ナターシャちゃんを包んでいた光が収まる。
傷はどこにも見られない。
間に合った、成功だ!
[キュア・ライト・ウーンズ【軽傷治療】]は生きている対象のみしか効果は発動しないのだから!
「……あれ……?
……のあ……
おねえちゃん……?」
「おはよ、お寝坊さんなんだから」
「えへへ……
でも、まだなんだか眠いやー」
結構な血が流れたんだ。
少々貧血気味は仕方がないのかもしれない。
「うん、そっか。そうだよね。
じゃあ、今はゆっくり寝ようか。
そうだ、起きたら、また、おいしいブドウをあげるね!」
「……うん……やくそく……
おねえちゃん……」
ナターシャちゃんは気持ちよさそうに目を閉じる。
すぐに「くー、くー」と、寝息の音が聞こえた。
「ナターシャ!」
ニコライさんとソーニャさんが、わたしとナターシャちゃんに近寄ってくる。
慌ててナターシャちゃんをのぞき込んだ。
「安心してください、もう大丈夫です」
わたしは自信をもってご両親に告げる。
すると、ニコライさんとソーニャさんが胸をなで下ろすのがわかりました。
改心の出来だと思います!
[キュア・ライト・ウーンズ【軽傷治療】]は8面体ダイスを振って、出た数値のhp(ヒットポイント)を回復させる呪文です。
今のは絶対に「8」が出てますよ!
手応えありって感じでした!
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・[キュア・ライト・ウーンズ【軽傷治療】] LV1スペル
この呪文により、クリーチャーに触れることで1d8hpの傷を治すことができる。
この呪文は実際の肉体を持たないものや、生きていないものには効果がない。
逆呪文の[コーズ・ライト・ウーンズ]は1d8のダメージを与える。
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「わあああああ!!!」
今まで水を打ったように静かだった。
けど、一気に歓声があがりました!
「ノアさん、ノアさん……!!
本当にありがとう、本当にありがとう!」
「ありがとう、本当にありがとうございます……!」
ニコライさんとソーニャさんが、わたしの手を取って泣いてくれました。
本当に、本当に良かったです!
「ゆっくり寝かせてあげてください。
朝にでもなれば、また元気に駆け回りますよ」
「ノ、ノアさん! ゲイル、ゲイルもどうか……!」
パケお爺さんがわたしに向かって懇願する。
「奇跡の連発なんて虫が良すぎるかもしれんが……!
なんでもする、なんでもするから、この若いもんだけは!」
土下座をせんばかりの勢いのパケお爺さん。
わたしは腰に手を添えて、立たせるように促しました。
「元気になってもらわないと困ります。
だって……
ゲイルさんの採ってきてくれたウサギでスープが飲みたいですから」
わたしは笑顔でパケお爺さんに返答しました。
安心してもらえるように――
「すまん、ホントにすまんのう……!」
わたしはゲイルさん横にかがみ込んだ。
左肩口の傷をよく見る。
腕はちぎれていない。
骨も……うん、突き出ているだけ。
大丈夫だ!
「……ノアさん……」
「ゲイルさん、元気になったらまたウサギお願いしますね!」
「へへ、おやすいご用だ」
[キュア・ライト・ウーンズ【軽傷治療】] とは異なる呪文を想像する。
詠唱の言葉が頭の中に浮かんでくる。
あとは、これを読んでお願いをするだけ――
「すずしき風の耐えぬまに
涙はかわきて
帆ははらみて
望みは満つる――」
暖かい青い光。
そっとゲイルさんの左肩に移るように促した。
「 [キュア・シリアス・ウーンズ【中傷治療】]!」
一瞬、輝きが強くなる。
わたしは傷口から目を背けない。
光が次第に輝きを無くしていく。
「はい、おしまいです」
わたしはゲイルさんの左肩を「ポンポン」と叩いて見せた。
「お、お、お、おお!?!?
ぜ、痛くねえ!!?
