【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第42話 洛陽的日常董卓軍に仕える事になった高順だったが、ある問題が浮上した。彼、というか彼の仲間たちも含めて、住む場所を用意していなかったのである。董卓達は宮殿の一室を用意すると言っていたが、呂布や張遼、更に宮仕えをする人々と交流を持たねばならない環境になってしまう。呂布や張遼はまだ良いかも知れないが、政治的なことに携わる文官とあまり繋がりを持ちたくない。というのも、洛陽の文官と言えばどうしても十常侍を思い起こしてしまうのだ。自分が基本的に武辺の人で、政治にあまり干渉しないように・・・と思っている事もある。全員を見たわけでもないし、現状で知っている文官は賈詡か陳宮くらいだ。(陳宮の指示で郝萌が射殺された事を高順は知らないその他の文官の中には、十常侍と繋がりがあって、今でもそういう派閥があるのだろう。絶対に係わり合いになりたくは無い。その辺りをぼかして華雄や董卓、賈詡に相談したところ、その直ぐ傍にいた張遼が「1つ、心当たりがあるねんけど・・・」と言いだしたのだ。「心当たり?」「うん、ある。順やんにはええ気分やないかもしれんけどな。宮殿からもそれほど遠くなくて、かつ順やんの仲間全員で入ってもまだ余りがあるやろし、あのでっかい馬・・・虹黒やっけ、収容できる厩もある。」「そんな場所が・・・。ですが、そんなに条件の良い場所なら既に使われているのでは?」「せやな、順やんの言う事は尤もや。けどな、縁起が悪い言うて近づかん奴らが多いんや。」「縁起?」頭を傾げる高順に、張遼もすまなさそうに言う。「丁原はんの居館やってん、そこは。」「・・・成る程ね。」十常侍に反発し、罪を着せられ、一方的に消された丁原が使用した洛陽での居館。確かに、縁起が悪いのかもしれない。「で、そこを使っても良いので?」「ん、一応董卓の許しは必要か思うてな。・・・ええかな?」張遼の問いに、董卓は頷く。「ええ、勿論です。ただ、掃除などは・・・。」「それなら心配あらへんよ。順やん、他の連中も含めて今から行ける?」他の連中、というのは趙雲・閻行・蹋頓・沙摩柯それと虹黒だ。(楊醜らも含まれているが考えないほうがいい気がするのは何故だろう3人娘や田豫らはまだ到着していない。速くとも4・5日はかかるだろう。「ええ、大丈夫でしょう。」「決まりやな、ほなうちは案内してくるさかい。行くで、順やん。」「あ、ちょ・・・引っ張らないでいただけるとあり難いっ! それでは俺はこれで・・・。」「はい、お気をつけて。」高順の服の裾を引っ張って退室していく張遼を、董卓は笑顔で見送った。「丁原殿の居館、か。」歩きながら趙雲が呟く。高順らが張遼に案内されての道中。その最中に趙雲はふっと何かを思い出しながら丁原の名を出した。「なあ、趙雲。私と蹋頓はその丁原という人を知らないのだが・・・実際、どういう人だったんだ?」趙雲の隣を歩く沙摩柯が、何かを遠慮するように前を進む高順を見つめてから質問を投げかける。「そうですね、私も少し興味があります。」とこれは高順の隣にいる蹋頓。沙摩柯は丁原が息を引き取る所でしか面識が無い。「どういう人、と言われましても。それがしもそれほど長い付き合いをしておりませぬぞ?」そうなると、一番付き合いが長い・・・というか傍で見ていた高順が一番知っているだろう。だが、それを直接聞くのはやはり勇気が必要だった。誰だって触れられたくない事の1つや2つあるものだ。傍で見ていたからこそ解る事だが丁原が瀕死の重傷を負った時、呂布に対して見せた高順の怒りと殺意はそれまで見たことの無いものだったのだ。沙摩柯も、「あの温厚な高順がここまで・・・。」と内心で震え上がったものだ。「どういう人、か。正直、随分苦労をさせられたもんだよ。」高順の呟きに、誰もが「え?」という表情を見せた。それに構わず、高順は更に続けていく。「暴力振るうわ、計算の仕方を部下に教えてやれ」とか仕事中に「酒を買って来い、今から花見だ!」