゃん、別に。ついでに紹介してもらえば」

「もう……」

いつも通りのお気楽さでトールの方へ歩いていくマーニャにミネアはため息をつくと後を追う。

「誰?」

立ち止まって振り向いたトールにビアンカ少しムッとした表情で尋ねる。

「知り合い、友達だよ」

今の段階でこれ以上適切な表現の仕方は分からない。
ビアンカが納得しかねる表情で何か言おうとした時には、マーニャはもう側まで来ていた。

「久しぶりよね」

「一昨日会った気がするんですけど」

「まあ、いいじゃない。それで何してるの?」

「何って、まあブラブラッと、ですね」

「そうなんだ。で、後ろの子達、誰?」

「ああ、今パーティーを組んでる子達で、右からソフィア、ビアンカ、フローラです」

そして今度は三人のほうを向く。

「三人とも、こちらはマーニャとミネア。二人とも姉妹なんだ。『夢見占い師のグランマーズ』に色々世話になっていてね。そこの人だよ」

トールが皆の一応の紹介をするが、ただ何となく周りの雰囲気がぴりぴりしたような感じがした。

「マーニャよ。よろしく」

「ビアンカです。よろしくお願いします」

目の前で二人はにこやかに微笑みあっているようなのに、寒気を感じるのは何故だろう。
それに比べ後ろでは残りの三人が自己紹介をした後穏やかに話していた。

「ミネアさんは、タロットカードで占いをしているのでしょう」

「ええ、そうです」

「父から聞いた事があります。グランマーズ様には優秀なお弟子さんが3人いると」

「そうなの?そういえばわたしもグランマーズの名前は兄さんから聞いた事があるなあ」

「街一番の腕前と有名ですから。後継者もちゃんと育っていて心強いと言ってましたわ」

「あの、失礼ですがあなたのお父様は……」

「父はルドマンと言います」

「ルドマン……もしかしてあのトルネコ商会の?」

「はい、そうです。ですが今のわたしはただのフローラ、初心者の冒険者にすぎませんわ。それより今度ぜひ占ってもらいたいのですわ」

「あ、わたしも」

「ふふふ、分かりました。今度ぜひいらしてください。恋愛運でも金運でも何でも占いますわ」

和やかそうな話し声と笑い声が聞こえる。
それに比べると目の前の雰囲気が最悪です。無言のにらみ合い。何か胃が痛くなってきた。
だがそれもマーニャが何かに気づいたように声を漏らす。

「あら、それって……」

マーニャの視線の先にはビアンカの右手人差し指にある指輪があった。
『命の指輪』、目の肥えた冒険者なら見ただけでその価値に気がつくだろう。
それに気づいたビアンカが何か勝ち誇った顔をする。

「トールから貰ったのよ」

マーニャに鋭い眼光でキッと睨まれた。
正しいですが全てを語っているわけではない。そう言いたかったが何となく言える雰囲気ではなかった。
だが助けの手は来る。

「エルシオン学園の卒業と冒険者になった記念にお守り代わりってことで貰ったんです」

「わたし達も貰ってるんだけどね」

フローラ、ソフィアも自分の指にはめている指輪を見せる。

「ちょっと二人とも」

「いや、そのうち分かる事だし」

ソフィアは肩をすくめるようにしながら言う。

「ふーん、なるほどね。そうなんだ」

マーニャはトールをみつめる。何と言えばいいのだろうか。目的がトールに移ったようだ。

「わたしたちも冒険者なんだけどなあ」

ズイッと一歩トールに近づく。

「いや、その……」

「迷宮は危険がいっぱいなのになあ」

「えーっと」

「ふーん、あの子達にはあげるんだ」

「いや……」

「へー」

「あの……」

「そうなんだー」

「贈らせていただきます」

「ありがと」

マーニャはニコリと笑った。

「ちょ、ちょっと姉さん。何言ってるのよ。トール君、姉さんの言った事なんて気にしなくれいいから」

いきなりの展開にミネアが慌てる。

「いや、いいんだ」

ちょっと強引に迫られて承諾してしまったが、確かにマーニャたちも冒険者として迷宮に行っているのだ。安全がお金で換えられるならそれは良い事だ。元より只で得たようなコインで交換したアイテムから出来る物なのだ。
お守りの一つとして『命の指輪』を渡しておくのは良いことだと思った。

