【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~~高順伝外伝 河北の王・袁紹伝~~~ 第6話公孫賛の治める都市、北平。この地には現在、公孫賛軍の主力が集結している。数ヶ月前まで彼女を一方的に敵視していた劉虞が治めていた薊(けい)も手中に収め、晋陽の張燕との連携も出来ている。その薊からも軍勢を動員、北平に存在する兵力は7万を越えた。必要とされる守備兵力を残しての数。そして7万以上の兵を運用できるだけの食料と物資も揃えている。公孫賛だけならばここまで円滑に準備を終えることは出来なかっただろう。彼女の元で能吏として、軍師として働き続けた沮授の働き、高覧と張郃。元から公孫賛に仕える武将の尽力あってこそだった。また、袁紹は公孫賛の兵力を警戒して南皮から一時兵を撤退させた。公孫賛も沮授も「罠だな」と感づいていたが、あえてそれに乗ってやろう、と考えていた。張燕と丘力居も既に出撃準備を整え、公孫賛の決断を待つばかり。そして、全軍が終結したこの日。公孫賛は命令を下した。曰く「今こそ、袁紹討つべし。」。韓馥遺臣と、公孫賛の目的を果たす時が来たのだ、と。出撃するのは公孫賛・張郃・高覧・沮授。他に公孫越・公孫範・田楷・厳網・単経・王門など、公孫賛にとっての主力武将ばかり。一方、袁紹も北部の動向に気を配っていた。いや、北部も、と言ったほうが正しい。南方の曹操に気を配りつつ、公孫賛の動きにも注意を払っていた。鄴は残念な結果に終わってしまったが、他都市は殆ど無血開城に近く、当初は穴が目立った配置兵力にも余裕が出来始めていた。また、田豊が謹慎される前から言い続けて実行されていた屯田制度も効果を見せて、20万からなる兵を食わせていく余裕もある。公孫賛ではないが、こちらも攻める・守るに万全な体制を作り上げていたのだ。策・・・いや、餌として南皮を空にして、そこから南下してくるであろう公孫賛を自領に引き込んで叩く。こちらとの開戦を望んでいるのだから、でて来ない訳には行かないだろう。あとは公孫賛の出方を待つだけだったが、ようやくに動き始めた。実は、袁紹は張燕・公孫賛・烏丸を滅亡させるつもりは無く、むしろ降伏させて取り込む狙いがある。韓馥の件で懲りたのだろうか、彼女は人の命を言うものをきっちりと見始めている。ただ、今降伏をしろと言っても韓馥の臣を得た公孫賛は納得できるはずも無いだろうということは解っている。だから、公孫賛から出撃してくるのを待った。こちらから攻めて城攻めになれば面倒だし、ここで叩いて戦力を減らしてしまえば後の交渉も上手く運ぶ。公孫賛・張燕・烏丸の同盟の核となるのが公孫賛。ならば、彼女さえ説得すれば戦力も低下し、同盟も易く崩れる。袁紹はそう踏んで、出撃の意志を固めた。公孫賛軍7万に対し、それより1万少ない6万の軍勢を率いて北へと進撃していく。連れて行く武将は顔良・文醜・審配・麹義・田豊・淳于瓊(じゅんうけい)等。郭図らは「多分連れて行っても役に立たないでしょうねぇ・・・」という袁紹の考えと、本人達の「危ないところへ行きたくない」という性格が合致。あっさりと留守に回された。「ふぅん、南皮を放棄、ね・・・。」公孫賛は南皮へ軍を進めて、それが事実である事を自分の目で見て理解した。罠、とは解っていたが・・・本当に市民以外はもぬけの殻とは。空城の計、というものがあるが、どうもそれとは違う。城を空にしたと見せかけて、伏兵をもって攻撃、というものの筈だから。「恐らくは、自身の領地深くに引きずり込んで・・・と、やりたいのでしょう。」側に居た沮授は訳も無く言って、公孫賛の横にいる張郃も首肯した。「然り。なれど、我らの盟により、袁紹のほうこそ追い詰められていましょう。」「そこなんだよな、何か引っかかるんだ。」「引っかかる・・・ですと?」張郃が不思議そうに公孫賛を見やる。「うん。あの麗羽がさ、そういう回りくどい手を使うって思えないんだよなぁ。反董卓の時にしたって「華麗に雄雄しく華々しく前進ですわー!」とかやっちゃうよーな奴だぞ?」「・・・うーむ。」張郃や沮授にしても、そこは不可思議な点であった。