って、予定に無いし、聞いても無い行事を突っ込んでくるし。本当に苦労したなぁ。」「・・・。」いや、それって単純に仕事したがらない駄目な人なのでは? と思ったがそれは言わないほうがよさそうだ。「無茶苦茶な人だったよ。でも・・・あの人は上党を心から愛していた。自室の窓から見える上党の街並みを見つめて嬉しそうに笑っている事もあったよ。ああ見えて割りと公明正大なところもあるしね。大変だったけど、人に仕えるっていうのでは・・・あの人のところが一番自分らしく生きてたかもね。」しんみりと呟く高順の言葉に、張遼や沙摩柯たちも少し肩を落とす。別に落胆をしたとかそういうことではなく、高順が丁原のことをどう思い、どう慕っていたか・・・それが良く解ったからだった。皆が無言になって歩く事更に数分。張遼の言う「丁原の居館」にたどり着いた。「うぉ・・・大きいなぁ・・・。」「これは・・・すごい土地だな。屋敷も随分大きい。」高順と沙摩柯が感嘆の声を上げる。正直、上党の丁原の居館など比べ物にならない。これほどの大きさの土地屋敷であれば高順一党どころか、何十人と住めそうな大きさだ。しかも住んでいる人もいないだろうに随分と綺麗に掃除されているような感じに見える。「しかし・・・これほどの土地と屋敷。何故取り壊しもされずに?」趙雲が張遼に質問する。「せやなぁ、本来は全部潰される予定やった。けど呂布の奴がな、何かに使うかも知れないから無理言うて残すことになったんや。」「呂布が・・・。」珍しい事だが、高順と趙雲は呂布に対して蟠り(わだかまり)があるのか呼び捨てである。張遼には敬語を使うものの、まだ根は深い。(張遼や呂布は彼らに悪意など無いが「ま、実際に宮殿と街の間ぐらいにあるからな、ここ。買出しやら何やらで色々と便利やったんは事実や。」さ、入ろか、と一同を促して張遼は門を開けた。外側は綺麗にしてあったが、中はどうだろう。「・・・すごいわね。」今度は閻行が感心していた。中も掃除の手が行き届いており、ゴミ1つ無い、とまで行かなくても今すぐに人が転がり込んで来ても問題ないくらいの綺麗さだ。「何だってこんな・・・。」「んー・・・あまり言わんほうがええかもわからんけどな、これも呂布がやったんや。」「・・・あの人、掃除能力あるの?」ジト目になって聞く高順だが、張遼はそれを笑い飛ばした。「なははは、あの壊滅的な家事オンチにんなもんあるわけ無いやんか。正しくは呂布の命令、やな。順やん一党を帰順させるっつー話が来るより前に一気に大掃除や。」もしかしたら、この日が来るの解っとって残す言い出したんかもなぁ、と張遼は中を案内しだした。寝室、浴室、物置、台所などなど・・・生活に必要な道具・家具なども一通り揃っていて、本当に今からでも生活開始可能な状態だった。残りは食料の買出しや、高順達の私物などを運ぶ程度か。「よし、楽進達が来るまでに全部片付けるか・・・。」高順は腕まくりをして気合を入れた。彼らが片付け、というか荷物の積み込みをしている最中に宮殿で1つの動きがあった。西涼を支配する馬騰の代理として送られた馬姉妹と韓遂(かんすい)が誼を通じたいと、贈り物やら何やらを持って董卓へお目通りを願い出てきたのだ。董卓や賈詡、ついでに華雄も西涼方面には顔が利き(というか董卓の兵力の根幹は西涼兵だ)全員、馬騰とは交友があったり末烏。張燕率いる晋陽勢との戦いの前に、西涼は不穏な動きを見せておりそれに対しては詰問をするべきだと賈詡は考えていた。が、新政権樹立やら派閥争いなどの権力闘争のほうが忙しすぎてそちらまで手が回らなかったのだ。それが代理とはいえ、向こうからやって来たのだ。ちょうどいい機会だろう。馬家の3姉妹、韓遂・成公英の5人が董卓の前で跪き、馬騰からの親書を差し出した。受け取った董卓はそれをざっと読むが、内容自体は張燕からのものとそう変わりはしない。「自分はあくまで兵力増強に力を入れただけで、不穏な動き云々は十常侍の勘違いに過ぎない。当方としても董卓と争うつもりは無い。」とこんなものだった。