「ミネアとミレーユにも贈るよ。メルルはまだ冒険者じゃなかったよね」

「え、ええ、そうよ」

「ならメルルは冒険者になった時だね」

「トール君、ほんっとうにごめんなさい」

謝るミネアの姿に苦労性だなあとトールは思う。

「いいですよ」

「そうよ。いいのよ、ミネア」

「姉さんはお願いだから黙ってて」

「わ、分かったからそんなに迫ってこないで」

「ふうっ、じゃあお言葉に甘えます」

「近いうちに屋敷の方に持っていくから」

とりあえず話しに一段落をつけてから、ビアンカのほうを見るとジト目で見られていた。

「あー、そろそろ昼飯でも食いに行こうか。何でもおごるよ」

にこやかに微笑みながらトールはビアンカに話しかけるが、多少笑みが引きつっているのは愛嬌だと思ってほしい。
とりあえずは話を変えるのが先決なのだ。
ビアンカはしょうがないなあとでもいうように大きくため息をつく。

「わかったわよ。じゃあ行きましょうか。あ、そうだ。マーニャさんたちもどうですか。トールがおごってくれるようそうですよ」

「あら、いいのかしら」

「ええっ、まだ話したい事もありますし」

「それならご馳走になるわ」

「え、あの……」

かってに進んで行く話にミネアがおずおずと声をかけようとするが、雰囲気に押されてしまう。

「奢りますんで大丈夫ですよ」

食事を奢るくらいの金額は十分すぎるほどに持っているのだ。

「重ね重ねごめんなさい」

ミネアの言葉にトールは笑うしかなかった。


****


6人の大所帯になって街を歩く。パスタのおいしい店があるとの事でそこに向かっていた。
5人の魅力的な女性の中に男が1人。羨むべき状況なのかもしれないが、少し胃の辺りが変になったような気がしていた。
皆表面上はにこやかに談笑しているが、どこかぎこちないところを感じるのはトールに気のせいだろうか。
藪をつついて蛇が出るのもなんなので、トールは知らない振りをする事にした。
このままで終われば、御の字、そう考えていた時だった。

「おっ、トールじゃないか」

野太く強い声。振り向け筋肉隆々の男が一人いた。トールの知り合いで数少ない男の一人であるハッサンがそこにいた。

「ハッサンさん」

地獄に仏とは正にこの事だろう。後光がさして見えた。
ここで引き込めば何とかお茶を濁す事が出来るかもしれない。そんな風に思えた。

「えっ、トールなの」

次の声さえ聞かなければの話だが。

ハッサンの巨体に隠れるように身体の向こう側からの声。もちろんトールの聞き覚えのある声だ。

「ひさしぶり、トール」

身体の陰から現れたのはアリーナだった。

「ははははははははっ、久しぶりだね、アリーナ」

トールとしては笑うしかなかった。何もこんな場が混沌としている時に会わなくても良いじゃないかと思う。今日は何だかよく人に会う日のようだ。

「これからはわたしも冒険者だからよろしくね」

アリーナは大輪の笑顔をトールに向ける。こういう無垢な笑顔を向けられると、トールとしても毒気を抜かれる。

「家のほうは問題なく終わったんだね」

「うん」

「まあ、そういうわけだから。これからも仲良くしてやってくれ」

ハッサンが無骨な笑みを浮かべながら話に入る。

「少しは俺のほうでも冒険者について教えていくつもりだが、よければまたパーティーを組んでやってくれ」

そこまで言ってハッサンがトールの周りを見回す。

「それでだ、一緒のご婦人方はどういう関係か、教えてくれるか。顔見知りもいるが今一この集まりがどういうものか分からん」

少し困ったようにハッサンは言う。
アリーナもハッサンの言葉に改めて周りを見回すと、少しムッとした表情になった。

「ああ、そうですね。まずはビアンカにフローラにソフィア、今パーティーを組んでるんです。こちらは友人のマーニャにミネアの姉妹です」

何故だろう。今日はこんな自己紹介をしてばかりいる気がした
結局、アリーナとハッサンも含めて昼飯を食べる事になった。


****


ここまで来て『何を怒っているのだろう』、というようなボケは言わない。
ビアンカやマーニャ、アリーナからの好意にはもちろん気づいている。ただその好意が恋愛感情か親愛感情かどちらなのかと問われると分からないと答えるしかない。
人を好きになるのに月日が必要だと言う気はない。世の中には一目ぼれというものも確かに存在するからだ。
ならば彼女達はどうだろう。
これは全くのトールの私見なのだが、ビアンカは手のかかる幼馴染か弟のように見ていると思った。

