南ヘルミナ騒乱から約2年、リトリー家の警察予備隊が驚くべき早さで形となりつつあったその時期に、都市オルトレアにて大連合が成立した。 東の大国奈宮皇国を筆頭に参加国は軽く2桁に上り、後の歴史家にコドール大陸史のターニングポイントの1つであったと評される事になる出来事であった。 以下は、参加国の一覧である。奈宮皇国ビルド王国ホークランド王国ガンド王国ノイル王国エルト王国ワノタイ公国ロードレア公国インスマー公国モンスワー王国デルトウル王国四峰家領国神楽家領国ルウツウル小国連合諸国 ルウツウル小国連合を除いても13ヶ国、ルウツウル小国連合の小国家群まで数えると20ヶ国を越える国家が参加する大同盟だ。 仮想敵国は当然、包囲される形になっているヴィスト王国。宣戦条項まで付いているどこからどうみても対ヴィスト軍事同盟なのだが、これに対するヴィスト王国の対応は迅速かつ苛烈であった。 オルトレア連合成立から僅か半月後、ヴィスト王国にて大規模な動員が行われれる。 それと同時に、南ヘルミナ騒乱に関する――既に時期を逸しているはずの――抗議がビルド王国とエルト王国へと届いた。『一 先の南ヘルミナ騒乱におけるビルド王国とエルト王国の行動は内政干渉であり、厳重な抗議の意を表明する。 一 ヴィスト王国は両国の公式な謝罪及び、当該事件でヴィスト王国が受けた損害に対する賠償を要求する。 一 当該事件においてヴィスト王国軍とビルド王国軍並びにエルト王国軍が宣戦布告無く戦闘状態に入った件についての訴追のため、ルーティン伯爵とリトリー公爵の身柄を要求する。 なお、両国がこれらの正当な要求を不当にも拒否した際にはこれを我がヴィスト王国に対する最終通告と見なす。』 これらの要求を両国が飲む事などありえない。要求した当のヴィスト王国首脳陣も重々承知しているその通告はつまるところ。 ――事実上の宣戦布告だった。■ なるほどな……。 ヴィスト王国の狙いはこれか。 今更南ヘルミナ騒乱の事を掘り返してきたのは、なんて事は無い。オルトレア連合が正式に成立するのを待ってたんだ。 喧嘩を売るなら纏めて1度に売った方が楽だし、敵ははっきりしている方がやりやすい。 しかも、連合という数に安心して油断する所も出る可能性もある。 人間、周囲が敵か味方か分からないときは緊張も警戒もするが、周りにいるのが味方――それも、圧倒的多数――だと分かるとそれを持続させるのは難しい。 だいたい、いちいち連合に参加する他国の意向を窺いながら行動するなんて時間をロスするだけだ。 意志決定の速度という最重要のポイントでヴィスト王国に比較にならないほど差をつけられているのは大きい。 もちろんヴィストにとっては四方を敵に囲まれる事になるが、自国の軍事力に絶対の自信があるのなら手としてはありだ。 それにまぁ、どちらにしても潜在的敵性国家に周囲を囲まれている事に変わりはないからな。 この手を選択する事で被るデメリットはそう大きくない。 いの一番にビルド王国を狙う理由も簡単だ。まずは東西の連携を遮断するつもりなのだろう。 海路の遮断こそ難しいが、互いの兵力の陸上移動を阻止するだけでも効果は大きい。 相互の連絡を絶って各個撃破するってのは、少数で多数を相手取る時の王道だからな。 コドール大陸の地形の問題もある。 ヘルミナ王国中・南部からビルド王国にかけての西側は、ヒマラヤ並の天険が城壁の如く聳えているのだ。 軍がまともに通行可能なのは、ヘルミナ北部以北を除けばカイルラン峠しかない。 両国の東にもまた、アルプス山脈並には険しい山々が控えている。 こちらはまぁ、軍を通せる場所はいくつかあるので例えるなら鉄条網くらいだな。 