【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第27話黄巾兵は北側の城壁を崩され、混乱していた。城門ではなく城壁を崩す。そんな馬鹿なことを誰が思うだろう?だが、その馬鹿を実行した何者かがいるのは確かだ。事実、今目の前にあったはずの城壁は崩れて官軍が次々にそこから入り込んでくる。これを見ていた指揮官、高昇は北側に対して兵力を集中させた。しかし今の状況から考えるとそれは効果が薄い。北からの圧力に対抗するために兵を集中させれば、必然的にそれ以外の方角の兵が少なくなる。つまり抵抗が弱くなるのだ。北側から攻め込んだ軍勢も流石に苦戦するが、矢も無く、食料も少ない黄巾の士気が高いはずも無く直ぐに押されていく。少し経ってから東・南・西の順番に門が破られ、黄巾はいよいよ後が無くなった。それを見越した高昇は既にあの人たちを死んだことにして・・・偽装をして本人達は脱出してもらっている。高昇はまだ幾ばくか士気の高い兵を率いて、官軍の数が少ない場所を探す。だが、全方位を囲まれてしまった以上、どうしようもない。あの方々には何とかして逃げてもらわなければ、我々の夢が費えてしまうのだ。逆に生きてさえ逃げ延びさえしてくだされば、自分がここで死んでも本望と言うもの。血路を開かんと剣を振るい敵兵を切り捨てていくが、数日間ずっと戦い詰めの高昇は既に限界だった。と、そこへ。「そこの男、黄巾の将と見た!将としての誇りがあるなら私と戦え!」真っ赤な服、髑髏をあしらった肩鎧。夏侯惇である。「くっ・・・良かろう。この高昇、相手をしてやるっ!」「その意気や良し!我が名は夏侯元譲。貴様を黄泉へ送る名、しかと心に刻め!」剣を掲げて高昇は突撃、それに対して夏侯惇は刀を構えるのみ。「ぬああっ!」と雄叫びを上げて剣を振り下ろす高昇。だがその剣が夏侯惇の身体に届くよりも早く、夏侯惇の刀が高昇の首を跳ね飛ばしていた。「曹猛徳が将、夏侯元譲!敵将、高昇を討ち取ったり!」その頃、高順隊は城内、というより市街の黄巾兵と戦っていた。既に黄巾は指揮系統も失っているようで、散発的な抵抗をするのみ。数が多いだけの、まさに烏合の衆だった。城内の戦いは他に任せて自分達は敗残兵狩り、あるいは非戦闘員の保護に回っている。城と言っても、城壁の中には何千何万と言う人家がありそこに兵士が隠れているのかもしれないのだ。ほとんどの住民は避難するか逃げたかのどちらかだろうが、避難し損ねた市民もいるかもしれない。そう考えた上での行動でもある。こういった城内戦の場合、略奪などが起こるのは常であり、その被害を少なくしようとしている。幾つもの家を見て回ったが、黄巾のみならず、官軍の中からも女子供に乱暴をしている者が出ていた。高順はそういった手合いを見つけたら、黄巾だろうと官軍だろうと容赦なく殺すようにと命令を下している。その兵士の所属する部隊から文句が出るかもしれないが、そうなれば尻丸出しというかいろいろなものを丸出しにしている死体でも見せてやればいいだろう、と考えていた。今となっては黄巾兵よりも一部の官軍のほうが敵だと言えたかもしれない。攻城戦、市街戦というのは本来こういうものだが・・・。どれだけの市民、或いは黄巾の非戦闘員を保護したか。そんなことをしている内、高順はとある家屋の前にいた。虹黒から降りて、戟ではなく剣を持つ。屋内の戦闘では戟は扱いづらい。そこへ、3人娘が馬に乗って駆けて来た。「隊長!この辺りの住民はほとんどいないようです。それと、沙摩柯殿が兵を率いて他の地区に向かっておられます。」「ったく、ほんましょーもない奴らばっかやで。ケツ穴ん中にうちの槍ぶっ込んだろーかと、何度思ーたか・・・。」「うっわ、真桜ちゃん不潔なの・・・。」「・・・ほんとにね。真桜、君は女の子なんだからそーいう事言わないように。それと、皆ご苦労さん。・・・まだ終わった訳じゃないけどね。さて、入りますか。」高順は家の戸を開け、中に敵がいないかどうかをじっくりと確かめてから、高順は家屋の中へと入りこんだ。3人娘もそれに続く。中は割りと広いつくりだったが、伏兵などがいるわけではないようだ。そこには、3人の・・・外套を着込んでいて、顔までは解らないが恐らく女性?と思わしき人々がいた。屋内に入ってきた高順らを明らかに恐れており、家の奥で縮こまっている。やれやれ、と高順は剣を鞘に納めて、3人の前でしゃがみ込んだ。