結局、俺はリオナティール姫とは少しばかり言葉を交わしただけでマックラーを後にした。 名目上とはいえマックラーまで出張して来た理由がリオナティール姫の誕生日祝いという事を考えると問題があるような気がしないでもないが、リオナティール姫の相手はエルネア様やアルイエットが(もちろん一葉姫やルティモネ姫も)していたようなので、その点に関しては問題無い。 ……問題無いよね? まぁ、問題無いという事にしておく。 つーか、問題があろうが無かろうが既に帰途の半ばを過ぎてるんだからどうしようもない。 あと、今はそれどころじゃないっつーのもあるし。 別にエルネア様の護衛が大変だって訳じゃ無い。 既に警察隊の活動地域に入っているから治安は安定しているし、万が一にそなえて馬車の周囲を騎兵で囲んで前方に警戒線を敷いているだけだしな。 十分厳重な警備だというのは承知しているが、俺自身がやる事なんてほとんどなかったりする。部下が優秀って素敵だよねー。 じゃあ何があるんだっていうとですよ。 俺の隣でやたら毛並みの良い芦毛を並足で駆っているのが一葉姫だって事ですよ、ええ。 未来の旦那様に敬語を使われるのは嫌だという事でタメ口で話すハメになっている上に、後ろから突き刺さる風林殿の鋭い視線が痛い痛い。 だからって敬語に直そうとすると一葉姫に悲しげな顔をされるし。 俺にどーしろと。 ま、タメ口で話す事自体はどーでもいいので、後ろで見ている風林殿を意識しないためにも雑談に集中する。 するったらする。「本当に、体の方は大丈夫?」「ええ、練習の時に比べれば天国みたいなものですから。それに、この子は賢いので私は座って手綱を握っているだけでいいのですし」「いや、俺の目から見た限りじゃ見事な手綱捌きなんだけど……」「意外ですか?」「そりゃあ、まぁ。騎乗訓練ってのはお姫様の嗜みの中には入らないと思ってたからなぁ」「私が皇国の姫のままであるのなら輿や馬車を好きなように使っても構わないのかもしれませんが、セージ様の許に嫁ぐからには恥ずかしくない振る舞いをしたいと思いましたから」「別にそれくらいの我が儘なら構わないのに」「私自身の気持ちの問題です。それに、こうして並んでお話出来るのも馬に乗れればこそです」 う……。一葉姫みたいな綺麗な女の子にそういう風に言われるのは素直に嬉しい。 いや、実態は完全に押しかけ女房なんだけどさ。美人に弱いってのは男の抱える永遠の弱点だと思う。 なんか、自分で思ってる以上に尻に敷かれそうだなぁ。予想以上に堂々としてるしさ。 しかも、それもまぁいいか、なんて思っている自分もいるってのがまた……。「とはいえ、今の私はこの子にしか乗れないのですが……」「乗り回してたらそのうち慣れるさ」「そうでしょうか?」「そんなもんだって。まぁ、騎乗に慣れるほど連れ回すのもアレかもしれないけど」「私は、できれば一緒にいたいと思っています。互いの事を知るには一緒に過ごすのが1番適しているでしょう?」「……もしかして、領内に皇国の要員の宿泊設備を用意してくれっていうのは……」「父上や風林の説得には苦労したのですよ」 そりゃあそうだろうよ。どこに嫁入り前の娘を半同棲状態にする事に賛成する父親がいるんだっての。 ちらっと後ろを振り返ってみたら、風林殿は案の定やや険しい顔を……。って、最初から難しい顔してたから実のところよく分からんのだけど。 ただ、最終的に要望が来たって事は皇帝も風林殿も折れたって事なんだよな……。 理由は何だ? 一葉姫がこっちに慣れるため、って事はないだろう。理由の1つにはなるかもしれんが、それだけだなんて到底思えない。 