そんな地形関係なので、ビルドが陥ちれば旧ヘルミナ王国領に駐留させる軍の兵力を節約できる。平定や民心掌握もやりやすくなるだろう。 まずはビルドを押さえ、それから東西へ手を伸ばす。必然の一手に近いんじゃないか? ヘルミナを抑えているのでもかなり遮断は効いているが、やはりカイルラン峠近辺を含めたビルド王国北部地域を抑えているかどうかは大きな違いが出るだろう。 カイルラン峠自体は一応ヘルミナ王国領という事にはなっていたが、あの周辺はビルド王国の影響が根強い地域らしいからな。 それに、宣戦布告の理由もな……。 いや、理由自体は大した事じゃないんだけどな。その気になればどうせ適当に理由はつけられる。 問題なのは、その理由がそのまま次の1手になっているところだ。 もし仮に両国がこの条件を飲んで戦争を回避しにいっても、恐らく戦わずして国が瓦解する。 国に仕える貴族を差し出して媚びへつらうなんて、1発で国の威信が地に落ちるからな。 下手をすればそのまま内乱だし、そうならなくても民心が離れてしまう。そして、民衆の心が離れた国は脆い。 何より、国内の貴族の忠誠が期待出来なくなる。まぁ、部下を敵に売る上司になんて誰もついて行かないよな、普通。 そうなれば後は寝返りの嵐が吹き荒れるだけだ。国内の貴族がまるでオセロのように雪崩をうって親ヴィスト派へと走り、王家が倒れ、傀儡政権が立つ。 操り糸を持つのが誰かなんて誰でも分かるだろう。 ま、そうなるのが目に見えているからこそこうなるとは心配していない。問題は別にある。 今回の要求を聞いて動揺する貴族がまず間違いなく出る、という事だ。 そりゃあそうだよな。同じ貴族とはいえ他人を売るだけで自身の領地の安全が確保出来るんだから。目先の利に釣られても仕方ない。 動揺するなって言う方が無茶だろう。 ただ、動揺した貴族には脈ありと見たヴィストの調略の手が伸びるだろう事がな……。面倒だ。 その辺りは宰相殿やムストが対応するだろうから、一先ず脇に置いておく。 1番の問題は、予想されるヴィスト軍の進攻を止めなきゃまずいという事で。 実のところ、これだけで既に厳しい。 単純に、ヴィスト軍が強すぎる。 しかも、予想通り先手を取られてしまったってのもキツイ。分かっちゃいたけど、本当にキツイ。 ヴィスト王国は自由に戦力を動かせるのに対して、こっちはマックラー・クングール・クルガの3方面を等しく警戒しなければならないのだ。 ある程度マックラーを分厚く布陣してクングールとクルガには万が一の場合マックラーから後詰を送るという筋書きは描かれちゃいるが……。先制されてそのまま粉砕されかねない。憂鬱な気分にもなるってもんだ。 渉外関連の部署の部下が作った報告書を机に投げやりに置き、ため息をつく。 その報告書を持って来た当の本人であるカーロンは、そんな俺の様子に苦笑しながら報告を続けた。「ビルド王国、我がエルト王国共にこの要求を即日拒否しました。また、予想される戦闘に備えて各国に救援と警戒を呼び掛ける急使が派遣されています」「間に合いそうか?」「クルガ方面には奈宮皇国と神楽家領国の2万5千が何とか間に合いそうです。マックラーはビルド王国軍が主体に、アルバーエル将軍指揮するエルト王国軍2万と傭兵団『七英雄』が入ります」「『七英雄』?」「ビルド王国とエルト王国に存在した複数の傭兵団の複合傭兵団です。元は7つの小・中規模傭兵団だったらしいのですが、ラルフウッドという者が連合をとり纏めて今や大陸有数の強力な傭兵団になっています。 元から戦慣れしている傭兵がそれなりに纏まった数で強力な指揮官の元運用されるのは無視できない効果をもたらすでしょうな」「となると、数は足りているか。