もしこの3人が伏兵であっても退ける自信はある。3人娘は、というと家の入り口に張っている。「別に怖がらなくていい。逃げ遅れたのか?」戦中なので多少気が昂っているが、最大限優しく言ってみる。そのうちの、体の小さい少女(2人いるが、その1人)が「はい、そうなんです。」と答えた。「そうか。君達が黄巾かどうかは知らないが・・・逃げ遅れたのは災難だったな。俺達は市民を保護しているんだが、着いて来てくれないか?最低限、城の外には連れ出す。」「え・・・でも・・・。」「もし誰か襲って来ても追い返すさ。信用してもらえないのは仕方ないのだけどね。」そりゃあ、官軍が女子供に乱暴してるような今の状況じゃ信用してもらえないのも無理は無いな、とつい苦笑する。目の前の3人は悩んでいるようだったが、このままここに隠れていてもいずれは・・・と思ったのか、1人が立ち上がった。では、お願いします。とこれまた身体の小さい少女が頭を下げた。他の2人はどうしていいのかよく解らなかったようだが、促されて立ち上がる。「ほら、姉さんたちも。」「え、うん。あ、ありがとうございます。」「よ、よろしくね?」「はい、こちらこそ。しかし、3姉妹ですか。身長から考えるに、長女があなたで・・・残り二人のどっちがお姉さん?最初に立ち上がった人?」こうやって緊張をほぐそうとしているのだろう。どうでも良い話だが、高順本人は自覚なしに話しかけている。そんな高順の言葉が気に入らなかったのか、もう1人の小さい少女が腕をぶんぶんと振り回して不満そうに「違うもん!」と叫んだ。「へ?違うの?」「違うよ!お姉ちゃんは正解だけど次女はちぃだもん!れんほーが三女なの!」「そ、そうなのか・・・って、随分変わった名前だな。真名のほう?」呑気に言っている高順だったが、その「ちぃ」と名乗った少女の言葉に楽進が妙な反応を見せた。(何だ・・・れんほー・・れんほう?どこかで聞いた覚えが・・・?)楽進は顎に手を当てずっと記憶の糸を手繰っていく。李典と干禁がそんな彼女を不思議そうに見ていたが、楽進はある事を思い出そうとしていた。(そうだ、あれは・・・私が大梁で捕まったとき。波才と言ったか・・・。奴らが「てんほーちゃん」だの「ちーほうちゃん」だの「れんほーちゃん」だの。ただの偶然、か?)悩む楽進だったが、意を決して高順の隣まで歩いていく。「ん、どうかした?」「はい、お三方に質問がありまして。宜しいでしょうか?」この言葉に3人は「はぁ。」と曖昧な返事をした。何だろう?と思っているに違いない。「皆さんは姉妹なのですよね?」「うん、そうだけど・・・。」「先ほどの「ちぃ」さん。貴方の真名になりますが「ちーほう」と言うのでは?」「え、何で知ってるの?」外套を被っているので解らないが、ちーほう、と呼ばれた少女は不審な表情をしているかもしれない。「そして、貴女の真名が「れんほう」さん。では、一番背の高い貴女の真名は「てんほう」さん?」「え、え?何で?どうして解ったの?」「・・・そうですか、解りました。隊長、李典、干禁。その3人を捕まえて。」この言葉に、高順達は「何で?」という表情を。てんほう、ちーほう、れんほうと呼ばれた少女達は肩をびくりと震わせた。「事情は説明しますから早く。逃がさないでください!」真剣に言う楽進の声に、高順達は素早く動いて、逃げようとした3人を捕まえた。「く、離して、離しなさいよー!」と、暴れる3人を何とか押さえつける。暫くして、抵抗する気力も失せたのか、諦めたのか。3人は動かなくなった。「くうう、手に引っかき傷が・・・しかし、楽進。この3人がどうかしたのか?」「ええ。というかものすごい大手柄ですよ、隊長。」「???」「この3人が名乗ったのは真名です。恐らく、通常使っている名は・・・順番に、「張角」・「張宝」・「張梁」ですね。」「・・・はい?この娘達が?張角?黄巾党の首魁?」「はい。・・・どうなんだ?」いきなりすぎて楽進除く3人は頭が着いていかない。そりゃ、確かに3人は性別も年齢も外見も不詳だった。が。こんな、何も出来なさそうな娘達が、あの黄巾の乱の首謀者?外套をめくって、3人の顔を見てみる。どれも可愛らしい年頃の娘さんだ。髪の色が青みがかってたり紫っぽかったりするが、それももう慣れた。しかし、どう見ても後漢朝転覆を謀る様なタイプには見えない。「うーん・・・。本物として、どうしたものか・・・。」「そら、官軍に突き出せばええやろ?褒章もたんまり貰えるでー?」李典の言葉に、3人はがっくりと項垂れる。