むしろ、一葉姫をウチの領地で生活させる事で奈宮皇国が得られるメリットが全く分からん。 国力が逆なら分かりやすいんだけどな……。人質って訳でもないだろうに。 もしかして、一葉姫に何かあった場合にそれを口実に侵攻してくるとか? もちろん、その“何か”は何故か奈宮皇国にとって都合の良いタイミングで起こる訳だけど。 ……あー、いや。思い付いてはみたが、それは無い。 いくら奈宮皇国の国力が大きいといっても、対ヴィスト戦線を抱えたまま2正面作戦が出来るほど余裕があるとも思えないからな。それに、そんな事をしなくとも結婚後に俺を暗殺すればリトリー領はそのまま手に入るだろ。 そもそもどちらにしてもデメリットが大き過ぎるからしないと思うけど。「それにしても、よくOKが出たな」「姉上が応援してくれたみたいです」「……なるほど」 聞かなきゃ良かった。 普通に後継ぎ争いの煽りを食らっただけじゃねーか……。 そりゃあ、風林殿が難しい顔をするわけだ。 ……で、前方から並足で駆けてくるオイゲンは何なんだ? 警戒線に何か引っ掛かったってのなら伝令出せばいいだろうに。「セージ様、少しよろしいですか」「何かあったか?」「はい。警戒線で部下が行き倒れを見つけまして」「行き倒れ? その程度の事ならわざわざ報告に来なくとも――あぁ、拾った奴が問題なんだな」「一応保護はしていますが……」「分かった。俺が直接行こう。オイゲンはアルバーエル将軍に1言伝えてからこちらの警備に加わってくれ」「了解しました」 行き倒れの1人や2人適当に対応してもいいだけの権限はオイゲンに任せていたんだけどな……。 オイゲンがこっちに対応を投げたって事は、それだけ何か問題事を引き連れた行き倒れを拾ったって事だ。 正直言って面倒だが、拾ったものは仕方が無い。 しかしまぁ、“行き倒れられる”くらいには治安が良くなったってのは、素直に凄いな。以前なら身ぐるみ剥がされて奴隷商に売り飛ばされてても不思議じゃないぞ。 警察隊の連中の尽力の賜物だな。「聞いての通り、向こうで問題発生らしい。少しばかりここを離れるよ」「私の事はお気になさりませんように。それよりも、風林を手伝わせましょうか?」「いや、風林殿には姫の側にいてもらう。一応、周囲の騎兵はエルネア様の護衛って事になってるからな。姫を優先する人がひとりくらいはいないと」 風林殿が率いて来た皇国勢は神楽家領国を経由してヌワタ地方へ帰還している。 少数の護衛だとはいえ戦力ではあるから、エルト王国に無用な緊張を与えない為だというのは分かっているが……。それにしたって一葉姫の護衛が風林殿ひとりっていうのは豪胆な事だと思う。 まぁ、それだけ信用されてると思えば嬉しいけどさ。■ ……で、警戒線で保護された行き倒れだけどもだ。「疲労と空腹で倒れただけみたいですね。ちゃんとした食事をとってゆっくり休めばすぐに良くなりますよ」 という事だそうだ。 エルネア様の護衛任務という事で、同道している典医以外にウチからも数少ない軍医(しかも女医)を馬車に乗っけて同行させていたんだが、まさかこんな事で役に立つとは。 孤児院の担当医もやってもらってる関係上、色々融通してもらい易かったってのもあるから割とごり押しで連れて来たんだが……。 まぁ、軍医と兼務しているから忙しそうに聞こえるだけで、事実上俺の専属医状態なので普段は孤児院の医務室で暇そうにしてるんだけどな。 いやむしろ、毎度のように悪ガキ共にチビチビとからかわれてその度半ば本気で怒ってる辺り、ある意味忙しいのか? ……どうでもいいか。 