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No.11947の一覧
[0] クリティカルヒットは勘弁してください(現実→wiz5)[炯](2009/11/15 00:55)
[1] 第二話[炯](2009/11/15 00:55)
[2] 第三話[炯](2009/11/15 00:56)
[3] [炯](2009/11/16 00:37)
[4] [炯](2009/11/15 00:57)
[5] [炯](2009/11/15 00:57)
[6] [炯](2009/11/15 00:58)
[7] [炯](2009/11/15 00:58)
[8] [炯](2009/11/15 00:59)
[9] 10[炯](2009/11/15 00:59)
[10] 11[炯](2009/11/16 00:43)
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[11947]
Name: 炯◆7c1373d4 ID:140f0f98 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/11/15 00:58
冒険者の宿「うまごや」ここは遥か昔から冒険者たちを迷宮に送り込むためだけに営業を続ける老舗の一つだ。古くは狂王トレボーとワードナとの対立の時代から存在する。もはや伝説の宿屋、とまで言ってもいいかもしれない。ここがイチエイの定宿だ。
「それじゃ、荷物も置いたし、準備運動してからいよいよ洞窟だな」
 
「よし、早速皆準備運動だ!」 
漸くの洞窟あって一段とサラのテンションが高くなっている。他の面々もサラほどではないが興奮しているのが判る。

「できたな、」
一通りの準備運動を皆が終えたのを確認してからイチエイがいう。
「さあ、冒険の始まりだ!」

「「おお!!」」」

なかなかノリがいい連中であった。


町外れを15分ほど歩いたところにそれはあった。「危険、が入らないように注意すること。一般人も進入不可」 そう、大きな看板が洞窟の前に立ててある。
「ここかー。初めて来たけど、結構街に近いんだな。しかも、子供のいたずら防止の看板は、なんていうか……な。ハハハッ」 

次郎もいよいよ実線と聞いて嫌が否にも緊張が走っているらしく、軽口を飛ばしほぐそうとする。

「みんな、装備の準備や隊列決めはちゃんとしたな?順番はさっき言ったとおり、おれ、サラ、マナ、ジロウ、マユル、タニヤの順だ。」

皆、真剣な顔でうなずく。

「サラ、マナは攻撃を当てることに集中するより避けることを第一にな。運が悪ければすぐに死ぬぞ。マユルはやばいと思ったらすぐにディオスだ。タニヤは敵とあったらすぐにカティノを唱えてくれ。たとえどんな敵でもな。次郎は隠れて奇襲攻撃でダメージを与えるんだ。良いな?」

皆、首を肯う。

「じゃあ、いくぜ」






こうして次郎たちの初めての洞窟挑戦が始まった。

「いいか、お前ら、レベルの低いうちはな、とにかく出口近くで扉をあけまくるんだ。扉を開けるといくらかの割合でいきなりモンスターが現れる。こういう部屋を仲間内では「玄室」と呼んでいる。つまり、敵の、もしくは自分たち自身の墓穴になるからだ。ここで重要なのは玄室の敵は必ず宝箱を落とすってことだ。倒した体はいつの間にか光の粒になって消えちまう。そうして、すべてがきえたあと。同じように光の中から宝箱が出てくる。宝箱が出てきても、盗賊か忍者以外はぜったに触れちゃいけねー。まず100%罠がかかっているからだ。ここで俺たち盗賊の出番だ。はっきり言って今回みたいなレベル差のある状態以外では俺たち盗賊は殆ど戦闘では役にはタタネー。お荷物だ。でも、この宝箱の存在によってパーティ一番の稼ぎ頭になるんだ。多くのパーティで盗賊の取り分が他のやつらの1.5から2倍もあるのはその所為だ。何せ盗賊がいなきゃ宝箱を開けられねーからな。」

階段から降りてすぐにイチエイの講釈が始まった。しかし、講釈をしながらもその目は油断無くあちこちを注意深く見ている。扉を開ける。するとなにやら大量の羽音のような音が聞こえてくる

「おい!!くるぞ!!」
突然イチエイが叫ぶ。
全員が緊張に包まれる。

途轍もなく大きな蛾!ブラックフライだ!大軍を作りやすいこいつらは10体ほどの群れで襲い掛かってくることが多い!