あの考えなし且つ無謀無茶無策の三無主義の袁紹が、こういった策を弄するだろうか。「ふぅむ、田豊殿が復帰したやもしれませんね。」沮授の言葉に、公孫賛の顔が引き締まる。「田豊、か・・・麗羽に謹慎処分喰らったとかは聞いたことあったけど。」「・・・。袁紹の強みは兵力の多さのみ。ですが、殿の懸念も良くわかります。注意する事に越した事はない。」「うん。」公孫賛陣営は、田豊が復帰し袁紹がいくらかまともになった事を知らないままで居た。もし、そのまま何も考えず進撃していれば次の戦いで殆どの戦力を失ったかもしれない。が、沮授らの力で支えられた公孫賛部隊は以前にも増して強くなっている。何があったにせよ、まだまだ勝負はわからないさ。と沮授は不安を打ち消していた。若干の守備部隊を残して、公孫賛は更に南下。袁紹も北に軍を進めていく。そして、ついに・・・両軍は南皮の南方にある界橋に布陣した。公孫賛は方円陣を敷き、その両翼に騎兵(白馬義従)を配置。ほぼ全軍で一気に攻め抜く腹積もりだ。 張燕から援軍を引き出す事にも成功している。袁紹の妨害が無ければ、だが。袁紹は麹義に五千ほどの兵を預け、先鋒を任せている。こちらは持久戦に持ち込むつもりだが、戦いの結果が自軍の勝利であれば短期戦でも良い、という考えらしい。こちらも晋陽には高幹に2万の兵をつけて牽制を仕掛けさせている。別に晋陽を陥落させる必要は無い。援軍を出せないようにするための牽制だ。「・・・白蓮さんは随分と頑張ったようですわね。」陣と共に、高台になるような場所も建造した袁紹はそこから両軍の布陣を見ていた。白馬義従の威容もだが、何よりあれだけの兵を集めた事に感心したようだ。公孫賛は幽州を手中にし、晋陽・長城を越えた先に居る烏丸と組んでいる。それでも、幽州はそれほど裕福な土地柄といえず、殺伐とした部分が多い。だというのに、7万とも言われる軍勢を組織するとは。やりますわ、と袁紹が感嘆するのも当然と言えた。さて、その袁紹だが、彼女のいでたちも前に比べて相当変化していた。髪型はともかく、鎧と服装もガラリと変わっていた。今までは金ぴかで肩部分が大きく、下半身の露出も大きい・・・と、防御力も低く、お世辞にも機能的といえない鎧だった。それが、兜を被り太ももなど露出した部分をなるだけ少なく。肩部分を小さく、動き易いように工夫を凝らした鎧となっていた。普段着(上は赤いチャイナ服、ちょっと豪華そうな感じ。下は白いミニスカート)の上に着用していたが、鎧を着る場合のみ長袖にぴっちりとしたズボンらしきものを履く事にしている。さすがに色は変わらなかったが、今までの軽薄なイメージから一転、統率者としてちょっとだけ威厳が増していた。それに伴い、顔良と文醜の鎧も同じようにきっちりと体を守る鎧へ変わっている。文醜は「動きにくいっすよー」と不満を漏らしていたが、武将級であれば、勝利もだがまず生還する事を求められる。その為に、鎧を厚くしたのだ。もっとも、兵士への武具供給は万全とは言いがたい。現在、袁紹はどの諸侯よりも資金がある。それでも、全兵士に鎧が行き届いていないのだ。一気に勢力と兵を増やした弊害である。兜や武器は配給しているし、そういった兵は今回の戦いでは連れてこなかったが。見れば、公孫賛軍も一部鎧の無い兵が居る。公孫賛は此方に比べて資金も人も余裕が無いから仕方が無いだろう。「ほっほっほ、公孫賛殿はこれで全力を出し切りましたかな?」「あら・・・翁。」高台に居た袁紹の側まで、田豊が歩いてきた。彼も郭図らと変わらぬ軍師と言う立場だが、必要と思えば平気で戦場まで着いてくる硬骨の人だ。「殿は、あの軍勢を見てどう思われますかな。」「翁が今申したでしょう。あれが白蓮さんの全力だ、と。それは私も感じておりますわ。」「ほう。」「鎧の配備が足りていない、だけではなく、この一戦に全てを懸けている、というところですわ。もしここで負けても篭城が出来る程度の余力はあるでしょうけれど。それに」「それに?」「張燕、烏丸が後ろから援護を。南の華琳さん・・・曹操さんが攻めてくる可能性。それを考えれば、こちらには余裕がありませんわ。」「公孫賛殿が曹操殿と示し合わせて動く事は・・・連絡ができそうに無いと思えば実現は出来そうになし。