アリーナは反対に兄のように見ているのではないかと思っていた。

難しいのがマーニャで関係を持ったのかどうかが疑わしいままなので何ともいえない。
割と簡単に関係を持つ性格なのかといえばそうでもない。
カジノで男の誘いを袖にしているところを何度も見ている。色っぽい格好をしているが身持ちが硬いのをトールは知っている。カジノではトールを防波堤代わりにしているのだ。そしてトールにはサービスとばかりにくっついてくる。
もちろんトールは嬉しい。が困惑はする。
あの日に本当はどうだったのかは聞かないのが暗黙の了解のようになってしまっていた。
あの日の事がなければ、弟のように見ていると思えた。だがそれにしてはスキンシップが過剰な時が多い。
態度だけで感情が分かるほどトールは人生を経験していない。
結局は友人と言うしかないのだ。



トールにしても誰かが好きだ、とは言えない。確かの好意は持っている。ビアンカ、マーニャ、アリーナの三人はもちろんフローラやソフィア、ミネアにもだ。
気が多いと言わないでほしい。
皆が皆水準以上の美女美少女だ。そして性格が悪いわけでもない。好意ぐらい持つ。
そもそもがもしステータスに性格と言う欄があれば、自分は『むっつりスケベ』だとトールは思っている。
女性に興味は十分以上にある。
だがのめりこんだが最後、元の世界に帰る事も忘れてしまいそうなため、鉄の心を持って自制しているだけなのだ。

トールはこっそりとため息をつきながら皆と歩いていくのだった。




――― ステータス ―――

トール  おとこ
レベル:21
職:盗賊
HP:158
MP:63
ちから:57
すばやさ:54+10+20(+10%)
みのまもり:26
きようさ:59+20+30(+10%)
みりょく:34
こうげき魔力:26
かいふく魔力:31+8
うん:42

・装備
頭:しっぷうのバンダナ(守+11、速+20、回魔+8)
身体上:かくれみのふく(守+20、避+5%) 
身体下:ブルージーンズ(守+11)
手:たびびとのてぶくろ(守+4、器+30)
足:エンジニアブーツ(守+6)
アクセサリー:スカウトリング

こうげき力:57
しゅび力:78

言語スキル:3(会話2、読解、筆記)【熟練度:52】
盗賊スキル:5(索敵能力UP、常時すばやさ+10、ぬすむ、器用さ+20、リレミト、ピオリム、しのびあし)【熟練度:17】
剣スキル:6(剣装備時攻撃力+5、ドラゴン斬り、メタル斬り、剣装備時攻撃力+10、ミラクルソード、はやぶさ斬り)【熟練度:67】
ゆうきスキル:4(自動レベルアップ、ホイミ、デイン、トヘロス、べホイミ)【熟練度:25】

特殊技能:闘気法(オーラブレード、ためる)、スカウト

経験値:43284

所持金:11956G (預かり所:30000G)

Gコイン:30210

・持ち物『大きな小袋』
道具:やくそう(18個)、上やくそう(8個)、特やくそう(5個)、毒けし草(28個)、上毒けし草(5個)、まんげつそう(4個)、きつけそう(6個)、おもいでのすず(5個)、スライムゼリー(1個)、せいすい(6個)、いのちのいし(5個)、まほうのせいすい(8個)、モンスター袋、従魔の輪、リリルーラの粉、オクルーラの秘石

