<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.12318の一覧
[0] 転生者はトラブルと出会ったようです 【次スレに移行】  [さざみー](2012/01/17 00:52)
[1] 第1話[さざみー](2010/04/09 17:54)
[2] 第2話(前編)[さざみー](2011/08/08 23:11)
[3] 第2話(幕間)[さざみー](2009/10/31 19:13)
[4] 第2話(後編)[さざみー](2010/02/02 11:03)
[5] 第2話(終幕)[さざみー](2009/10/04 17:22)
[6] 第3話(前編)[さざみー](2010/04/09 18:26)
[7] 第3話(後編)[さざみー](2010/02/02 12:35)
[8] 第3話(終幕というか、蛇足)[さざみー](2010/04/13 09:54)
[9] 第4話(前編)[さざみー](2011/02/20 11:20)
[10] 第4話(後編)[さざみー](2011/09/05 21:21)
[11] 第4話(終幕というか、蛇足)[さざみー](2010/03/21 19:56)
[12] 第5話(前編)[さざみー](2010/03/02 20:14)
[13] 第5話(幕間)[さざみー](2009/10/13 01:36)
[14] 第5話(後編)[さざみー](2010/03/02 20:32)
[15] 第5話(終幕というか、蛇足)[さざみー](2010/06/09 12:22)
[16] 第6話(前編)[さざみー](2010/07/01 10:58)
[17] 第6話(幕間)[さざみー](2010/03/21 19:43)
[18] 第6話(後編)[さざみー](2010/03/21 19:50)
[19] 第6話(終幕というか、蛇足)[さざみー](2010/03/21 19:55)
[20] 第6話(終幕というか、蛇足の蛇足)[さざみー](2010/03/21 19:58)
[21] 第7話(序幕)[さざみー](2009/12/28 02:18)
[22] 第7話[さざみー](2010/03/22 00:46)
[23] 第8話(前編)[さざみー](2011/08/08 23:11)
[24] 第8話(後編)[さざみー](2010/03/22 00:56)
[25] 第8話(終幕)[さざみー](2010/03/22 01:09)
[26] 第8話(終幕というか、蛇足)[さざみー](2010/02/01 02:57)
[27] 第9話(前編)[さざみー](2011/02/02 04:41)
[28] 第9話(後編)[さざみー](2010/03/22 09:18)
[29] 第10話(序幕)[さざみー](2009/11/06 18:09)
[30] 第10話(前編)[さざみー](2010/03/22 09:56)
[31] 第10話(後編)[さざみー](2011/12/14 21:40)
[32] 第11話(前編)[さざみー](2009/12/28 11:02)
[33] 第11話(後編)[さざみー](2009/11/13 01:37)
[34] 第12話(序幕)[さざみー](2009/11/27 18:39)
[35] 第12話(前編)[さざみー](2009/12/28 13:00)
[36] 第12話(後編)[さざみー](2009/11/18 03:53)
[37] 第12話(終幕あるいは、開幕)[さざみー](2009/12/28 14:23)
[38] 第13話(エピローグ前編)[さざみー](2009/11/26 14:52)
[39] 第13話(エピローグ後編)[さざみー](2010/06/03 14:09)
[40] 閑話第1話[さざみー](2011/09/05 21:24)
[41] 閑話第2話[さざみー](2010/03/22 15:32)
[42] 閑話第3話[さざみー](2010/03/22 15:37)
[43] 閑話第4話[さざみー](2010/02/01 03:21)
[44] 閑話第5話[さざみー](2010/03/22 16:18)
[45] 閑話第6話[さざみー](2011/08/08 23:12)
[46] 閑話第7話[さざみー](2009/12/07 08:10)
[47] A’s第1話(1)[さざみー](2010/01/18 12:12)
[48] A’s第1話(2)[さざみー](2010/01/18 12:17)
[49] A’s第2話(1)[さざみー](2010/01/26 10:40)
[50] A’s第2話(2)[さざみー](2010/01/26 11:58)
[51] A’s第2話(3)[さざみー](2009/12/30 02:06)
[52] A’s第2話(4)[さざみー](2011/07/20 20:50)
[53] A’s第3話(1)[さざみー](2009/12/30 02:05)
[54] A’s第3話(2)[さざみー](2010/01/26 17:17)
[55] A’s第3話(3)[さざみー](2010/01/26 17:24)
[56] A’s第3話(4)[さざみー](2011/08/08 23:13)
[57] A’s第4話(1)[さざみー](2010/04/13 19:07)
[58] A’s第4話(2)[さざみー](2010/03/11 03:31)
[59] A’s第4話(3)[さざみー](2010/03/11 03:33)
[60] A’s第4話(4)[さざみー](2011/01/12 00:01)
[61] A’s第5話(1)[さざみー](2011/01/12 00:30)
[62] A’s第5話(2)[さざみー](2010/05/23 22:59)
[63] A’s第5話(3)[さざみー](2010/02/04 17:21)
[64] A’s第6話(1)[さざみー](2010/04/11 11:54)
[65] A’s第6話(2)[さざみー](2011/01/04 04:09)
[66] A’s第7話(1)[さざみー](2010/02/27 02:18)
[67] A’s第7話(2)[さざみー](2011/09/05 21:37)