もっとも、曹操殿とすれば北の情勢が沈静化するのは面白からぬでしょうしの。」何らかの横槍を入れてくることは考えられますな、と笑った。その笑みは、既に袁紹の勝利を念頭に置いた笑みだ。たとえ幽州を得られずとも、今の袁紹にとってはいかほどの事も無い。袁紹も同じように考えており、公孫賛の戦力を一気に削げばあとはどうとでもなる、としていた。直接聞いたわけではないのだが、田豊にもそれくらいの事は理解できている。が、袁紹は既に北を押さえる自分なりのやり方を思案しているのだった。「・・・さぁ、そろそろ軍の展開も済んだでしょう。出撃準備をしてきますわ。翁は後ろに下がってなさいな。」「ほっほっほ、お気をつけて。」連れて来た武将らは既に攻撃態勢を整えており、袁紹の下知を待つばかり。その下知を下すために、袁紹は馬に乗り本陣まで駆ける。馬上にある袁紹は僅かに笑みを浮かべていた。この戦いの勝利を確信しているか、それとも曹操との戦いを意識しているか。それは本人にしか解らない。文量足りないのでちょっと番外。その頃の高順達。孫策軍は曲阿を陥落させ、劉繇を追放。劉繇を失った軍勢は太史慈を総大将として丹陽に立て篭もった。孫策は、それをも攻め落とし太史慈を帰順させ、軍勢を吸収。更に呉と会稽を攻め落とし、快進撃を続け江東制覇もまもなくと言うほどの勢いである。そんな中、秣陵(まつりょう。後に呉の都、建業と改名)での一幕。「はぁ・・・なんで武官がこんな事を。」高順はぶつくさ言いながら、倉の物資点検。目録を作る作業を行っていた。ぶつぶつ文句を垂れながらも、高順はきっちりと点検をして帳面に書き込んでいた。まさか、丁原様の下で働いていた経験・・・下積み経験がこんなとこで活きて来るとは思いもしないよなぁ、と思う。この作業には趙雲や楽進など、高順一党が駆り出されていたが全員文句も言わず黙々と仕事をこなしている。孫家に属してからと言うもの、高順はこれまで以上に「大変だなぁ」と感じていた。孫策は自分を少し疑っている部分はあるが、概ね信頼はしてくれている。周喩や黄蓋からは何かと頼りにされるし、孫権も高順の肩身の狭い立場を察してか色々と便宜を図ってくれている。甘寧はどうも自分達を敵視しているらしいのだが。一番困ったのは、孫策・孫権の末妹になる孫尚香という少女が自分をからかってくる事だろうか。まだまだ子供なのだが、その癖孫権よりよほど女性として成熟している部分があると言うか。小悪魔という形容がしっくり来るほどの少女である。その小悪魔はよく高順に付きまとって、孫権を何度も怒らせて、ということを繰り返して遊んでいた。ともかく、倉の整理。別に自分達でなくてもいいだろうに、くらいは思うだろうがこの時点での孫家は・・・。やはり、というべきか人が少ない。多くなってはいるのだ。それでもまだ足りない、と高順達まで手伝う事になった、と言うわけだ。倉の目録というのは重要な仕事で、例えば金品や大切な物資、有力者への贈り物・贈られ物が納められている。新参の人間に任せるのは(信頼はしていても)、流石に周喩でも気が引けたようで当然、監督役が付けられた。その監視役、呂蒙(女性)である。当初、高順は呂蒙という人が誰か解らなかった。彼女に限らず、周泰とか陸遜とか言われても誰が誰やら。顔と名前が一致するまで少し時間がかかった、と言えばいいかもしれない。流石に数ヶ月もすればほぼ全員覚えたが、この呂蒙と言う人・・・高順にとっては意外な人だった。歴史上の人物として知識があるからそう感じただけなのだが、何と言うか凄まじく恥ずかしがり屋と言うか・・・男性になれていない。見た感じは、ちょっと目つきがきつい可愛いお嬢さんである。モノクルというか、片眼鏡をかけていて本人曰く、乱視で近眼、だそうな。しかも、服装が際どい。上着の袖が異様に長い。ともすれば地面にこすれる。呂蒙だけではなく、呉の女性武将は皆服装が際どいのだが・・・南方出身の人は皆同じように際どい服装だった。下半身を隠す袖も短い(ミニスカートというレベルじゃないくらい)し、総じて服の布面積が少ない。胸なんて零れ落ちそうなくらいだし・・・。