後はクングール方面だが……」「ノイル王国軍の動きは鈍く、クングールに入ったビルド王国軍も西部の諸候の軍勢の寄せ集めに近いです。クングール自体の守備力は高いのですが、不安は拭いきれません」「マックラーの兵力は分厚いから、そこから後詰めを送るだろう」 つーか、それしかない。 もし仮にクングール方面に主攻が来た場合、クングールでビルド・ノイル連合軍が篭城している間にマックラーに最低限の備えを残して全軍で急行。クングールを背に負うヴィスト軍に決戦を挑む。 ちなみに、クルガに来た場合も以下同文だ。「このヴィンセント=カーロン、嫌な予感がするのですが……」「だからと言ってマックラーの防備を薄くする訳にもいかないだろう。あそこが陥ちたら事実上ビルド王国が陥ちたも同然。オルトレア連合が東西に分断されてしまうぞ」「クングールが陥ちても同じ事です。 カイルラン峠周辺を固められてしまえば、東西の陸路交通は断絶します。海路は残りますが、軍事的に有機的な連携が取れるかどうかとなると怪しいものでしょう」「それはそうだが……。何なら警察予備隊を出すか?」「それが無理なのはセージ様も分かっているでしょう。そもそも、セージ様の年齢で戦場に出る事自体、このヴィンセント=カーロンは反対なのですぞ」 今回の援軍の動員は王国からの正式な命令だ。動員に関わる貴族はもちろん、そうでない貴族も、命令に逆らうような事をすれば反逆の意志有りと見られる。 勝手に援軍を派遣したりなんぞしたら今度こそ何らかの処罰を受けるだろう。 まぁ、そもそもの話。 リトリー勢はハイマイル峠を押さえる兵力として認識されているだろう。万が一の際にヴィスト軍がエルト王国になだれ込んで来るのを防ぐ重要な守備兵力だ。 重要な会戦になるだろうとはいえ、他国の援軍に出して損耗させるのはよろしくない。そう考えられているんだと思う。 2年前の小勢ならともかく、今のリトリー勢は3000程の纏まった兵力を持っている事だし。警察予備隊の規模の拡大には余念が無かった成果だ。「しかしまぁ、年齢云々は仕方ないだろう。もし仮に動員令が出た時にカーロンに名代を任せる事に不安は無いが、味方の士気が違う。 ……南ヘルミナ騒乱でうっかり名声を得てしまったからな。 張り子の虎でも、牽制くらいにはなる。そう思われても不思議じゃない」「もう1度同じ事が出来ると、セージ様自身もお考えですか?」「まさか。 敵さん並に優秀な指揮官がこっちにも何人かいて、かつ状況が互角なら、何とかする策を出せるかもしれないって程度だよ。 何も出来ないとまでは言わないが、俺ひとりで状況をひっくり返せるなんて思っちゃいない。それどころか、足手まといになるかどうかを心配する方が先だろうさ」「このヴィンセント=カーロン、それを聞いて安心致しました」 実戦と演習で十二分に思い知ったからな。 作戦参謀や戦略級指揮官としてならともかく、前線指揮官としては足手まといにならないようにするのが精一杯だ。 1人で戦況をひっくり返すどころか、普通に弱点になりかねない。 まぁ、前線指揮官に関してはなんだかんだで充足しつつあるから俺が出しゃばらなくてもいいのは救いだな。 少なくとも、カーロンやノア将軍の代わりをするなんて無理難題は避けられる。「本音を言うと、ビルド王国を併呑した辺りで諦めて欲しいんだけどな……。それだけで俺の苦労は半分以下になるんだし」「そう簡単にヴィスト王国の膨張政策は止まりますまい。ビルド王国を倒して直ぐに我が国に牙を向けるのかどうかは分かりませぬが……」 いずれ必ずハイマイル峠を中心とした地域が主戦場になる時が来るだろうな。 