これもまた上手い・・・言い方を変えれば卑怯な言い分である。張燕同様、一言も「漢王朝に」帰属するなどとは言っていないのだ。結局のところ、馬騰も「董卓が力を持つ限りは争わない」と言いたいのだろう。反対に言えばこちらが劣勢になれば手のひらを返す・・・そういう事だ。「我が主、馬騰は董卓殿と不戦条約を結びたいと申しております。少なくとも敵対はすまい・・・と、申しておりました。」韓遂も、董卓が親書を読み終えた頃を見計らって一言添える。その証として絹や綿、上等な布や駿馬を数頭。装飾品として首飾りや立派な剣を献上した。「なるほど、解りました。返書を書きますが、長旅でお疲れでしょう。こちらで宿を提供させていただきます。・・・さがって良いですよ。」「ははっ。」こうして、馬超達は董卓との謁見を終えた。馬超達が下がった後、賈詡は董卓に「ちょっと、良かったの?」と聞く。「え? 何が?」「え? じゃないわよ。向こうの魂胆、もっと洗いざらい聞くべきだったんじゃないの?」「ん・・・。でも、余計な波風を立てるべきじゃないんだよね?」「そりゃ、そうだけど・・・。」「最低でも敵対はしない、ということだけ解れば充分じゃないかな・・・。」「甘いわね。こっちの力が強いから尻尾を振ってるだけだから。・・・はぁ、周りを固める戦力が無いから余計に苦労するわ。」そう、董卓には支援してくれる勢力がまだまだ少ない。近隣諸侯はまだこちらの出方を伺っている。自分達の利益のために結託して兵を挙げてくる事だって充分、いや可能性がとても高い。馬騰は代理とはいえ、わざわざ西涼から来て最低限争うつもりは無いというのだ。董卓勢力にとっては敵対しないだけまだマシといえる。十常侍を討って帝を抑えて・・・名実共に諸侯を押さえる立場が出来たのに。足場が全く無い状況でこの流れになったせいで、文字通り足元がおぼつかない。まだまだ課題は多いのだ。さて、馬超達が洛陽へやって来た理由。それは勿論董卓と誼を通じておくことだったが・・・もう1つの事情があった。ある人物に会いに来たのだ。これは韓遂と成公英はあまり関係ない(無関係とも言い切れないが)話で、馬3姉妹(馬超・馬休・馬鉄のこと)にとって大事な話なのだ。宮殿から出て行き、手配してもらったという宿に向かいながら韓遂は馬超へと話しかける。「馬超、お前達の探し人は明日でよいか? 少々疲れていてな、速く休みたいのだ・・・。」ちょっと眠そうに目を擦る韓遂。そしてその後ろでげんなりとした表情の成公英。「ええ、構いませんよ、伯母上。」「そうか、それはすまんな。・・・ふぁぁあ・・・。」大あくびをする韓遂だったが、彼女が寝不足なのは理由がある。(ねぇ、姉上。)(何だ、休?)(聞こえてたよね? 英ちゃんの喘ぎ声。)(・・・うん。鉄も真っ赤になってたな。)結局、洛陽までの道中(前回参照)で成公英は(性的な意味で)暴走した韓遂の手とかソレとかアレでヒィヒィ言わされていた。その日だけで終わればよかったのだが、連日あらぬ方向で妄想特急一直線をかまし続けた韓遂は、毎夜・・・なんというか、その、アレな事を成公英にし続けたらしい。「しくしくしくしく・・・」と、すすり泣くような声やら色っぽい喘ぎ声やら・・・天幕を守備していた兵士は女性だったようだが、彼女達も堪った物ではなかっただろう。もう少し一目を気にしてくれと思っていたに違いない。すぐ近くに天幕を張っていた馬超ら姉妹も(うわぁ・・・)と、ちょっといけない妄想をするほど、桃色世界だった。「そりゃ、疲れるよね・・・。」「ああ。英・・・強く生き抜いて欲しいな。」そんな声が届いているのかいないのか。成公英はぐしゅぐしゅと鼻をすすりつつ、今夜は静かに寝かせてもらえるなぁ、という安堵感を抱いていた。(可哀想に・・・「ああ。ところでだ、馬超。」「え・・・な、なんです、伯母上。」「お前、というかお前達姉妹の探し人の名前、忘れてないだろうな?」韓遂の言葉に、馬超は馬鹿にしないで欲しい、と言いたげに頬を膨らませた。「忘れるわけ無いだろ、伯母上。探し人は・・・。」