まあ、際どい服装などは高順にとっても慣れっこ、とまでは言わないが華雄・張遼・蹋頓・李典などが側に居たお陰か耐性はある。ただ、この呂蒙という人。男性になれていないせいか、高順に指示を出す時は少し小声になってしまうことがある。そこで「すいません、もう少し大きな声で・・・」と近づくと袖で顔を隠して「ごめんなさいごめんなさい!」と真っ赤になって後ずさる。最初は嫌われているか警戒されているのか、と思っていたがどうも本当に男性に免疫がないだけのようだ。楽進や李典などとは普通に接しているし。戦場では気にならないのだろうが、こうして日常に近い部分では意識してしまうのかな? と気にしないでおく事にした。さて、倉の整理をしている最中。趙雲も仕事をしていたのだが、とある箱を開けて中身を確認していたところ・・・。蝶をあしらった仮面が入っていた。それを手に取った趙雲は、何故こんなところにこんな仮面が? とまじまじと見つめていた。「ふむぅ・・・これはなかなか。」と言いつつ手触りやら意匠やらを調べる。「まさに、匠の技・・・。誰が作ったかは知らぬが・・・ふふ、素晴らしい。」趙雲は一人でにやけて、周りを見回す。(誰もおらぬな・・・むぅっ、この趙子龍の魂が叫んでいる! この見事な蝶の仮面を装着せよ、と・・・!)ふぅふぅ、とやべげな息の荒さ。やばげな目で仮面を見つめていた趙雲はついに―――!「・・・でゅわっ!」やってしまったのである。その蝶の仮面を己の体と1つに!!!趙雲がいなくなった程度で、倉の整理が終わらないはずも無く。皆は「あれ? どこに行ったんだ?」くらいにしか思わず、趙雲の仕事も手分けしてようやく整理が終わった頃。倉の外から「ええい、何者じゃっ!」という黄蓋の怒声が聞こえてきた。高順らも呂蒙も「!?」と表情が一転、倉の入り口まで走っていく。何が起こっているのかがわからないので警戒するべきだ、と高順は小声で「今から指折りで数を数えます。全部折終えたら一斉に!」と伝えた。全員武器は持って来なかったのだが(楽進は素手で戦う)、そこらの賊なら棒切れで充分、と皆倉の中にある木棒やら何やらをめいめい手にしていた。高順は人差し指・中指・薬指を立て、それを静かに「3・・・2・・・1」と折っていき、全部折り終えた瞬間「行きます!」と呂蒙が真っ先に出て行った。それに続けと、高順達も一斉に出て行く。そして、彼らの目に映ったものは。「はーはっはっはっは!」高笑いをして、黄蓋と対峙する変な蝶の仮面を被った趙雲であった。「・・・。」「・・・・・・。」「ぇ、ぇえと・・・。」「・・・高順さん。あれって。」「隊長・・・。」「・・・。俺に聞かないでください。」高順一党が揃って沈黙する中、呂蒙は「あ、あれって誰ですか!?」とのたまっている。「え? あれ、趙雲さんですけど・・・。」「えええ!?」「解らなかったの!?」「あうう、申し訳ありません。私、目が悪くて、そのぅ・・・。」「・・・眼鏡を買い替えたほうが良いのでは。」恥ずかしそうにする呂蒙を見て、高順は溜息をついた。いや、楽進たちも趙雲を見て盛大に溜息をついている。仕事サボって何をしているのやら、と。ぶっちゃけ、仲間としてあれは恥ずかしい。李典あたりは「おお! なかなかイカスなぁ!」と盛り上がっていたけど。その恥ずかしい趙雲と対峙する黄蓋も、その正体に気付いていないらしい。「何者だ小娘! 名乗らんかいっ!」「え、あの人も気付いてない!?」黄蓋は複数の矢を一斉に放つ事ができる弓「多幻双弓」を構えて次々に矢を放っていき、趙雲はそれをひらりひらりと難なく避けていく。。外れた矢が木を打ち抜き、壁を崩し・・・と、ちょっと洒落にならない状況であったり。「ちぃっ、当たらんっ・・む、高順達か? ちょうど良い、助太刀せい!」「え・・・助太刀って。」それを聞いていた趙雲は先ほどの同じように笑う。「はっはっはっは! 黄公覆ともあろうものが私一人捕まえられぬとは・・・孫家の将も大した輩がおらぬと見える! そのような輩に民の平和が守れるはずも無いな」「何じゃとぉ・・・? それ以前に貴様何者じゃ!?」趙雲はふっ、と笑い、宣言する。