この場合、死刑になるのが目に見えているからだ。下手すれば牛裂きの刑、腰斬、凌遅の刑なんてのもあり得る。「まあ、突き出すかどうかは別にして、陣幕までご案内だな。ほら、3人とも立って。」高順の言葉に項垂れたまま、張角らは立ち上がった。「干禁、悪いのだけど沙摩柯さんに合流して、作業の続きを頼むよ。俺たちは陣幕にこの3人連れて行くから。」「解ったの!」「楽進、李典は俺と一緒にこの3人連れて陣幕まで帰還。・・・さ、行きますよ?」「・・・。」やはり、返事は無い。「あと、1つだけ。無闇に逃げようとしないでくださいね。もしそうなると、嫌でも貴方たちを斬らねばならなくなる。」高順は「話を聞いてからでも遅くは無い」と考えている。この3人が張3兄弟ならぬ、3姉妹なのは解ったが、クーデターを考えるような人間にはどうにも見えない。外套を被せて、3人を連れて行く。と、そこへ運が悪く周喩の部隊と鉢合わせた。皆、内心で「げっ・・・」と思ったが、不審な行動をとらなければ大丈夫だ。・・・大丈夫と思いたい。「高順か。お前達のおかげで随分楽が出来たぞ。黄蓋殿も・・・む、お前達の連れているのは?」「俺たちは今、逃げ遅れた市民の保護をしてまして。この3人もそうなんです。」「ほぅ、成る程な。」周喩は興味深そうに見ていたが、暫くして肩をすくめるように「解った、気をつけろよ。」と部隊を率いて去っていく。すれ違いざま、「高順、これで差し引きしてお前に貸し2つだからな?」と、言い残して。その後姿を見送りつつ、「さすが孫家の大軍師。その目はごまかせないか。」と呟く。流石にこの娘達が張姉妹だとは思わなかっただろう。名のある武将か何かだと考えたのかもしれない。その後も何度か官軍に見つかったが、何とか上手く言い逃れて(李典のおかげ)陣まで引き返す事はできた。問題はここからだったりする。陣幕の中で何故か正座してションボリしている張3姉妹。正直に言って、高順は悩んでいた。やはり乱を引き起こすような人間には見えないのだ。そこら辺は聞いてみないとなんとも言えない。陣幕の中には高順と楽進のみ。外に李典を見張ってもらう。「さて、えーと。張角さん達に聞きたいのですが。」「はい・・・。」「単刀直入に聞きますが、この乱・・・貴方達が主導したものですか?」「ち、違います・・・。」「では誰が?黄巾党というのは貴方達が立ち上げた組織なのでしょう?ならば、やはり貴方達が主導した事になる。後漢朝転覆を狙ってね。」この言葉に、人和(れんほう)が反論する。「だから、それは誤解なんです!私たちはそんな大それた事を考えてなどいない!」「そうだよ、ちぃ達はそんな事してないもん!」「しかし、現実に黄巾党は武力を以って後漢朝を攻撃した。その結果がこれではないのですか?」「うう・・・それは。」(むう、なんだか要領を得ないな。この状態で解ってるのは、この3人が主導したという訳ではない事と、後漢に対して反乱をした訳ではないという事。あくまでこれは彼女らの言い分を全面的に信じた場合、だけど・・・。うーん。)「じゃあ・・・貴方達は何を思って黄巾党を作ったのです?」この言葉に天和(てんほう)が答える。「なんだか誤解をされてしまってるんですけど・・・。あたし達が作った訳じゃないんです。」「はい?」「私達の・・・うぅん、何て言えば良いかな。「追っかけ」さんが作った組織なんです。」「・・・お、追っかけ?」「うん。私達、世間からは宗教組織の長、みたいな風に言われてるらしいけど本当は唯の旅芸人。歌ってお金を稼ぐのがお仕事なんです。」「旅芸人・・・って。」えーと、WHY?歌って踊れる旅芸人が黄巾首魁?HAHAHA冗談きついぜモルダー。って、混乱してる場合じゃない。これで混乱するなといわれるほうが辛いけどね!新たな事実が発覚しましたね。こんな事が事実だったら今頃歴史の先生は大慌てです。まさか「旅芸人が後漢に対して挑みました!」なんて言えないよね?それと、張角さん・張宝さん・張梁さんの順に真名が「天和(てんほう)」・「地和(ちほう)」・「人和(れんほう)」らしいです。だから、天公将軍・地公将軍・人公将軍な訳か。偶然にしちゃできすぎだよな・・・。何か楽進さんも「はあ?」と言いたげな顔してましたよ。いや、それは良いとして。「えと。じゃあ、黄巾党というのが言うとおりに追っかけ集団として、何で担がれてしまったので?」「中央の偉い人が兵士を連れてきて。いきなり「集会を中止しろ!」って。