「七代目…」
複数の人々が病院のある部屋に集まりベッドを囲んでいた。
「わしもどうやらここまでのようじゃの」
ベッドに寝る老人、七代目火影うずまきナルトは周りの者に声をかける。
「何を言ってんだよじいちゃん。らしくねぇ事言うなよ」
若い金髪の少年がナルトに言う。この少年はナルトの孫だった。
老人は暁を壊滅させて、その後に起きた第五次忍大戦において、父親と同じく[木の葉の黄色い閃光]の二つ名をとり。忍大戦を終結させ、各国の同盟締結を果たした英雄、しかしその弱り果てた姿にその面影は無かった。
「自分の体の事じゃ、自分が一番良く解っとる。わしももう時が来たという事じゃ」
その言葉に黙りこんでしまう少年。
(スマンがおぬしもついて来て貰うぞ九尾)
《ふん、最後まで貴様を乗っ取ることは出来ずじまいか…。九尾の妖孤がたった一人の忍に抑えられるとはな》
自らの中に意識を集中し、中の尾獣に話しかける。
里を襲い、壊滅の危機まで追い込んだ九尾は自らの精神で屈服させた。隙あらば乗っ取ろうとしてきたが、結局は最後までナルトの勝ちだった。
《わしとなんぞ話しとらんで、里の者と話してやれ》
九尾にそう言われ意識を浮上させる。
「ナルト…」
薄い桜色の髪をした年配の女性が話しかける。
「サクラか、スマンの先に逝くことになりそうじや」
うずまきサクラ、旧姓春野サクラ。
七代目火影うずまきナルトの妻にして、医療忍者育成機関の創設者。ご意見番として木の葉を支えてきた忍。二人の間には二人の子供が生まれ、一人はナルトの後を継いで八代目に就任している。
「あんたは良くやったわ。里の風習を変え、忍の在り方を変え、今の世の中を作り出したのはあんたなのよ。こちらのことは気にせず、自来也様やお父さん、火影様達に胸張って会って来なさい」
涙をこらえながら、震えた声で言うサクラ。二人の会話を聞き周りの人々も泣き出す。
「そうか、悪い…な。先に行って、サスケと…待っ……てる………ぞ…」
その言葉を言い終えると、ナルト首は力を無くし横に倒れる。
「七代目!」「じいちゃん!」「ナルト!」
皆がナルトの名前を呼ぶ、ナルトの顔はとても穏やかなものだった。
ここに忍の在り方を変革し、戦乱に平穏をもたらした忍うずまきナルトは67年の生涯に幕を閉じた
はずだったが…
「ここはどこだ?」
どうも始めまして田辺です。
今回ナルトの逆行物に挑みます。私は今回初めて小説を書きます。いろいろ至らないところが多いと思いますが、そういった部分を感想掲示板に書いて居ただければうれしいです。
ではよろしくお願いします。