なお、今回の事で診察と軽い治療くらいなら馬車の中でも十分出来る事が分かったので、低額の巡回医療サービスを領内農村部に展開するのを検討してみようかと思っている。 もちろん、相当数の医者――というか軍医を準備出来てからになるだろうけど。 ちなみに、行き倒れてたのはちょっとキツ目の美少女でした。 マジで見つけたのが俺達で良かったよ……。以前に比べて治安が良化しているとは言え、いくらなんでも女性のひとり旅は無謀過ぎる。「セージ様。認めたくないのも考えたくないのも分かりますけど、彼女、森の住人ですよ」「なんでこんなトコにいるんだよ……」「さぁ……。ただ、診察した感じでは手荒に扱われたり暴行されたりってのはないみたいですよ。ちょっとした奇跡ですね」「誘拐とかの線は消える訳か。救いといえば救いだけどなぁ」 森の住人は、半ば人間社会に溶け込んで独自の国家すら持つ獣人族とは異なり、人間との接触自体限られている種族だ。 竜族に比べれば遥かに脅威度は低く話も通じる相手なのだが、人間社会との関係が薄く簡単に敵対関係になりうるだけに対応には慎重さが必要となる。 なんで俺がこんな事を知っているのかというと、以前カーロンにビルドとの国境侵犯問題で説教を食らった際に怒らせてはいけない相手の1つとして散々念押しされたからだったりする。 ……で、迷子なのか何なのかは知らないが、こちらとしては丁重にお帰り願いたい訳だけどもだ。 どーも、嫌な予感がするんだよな。断言は出来ないが、どこぞの森を捨てた森の住人に似てるような似てないような。 いや、仮に本人だとしたらそれはそれで幸運な気もするけど……。 しかし、俺にとっては幸運でもカーロン辺りの胃がストレスでマッハかもしれん。現状でも十分そうだという話もあるけどな。「どこの氏族の出なのかは分からないが、とにかく事情を聞いてみないとな……。本人はこっちの尋問に耐えられそうか?」「普通にお話しするだけなら大丈夫だと思いますよ。今はメグが看ていますけど、病気や怪我をしてるわけじゃないですから。ただし、あんまり無理をさせちゃだめですよ」「分かった。もう起きてるのか?」「診察中に。私もメグも女だったからあんまり警戒されなかったのは幸いでしたね」「まぁ、起きた時に知らない男が目の前にいたら混乱した揚句暴れかねないからなぁ。 とにかく、ご苦労だった。彼女と一緒に昼飯でも食ってきてくれ」「あれ? セージ様の持ってるのは私達への差し入れじゃないんですか?」 ……確かに俺の右手には握り飯の包みと水筒2つがあるがだな。「これは俺と行き倒れの子の分だ。配給には軍医と助手の分はとっておくようにと伝えてあるから、焦らず騒がず貰いに行くように」「了解です。……私達がいないからって悪戯しちゃダメですよ」「おいコラ、俺はそんなに信用無いのかよ」「あはは、冗談ですってば! セージ様に限ってそんな事しないって分かってますよ。こーんな美女を目の前にしてセクハラ1つしないですもん」「……まぁ、ホイミンだし」「それ、男の子達が真似するんで止めて下さいよ……」 軍医の本名はキャサリン=ホイットニーという。普段は軍医殿と呼ばれる事が多いが、人懐っこいシマリスみたいな容姿と性格には壊滅的に似合ってないのでホイミンとあだ名していたり。 軍医なんつー職に就いてるんだから色々とタフなはずなんだけど……、まぁ、ホイミンだし。「何してんのホイミン、ご飯行くよー?」「あ、ちょっと待て、メグ。あんたいつの間に?! あと、ホイミンて呼ぶなぁ! ……って。セージ様、お先に失礼します」「あいよ、ごゆっくりー」 きゃいのきゃいのとじゃれあう姿は仲の良い姉妹みたいなんだが……、悲しい事に、ホイミンって俺の一回り近くは上なんだよな。