[68] A’s第7話(3)[さざみー](2010/03/11 02:38)
[69] A’s第7話(4)[さざみー](2010/04/08 08:55)
[70] A’s第8話(1)[さざみー](2011/09/05 21:39)
[71] A’s第8話(2)[さざみー](2010/04/08 09:10)
[72] A’s第8話(3)[さざみー](2011/09/05 21:40)
[73] A’s第8話(4)[さざみー](2010/07/24 20:03)
[74] A’s第9話(1)[さざみー](2011/08/08 23:15)
[75] A’s第9話(2)[さざみー](2010/07/24 20:27)
[76] A’s第9話(3)[さざみー](2010/04/26 18:41)
[77] A’s第9話(4)[さざみー](2010/04/30 04:31)
[78] A’s第10話(1)[さざみー](2010/05/05 04:16)
[79] A’s第10話(2)[さざみー](2010/05/20 01:04)
[80] A’s第10話(3)[さざみー](2011/08/08 23:19)
[81] A’s第10話(4)[さざみー](2011/11/06 11:05)
[82] A’s第11話(1)[さざみー](2011/11/06 10:51)
[83] A’s第11話(2)[さざみー](2011/11/06 11:14)
[84] A’s第11話(3)[さざみー](2011/06/11 14:58)
[85] A’s第11話(4)[さざみー](2010/06/22 00:33)
[86] A’s第12話(1)[さざみー](2011/01/04 04:07)
[87] A’s第12話(2)[さざみー](2010/07/17 02:59)
[88] A’s第12話(3)[さざみー](2010/08/12 17:07)
[89] A’s第12話(4)[さざみー](2010/11/19 21:26)
[90] A’s第12話(5)[さざみー](2011/02/18 03:24)
[91] A’s第13話(1)[さざみー](2011/02/18 03:26)
[92] A’s第13話(2)[さざみー](2011/09/25 23:36)
[93] A’s第13話(3 あるいは幕間1)[さざみー](2011/02/11 19:51)
[94] A’s第13話(4 あるいは幕間2)[さざみー](2011/02/18 03:28)
[95] A’s第13話(5 あるいは幕間3)[さざみー](2011/11/06 13:03)
[96] A’s第13話(6 エピローグ・前編)[さざみー](2011/03/24 00:25)
[97] A’s第13話(7 エピローグ・後編)[さざみー](2011/12/25 13:54)
[98] End of childhood 第1話[さざみー](2011/09/05 21:43)
[99] End of childhood 第2話[さざみー](2011/06/18 12:59)
[100] End of childhood 第3話[さざみー](2011/02/20 11:21)
[101] End of childhood 第4話[さざみー](2011/02/24 05:07)
[102] End of childhood 第5話[さざみー](2011/07/23 12:16)
[103] End of childhood 第6話[さざみー](2011/03/04 22:03)
[104] End of childhood 第7話[さざみー](2011/03/11 03:45)
[105] End of childhood 第8話[さざみー](2011/04/10 13:24)
[106] End of childhood 第9話[さざみー](2011/04/10 13:50)
[107] End of childhood 第10話[さざみー](2011/06/05 11:42)
[108] End of childhood 第11話[さざみー](2011/07/31 21:04)
[109] End of childhood 第12話[さざみー](2011/09/18 13:14)
[110] End of childhood 第13話[さざみー](2011/09/04 23:55)
[111] End of childhood 第14話[さざみー](2011/11/06 10:42)
[112] End of childhood 第15話[さざみー](2011/09/18 19:04)
[113] End of childhood 第16話[さざみー](2011/11/21 00:43)
[114] End of childhood 第17話[さざみー](2011/12/21 00:54)
[115] End of childhood 第18話[さざみー](2012/01/05 21:10)
[116] End of childhood 第19話 プロローグに続くエピローグ[さざみー](2012/01/17 00:42)
[117] 番外編 転生者はクリスマスも仕事のようです[さざみー](2011/02/06 08:41)
[118] 番外編 転生者はトラブルとすれ違ったようです[さざみー](2010/04/20 14:41)
[119] 番外編 転生者はクリスマスの街を案内するようです(前編)[さざみー](2011/09/18 21:11)
[120] 番外編 転生者はクリスマスの街を案内するようです(後編)   [さざみー](2011/09/18 21:12)
[121] オリキャラ一覧(終了時点) NEW[さざみー](2012/01/17 01:09)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[12318] A’s第7話(3)
Name: さざみー◆01bdadd3 ID:e8725c8b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/11 02:38
A’s第7話(3)



