トーナメント戦第一試合、ゴン対ハンゾー。
番号ではなく名前で呼ぶみたい。
試合内容はハンゾー(忍者)ペース。レベルが3つは違うね、なんとなくだけど。
腕を折られても降参しないゴンくん。
…根性があるのとは違う気がする。無謀と言ってもいい。
今までの印象では才気溢れる将来有望な子だったのだけど、なんか怖くなった。
タイプは違うけどヒソカに通ずるものを感じる。
結局ハンゾーが降参してゴンくんは合格。そりゃあ、あんな馬鹿な理論を展開する人間とまともに戦いたくはないだろう。
これ以上はエグいことになるだろうし。
ゴンくんは納得いかないと我が儘言い出したが、ハンゾーにアッパーでぶっ飛ばされて気絶。
………面白い、という感想を持った人間が多いんだろうな。周りの様子を見る限り。
だけど、やっぱり異常だと思う。
元日本人の感性のせいかもしれないけど。
将来、ヒソカみたいになったら泣く。
第二試合はクラピカ(金髪)対ヒソカ。
軽く打ち合ったと思ったら、ヒソカがクラピカくんに何かを囁いて降参。
そしてこちらを振り向いて笑顔を向ける。
い、いやあああああぁぁぁあああ!!!!
念能力者に自分が通用するか試したいとは思ったさ!
だけど、あいつが初めての相手ってのは絶対嫌だ!!
…………はあ。覚悟、決めるしかないかあ…………。
第三試合、ハンゾー対ポックル。
次の自分の試合のこと考えてて見てなかった。ハンゾーが勝ったっぽい。
そして
<ちょっと三人称視点>
「第四試合!メイ対ヒソカ!」
膨れ上がるメイとヒソカのオーラ。
そしてヒソカがオーラを込めたトランプをメイに向かって五枚投擲する、が
「甘いです」
全て『メイド服』に弾かれる。
トランプはヒソカ愛用のものなので、オーラは乗りやすい。
しかし、『メイド服』+『堅』を突破するには至らなかった。
「!!」
だが、ヒソカが驚いたのはそこではない。
投擲したトランプに付けていた『バンジーガム』まで弾かれたことに驚愕したのだ。
『バンジーガム』は『隠』で隠していた。よって、メイに気づかれて対処されたわけではない。
常時発動の防御能力だろうと当たりをつける。中々に厄介だ。そして、恐らくオーラ量はメイの方が上。
ヒソカの思考を余所に、メイは両手を手刀の形にし『右手は恋人、左手は愛人』を発動させる。
ヒソカのトランプに対抗するためだ。
能力発動の隙をついて、ヒソカがトランプを両手に構えて肉薄する。
あの防御を突破するには直接オーラを込めた攻撃をぶつけるべき。
それは間違いではない。
メイの手刀とヒソカのトランプがかち合う。
「だから、甘いと言っています」
手刀に触れたトランプが真っ二つに切り裂かれ、手刀はそのままヒソカの首に向かう。
ヒソカはそれを回避。薄皮一枚の被害で抑えた。
ヒソカの失敗は、メイの能力を甘くみたこと。
防御を主体においた能力と当たりをつけていたために、無意識に攻撃力を低めに見積もっていたのだ。
「ククッ」
昂る。
一連の攻防で、ヒソカはメイとの相性の悪さを悟った。
『バンジーガム』を直接つけることができない、これが致命的だ。
さらに、恐らく自分の防御を簡単に突破する攻撃力に、投擲系の攻撃を完全に防いだ防御力。
オーラ量では確実に負けている。
「ククククク◆」
だが、勝ち目がないわけではない。
このルールつきの舞台では厳しいだろうが、本当の殺し合いなら殺りようはいくらでも…………
「参りました」
そして、メイは降参した。
<視点戻ります>
「「「「「は?」」」」」
みんな呆けてるな。まあ、こっちが圧倒的に有利だったし。
だけど、しょうがないじゃないか。
「このまま続けてたら、殺し合いになりますしね」
そうなったら、今度はこっちが不利だ。
さっきヒソカが見せた殺気は半端じゃなかった。
明確な死のイメージ………あんなもの、漫画とかの中だけの現象だと思ってた。
………不利と言っても、ヒソカに深手を負わせることはできただろう。相討ちとか。でも、
「私は今年絶対合格しなきゃいけないんです。三次試験の時もいいましたが、貴方と遊んでいる暇はないんです」
こっちが勝ったとしても、それはヒソカの死という形になったと思う。そしたら不合格だし、やっぱり殺し合いはハードル高い。
結構余裕を持って闘っているように見せかけて、元日本人としての意識はヒソカにビビッてた。
なんというか……格ゲーのキャラを操作する感覚で自分の体を扱っている感じ。そのおかげで表面上は普通だった。
「つれないね……ホントに◆」
残念そうなヒソカ。
というか………
「その…………前を隠してもらえませんか……目のやり場に困ります」
こいつ、途中からチ○コ勃起してたんだよなあ……サイズがあり得ねえ。
それに微妙に先っぽが濡れ………ゲフンゲフン!