装備品:バンダナ(守+1)、皮のぼうし(守+3、回魔+2)、布のふく(守2)、たびびとのふく(守+4)、あつでのズボン(守+3)、けいこぎズボン(守+5)、布のてぶくろ(守+1、器+5)、皮のくつ(守+1、避+1%)、皮のブーツ(守+2)、竜のうろこ(守+5)、スライムピアス(守+4)、ちからのゆびわ(功+5)、ひのきのぼう(攻+2)、銅の剣(攻+7)、破邪の剣(攻+40)、ライトシールド(守+10)、ドラゴンシールド(守+25)



――― 仲間のステータス ―――
スラきち  ?
レベル:15
種族:スライム
HP:18
MP:22
ちから:8
すばやさ:24
みのまもり:16
かしこさ:29
うん:31
こうげき魔力:6
かいふく魔力:6

装備:角つきスライムアーマー【功+8、守+25】、命の指輪【守+6、自動回復】

こうげき力:16
しゅび力:47

言語スキル:0
スライムスキル:3(自動レベルアップ、ホイミ、スクルト、ルカナン)



ビアンカ  おんな
レベル:4
職:魔法使い

・装備
頭:ヘアーバンド(守+2、攻魔+2)
身体上:皮のドレス(守+6、回魔+3)
身体下:赤いスカート(守+5、攻魔+3)
手:布のてぶくろ(守+1、器+5)
足:皮のくつ(守+1、避+1%)
アクセサリー:命の指輪(守+6、自動回復)
武器:皮のムチ(攻+7)
盾:うろこの盾(守+5)

HP:28
MP:13
こうげき力:36
しゅび力:34

魔法使いスキル:1(魔結界、ラリホー)
鞭スキル:4(鞭装備時攻撃力+5、らせん打ち、しびれ打ち、鞭装備時攻撃力+10)
慈愛スキル:0(自動レベルアップ)

特殊技能:エルシオン学園攻撃魔法科(メラ、ギラ)、エルシオン学園鞭術科(しばり打ち、鞭装備時攻撃力+5)



フローラ  おんな
レベル:2
職:魔法使い

・装備
頭:ぎんのかみかざり(守+6、攻魔+8)
身体上:みかわしのふく(守+13、避+3%)
身体下:ニーソックス(守+7)
手:皮のてぶくろ(守+2、器+15)
足:皮のくつ(守+1、避+1%)
アクセサリー:命の指輪(守+6、自動回復)
武器:まどうしの杖(攻+7)
盾:うろこの盾(守+5)

HP:21
MP:14
こうげき力:12
しゅび力:46

魔法使いスキル:1(魔結界、メラ、マヌーサ)
杖スキル:3(装備時MP+10、まふうじの杖、眠りの杖)
慈愛スキル:0(自動レベルアップ)

特殊技能:エルシオン学園回復魔法科(ホイミ、べホイミ、キアリー)



ソフィア  おんな
レベル:4
職:戦士

・装備
頭:はねぼうし(守+7、攻魔+5、回魔+5)
身体上:鉄の胸当て(守+16)
身体下:あつでのズボン(守+3) 
手:皮の小手(守+3)
足:皮のブーツ(守+2)
アクセサリー:命の指輪(守+6、自動回復)
武器:兵士の剣(攻+13)
盾:うろこの盾(守+5)

HP:34
MP:13
こうげき力:52
しゅび力:57

戦士スキル:1(かばう)
剣スキル:4(剣装備時攻撃力+5、ドラゴン斬り、メタル斬り、剣装備時攻撃力+10)
盾スキル:1(ガードアタック)
ゆうきスキル:0(自動レベルアップ)

特殊技能:エルシオン学園剣術科(疾風斬り、剣装備時攻撃力+10)、エルシオン学園盾術科(盾ガード率+3%)




――― あとがき ―――
冒険者をしている女性キャラがミレーユを除いて集まりました。
彼女たちとトールとの今の関係の一端なのですがいかがでしょうか。


話が少ししか進みません。
話の展開は当初の予定とあまり変わっていませんが、進みは随分と遅い気がします。
完結、または一区切りにたどりつくまでどれぐらいかかるだろう。


武器スキルについてですが、これはスキルレベルが1になって初めて表示されます。


今までは週一で定期的に投稿してきましたが、次回からは不定期か二週に1回ぐらいになるかもしれません。


それでは、また会いましょう




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