それどころか、何もなってねえ状態じゃねえか!?」
ゲイルさんは左腕をぶるんぶるん振り回した。
その瞬間、またも、大きな喜びの声が響き渡りました!
「よかったです、ホントに……」
何度も思ってしまう。
「治療系の呪文は生きているものしか対象にできない」
それだけが心配だったから――
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・[キュア・シリアス・ウーンズ【中傷治療】] LV4スペル
この呪文により、クリーチャーに触れることで2d8+1hpの傷を治すことができる。
この呪文は実際の肉体を持たないものや、生きていないものには効果がない。
逆呪文の[コーズ・シリアル・ウーンズ]は2d8+1hpのダメージを与える。
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[ウォウズの村]は大騒ぎです。
まるで、これから祭りでも始まるんじゃないかってぐらい。
いや、少なくとも[森の木陰亭]では、大騒ぎは間違いないかな?
とっても素敵なことだと思います!
……
……
……
ただ。
気になることが。
地面に置かれている[ナイフを突き立てられた円盤]。
わたしは拾い上げる。
「これ、落ちてますよ?」
法衣を身にまとわれた男性に近寄る。
男性は髪を剃られているためか、一見、年齢がわかりにくい感じ。
ただ、それでも30歳ぐらいかなとは想像した。
「な、なぜ、[魔法]を……!?」
うめくような声。
何か信じられないものを見た後のよう。
狼狽した小さな声でわたしにつぶやいた。
「なぜって……
そ、その……
怪我を治すためとしか言えませんが……」
「そういう意味じゃない!
なんで[魔法]が使えるんだ、お前みたいな小娘が!」
う、なんか急に怖そうな感じに。
なんか嫌だなあ。
もしかして魔法って人前で使っちゃいけなかったのかな……?
でも、ちょっと確認しなければならないから。
「で、では、逆に伺います。
なんで魔法を使わなかったのでしょうか……?
この木の円盤で、どうやって[魔法]を唱えるつもりだったのですか?」
わたしが声をかける直前。
この方が[魔法]を唱えようとされていた。
これで治るなら、それはそれで問題無いと思った。
けど。
けど。
「動作、詠唱、触媒……
正直、何一つ、わたしにはわかりませんでした。
それとも、わたしが全く知らない対象の信仰をされているのですか?」
わたしが知らないだけならいい。
ゲーム的に言えば、唱えられる呪文数が尽きていたという可能性もあると思う。
「し、失礼ですが……
先ほど[魔法]を唱えられようとされていましたが。
そ、その、[魔法]を唱えられるプリーストなのですか……?」
わたしは気になっていた疑問をぶつけてみる。
もちろん、まじめに信仰されている方はいるだろう。
そんな方々に、[魔法]を使える使えないなんて言うつもりはありません。
しかし、この方は奇跡を起こそうと、[魔法]を使おうとしていたわけで――
「この格好をみればわかるだろうが!」
法衣らしきものを着用されているのは、もちろんわかります。
ただ、着るだけだったら、誰にでもできるわけで――
「そ、それでは、【軽傷治療】の詠唱を教えていただけないでしょうか?」
[キュア・ライト・ウーンズ【軽傷治療】] といった治療魔法のスフィア(領域)はオールに属します。
つまりこれは、レベルがある僧侶なら誰でも唱えられるはずの呪文なんです。
「な、なぜ見ず知らずの人間に私が――」
「じゃ、それじゃ、ナターシャちゃんの[悪魔付き]ってどうやって調べたか、
これだけでいいんです!
あなたですよね!?
わたしにはわからなかった、だから――!」
この村に僧侶は一人きり。
つまりこの方がナターシャちゃんを見られているはずなのだ。
せめて、これだけでも知っておきたい! いや、知っておかなければならない!
「お、おまえに言う必要なんかない!