『母様と伯母上の盟友、閻行殿とその息子、高順!』答えようとした馬超を遮り、妹2人が元気よく答えた。「あ、お前らずるいぞ! 私だってちゃんと覚えてたのに!」「早い者勝ちですよー?」「なんですよー?」「おまえらー!」両手をぶんぶん振り上げて、馬鉄と馬休を追いかけ始めた馬超を見て韓遂は「まったく、お子様め。」と苦笑していた。毎度の事だが、馬超は妹2人や従妹である馬岱に出し抜かれたりやり込められる事が多い。馬超が馬鹿とか言う事ではなく、単純・・・というか熱くなり易い性格なのだ。その姉の性格を解っているからこそ、ああやってからかわれている事が多いのだが、お互いの仲は大変に良い。仲が良いからこそ、ああやってじゃれあっているだけなのだが・・・ちょっとやり過ぎているらしい。「むがー! もう怒ったぞー!」と、叫んだ馬超は銀閃と名付けられた長槍を振り回し始めた。「わー!? 姉上待って、武器を持ち出すのは反則ですよー!?」「反則なんですよー!?」とか言いつつも、馬休と馬鉄は自身の槍を持ち出してくる。(休の槍は白閃。鉄の槍は水閃という名らしいどう見ても熱くなり過ぎである。「わ、わわ・・・、韓遂さまぁ・・・。」どうしたものかと、成公英もおたついている。仕方ない、と韓遂は姉妹のいる方向に向かって、てくてくと歩いていった。「この馬鹿妹達め、今度こそ成敗してやるー!」「わー! 待って待って止まって姉上ぇぇ!?」馬超のあまりの迫力にへっぴり腰な妹達が叫ぶ。だが、逆上しすぎている馬超は銀閃を振り下ろ・・・さなかった。銀閃の柄の部分を韓遂が掴んでいたのだ。彼女は閻行などには敵うべくもないが、漢王朝に対して反旗を翻した一角の人物だ。馬超が思い切り振り下ろそうとした槍の柄を片手で掴んで涼しい顔をしているのだから、その膂力たるや尋常ではない。「えあっ・・・伯母上・・・。」「この馬鹿娘。お前は次期馬家の総領として涼州の軍閥を束ねていく存在なんだぞ。それが・・・」韓遂は、槍を掴んでいた手をすぅっと高く上げて、馬超ごと持ち上げていく。「そんな些事の1つや2つでカッカするんじゃない。」涼しい顔で言っているが、反論は許さないぞ、といった強めの感じでびしっと決め付けた。韓遂は馬超より頭1つ分ほど身長が高い。高順より少し低い程度だが、そんな人に持ち上げられており馬超は槍にぶら下がっている格好になる。「まったく。ちょっとしたことで直ぐ怒るのがお前の悪い癖だ、慎むんだぞ。・・・お前達もだ、休、鉄。」「あう・・・。」「そうやって姉を直ぐにからかうな。面白いのも可愛いのも解るのだが・・・やり過ぎると今みたいになる。何事もさじ加減1つ、だ。」解ったな、という言葉に3人娘はシュンとして「ごめんなさい・・・」と謝るしかないのであった。「解ればいい。さぁ、宿に行くぞ。」馬超を降ろして韓遂は一同の前を進んでいく。「・・・はぁ、さすが伯母上だ。あたしじゃ手も足も出ないよ・・・。」「そうだよね・・・伯母上ですらアレだもん、閻行さんってどんな人なのかなぁ・・・。」さすが、西涼の叛の1人だ。と馬超達は感心した。現役から徐々に退いて後進に立場を譲り始めている韓遂だったが、腕は全く衰えていない。その伯母が「絶対に武力では敵わない」と評価する閻行がどんな人間なのか。そして、その息子の高順・・・一体、どんな奴なのだろう。そんなことを思いつつ、馬超達も伯母の後ろを歩き始めるのだった。その頃の丁原の・・・いや、今は高順の居館であるが、夕食の真っ最中だった。豚肉と野菜を焼いて、高順の作ったタレ(焼肉のタレだが)を塗りたくり、炊き立ての白米へのおかずとする。野菜を多く入れた味噌汁や豆腐、あと少し高かったがお茶を買って・・・と、時代を考えれば豪勢なものである。(高順は茶葉を量産できないかなぁ、と考えていたようだが。皆で「いただきます!」と言ってから食事に手を付け始める。「むぐっ、美味いぞこれ、どうやって作ったんだ高順!」「材料は醤油とか砂糖を少し。あと唐辛子とか匂い付けにちびっと味噌を・・・。」「ふふ、美味しいです。