なにせ、こっちが抱え込んだ獣人族はカーディル王の嫁さんの仇だからな……。 しかも、よりにもよってリディア姫の母親だし。ありえん。確か、カーディルが1番溺愛してた側室だっただろ。 ……こりゃあ、本格的に旗立ってるよなぁ。しかも、特大のがさ。「ビルド王国の興亡が掛かった会戦なのにすぐそばで結果待ちするしかないってのもな……。心臓に悪い」「はぁい♪ そんなセージ君にとっておきの情報があるんだけど、どう?」 ……姐さん、窓から入ってくるのは構わないんだけどさ。ここ、4階だぜ? 燃えるような赤毛のポニテが風に揺れてるのを見る限り風もそこそこある筈なんだが。そこは流石くのいちと褒めるべきか、無茶をすると呆れるべきか。 カーロンも何を言うべきか迷っている風な様子で、とりあえずという感じで開いたままの窓を閉めに歩いた。「黒尼殿……。色々と言いたい事はありますが、一つだけ。窓から転げ落ちて怪我などしても仕事は同じようにやってもらいますぞ」「だいじょーぶだいじょーぶ。あたしゃ忍びだよ。 それよりも、良い情報と悪い情報と最悪な情報があるんだけどさ。どれから聞きたい?」「……まぁ、メインディッシュは後に残しておこう。良い情報から頼む」「オッケー。良い情報としては、ヴィスト軍の大まかな数と主だった将の配置が判明したよ。 まず、クングールに2万。率いているのは、主将がロンゼン将軍で副将がセルバイアン将軍。 次に、クルガにも1万5千ほど。率いているのはジャン=スーシェ将軍」 クングールに2万でクルガに1万5千という事は……、主攻はどこだ? マックラーはどうだ? いやしかし、ヴィスト軍の動員力を考えるとマックラーに割けるのは3万強程度になるはず。 相互に連携するにはやや遠い以上、そういう風に兵力を分散するのは得策ではない。ある程度牽制目的で別働隊を派遣するにしても、個々の兵力が適正でないといけないしな。 第一、それぞれに大差の無い兵力で分散して攻勢に出ても攻撃側の優位が全く生かせない。 攻撃側の最大の優位というのは、攻撃するタイミングと場所を自由に選択できるという事だからだ。実際、魔法なんて物騒な物が無くとも大砲の出現以降は攻撃側と防御側ではどちらかと言えば攻撃側が有利だったのだ。 機関銃の出現によって振り子の振れは防御側に再び傾いたが、それだって戦術レベルでしかない。戦略レベルで見れば、やはり攻勢側の選択権の優位が大き過い。 そして、魔法は大砲の代用くらいにはなる。 そういった事を踏まえれば、あのカーディル王が攻撃側の利点を全部放棄して分散攻撃なんて事をするとは考えにくい。 だいたい、ただでさえ総兵力で劣っているのに分散配置なんてしたら兵力差が局地的に埋まる事すら無いじゃないか。 事実、案の定ノイル王国からの援軍がやや遅れ気味なのと予想通りビルド王国軍の招集兵力が7万程に留まった現状でさえ、クングールに2万5千、クルガに4万(奈宮勢2万と神楽勢5千を含む)、マックラーに6万(エルト勢2万と傭兵1万を含む)が詰めている。 ヴィスト軍の兵力分散の仕方だと、例えクルガ方面に3万足しても4万5千にしかならない。 4万5千対4万では、いくらヴィスト軍が精強と言っても落とすのは無理だ。 寄せ集めっつったって、奈宮勢もヴィスト軍同様精強だし神楽勢は奈宮勢と連携が取れる。野戦ならともかくクルガに籠れば負けるはずが無い。 となると、クングールに後詰で3万を追加する手筈である可能性が高いか? それなら、クルガ方面軍が牽制しつつクングール方面軍でクングールを落とせる公算が立つだろう。 ただし、それでも5万対3万だ。