対する助手の子は今年で17になるんだとか。 ……合法ロリ乙。「あれで21だっていうんだからなぁ……」「世の中には不思議が一杯よね」「まったくだ。街道のど真ん中で行き倒れてる森の住人ってのもいるくらいだしな」「うっさいわね、お金スられちゃったんだしどうしようもなかったのよ。せめてハイマイル峠さえ越えられれば良かったんだけど」「エルト王国内の氏族出身なのか?」「違うわよ。私は森を捨てた森の住人だもの。ただ単に、エルスセーナまで行けば何とかなると思ってただけ」「なんつーアバウトな……」「アバウトで悪かったわね」 幌付きトラック荷台に似た馬車の端に腰掛けて口を尖らせる少女だが、その視線が俺の右手の方に吸い寄せられてるようでは語るに落ちている。 いやまぁ、微笑ましいんだけどね。 それに、俺だって腹は減っているので無意味に張り合う事もない。「まぁ、身の上話は飯食いながらでもいいだろ。好みに会うかどうかは分からんが」「そんな贅沢言わないわよ。……食事代は身体で払えとか言わないわよね」「誰が言うか。文無しで行き倒れてた奴に代金せびるほど困ってねーよ。奢りでいいから食っとけ」「ありがと」 小規模とはいえ輜重隊も連れて来てるから、糧食にはある程度余裕がある。 まぁ、別に行き倒れの1人や2人ならそれがなくても助けるけど。「ケーニスクフェアよ」「……ん?」「名前よ。ご飯奢ってもらってんのに名乗りもしないのもどうかと思っただけ」「あぁ、なるほど」 名乗られる前から色々達観してたからなんか今更だわ。 予想通りなお名前には内心渇いた笑いしか出ないけど。 まぁ、美人で優秀な指揮官候補ゲットって事は間違いなく良い事だしな。ラッキーラッキー。「俺はセージ=リトリーだ。どうせすぐに分かる事だから言っておくけど、エルト王国の公爵をやっている」「……え゛」「そんな、鳩が火の矢食らったような顔しなくても」「だ、だって、まさかそんな、ただの子供じゃないだろうとは思ってたけど――じゃなくて、思ってましたけど……」「別に無理に敬語使わなくてもいいぞ。公的な立場があるならそうもいかないけど、個人的に話す分には面倒なだけだしな」「はぁ……」「それにまぁ、なんかその方がしっくり来るんだよ」 未だに大学生感覚が抜けきらないので、気を張っている時以外は敬語なんてダルいだけなんだよな。 カーロンとかには公爵としての威厳がどうとか苦言を呈される事もあったりなかったりなんだけど……。 まぁ、打算が無いと言ったら嘘になるけどな。 美人とお近づきになる機会を捨てるほど枯れちゃいないし、それが後腐れの無い相手ならなお嬉しい。 そんな事より昼飯だ昼飯。色気より食い気、不確定な未来より確実な幸せだ。「うーん、美味い。後方支援が充実してるって幸せ……」 お米の国並にチョコレートやアイスクリームが付いてくるほどじゃないが、美味い飯が満足出来るだけ出てくるってのはそれだけで偉大な事だと思う。 最近の編成変更で歩兵に配備していた馬車を全部後方支援部隊に配置替えしてまで後方支援の充実を優先したけど、その価値はあったと思う。 飢えた軍隊ってのは、組織化された野盗みたいなもんだしな。それはそれで恐ろしいって話もあるが、常備軍のコンセプトからは真逆を行くので即答で却下だ。 何より、古来より補給に難を抱えた軍隊が勝ったためしがない。 無理やり例外を挙げるとすればハンニバルが挙げられなくもないがだ……。自分がその域に達しているとか口が裂けても言えんわな。 新規配備じゃなくて配置替えで対応した理由? 予算に決まってるだろ……。「えーっと、セージ、様?」「何だ?」「も、申し訳ございません!」