「くっ、そちらは大丈夫か!」
「すいません、一人……!」
「わかった、下がれ。ここは私達が切り込む」

 はやての盾になった局員が一人、仲間の局員に引きずられて後方に下がる。
 時の庭園内部には。魔法を阻害するAMFが高濃度で展開されていた。完全に戦闘不能となるほど強力ではないが、魔力攻撃が主体のミッドチルダ式魔法を使う管理局局員はほぼ無力化されてる。薄いバリアジャケットを頼りに、子供たちの盾になる事が精々だ。

「援護します」
「あ、私も!」

 AMFの影響下でも戦闘能力を失っていないフェイトとなのはが援護を申し出る。

「すまない、2人とも頼む。いくぞ、ヴィータ」
「ああ、ぶっ飛ばすぞ、アイゼン」
『Jawohl』

 シグナムとヴィータがデバイスを構えるのと同時に、二人の少女は魔法を展開した。

「いきます。アクセルシューター……」
『Accel Shooter』

「いくよ。フォトンランサー……」
『Photon Lancer』

 なのはの周りに桜色の魔法弾が、フェイトの周りに雷の矢が生み出される。
 だが、二人の魔法に何時もの力強い輝きは無い。だが、それでもこの中では貴重な戦力だ。

「シュート!」
「ファイア!」

 2種類の魔法弾の雨が廊下の端にいた兵士達に突き刺さり爆発する。
 そのタイミングを見計らい、シグナムとヴィータは兵士達に飛び掛った。

「紫電一閃!」
「ぶっとびやがれっ!!」

 シグナムの剣が、ヴィータのハンマーが唸りを上げる。
 一振り毎に、テロリストが一人、また一人吹っ飛ぶ。

「この、プログラム風情が!」

 中にはアームドデバイスを手に斬りかかる者もいたが、悠久の時を戦場で過ごした本物のベルカの騎士にかなう筈が無い。

「邪魔だっ!」

 シグナムは振り向き様に背後から迫り来る槍を一太刀で斬り捨てた。
 はやてが主でなければそのまま魔導師も斬り捨てていたところだが、はやての経歴に傷を付けるわけにもいかず意識を奪うだけで済ませる。
 横を見れば、ヴィータも同じように魔導師を制圧していた。