ば、ばかばかしい! 不愉快だ!!」
「いや、わたしじゃなくて、ナターシャちゃんのために――」
法衣をまとわれた男性は、背を向けて行ってしまった。
わたしはしばらく立ち尽くすことしかできなかった。
「はぅ……」
ため息しかでません。
いきなり失礼だったかな……
わたしだって、こんな人を疑うみたいなこと言いたくないです……
でも、でも。
魔法が構成される感じは全くなかった。
信仰対象が違ったとしても、少しは、わたしにも魔力を感じてもいいはずなのに。
「ノアさん、何こんなところで一人でつった立っているんだよ!
今日は全部俺がおごるぜ! 飲むぞ-」
「きゃ、ちょ、ちょっとゲイルさん」
立ち尽くしていたところに、ゲイルさんがやってきた。
顔色もすっかり良くなっている。
服に付いている血の跡が無ければ、先ほどまで怪我していたなんて誰も信じられないだろう。
「大丈夫なんですか? 大分、血出たのに。
今日ぐらいはゆっくりされたら……」
「わかってねえなあ、ノアさん。
血が流れちまったから、その分補給しなきゃならんじゃないか」
「……は、はあ。そういうものですかねえ」
「今日は1杯じゃ済まさないぜ、うわははは」
ゲイルさんが大きな野太い声で笑ってくれました。
○
「おー、ノアさん!
ちょっと腰が痛てえんだ、ちょっくら見てくれやなあ」
「あ、ノアさんったら!
おいしいブドウはいったよ、あんた好きだったろ? 持って来な、持って来な!」
「ニコライんとこの帰りかい?
今度、おれの息子の勉強嫌いを治してやってくれないかねえ?
ナターシャちゃんとゲイルさんが怪我をされてから、しばらく経過しました。
なんていうか現在のわたし、[ひさしぶりに田舎に帰省して、親戚にもてなされている」って感じです。
そんな日々の中で。
すっかりナターシャちゃんは元気になりました!
気を失っていたのが幸いしたのか、もう、あの時のことはほとんど覚えていない様子。
これも本当に良かったと思います!
身体がよくなっても、精神的に悪くなったら辛いですもんね!
「のあおねーちゃん、かえっちゃやー」
ナターシャちゃんの家を辞するときは、後ろ髪が引かれます。
うう、薬草とかナターシャちゃんとか、いろいろものに弱いなあ。わたし。
ただ、「もう、[ドルーアダンの森]には近づかないように」とは、強く、口をすっぱくして言っていますよ!
あ、そうだ。
最近のわたしの趣味は薬草集めと、ナターシャちゃんの髪型を変えることです。
○
で、わたしは教会の前にいます。
マクガヴァン僧侶がいらっしゃるはずの教会です。
実はニコライさんのお宅から帰る時には、必ず寄らせていただいているのです。
「はあ……今日もだめかあ……」
教会の前で立ち尽くしてしまいます。
嫌われているのか、本当にタイミングが悪いのか。
全く会えないのです。
「おー、ノアさん。
どうしたんだ? こんなへんぴなところで?」
「ゲイルさん、へんぴって……
一応、教会じゃないですか」
「あー、まーなー。
でも、俺にはどうでもいいからなあ」
「あは、ゲイルさんらしいです」
思わず笑ってしまう。
あまりにもゲイルさんらしい回答だったと思う。
ちなみゲイルさんは、怪我された翌日から狩りに行っています。
身体全く問題無いようで、一安心です!
「これからノアさんどうするんだい?」
「わたしですか?
そうですね、薬草や果実集めにでも行きます」
「俺が言うのもなんだが森はアブねえ。付き合うか?」
「ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。
わたし、森の中だったらどんなトラブルからでも逃げる自信はありますから」
「はは、さすがノアさん。
言ってることは微妙だけど、すげえ自信だなあ」
「ほめてるんですよね?」
「当然」
「あは」
ゲイルさんとわたしはお互いに笑いました。
「……ん?」
わたしは周囲を見回してみる。
……うん、なにもない。
「どうしたんだい?」
「……あ、いえ……
なんでもないです」
なんか視線を感じたような?
