大好きだったお父さんとお母さん、そしてお姉ちゃんと離れた日から、わたしには何もなくなってしまった。
つらくて泣いても、誰も助けてくれない。夢とか、希望とか、そういうきれいなものがどんどん遠ざかっていくようだった。
穢れて、沈んで――。自分が自分でなくなっていって。
夢とか、希望とか、きれいなものがどんどん手からこぼれ落ちていって。
何の不安もなく笑っていられるクラスメートがどんどん遠くなっていって。
何でもない日常が、嘘で塗り固めたように色あせて。
そんな時だ。わたしがその光景を目にしたのは。
夕焼けに染まった校庭で、ひとり高飛びを続ける男の人。
初めて見たときは、なんてバカな人なんだろうと思った。
早くあきらめたらいいのに。
どれだけやっても無駄なのに。
でも、その人はやめなかった。
きっと自分の限界なんかわかっているだろう。
掲げた目標が限界の遥か高みにあることなんて、あの人にもわかりきっていることだっただろう。
でも、それでも。
ずっと挑み続けている。無意味だとわかっているのに。諦めなければいけない未来が、見えているはずなのに。
どうして、あの人は続けるのか。
わからなかった。どうしてあの人が、諦めることなく自分を貫けるのかということを。
そして、どうしてわたしが、無駄な努力を繰り返すあの人を、いまも見続けているのかということを。
――――がんばれ。
自然と口から漏れた言葉に、自分で驚く。
嫌いだったはずだった。
あの日、大好きだった家族と別れた時から。
自分の居場所に、光が届かなくなった時から。
夢とか、希望とか、そんな自分とは縁のない言葉を憎らしく思っていたはずだった。
葛藤するわたしのそばで、あの人はいまも飛び続けている。
夕焼け色に染まったグランド。伸びた影法師が軽やかに跳ねる。
カランとバーの落ちる音が聞こえる。
その音を、わたしはずっと聴き続けていた。
黄昏の中で、飽きることなく、ずっと。
ぼくたちのせいはいせんそう 第14話
男として生まれたからには、成さねばならぬことがある。
本場一樹として生を受け、衛宮士郎にその姿を変えた俺であるが、その矜持は変わっていない。
俺たちは、男なんだ。
否。
俺は、漢なんだ!
「という訳でだ、遥香」
「あい。なんすか」
煎餅齧りながら、寝転がって、薄い本読んでいる中身腐女子のセイパーであるが、腐っても見た目はブリテンの騎士王、アーサー・ペンドラゴン。
かつて円卓の騎士の信を一身に担い、先陣を切って戦場を駆け抜けたその姿は、威厳にあふれていると言わざるを得ない。
だが、俺はたとえ王の御前でも跪く訳にはいかない。
一人の漢として、命を賭して成さねばならぬことがあるのだ。
俺は、こっちに顔を向けてくることすらしない王を前に、力強く言い放った。
「俺、転職する」
「は?」
初めて遥香が顔を上げる。
向けてきた顔は、疑問を抱いた時の不思議そうな表情、ではない。
頭がかわいそうな子を見るような、非常に残念そうな表情だ。
「魔法使いにはもうちょっと歳が足らないんじゃない」
「お前が何を言いたいのかはわかるが、俺が目指すのはもっと高みだ」
「大魔道士になって閃光のように消えるの?」
「違う。てか、ポップさんディスってんのお前? 臆病でちっぽけなただの人間ディスってんの?」
「いやいや、私も結構掛け算的にお世話になったんで、決してディスってる訳じゃないんだけど」
「おk。ちなみに、貴様のことだ。どうせヒュンポプでヒャッハーだったろ」
「んにゃ、マトポプ」
割と幅広い腐りっぷりであった。
うっかり、脳内で爺と弟子の濃厚なくんずほぐれつを再生してしまって、漢がげんなりする。
いや、萎えるわけにはいかない。
なぜなら、俺は(ry
「そんなんどうでもいいから聞いてくれ、遥香」
「うんうん。転職の話だっけ? なんになるの?」
ようやく話が戻った。
とは言っても、寝転がって尻掻きながらだが、恐ろしいぐらいにカリスマがあった。
流石は腐ってもセイバー。カリスマBのスキルパネェ。たぶん、鼻くそほじってても土下座したくなるほど後光が指してるんだろう。キモヲタだった俺には届かない神々しさ。まったくもって世の中不公平だと思う。
ならば、せめてイメージしろ。現実で敵わないならば、想像の中で勝て。
今も昔も泣かされてばかりの俺であるが、想像なら任せろ。108通りのごめんなさいする遥香が容易に想像できよう。
言える。今なら、俺は己が想いを形にできるッ!!