 だが……。

「こっちだ、撃てぇ!」
「下がるぞ!」
「わかった!」

 曲がり角から現れたテロリスト達の銃が一斉に火を噴く。
 それを察した二人は慌てて後方に飛びのいた。

「AMFに実弾銃かよ」
「定石だ。それよりも来るぞ!」
「わかってるよ!」

 二人の動きを察したわけではないのだろうが、銃を撃っていたテロリストの一人が手榴弾を投げてくる。
 シールドの外で手榴弾が爆発する。幸い今回はスタングレネードだったらしく、二人のシールドを突破するような事はなかった。
 だが、今回はそうだったからといって油断は出来ない。こいつらは一回殺傷目的の手榴弾を使っている。バリアジャケットを纏っている魔導師たちは致命傷を免れても、一般の局員には十分脅威だ。
 はやての治療と闇の書の無害化が目的のため、戦闘が出来る魔導師だけ時の庭園に派遣するわけにはいかない。危険だとわかっていても、生活班や研究者などの足手まといとなる非戦闘員も数多く時の庭園にはいるのだ。

「くっ!」

 シグナムが状況の悪さに歯噛みしていると、背後からなのはが声をかける。

「二人とも、下がって!」
「心得た!」
「お願い、レイジングハート!」
『All right』
「ディバインバスター!」
『Divine Buster』

 AMF下のためチャージに時間はかかったものの、十分な威力に達した砲撃がテロリスト達に向かい放たれる。
 桜色の魔力光に巻き込まれ、数人のテロリストが吹き飛ばされる。

 もっとも……。

「何時もの威力が出ない……」

 AMF影響下でもっとも不利なのは射撃や砲撃などの魔法だ。
 着弾までにAMFの影響により威力が削れてしまう。

 とはいえ、これで一息つけたのは確かだ。
 フェイトは篭城している部屋の入り口付近まで戻ったシグナムに声をかける

「大丈夫ですか?」
「この程度なら問題ない。とはいえ、このままではいずれこちらが詰むな」
「ええ……」

 先ほどからずっとこの調子だ。数で勝るテロリスト達の攻撃に、少しずつではあるがこちらが消耗を強いられている。
 配置されていた局員の数は多いのだが、魔法が使えないという事態に合流が出来てないでいるのが現状だ。

「シャマル、外部との通信は?」
「ごめんなさい。先ほどから試しているんだけど、妨害が酷すぎて……」
「そうか……」

 シグナムの問に、シャマルが申し訳なさそうに答える。
 AMFの他にも幾重にも妨害が施されており、転移魔法による脱出どころか通信すら出来ない。

「聖王教会がテロリストとつるんでいたとはな……。
 とにかく、シャマルは外部への連絡と時の庭園の内部に残された味方との通信の確保を急いでくれ」
「わかったわ」

 シャマルが答える。

「ヴァンくん、大丈夫かな……」

 その話を聞きながら、なのはが誰にも聞こえないぐらいに小さな声で、この場にいない友人の安否を気遣うのだった。




 やれやれ……。

 誰にも気がつかれないように潜みながら、彼女は内心で小さく溜息をつく。
 まさか子供一人攫うのに自分まで駆りだされるとは思わなかった。まぁ、ドクターが乗り気なのだからしかたないけど。

【セインちゃん。聞こえるかしら?】
【あいよー、クア姉。聞こえてるよー】

 そういや、出張から帰ってきたら誰かが後ろに来るのを怖がってたけど、何かあったのかな? ドクターも何があったのか聞き出せなかったみたいだけど。
 姉からの通信に、彼女はそんな事をぼんやりと考える。

【なにか変な事を考えていない?】
【考えてないよ~。そろそろ時間?】

 あのメガネ姉、妙なところで勘が鋭い。そのくせどっか抜けていて詰めが甘いんだけど。
 しっかし、お尻になんかあったのかな?