「……は? いや、いきなり謝られても意味が分からんのだけど……?」「いや、その、なんか不機嫌そうだったから……」「あー……。貧乏って悲しいなぁって思ってただけだから、ケーニスは気にしなくていい」 いや、別に貧乏って程じゃないんだけどね。エルト国内の貴族じゃ相当裕福な部類に入るとは思うし。 だからと言って、ヴィストとガチで殴り合うには全く足りてないんだけど……。 まぁ、足りる方がおかしいという指摘は悲しくなるので見なかった事にしたいかなー、と。「……ケーニスって、勝手に人の名前を縮めないでよね。あたしの名前は、ケーニスクフェア」「まぁ、愛称みたいなもんだって」「愛称って……」「それにだな、ガンド王国にケーニスクという都市があるんだがな」「それがどうかしたの?」「そこで毎月行われる定期市の名前、どんな名前だと思う?」 ケーニスクフェア。 いや、冗談でも何でもなく、普通にそこそこ有名な定期市らしい。 南方地方最大規模の定期市で、期間中に流通する資金は小国の国家予算程度になら張り合えるらしい。「……ケーニスと呼んでください」「うむ」「うぅ……、ご飯が美味しいのがなんか悔しい……」 しっかし、アレだ。 なんで原作じゃヴィスト軍にいた奴がこんな所にいるんだ?「なぁ、ケーニス。ケーニスって、なんでまたウチの領地に来ようと思ったんだ?」 俺の問い掛けに暫く無言で飯を食っていたケーニスだが、一口水筒の水を飲むと、大きく息を吐き出した。「……別に大した理由じゃないわ。弓の腕には自信があるから傭兵にでもなろうと思っただけよ」「それなら奈宮かヴィストを選んだ方がいいんじゃないのか。自分で言うのも何だが、そっちの方が遥かに有望だぞ」「冗談やめてよね。奈宮皇国ってガチガチの身分社会じゃない。そんな所で傭兵なんてやっても旨味がなさそうだし、息苦しい所は嫌いなの。 まぁ、ヴィスト軍に仕官するってのは考えたんだけど……」「考えたんだけど?」「ほら、セージ様も参加した南ヘルミナ騒乱。あれ以来亜人に対する風当たりがキツイって噂なのよね……。 獣人族に比べればマシなのかもしれないけど、それでもやっぱり、ね」「……そうか」「弾圧とかは無いみたいだけど、確実に暮らしにくくはなってるみたいね。セージ様もそれは知ってるんでしょ?」「まぁ、な」 実際、ウチの領内に逃げ込むようにして移住してくる獣人族の数が増え続けているのは事実だ。 彼らには一律で奈宮皇国との国境近くの無人に近い森林地帯の土地を分け与えてはいるが……。 結果的に彼らを苦境に追い込んだ間接的な原因であるネイやビリーの部族といさかいが起こっていないのは奇跡的ですらある。 もちろん俺も気を付けてはいるが、むしろ同情的な見方が多いらしいのは驚いた。 なんでも、幼子を孤児院送りにし、少年兵を動員してまでも兵役を担っているという点が彼らを同情的にさせているらしい。 俺は全く強制していないし、むしろ志願しているという側面が強いんだが……。他人から見るとそう見えるらしい。 しかも、実態は孤児院(笑)なんだけどな……。 打算が見え隠れする孤児院(笑)なんて、本物に従事してる人間からすれば噴飯モノだろう。それに、俺の生活実態まで考えれば、なぁ。 規模も細部も違うが、イェニツェリ制度が1番近いかも。 俺、嫌な奴だよな……。 やらない善よりやる偽善、かもしれないけど……。「セージ様?」「いや、何でもない」 やめだやめ! 根暗な事考えてても鬱になるだけだ。「いや、そうじゃなくて……。向こうから凄い笑顔で近付いて来る女の子がいるんですけど……」「ん?」 ジャーン ジャーン ジャーン !! げぇっ、一葉っ!?