命+貞操の危機だし、降参したって赦されると思う。
「ん?見たいの「切り落としますよ」……怖い怖い◆」
今までの人生で最高の殺気を出せたと思う。
そしてヒソカの愚息のサイズがまた増大した。
「ッ! キャあああぁぁぁあああぁぁぁッッ!!」
俺は悲鳴をあげながら全力(硬)でナニを蹴り上げた。
が、
「危ないなあ◆」
ヒソカはギリギリで横に避けた。
しかし、蹴りが起こした衝撃波で会場の壁に大きな亀裂が入った。
それを見た他の男性陣は明らかに冷や汗をかいている。
「はぁ~っ……はぁ~……ふぅ。ヒソカさん、あなたは1秒でも早く死ぬべきです」
強気な台詞だが、実際は涙目だ。
………どうにも、精神が女に近づいてきてるな。
「おやおや◆ 随分と嫌われたみたい◆」
「あなた、最低です」
ま、俺は念能力者ともそこそこ闘える。それが分かっただけ良しとするか。
第五試合、キルア対ポックル。
ポックル勝利。
キルアくんがあっさり降参した。次で勝つ自信があるんだろうけど……次の相手の針男って念能力者なんだよな。
針男の実力は分かりにくいんだが……キルアくんじゃ勝てない気がする。
慢心しすぎだね。
第六試合、俺対レオリオ(成人男性)
ここで負けたらキルアくんか針男と闘うことになる。
情報不足の針男が何かの気まぐれで負け残ってきたら困るので、ここで合格しておきたい。
しかし相手は決死の表情。
………足をぶらつかせてナニ蹴りを仄めかす。
壁の亀裂をチラリと見るレオなんとかだかリオなんだか。
少し悩む素振りをしたかと思えば、
「参った!!」
すぐに降参してくれた。賢い選択だと思う。
「レオリオ! 自分が情けないと思わないのか!」
「うるせえクラピカっ! てめえは玉無しになんのが怖くねえのかよ!」
「死は怖くないと前にいったはずだ」
「死よりも怖いわッ!!」
なんか外野がうるさいが、何はともあれ
ハンター試験合格!!
やった!第三部完!
まだ続くけどね。
第七試合、キルア対ギタラクル。
ようやく名前が分かった針男だったが、すぐに針が抜けて能面みたいな顔をした長髪の男になった。
あれが能力かな。針を指したものを操るとかの。
いろいろ言ってたけど、家庭の事情だね。首を突っ込むものじゃない。可哀想だとは思うけど。
……ちょっとゴンくんが不味いかな……ヒソカが守る気もするけど、今は使いものにならんし。
というかキルアくんも随分駄目なヤツだな、親を刺すとか。それで喜ぶ親も凄いが。キルアくん家こえー。
ギタラクルがキルアくんに軽くオーラを向けたらキルアくんが降参した。
生身じゃ辛いよな。
最終試合、キルア対レオリオ。
半ば予想してたがキルアくんが即降参。そのまま会場を出ていった。
自宅に帰ったと思われる。
これから酷い目に会うんだろうな……。
クラピカくんやレオリオさんが話しかけてたけど、無駄だったみたい。
ゴンくんが起きてればな……あのハゲめ。
試験が早く終わったため、明日の合格者説明会までは時間がある。
軽く休むかな。正直、凄く疲れた。
<続く>
最近連載中のシリーズを見て、やっぱりヒソカは強キャラの方が好きだと思いました。
なので、前々から後悔してたヒソカの過剰なコミカル部分を修正しました。
6話の冒頭も修正します。