【それならいいんだけれど。まぁ、それよりもそろそろスポンサーの戦力が来るから、手筈通りお願いね】
【了解】

 一部とはいえ管理局に理事席をもつ聖王教会が管理局の施設を襲撃するなんて、世も末だね。
 少女はそんな事を考えながらも、息を潜めその時をじっと待った。




「どうだ、シャマル。外と連絡は取れそうか?」
「それがまだ……って、あれ?」
「どうした? 外部と連絡が取れたのか?」

 先ほどから怪我人の治療と外部への連絡を行なっていたシャマルが、少し様子が変わったことに気がつく。

「そうじゃないけど、あ、ティーダさん、ヴァンくん?」
「ヴァンくんと連絡が取れたの?」
「ほんまか!?」

 友人の無事に、なのはやはやてが反応する。
 彼女達は知らない事だが、この時ヴァンとティーダの両名はAMFの範囲外である魔導師と交戦中であり、その魔導師が通信妨害設備の一部を破壊していたのだ。
 これがなければ外部との連絡が遅れ、全てがテロリストの思惑通りに事が進んでいたかもしれない。それほど絶妙のタイミングだった。

「ヴァンくん、聞こえる?」
『って、なのは? それにはやても、無事か? ……って、うわっ!』
『ヴァン、ぼさっとするな!』
『なのはたちと連絡が取れたんですよ!』
『なんだって!』

 ノイズ交じりの通信画面の向うでは、確かにヴァンとティーダが何者かと交戦していた。
 全員がその事に注目する。
 それは仕方が無い事だったが、大きな隙となった。

「魔導師が突進してくるぞ!」
「うわぁっ!」

 ヴォルケンリッターの意識がそれた瞬間に、バリケードが突破される。

「しまった!」

 鞭型のアームドデバイスを持った魔導師がバリケードを破壊する。
 さらに、彼に数名の魔導師が続く。

 無数に枝分かれし、炎を纏った鞭が局員達を拘束、その身を焼いてゆく。

「ほほほほほ、中々面白い力ですね!」
「うわあああああああっ!」

 アトレーと呼ばれた魔導師の哄笑が室内に響く。

 そんな中、一番最初に反応できたのはフェイトだった。
 サイズモードのバルディッシュを振りかぶり、

「くっ! 通さない!」
「おっと、貴女の相手は私だ」

 だが、身体のラインがはっきりとわかる全身を覆う戦闘服を着、手足から生えたエネルギー刃を武器とする、紫のショートカットの女性がフェイトの前に立ちふさがる。

「先日の借りを、返させてもらおう」
「貴女は?」

 初めて見るその女性にフェイトが問いかけるが、帰ってきたのは言葉ではなく刃であった。
 素早い動きで手足のエネルギー刃を縦横無尽に振るう。

「はぁぁぁぁぁっ!」
「早いっ!」

 その素早い動きに流石のフェイトも防戦一方になる。
 だが、防戦をしながらも、その動きに見覚えがあることに気がついた。

「この動き……、この間の病院の!?」
「そういう事だ!」

 女性の蹴りがフェイトに決まる。
 その衝撃を止め切れなかったフェイトが大きく後ろに後退した。

「フェイト!」
「フェイトちゃん!」

 アルフとなのがが慌てて動く。
 拳を振り上げアルフが迫り、なのはが魔法弾のチャージを始める。
 しかし……。

「インヒューレントスキル、ヘヴィバレル発動……発射!」

 アルフとフェイトの間に、一条の砲撃が走った。
 撃ったのは、後方に控えていた茶色い髪を後ろで縛った少女だ。フェイトと戦っている女性と同じ戦闘服に身を包み、巨大な大砲を軽々と構えていた。
 彼女の放った管理局の破壊判定ランクでSに匹敵するエネルギーにアルフは吹っ飛ばされる。

