第二話 何とか二話目を書いてみた『イースト提督!!!!何か意見があるなら言ってみたまえ!!』突然の大声で思考の海より帰還する俺いや、寝てないよ。考えていただけだよ、怒鳴った人物は勿論ウィレム・ホーランド中将閣下、俺の所属する第11艦隊の司令官にして、帝国を滅ぼす男(自称)だ。怒鳴られたのは、俺ことペトルーシャ・イースト少将、第11艦隊の副司令官だ。俺はこの司令官にとても嫌われている。今も物凄い顔で睨まれてるし、間違いない。理由は幾つか思い当たる。理由その①司令官閣下が発案した芸術的艦隊運動に対して「非生産的だ」、「行動の限界を速めるだけだ」、などと周囲にぼやいていたのが司令官閣下の耳に届いた事。理由その②今回一緒に出撃する事になった第5艦隊、第10艦隊の司令官のビュコック提督とウランフ提督に「本当にすいません。ウチの馬鹿(ホーランド提督)が迷惑かけると思うのでほんとうにすいません。あのコレ詰まらない物ですが・・」(母親のような口調で)と言ってワイロ(缶コーヒー)を渡した事が司令官閣下の耳に届いた事。ちなみに、二人とも苦笑しながら缶コーヒーを受け取ってくれた。理由その③先日、グランド・カナル事件という物が発生した。(※人為的ミスの所為で物資が滞り、軍では対応しきれず民間船が100程雇われて軍の代わりに物資を運ぶ事になったが宇宙艦隊司令長官だったロボス元帥の「戦いの前に貴重な戦力を失う事にならないように」とのありがたい訓令に過剰に反応した護衛部隊が途中で引き返してしまう。巡航艦グランド・カナルの一隻だけは護衛の為に残っていたが帝国軍の巡航艦二隻に見つかり撃沈された。民間船も二隻ほどやられたが残りは無事に逃げる事が出来た。軍はこの不手際を隠すためにグランド・カナルの船員を英雄として祭り上げた。)この事件に対し我がホーランド提督が「一隻の犠牲で他の九隻が無傷だったのだから司令部の訓令は的を得た物だ。」とマスコミのインタビューに答えていたのを後ろで聞いていた俺が「味方がもう2、3隻いれば一方的に帝国軍を蹂躙し敵の戦力を添いでおけたのに残念でしたね」と茶々をいれた事。ちなみに、その日の夜のニュースでこのインタビューが放送されたが俺の入れた茶々もきっちり放送されてた。テレビ出演(声のみ)でちょっと、テンションが上がった俺は念のために録画しておいたデータを友人、知人に配って歩いた。でも、後日にホーランド中将が滅茶苦茶怖い顔で俺を睨んでいたのでこれからは、少し自重しようと思いました。あれ?作文?また、この事件について非常勤参謀殿は「グランド・カナルには百個の勲章よりも一隻の味方が必要だったと思いますよ。」とインタビューに答えていたらしいがマスコミには報道されなかった。残念。理由その④先日の朝のニュース番組「お目覚めハイネセン」内の街角アンケートの企画(元帥に一番早く元帥になりそうな軍人は誰?)一位 ヤン・ウェンリー(圧倒的差で)二位 ペトルーシャ・イースト(俺)三位 ウィレム・ホーランド(若手のホープ)との結果が出ていた。(内容のほとんどがヤン・ウェンリーの事だった)この時に番組内で今までの実績などをまとめた物を放送していた。俺については大きい実績は無いが大きい失敗も無く地道にコツコツと行く堅実なタイプの軍人と紹介されていた。ホーランド提督は以前に自分の立てた作戦(G線上のワルツ作戦)について「ネーミングセンスがちょっと」とアナウンサーのお姉さんに言われていた。その日、統合作戦本部で伊達と酔狂が大好きな後輩が敬礼しながら「おはよう御座います、未来の元帥閣下。」と挨拶してきたのをホーランド中将に目撃された。その時のホーランド中将は帝国を滅ぼした後に皇帝と一緒にギロチンにかけてやると言わんばかりの形相だった。ワザとだな、自称革命家。そして、現在もとても怖い顔で睨まれている。会議の最中に考え事をしていたのが悪かったらしい。けして、寝ていたわけではない。俺は少しだけ人より瞬きが長いだけだ。うん。とりあえず意見を言わないとあれなので言わせて頂きます。「司令官閣下の発案した芸術的艦隊運動(笑)ですが敵が司令官閣下より無能であれば有効だと小官は考えます」うん、大丈夫だよね?ちゃんと褒めてるよね?あと、芸術的艦隊運動の所でちょっと吹いてしまったが問題ないよね。あれ?司令官?何で震えてるの?『貴様!!!!この俺を無能だと言うのか!!!!』切れた。司令官が切れた。周りの方々も驚いている。とりあえず、会議を進めないといけないので適当になだめる(誤魔化す)事にする。「司令官閣下は、帝国軍が我々同盟軍より優れているとお考えですか?」「なんだと!!」「敵を過大評価して必要以上に恐れるのは武人として最も恥ずべき行為と小官は考えますが?」「ぐっ!!・・・まあいい。会議を続ける。」アムリッツァ前のアンドリュー・フォークっぽく反論する俺。何とか、誤魔化す事が出来きその後何事もなく会議は無事終了した。俺の指揮する分艦隊は最後尾に配置された。ホーランド提督の意図はなんとなく分かる気がする。今回の作戦に絶対の自信を持っている司令官閣下は自分を最前線に置き、あまり手柄を立てさせたくない俺は後方にと考えているのだろう。こちらとしても理想の配置だ。しかし、自分の部隊だけ逃げるわけにも行かない。俺は艦隊の副司令官なのだから。(べ、別に敵前逃亡で銃殺が、怖いわけじゃ無いんだからね!!)今回の俺の目標☆どれだけ味方の損害を出さずに撤退を完成させるか大丈夫だ。秘策はある。