高順さんは料理をするのも、何かを作るのもお得意なんですね。」蹋頓が味噌汁を啜り、幸せそうに笑みをこぼしつつ高順を褒めた。「これくらいなら得意とは言いませんよ、蹋頓さん。」「あら、そうですか? 私は高順さんにkいや何でもありません・・・。ですが、華雄さんや趙雲さん・・・あと、沙摩柯さんも美味しそうに食べていますよ?」えげつない事を言われかけた気もするが、高順は「え?」と華雄達のほうへ向いた。「がつがつがつ・・・」「むぐ、もぐぐ・・・」「むくっ。はふはふ。いやはや、この辛目のタレが肉に良くあいますな。酒とメンマが進むというものです。」(メンマ?)(なんでメンマ?)「・・・めんまって・・・)ともかく、確かに皆が食べる事に集中している。閻行も久々に食べる息子の料理を無言で、かつ一生懸命食べている。そこで、華雄が「ごふっ」と、咳き込んだ。どうも喉を詰まらせたらしい。「あーあー、そんなにかっこむから。はい、お茶ですよ。」「んぐっぐ・・・・・・ぷは、死ぬかと思った。すまんすまん。」「ったく、気ぃつけや華雄。」「ところでですね、1つだけ宜しいですか。」高順の言葉に、その場にいた皆が「ん?」と高順の顔を見た。「・・・なんで、張遼殿と華雄姐さんがここにいるので?」そう、高順一党がこれから住むこの居館。夕飯真っ最中のこの場所に、なぜか華雄と張遼までいたのだ。「うちかて掃除とか色々手伝ったやん? ご褒美くらいあってもええやんかー。」そう言った張遼は徳利の栓を開けて中に入っている酒を飲み始めた。「いや、私はだな・・・。その、晋陽にいた頃は割と皆で食事をしていただろ。1人だと少し寂しくてだな・・・。」と、華雄はどこか遠くを見つめて呟いた。確かに、高順達は「華雄1人で食事は寂しいだろうから」と皆で食事を持ち込んで一緒に食べたりしていたが。実際のところ、華雄は本当にそう思っていたし何より高順達と一緒にいた方が楽しいのだ。・・・美味しい食事にもありつけるし。張遼が紛れ込んでいるのは謎だが、彼女もこの居館の片付けの手伝いやら何やらしてくれていたので、まあ良いだろう。呂布に対してはまだ恨みが大きいし張遼に対してもそうだが、高順は張遼に対しては言うほどに恨みきれていない(恨んでいる事は恨んでいる人づて、と言うほどの事でもないが、華雄から聞いていたのだ。朱厳は張遼と戦い、武人として散って逝ったのだと。丁原もそうなのだが、その最期を看取った事もあるし、「恨むな」と言われてもそこは無理な話だ。が、両者共に将として戦って散った事は本望なのだろう・・・ということで、一時休戦ということにしておこうと思っている。彼女達の行ったことに対しては怒っていても、その人柄を否定するつもりも無い。仇を討つと明言しているものの、今の状況では2人は仲間である。どうやってそれを成し遂げればいいのやら。未だ答えが見えない・・・だからこその一時休戦だ。だが・・・。「華雄姐さん、食いすぎです。」「もがっ!?」それよりも、この人の食事量を考えてもう少し白米を炊くべきだった・・・と悩む高順であった。後日、馬超一行がやって来たり、その目的に全員が仰天してみたり、楽進達も到着したりとまだまだ色々とあるのだが・・・。それはまた、次回のお話。~~~楽屋裏~~~今回も短いです、あいつです。さてさて、馬超達も到着し、簡単な描写でしたが董卓と謁見をしました。そんな彼女達の目的・・・いや、もう解りきってることかもしれませんな(笑え、1人フリーダムがいる?・・・気にしたら負けです。今回が短い理由はアレを同時進行しているからです。というか、作者のアレは正直期待しないほうが良いと断言しておきます。正直「これは酷い・・・」な出来でしたから(通常通りアレが後悔いや公開されるのはあと少しだと思うのですが・・・。どうなるのでしょう、本当に。更新されるときは人知れず更新されてる可能性が高いので、チェックをお願いします(いや告知しろよで、XXX痛でちょっと本気出した(何!?それではまた次回、あるいは向こうの痛いや板でお会いいたしましょう。