「きゃあっ!」
「アルフさん!」

 使い魔の本能か、寸前で防御は出来たようだが、それでも吸収し切れなかった衝撃に意識を失う。
 動きを止めたアルフを貫こうと、アトレーの鞭がアルフに迫る。

「させるかよっ!」

 アルフを庇うべく、ヴィータが鞭の前に立ちふさがる。
 ヴィータの張ったシールドと鞭の先端が火花を上げてぶつかり合う。

「って、力負けしている!?」

 ヴィータが驚きの声を上げる。
 鞭の先端は少しずつヴィータの張ったシールドを侵食し、撃ち砕かんとしているではないか?
 避けようにも、その力に押され動くに動けない。このままでは鞭に額を砕かれる。

「ヴィータ!」
「くっ、レヴァンティン!」
『Sturmwinde』

 シグナムの放った衝撃波が鞭を弾き飛ばし、間に入ったザフィーラがヴィータを救出した。

「な、なんだよ。今のありえねーパワーは」

 救出されたヴィータが呆然と呟く。
 別に自分達が最強だとは思っていないが、動けないほど圧倒的なパワーを一人の人間が出せるなど、とてもではないが信じられない。
 いや、そもそもここはAMF化だ。魔法攻撃のみのミッドチルダ式魔法ほどではないが、ベルカ式魔法も大幅に力を失っているはずなのだ。それなのに、あの少女達やあの男の力はあまりにも不可解だ。

「皆、さがって!」

 なのはが叫び声を上げる。
 今のやり取りの間に、大砲を構えた少女のチャージが終わっていた。

「インヒューレントスキル、ヘヴィバレル発動……もう一発!」
「させない、レイジングハート!」
『All right. Divine Buster』

 だが、ほぼ同時になのはの砲撃もチャージを終える。

「発射!」
「ディバインバスター、シュート!」

 オレンジ色のエネルギーと、桜色の魔力砲が空中でぶつかり合う。
 二つのエネルギーがぶつかり合う余波で、周囲で戦っていた魔導師も後退を余儀なくされる。
 火花を散らしぶつかりあうエネルギー。競り勝ったのは、桜色の魔力だった。

「うそっ!? ほ、本当にこいつ人間か!?」

 圧倒できるほどではないものの、徐々に桜色の魔力がオレンジ色のエネルギーを圧してゆく。
 あまりにもでたらめなその威力に、少女は驚きの声を上げる。


 だが……それでも、少女達の負けではない。


 不意に、砲撃の為に踏ん張るなのはの足を何かがつかむ。

「えっ!?」

 その感触に、なのはの意識が一瞬それる。
 だが、砲撃中であり、力比べの真っ最中だ。それ以上の事は出来ない。
 
 床から伸びた手から、突如魔力による鎖が伸びる。
 鎖はなのはの四肢を拘束してゆく。それと同時に、なのはの意識が遠のく。

「なのはちゃん!!」

 はやてが思わず叫び声を上げる。
 鎖に縛られてゆくなのはの姿が徐々に床に沈む。
 それに抵抗しようとも、闇に沈んだなのはの抵抗する意思が徐々に削られる。
 桜色の魔力砲が力を失い、オレンジ色のエネルギーに呑み込まれてゆく。

 そして……。

「なのはっ!!」

 フェイトの叫びが部屋に響いた。
 オレンジ色のエネルギーが通過した後には、なのはの姿は無かった。

『おい! 何があったんだ!?』

 通信モニター越しに、ヴァンの声が響く。

「な、なのはちゃんが……さ、き、消えちゃった……」

 シャマルの呆然とした呟きが、戦いの喧騒に消えていった。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.03400707244873