さあ、とくと聞け!
夢追いし、円卓の王よ――!
「俺は……賢者になるッ!!」
言ったった。
という訳で。
「入んなよ。絶対入ってくんなよ! さっきも言ったけど、俺、これから賢者に転職するから! しばらく俺の部屋という名のダーマ神殿には絶対に来るんじゃねぇぞ!! 絶対だからな!!」
「はいはい、わかったわかった。竜ちゃん的にも入ったりしないから、さっさとイッてこい遊び人。死ねばいいのに」
いくら腐っていたとしても、一応異性。ひとつ屋根の下の同居生活は、不便な点も当然あった。
自家発電である。
気心知れた仲というのが割と曲者だ。いつ何時、ノックなしに部屋の戸を開けるかわかったもんじゃない。
さらに、以前(本間一樹)の部屋ならともかく、今(衛宮士郎)の部屋は純和風のザ・襖。日本人の身上、察しと思いやりが試される無防備ディフェンスだ。やわすぎる結界に、幾度となく涙したものだった。夜中だろうが何だろうが、少しでも気配がしたらパンツ履くのだ。発射できるわけがねぇ。
しかし、ついにいま、俺を邪魔するものは存在しなくなった。
アルカディアへの道は、今ここに開けたのだ。
カムフラージュにカムフラージュを重ね、幾重にも達した防壁の向こうから、己が至宝を取り出す。攻守ともに優れた、俺の持つ最強装備。
「右手にLO、左手に『クリネックス ティシュー 至高』」
片や、厚さ・クオリティーともに申し分なく、二次元・幼女と俺の嗜好の全てが濃縮された逸品。
片や原材料、抄紙工程、加工工程、ボックスの意匠、その全てにこだわり抜いた至高のティシューだ。
ともに、この記念すべき日に相応しい。
最強装備を手にした俺は、勇ましくおパンツごとズボンを脱ぐ。
そして、神に祈りを捧げた後、戦闘を開始した。
「おっ、おっ、おっ」
しばし武器を手に戦い、後に徒手空拳に移る。
イメージしろ。
イメージすべくは最強のヒロイン。
大丈夫。この身はただ、それだけに特化した――。
そう、イメージしろ!