背中にチリチリとした、むずがゆいような感覚があるんだけど。
……
……うーん、なんだろ?
○
[ドルーアダンの森]で薬草収集です。
植物たちに聞きながら、薬草の場所まで行こうと思います。
最近、植物と話をするのが楽しいです。
木々や植物によって、やっぱり性格みたいなものがあるんです!
樹齢が大きい程、やっぱりお爺さんっぽい感じ。
つぼみの花なんて、口が回らない感じでとってもかわいいです!
「[スピーク・ウィズ・プランツ【植物との会話】]」
ただ、魔法を発動させた瞬間。
木々が、草が、花が、一斉に話しかけてきて――
「ひとがいっぱい」
「ひとり、ふたり、たくさん」
「かくれてる」
「わたしのうしろにいるよ」
「こっちにも」
「この人間くさい。あっちいけ」
さ、さすがに、森の植物から一斉に呼びかけられるとびっくりです!!
「え……みんな、どうしたの!?」
植物たちが言います。
わたしは後をつけられていると。
また、それも結構な人数の人間に――
わたしの心臓が「ドクン」と一つ大きく鼓動する。
けど。
それは一瞬。
その後は逆に頭の中が冷静になっていくのがわかりました。
[魔術師ビッグバイ]を退治した[ノア]が表に出てくる――
いつもありがとう[ノア]。
わたしはわたしの[ノア]にお礼の言葉を言った。
○
わたしは何知らぬ顔で歩く。
少し開けた場所に出ることができた。
植物。
木々。
岩。
開けた空間。
全ての情報が頭に入る。
[ノア]が、ここで問題が無いことを告げてくる。
わたしは歩みを止めた。
「やめてもらえないでしょうか、もうわかっていますから」
○
一人、二人と、見知らぬ男の人たちが現れてきた。
鎧の類は着用していないが、ショートソードやダガーなどを帯刀している。
シーフだろうか。
ニヤニヤしつつ、男たちはわたしを囲むように動く。
[気持ち悪い]
本当に気持ち悪かった。
生理的に嫌だった。
この人達が何をしたいか、してくるのかが、本能的に感じられてしまって――
「ノア、がんばれ!」
「まだおとこたちかくれてる」
「はやくメイレイして! オシオキしたい、こいつくさい」
風がそよぎ、サワサワと草木や葉の擦れ合う音が響く。
シーフたちにはわからない。
ここにいる周りのみんなが、わたしを励ましてくれる!
「今のわたしに不意打ちは効きません。
隠れている9人の方、すべて把握しています。
出られたらいががでしょうか」
「な!?」
男達は少し驚いたようだ。
だが、自分たちの絶対優位は変わらないと信じているのだろう。
すぐに、先ほどまでの笑みを取り戻した。
「これはいろいろ楽しめそうだな、おい」
次から次へと男達が現れてくる。
最後の9人目。
ああ、やっぱり。
なんとなくは感じてはいたのだけれども。
「ようやく会えましたね、マクガヴァンさん……」
僧侶マクガヴァンだった。
○
「ふん、よくわかったな」
僧侶マクガヴァンが嫌らしい微笑を蓄えながら応えた。
周囲の男達は愚痴を漏らす。
「まったくだ、俺たちゃ尾行にはかなりの腕のつもりだったんだがなあ」
「け、おめえがドジったんじゃねえの」
「ま、でも、こんな[獲物]ならばれてもばれなくて同じだけどな」
「ちげえねえ」
嫌らしい笑い声が周囲を包んだ。
やはりこの男たちは[シーフ]なのだろう。
尾行とは、シーフのスキルを使ったに違いない。
[ムーブサイレントリー]に[ハイド・イン・シャドー]あたりだろう。
ずっと感じていた違和感はコレだったんだ。
そして、[ノア]は尾行に気がついていたんだ。
今後、あの感覚は忘れないようにしなければならないと思う。
-----------------------------------
・[ムーブサイレントリー]