「サラ、マナ、まずは右の集団だ!」
すばやく指示を与えつつイチエイが踊りかかる。しかし、あまりに奇怪な光景にサラ、マナは一瞬止まってしまった。それ幸いに二人に遅いかかろうとする左側の軍団!
「サラ、マナ、まずは当たらないように!」
 ジロウは壁のちょっとした凹みに身を隠す寸前、喝を入れる。漸く動き出す二人、しかし、このままでは集中攻撃を浴びて危ない!っと、そこに「カティノ!」タニヤの呪文が間一髪間に合い、4匹の蛾がその動きをやめ、地面に落ちる。その隙を見逃さないサラ、マナ。まずはまだ空中にいる敵を二人係りで切りつけ絶命させる。返す刀で地面に落ちている残りの蛾の無防備な腹や頭に容赦なく剣を付きたてる。意外に固い。がしかし、体重を掛けることで何とか絶命させたようだ。モンスターの姿が消え去った。
 「イチエイ、大丈夫か!」
ジロウが待ち伏せをし、蛾の一匹を殲滅しながら声を掛ける。
「ああ、何とかこのレベルのヤツなら殆ど無傷でいける。」

「さあ、二人とも、今度はこっちを手伝ってくれ!」
マナ、サラは慎重に死骸が光になったか確認した後、イチエイに駆けつける。っと意気込みが強すぎてサラは蛾の群れのど真ん中に入ってしまった。
「くう、たかが蛾ごときにこの私が!」体中をかじられながらも剣を振る。それを見たマナがサラを助け出すためまた群れの中に入りめちゃくちゃに近い剣の振りで蛾を蹴散らす。イチエイも何とか二匹たおし、マナも二匹倒す。残り一匹。サラは漸く防御から攻撃に移り、残りの一体に止めを刺した。

「ふう。ここまで辛いとはな……」
全身怪我だらけのサラがうめく。

「こっちに来て、治療する。」
マユルがサラを呼びディオスを掛ける。
「ほー、やはり治癒魔術はすごいな、一気に7割がた回復したぞ。」
僧侶の魔法に感慨深く感心する。
レベルさえ上がれば私もこのような技を使えるらしい。早く強くなりたいものだ。マユルの治療をみて、更なる精進を目指すサラだった。

「あー。宝箱出ましたよー」
タニヤの声で皆が気づいた。木の大きな箱がモンスターが光となった場所周辺に一つあった。
「さあ、これからは俺と次郎の仕事だ。」
イチエイがジロウを引っ張りながら宝箱を見つめる。
と次郎の頭の中で声が聞こえる例の『声』だ。「いしつぶてだよ。」
本当かよ??と思いつつまずは先輩であるイチエイがじっくり宝箱になるべく触れないように観察するのを見守る。
「どうだ?判ったか?」
振り向き、声を掛けるイチエイ。
「あ、すいません、今から鑑定して見ます」

二分後。
「どうやら石礫だと思います。」ジロウがイチエイに報告する。

「よし、いい出来だ。それじゃ、解除、やってみてくれよ。隣で観察しておくから。」

「はい!よろしくお願いします!」

こうしてジロウは初めての解除に成功したのであった。中身はお金だけだったのが少しさびしいが。



「さあ、一旦帰ろう」
辺りを見回して、次郎が何気なく言う。
「まだ一回しか戦っていないじゃないか!あと二、三回位戦うべきだ!」
マナが決然という。
しかし、
「マユル、ディオスの残り回数は?」サラがマユルに声を掛ける。
「もう唱えられない。」

「そうかならしょうがないな。帰ろう。」

「しかし、サラ様!」マナが渋る。
「イチエイ、さっきの蛾はここら辺では強い部類なのか?」

「いや、最弱クラスだ。」

「やはりそうか。マナ、慎重にやろう。死んでは何にもならん。故郷のみんなのためにもここは引こう。」
故郷のことを持ち出されると流石に従うしかない。

「判りました。帰りましょう。」
少しうなだれながらマナがいう。

こうして最初の冒険は幕を下ろしたのだった。 

しかし、彼らは知らなかった。自分たちが強運であることも初心者パーティでな70%の確立で前衛が死ぬことも。

 


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