「おっ、おっ、おっ。セイ……イリヤぁあああああああああああああ!! …………うっ」
ふぅ、と荒いだ息を整える。
熱が冷めていくのを感じる。
力の抜けた自分自身に視線を向け、俺は自嘲気味に笑みをこぼした。
危うく雑念が混じりそうだった。
本当に危なかった。
ついうっかりでも、アレで発射とか死にたくなってしまう。
しかし、やはり自家発電は、いい。
生きていることを実感しながら、現実を泰然と受け止める悟りに似た境地を得られる。
森羅万象、あらゆるところに思考が伸びていく。どこまでも優しく残酷で、逞しく儚い。生も死も、事象も概念も、等しく万物を内包するこの世界よ、嗚呼、なんと美しいことか――。
世界への賛美が、部活の悪魔とか、聖杯戦争とか、些細なことを彼方へと追いやってくれる。
「――――もうどうでもいいお」
今日、たとえ世界が終ったとしても、俺は後悔なんてしない。
そう思った。
そしたら、静寂に満ちたマイ聖域にガラガラと。
聞いてはいけない音ともに、己が世界は崩れていった。
「せんぱ、ぃ――」
チンコ丸出しで。
ポカンとした表情で音の方に顔を向けると、あら不思議。
間桐さんちの桜ちゃんじゃないですか。
ぼんじゅーる。きょうもいいてんきですね。
その桜さん、僕のある一点にメチャクチャ視線を注いだ数秒後。
ガラガラと、何も言わずに襖を閉めてしまわれました。
えーと、そのなんだ。
ほんと、なんかもう、どうでもいいや。
「――――もう死ぬお」
今日、俺の世界が終わった――。
ちなみに、やさしい桜さんは、
「先輩、わたし、見てませんから。何も見てませんから」
と言いながら、こんにゃくフルコースな夕食を作ってくれた。
そっか、見てないんだと、明後日の方向を見ながらなんとか自分に言い聞かせていたら、
「でも、もし本当に我慢できないんだったら、その……わたしに……」
とか、帰り際、うつむきながら小さな声で呟いておられました。
ワハハ。
セカイオワタ。
オワタヨー。
こんな時、どんな顔をすればいいの?
―――笑えばいいと思うよ。
「とか言ったら殺すけど、助けてよワカメえもん」
「いきなりなんだよ衛宮。てかなに、ワカメって誰のことだよ。というか急に何なんだよオマエ!」
「ぁん、てめえこそワカメの分際でなに俺に楯突いてんだよ殺すぞワカメ」
「あー、もう訳わかんないんだよ!なんだよオマエ、ちょっと前から変だよ。一体どうしたんだよ衛宮」
きのう桜に自慰を見られてから、俺はどうしたら関係を修復できるか考えた。
きっと明日になれば忘れてくれるだろーとか前向きに考えたが、そんなわけがなかった。
朝ごはんを作りに来た桜は、顔を真っ赤に染めながら、俺に股間に視線を向けていた。
そんな目で見ないで。おかげで、真っ当な会話を交わせていない。
タイガーはまったく気にせずメシ食ってたが、俺と桜の間の空気がなんとも微妙なのだ。
終始ニヤニヤしていた遥香は恐らく事情を理解しているのだろう。というか、あえて桜を止めなかったんだろう。相談してもいいのよという顔で、ニヤついていた。ムカついたが、アーサー王なスペックを手に入れた腐女子を前に、俺は無力だった。殺したいが、こっちがぶっ殺されるだけで何もできるはずがない。泣いて家を出た。
そんな拷問的な朝を乗り越え、シクシクと涙を流しながら登校した俺であったが、校門くぐったときの違和感で気づいた。
そういえば、なんちゃってイケメンのリア充が近くにいたということを。
というわけで、放課後、ヘラヘラと女連れ回して「あ、衛宮。僕の代わりに掃除頼むよ」とか、ふざけたことぬかしたワカメを収穫してきた次第なのである。
「うるせぇ黙れ。お前が変な結界張ってることはわかってんだよ」
だから協力しろ。
そういうと、目を白黒させていた慎二はすぅっと目を細めた。
ニヤニヤと気持ち悪いワカメ的な笑みを浮かべながら、いう。
「ふーん、もう知ってるんだ衛宮は? だったら、どうするんだい? 見たところ、サーヴァントも連れてないようだけど」
いま、オマエを殺してもいいんだぜ。
挑戦的に笑う慎二に、俺は余裕の笑みを浮かべた。
何言ってんだワカメ。お前が俺に勝てるわけないだろ?