音を立てずに移動することを試みることができる。
移動速度は通常の1/3となる。
音を立てずに移動できた時は、不意打ちの成功率が向上する。
また相手を後ろから襲う(バックスタッブ)も可能となる。
-----------------------------------
-----------------------------------
・[ハイド・イン・シャドー]
物陰に隠れることを試みることができる。
完全な暗闇の中では行えない。
この技能は物陰に隠れることで、相手の目をあざむく。
-----------------------------------
僧侶マクガヴァンが右手を挙げる。
騒がしかったシーフたちは口を閉ざした。
僧侶マクガヴァンは、このシーフたちのトップになるのだろうか。
「おまえが来てから商売あがったりだ。
どうしてくれるんだ?」
右手で握ったメイス。
先端を左手のひらにのせるように、ポンポンと叩いて見せている。
威嚇のつもりだろうか。
「……商売って……
何を言われているんですか……?」
いや、わたしの中で答えはわかってしまう。
わかるけど、わかるけど、聞かずにはいられない――
「ったく、いい金づるの村だったのによ。
みんな頭悪くってな。
少しばかり、それらしいことを言うだけで、金、差し出してくるんだ」
マクガヴァンは悦に浸ったように続ける。
「生かさず殺さず、むしりとる、最高だ。
あの馬鹿親子は傑作だったぞ。
かなりの金をいただいたからなあ、感謝の極みだねえ」
メイスの動きが止まり、わたしに差し向けてきた。
「けどよ、おまえが来てから全くダメだ。
ぜーんぶ、お前の方に客が逃げちまいやがる。
だから、その分のマイナスは……」
下からわたしの頭に向かって、舐めるように見つめてくる。
「お前で立て替えてもらうことにする――」
○
「最低……です……」
わたしの心。
がんじがらめで縛り付けられていた鎖がはじける気がした。
気持ち悪い。
泣きたくなった。
ナターシャちゃん。
ゲイルさん。
パケお爺さん。
マスター。
ニコライさん。
ソーニャさん。
[ウォウズの村]のみんなの笑顔――!
「最低は、お前の今後の人生だと思うがな。
ああ、でも選択ぐらいはさせてやる。
おまえ、面や身体はかなりいいしな。
[魔法]を使えるってのもの、すげえ。
というわけで、一生俺らの世話をしてくれるんなら、
まー、それなりの対応はさせてやる。
ああ、怪我したら治すだけじゃねえぞ、世話ってのは」
マクガヴァンは舌で唇全体をしめらせるように舐める。
「……まずは俺から世話してもらおうか」
続けとばかりに、周囲のシーフが騒ぎ始める。
「じゃ、次は俺だ」
「お前、前、先じゃねえか。今度は譲れよ」
「嫌だね、こんな上玉、見た事ねえよ!」
「言える言える、へへへ」
「貴族とか、んなの比じゃねえなあ」
なんなんだろう、この人たち――
本当に、本当に――
「……
ニコライさん、手が豆だらけでした。
一生懸命、畑仕事しているからです。
ソーニャさんの手も傷だらけでした。
お裁縫とか、やっぱりとってもがんばって働いたからです。
全部、全部、全部がナターシャちゃんのためです……」
悔しいし、切ないし、なんなんだろうこの気持ち――
「そんな大切な思いがこもったお金を……
……[ウォウズの村]の方々を騙したんですね……」
ああ、そうか。
わたしは――
「知ったことか、あいつらは喜んで俺に金を出したんだ!
馬鹿なやつらは、これからも俺に金を出し続けるんだ!
お前は俺たちのモンになるんだよ!」
怒っているんだ。
「最低です……!」
わたしの声と同時に、シーフたちは抜刀する。
マクガヴァンは鉄で出来た首輪を取り出した。
★
厨二病的な台詞は好物です。