ビルド諸侯とノイル王国軍の寄せ集めとは言え、ノイル王国軍の誇る魔法使い部隊は攻城戦でこそ真価を発揮する。攻撃側だとしても、防御側だとしても、だ。 マックラーからの後詰が到着するまでにクングールを落とせるかどうかってのは相当分が悪い賭けだと思うんだがなぁ。 全く意味が分からない。 と、そこまで考え込んだところで黒尼が苦笑してこちらを見ている事に気付いた。まだ何か言うべき事があるらしい。 一つ頷いて、促す。「考え込む前に、まだ残ってるよ。肝心要のカーディル王の動向が。 マックラーに向けてはカーディル王自らが出陣しているわ。副将としてミリア=ダヴーを引き連れて、ね。兵数は、驚きの5万5千」「マックラーに5万5千?! ちょっと待て、その兵数だと本国がほとんど空になるはずだぞ」「その通り。留守を預かっているのはアライゼル将軍の3万ほどだけだわ。いくらアライゼル将軍が戦巧者でも、ロードレア公国とインスマー公国が本気で侵攻してくれば対応は難しいだろーね」「……つまり、それが悪い情報か」「やー、話が早いね。お察しの通り、ロードレア公国もインスマー公国も腰が重すぎるわ。あの調子じゃ、動員は間に合わないね。仮に間に合ったとしても、カーディル王の軍勢が取って返す方が早そうだし。 その辺はワノタイ勢とガンド勢も似たり寄ったり――というよりも」「あの両国は防衛を主眼に据えて準備をしてきたはずだ。いきなり目の前が無人の野になったからといってそうホイホイ進撃なんぞ出来る訳がない。第一、そんな事をしようものならワノタイの背後の国が動き出しかねないからな」 ――レグルリア王国。 ヴィスト王国や奈宮皇国に肩を並べる国力を誇る大国である。今のところは国内での動きの方が活発なようだが、もし仮にあの国の目が国外へと向いたなら……。 あまり考えたくないな。 そのレグルリアの誇る軍事力は、当然のように国境を接している諸国の軍事行動に少なからぬ制約を加えている。まぁ、ワノタイからすれば本国から遠く離れて遠征なんて出来るはずがないってのが実情だ。 無論、ガンド王国単独で長駆ヴィーグルまで軍を派遣するなんてのも不可能。ガンド王国軍を動かせるだけ根こそぎ注ぎ込んでも戦力が足りない。 頑張れば旧ウィルマー王国くらいなら切り取れるかもしれないが、そんな事をしても負担が増えるだけでヴィスト王国に対して有効なダメージを与えられるかどうかといえば疑わしい。 というか、ガンド王国単体の国力ではぶっちゃけ無理だ。 あそこの国も迷走が激しいからなぁ……。要塞都市タロスハートの建設とかさ。 やらんとしている事は分かるんだけどな。王都の北に軍事要衝を作り上げて防御力を高めようって事だろ。 だが如何せんコストが掛かり過ぎだ。第一、本当に建設が間に合うのかどうかすら怪しいんじゃため息しか出なくなる。 それもこれも、ヴィスト軍が野戦で強過ぎるのとヴィスト王国の拡大スピードが予想をはるかに超えてるっていうのが原因ではあるんだけど……。「まぁ、逆に考えれば東西の敵の動きを見極めたからこそカーディル王は動いたんだろうが……。 それに、残している3万の兵力も厄介か。東西どちらから攻め入るにしても、少なくとも3万を率いるアライゼル将軍を短期間に撃破できる陣容を整えなくちゃならないとなると……」「ま、こうなるのも無理ないわね。 あと、ノイル王国軍がクングールに入城する前に野戦で撃破されて壊滅。クングールはその直後に包囲されてるよ。 ついでに、クルガに着陣した奈宮・神楽両軍は正面の敵と睨み合い。マックラーの兵力もカーディル王との対陣に向けて大わらわでクングールどころの騒ぎじゃない。 とまぁ、現状はこんな感じだね」 …………。 ……マジかよ。