「お前こそ何ほざいてんだ。いいか、確かにサーヴァントは連れていない。けど、霊呪ですぐに呼び出せる。そんで俺が生きてたら、お前は終わる。わかるか慎二?」
「はぁ? なに言ってんだよ。僕のライダーがオマエごときのサーヴァントに遅れを取るとでも?」
「勝てるかは知らん。だが、逃げることぐらいはできる。そしたらな、俺は――――」
侮るような視線を向ける慎二に告げる。
ワカメのくせに、この主人公様に対してのその余裕、虫唾が走る。
魔術回路にしたってテメエは0本、俺は27本。原作知識だってある。もともとのスペック自体が違うってことを、いま教えてやる。
「お前が学校にいらん結界張ってること、言いつける。遠坂に!!」
のちに慎二は語る。
本気の目をしていた、と。
ものすごい情けないこと言いながら、なぜか勝てないと思わせる覇気を孕んでいた、と――。
「ついでに、新都のガス漏れ事故もキャスターじゃなくって、テメエの仕業だとかあることないことでっち上げる。で、言いつける。遠坂に」
「――クッ! 要件はなんだよ、言ってみろよ衛宮」
「話がわかるやつは嫌いじゃないぜ。まあ、ちょっと話を聞いてくれりゃあいいんだよ、な」
慎二に肩を寄せて、事情を話す。
さっきまでビクついていたキモイワカメ面が、脱力したように変わった。
ため息つきながら額を押さえる。
言いたいことはわかる。皆まで言うな。
「衛宮、お前バカじゃないの?」
「わかっとるっちゅうねん!」
スペック自体は俺の方が上だが、ひとつだけ負けている点がある。
魔法使いの資格。もちろん、ほんまもんの意味ではない。悲しいことに比喩の方だ。
「さっさと襲っちゃえばいいじゃんか」
「お前バカなの? 死ぬの? そんなん無理に決まってんじゃねえか!」
逆切れした。確かに一瞬クラッとしたけど、俺にもプライドがある。
俺はペド。そこだけは譲れない。本命はイリヤたんだったが、確実にぶっ殺されるので三枝さんに操を捧げると決めたんだ。でも、いい子なんだよなー、桜って。ごはんおいしいし、腐ってないし。
実際に、ゲームをプレーしていて感じた以上に桜はいい子だった。たぶん、桜は俺がいつしか衛宮士郎じゃなくなっていたことに薄々気が付いているだろう。そりゃそうだ。原作であれだけ描写されていた料理を、俺はまだ作っていない。知識も技術も士郎から引き継いだ。きっと作れるだろうと自信はある。しかし、もし料理がまずかったら、桜は知ってしまう。俺が士郎ではないことを、決定的に。
桜がいて、タイガーがいる空間を、俺は気に入っていた。画面越しでは味わえない居心地の良さがあった。その空間を、俺だけではなく、きっと桜も求めている。
桜は薄々気づきながらも、俺を受け入れてくれた。確かに俺の本質は変わらず、ペドのままだ。でも、そんな桜を裏切りたくないと思っている。せめて彼女の前では、士郎でいてあげたい。間近で接しているうちに、そんな感情が生まれていた。
そういえば、体のこともなんとかしてあげないとな。桜の心臓に臓硯がいることは知っている。原作では、エセ神父が全魔術回路使って治療したが、その手はもう使えない。とはいえ、ほかの手段も見当がついていた。
桜シナリオでは、確か士郎の人形を青崎橙子が作っていた。いまいち町の名前などは覚えていないが、日本のどこかを探せば「伽藍の堂」があるはず。というより、「両儀」なんて珍しい名字の名家があるのだ。きっと目印になるはず。近い町さえわかってしまえばこっちのもの。「伽藍の堂」は見つけづらいと空の境界にあったが、そのときは黒桐幹也を探せばいい。人形作りを断られても、両儀式に頼む。盲腸だけ殺すような芸当ができるなら、寄生虫だけ殺すことだってできるはず。それでもだめなら、遠野志貴を探してもいい。
とにかく、原作みたいに不幸になりっぱなしはごめんだった。少なからず、幸せになってほしいと願っている。だから、少なくともぎくしゃくしたままというのは耐え難い。
