-なぜ・・・・・、なぜ君が死ななきゃならない!!そもそも、なぜ俺なんかを助けたんだ!?-
-あなたに、生きてほしいからです・・・-
-俺だって、君に生きてほしい、君と一緒に生きたいよ!!-
-・・・・・・私は、あなたの笑顔が好き・・・。だから、涙を拭いてください・・・。笑顔で、生きてください、ヨシュ・・・・・・・・-
-・・・マリア?返事をしてくれ、マリア!!-
-・・・・・・・・・-
-なにが、笑顔で生きてくださいだ!マリア。君がいないなら、俺は生きることなんてできない・・・。だから、君と一緒に逝かせてくれ。君とならどこへだって行けるんだ!!-
-・・・・・・-
-はは・・・・・・。そうだよ、君が助けたからには、自殺では死ねない。他の人にも殺されることはない・・・・・・。残りの寿命を生きて、それからじゃないと君の傍には・・・、逝くことはできないんだな・・・-
-・・・-
-俺は、生きるよ。君の分まで一人で、人里から離れて・・・。・・・・・・もし、神なんてものがいるなら、次、この世界に生まれたときは・・・、マリアを幸せに・・・・・・-
~運命を変える者たち~
一人の少女がすごい勢いで走っていた。
「遅刻だぁ~~!!!」
そして、門の近くに来たとき・・・、
「ソフィア!」
「っとと。カイト兄!!」
「今日は学園休みだぞ?」
「・・・・・・うそぉ!!」
「その様子だと、昨日のミーティング、聞いてなかったな・・・。」
カイトは呆れ顔でソフィアにそう言った。
「・・・あたしの、全力疾走した時間を返せ~!!」
「自業自得だな。」
「そーいえば、カイト兄は何でここにいるの?」
「お前ねぇ・・・・・・。俺は、学園の自衛隊だろ?」
「うん。」
「で、昨日町に大量の魔物が現れたろ?」
「うん・・・?」
「だから、今日集まって、警備場所決めてたんだ。」
「なるほど!・・・じゃぁ、しばらく学園は休み!?」
「あぁ。魔物の問題がなくなるまではな。」
会とのその言葉を聞いて、ソフィアは目をきらきら輝かして、喜んでいた。
「ラッキー!久々に溜め込んでた本達をたくさん読めるぅ!!」
「・・・相変らずだな。で、何冊くらい溜め込んでたんだ?」
「ざっと、30冊近くだよ。」
「うぇ・・・、溜め込みすぎだろ!」
「いいのいいの。」
ソフィアはカイトの呆れてでてきた言葉など気にしていなかった。
「・・・やっぱ、その中に“チキュウ”の話が載ってる本はあるのか?」
「もちろん!あ~ぁ、あたしたちの世界も、本にのってる“チキュウ”みたいに魔物がいなかったら良かったのになぁ。」
「ば~か。それだと、モンスターハントの仕事が無くなって、無職人間が増えるぞ。」
「・・・・・・それもそうだね。」
ソフィアはふぅと息をついた。
「ソフィア、家まで送ってくよ。」
「ほんと?」
「あぁ。・・・・・・!」
「カイト兄?」
「ソフィア、壁に張り付いとけ!魔物が、俺達に気づいた!」
「えぇ!?」
「じゃぁな!」
カイトはそう言って、ソフィアを残して、魔物の群れに向かっていった。ソフィアは呆然としてカイトの背中を見送った。
つづく
~用語~
ソフィア・レーシェン 17歳
ドジでおっちょこちょいである。だが、読書が好きなため、意外と博識である。一日中本を読むと、最低で7冊、最高で10冊は読む。
カイト・フォルテッシモ 19歳
頼りになり、剣の腕は自称マスター。ソフィアの家の近所にすんでいるソフィアの幼馴染。
世界は名前は無いが“チキュウ”ではない。