「問われて名乗るもおこがましいが・・・我が名は華蝶仮面! 混乱の都に美と愛をもたらす正義の化身!」どどーん、とか聞こえてきそうなほど高らかに名乗る趙・・・じゃなくて華蝶仮面。「華蝶仮面じゃと・・・? 貴様のようなふざけた格好をした輩が正義の化身など肩腹痛い!」「ふ、外見で判断とは・・・孫家の宿将ともあろうものが。どうも、孫家には狭い了見しか持っておらぬ者が多いようだ。」「何ーーー!?」どんどんヒートアップする2人。高順達は「あほくさ・・・」と思って特に介入するつもりも無かった。そこへ、この騒ぎを聞きつけてきたのか孫策や周喩、周泰など孫家の主だった人々もやってきた。「ちょっと、何・・・が」「・・・あれは何だ。」「おお、かっこいいのです!」「え、今なんて?」これまた色々な反応が返ってくる。「おい、高順。あれは何だ。」「あー・・・周喩殿。見たままです、ええ。」高順の答えに、周喩は不機嫌そうな表情を見せた。「見ても解らないから聞いているんだ。あれは何者だ?」「見て解りませんか?」「ああ。」「・・・。参考までに、孫策殿や孫権殿は解りますよね。」「え? 貴方、知ってるの!?」「あれが何者か、よりも黄蓋が苦戦していることに注目するべきでしょ!?」孫権は驚き、孫策は正体以前にあの腕前に注視したようだ。どうも、誰も気付いていないらしい。さようなら孫家。その事実に、高順が一層疲労をしたところで、華蝶仮面? を名乗る女傑は身を翻した。「かような腕前では、私を捉える事など出来るはずも無し。精進する事だ!」「ぬぐぐぐぐっ・・・!」「安心せよ、未熟なお主らに代わってこの華蝶仮面が街の治安を守ってくれよう! はっはっは! あーっはっはっはっは!」言いたい事だけ言って、彼女はその場を走り去っていった。(あれ、どっちか言えば「パピ! ヨ○!」とか「それは私のおいなりさんだ。」ぽいよなぁ・・・爆裂! おいなり仮面とかそんな流れで)愚にもつかないというか、おかしな妄想を垂れ流す高順。華蝶仮面の正体など論ずるまでもないと思っている彼(とその仲間達)は割と冷静であった。ただ、当然と言うべきか、黄蓋はおさまらない。「ぐぎぎぎっ・・・ええい、高順!」「へ?」「もう倉の整理などせずとも良いわ! 兵をもっと徹底的に鍛えねば。お主も来い!」「ちょっ! やれって言ったのあなた方でしょうに!?」「あのような怪しい輩を城に易々と侵入させるようではまだまだ錬度が足らぬわ。いいから来いっ! 策殿達も宜しいな!?」「いってらっしゃーい。」「あの・・・どちらかと言えば私達も参加」「権殿、黄蓋殿と高順に任せておきましょう。」「え・・・でも」「いやあのちょっと待むぐぐぐぐーーー!?」首根っこを引っつかまれて黄蓋に連行されていく高順。「お、おいいい・・・皆、助け、てぇ・・・」その必死の懇願に、楽進たちの反応は。「隊長、お気をつけて!」「骨は拾ったるからなー」「あら、夜のほうの体力(削除)」「ああ、行ってこい。張り切りすぎるなよ。」割と凄まじく冷たかった。(巻き込まれたくなかったので「・・・。は、薄情者ーーーーーーーーー!!!!!」「うるさいわ、静かにせい!」神様。何で俺はこう巻き込まれるべくも無い状況で巻き込まれてきっつい思いをせにゃならんのでしょうか。もう、何度思ったか解らぬ事を思いつつ、高順は涙する。騒ぎの発端となった趙雲は、「ふむ、1人では少し寂しいな・・・仲間を増やすか? 楽進や李典を引き込んで・・・ふっふっふ。」あらぬ方向の野望を持ち始めていたのだった。~~~楽屋裏~~~頭痛が!鼻水が! 止 ま ら な い あいつです(挨拶ぇろぇろ熟女3人のエロストリームアタック・・・どこかでやろうと画策してたのに! 公式でやられたら手も足も出ないじゃないか! えっちなのはよくないよ!たわごとは置いといて。頭が痛すぎてただでさえgdgdな話が更にgdgdに。鼻水止まらないって辛いんですよorzさて。界橋の戦いですね。多分ボロ負けです(どっちが?界橋さえ終わればあとはすぐに曹操との戦いに。そうなれば2・3話くらいで終わって高順たちのお話に戻れますね。おそらく、袁術軍との戦い辺りに。それではまた次回。(・ω・)ノシ