しばし物思いにふけっていたが、慎二は慎二で、まあ、それが衛宮だよなとか、そもそも僕のに手を付けるとか許されないよねとか。なんかブツブツいっていた。そして、思いついたように手を叩いた。
「デートでも誘ったらいいんじゃないか? 手をつなぐまでなら兄として許してやるよ」
それができたら苦労せんわーと叫んだが、慎二は続けた。
夕飯の買い出しでも十分デートだろ、と。
部活が終わって弓道場から出る。扉を開けると、風の冷たさにギュッと縮んだ。運動部とはいえ、ずっと走ったりするものではないから、部活後でも寒さは堪える。しかも、道着は残念ながら厚着とはいいづらい代物。弦を引いていると気にならないけど、体がいつもより冷えているような気がする。
ハァーと吐いた息が蛍光灯の色に染まる。もうすっかり日が暮れてしまった。早く帰って晩ごはんの支度をしなきゃいけない。
わたしと先輩と先生と、最近先輩の親戚だとかいう人が増えたけど、わたしがわたしでいられる数少ない大切な場所。
でも、そんな場所がきのうからちょっとだけ居づらくなった。
たぶん、先輩は気にしてるんだろうなぁ。
わたしは気にしてない、なんていうと嘘になるけど、男の人にとって必要なことだって知ってる。
あまり見たくないけど、兄さんがしているところに出くわしてしまったこともあった。
それに比べたら――、ううん、先輩のだったら、むしろ――。
だけど、それはわたしだけ話。先輩にとっては絶対に見られたくなかった場面だと思う。
先輩がつらい思いをしていると、わたしまでつらい気持ちになる。
だから、いつもよりもずっと家路に向かう足が重かった。
そんなときだ。わたしを呼ぶ声を聞いたのは。
「――桜」
校門にもたれるように待っていたのは先輩だった。
陸上部が終わったところ、というわけではないと思う。
陽が落ちて、薄暗闇が広がる校庭。校舎にはまだ人気があったけれど、校庭には誰も残っていない。
ポケットに手を入れたまま、先輩は少し恥ずかしそうに眼をそらす。
「夕飯の買い物、まだだろ? 一緒に行こうぜ」
そう言って、くるりと背を向けて歩き出す先輩。
なんだか吹き出しそうだった。
だって、あまりにも先輩らしい。
すとんと、胸に落ちたような気がした。
やっぱりわたしは――。
「待ってください! 先輩!」
追いついて、彼の隣を歩く。
顔を赤くして、少し眉間にしわを寄せているけど、照れ隠しだってことがすぐわかる。
最近、先輩が変わってしまったようで怖かった。
先輩が遠くへ行ってしまうみたいで怖かった。
でも、ほんとは何ひとつ変わってなんかなかった。
ぶっきらぼうで、少し朴念仁で。
やさしくて、やさしすぎて。
そして、誰より一生懸命、誰かのためにがんばる。
わたしが知ってる、わたしが好きな先輩だった。
「――なんだよ桜、急に笑い出したりして」
自分でも気づかないうちに、顔に出てしまってたみたいです。
でも、いい。だって、こんな風に笑っても、きっとこの場所は壊れたりなんかしないはずだから。
「なんでもないです。やっぱり、先輩は先輩なんだなぁって、思っただけなんです」
なんでさ、と。
なじみのセリフが聞こえて、余計におかしくなった。
わたしがあの人を見続けた理由を、今になって思う。
なんてことはない。わたしは見たかったんだ。
初めは、ただ見たかった。届かない目標に向かって跳び続けるあの人が、挫けて、諦めて、自分の限界に納得する姿を。
でも、いつの間にか、最初の動機なんて忘れてしまった。
どれだけ無謀な目標でも、それが無意味な行動だとわかっていたとしても。
それでも、諦めることを知らないあの人に、何もかも諦めていたわたしとは、正反対のあの人に。
自分の微かに残った夢の欠片を、託していたのかもしれない。
つづく
【あとがき】
エタってました。
ZEROやってるうちに書こうと思ったら、気が付いたらUBWが始まっていました。
改めてみたら、更新4年ぶりってマジかよ。
そんな経ってたんかよ。
というわけで、久しぶりの更新がこんなんですいません。
ちょろちょろ更新します。