集会と言うよりみんなの前で歌ってただけなのに。そしたら皆怒っちゃって・・・。」「あれよあれよと言う間にこんな事になっちゃった。私たちは歌で国一番になりたいだけだったのに・・・。」つまりだ。彼女たちは歌でこの国の一番になりたかった。黄巾党は彼女らのファンだったが、その数が多くなりすぎて、国家権力に阻まれそうになった。多分、中止命令は1度や2度ではなかっただろう。その上で武力介入をしたのか。それに反発した人々が彼女達を御輿にして暴動を起こしたのだ。それがいつの間にか大陸全土を覆うような規模になってしまって、いつしか目的が違うほうへと摩り替わっていった?彼女らの活動の邪魔をするのは許せない、という行動がいつの間にか後漢に不満を持つ農民や賊を吸収してこれほどの乱に。なんともまあ・・・。高順は何度目になるか知れないため息をついた。まさか黄巾の乱が一部のファンの暴動とか、そんなところから始まっただなんて。彼女らの言を信じるならば、彼女たちは加害者でありながら被害者でもある。ファンの暴動を止めれる立場であり、その機会は幾らでもあったはずなのだ。だが、彼女らのような一介の旅芸人に何が出来たのか、と言われれば・・・。やはり、何も出来なかっただろう。何が何だか解らぬままに巻き込まれて、いつの間にか御輿にされて。そして捕まってしまったら処刑。何だかな、と思う。確かにこの乱のせいで罪の無い人々が多く犠牲になった。罪を償わせるのは当然だと思うが、このまま官軍に突き出すのも・・・。しかし、このまま放せばまた同じことの繰り返しになるだろう。(う~~む、どうしたものか・・・。死刑は行きすぎだと思うのだよな。多分、この人たちを担いだ連中は戦死とかしてる筈だ。ん・・・待てよ?)ここで1つ、高順は発想を変えた。彼女らは人を制御する事はできなくても人を集める事はできる、という所に目を向けたのだ。官軍に突き出す。→確実に処刑。よし、駄目だ。他の諸侯に渡してみる。→官軍に引き渡されてry。OK、問題外。じゃあ孫策さんは?→彼女は価値には気づくだろうけど、目先の利も必要としている以上、官軍に突き出すほうが手っ取り早く地位やら何やら得られる。下手すれば袁術にもっていかれるけど。駄目だな・・・。(となると・・・うーわ、やっぱあの人しかいねぇ。出来ればあの人の戦力拡張に貢献とかしたくないけど・・・。でも、戦力無いといつか来るだろうあの戦いで負ける可能性もある。妙な事言ってしまえば、ある程度貸しを作ったほうが後々有利かもしれない。しかし・・・あああああっ。)色々と考える高順だったが、どうもそれ以外に手は無さそうだ。それ以外の人に託してもろくな結果になりそうも無い。あの人なら、この人たちの価値も理解するだろうし、きっちりと手綱を締めて制御も出来るだろう。絶対顔合わせたくないんだけどね。でも、この娘達を見捨てるのはどうも・・・。高順は怯えきってしまっている3姉妹を見て、ため息を吐いた。自分のやろうとしてることはとんだ偽善だ。自分の満足のために、この戦いで犠牲になった人々の、その家族の気持ちなど考えずに張3姉妹の命を助けようとしている。これじゃ、劉備さんのやってることと変わらんな、と自嘲したくもなる。彼女のやり方を批判しておきながら、彼女がとるであろう行動を自分もしようとしているのだから。ここで、ちょうど干禁達も帰って来たらしく馬の馬蹄の音が陣幕の外から響いてきた。「隊長、どうなさるおつもりですか・・・?」楽進は遠慮がちに口を開いた。「・・・気は進まないけどね。」「それでは、やはり官軍に?」「いや。彼女達を有効に利用してくれる人のところへ連れて行く。」「しかし、それでは!彼女たちはこの乱を起こした原因なのですよ!?確かに、状況を信じるのであれば被害者でもあるのですが・・・。」「だからさ。考えようによっては死ぬよりも辛いかもね?」「え・・・?」「楽進、悪いのだけど李典、干禁、あと沙摩柯さんを呼んで来てくれるかな。少し出かけるから皆について来てもらおう。」「それは構いませんが。一体何処へ?」凄まじく嫌そうな顔をしつつ、高順は呟く。「・・・曹操殿の陣に。もう城内の掃討戦も終わっただろうからね。」~~~曹操軍の陣~~~桃色の髪を結い上げた少女が陣の見回りをしていた。結い上げた、と言っても・・・なんというか、お好み焼きなどの鉄板に油を敷く「アレ」みたいな感じだ。背も低く、明らかに子供である事がわかる。ただ、異様なまでの大きさの鉄球を担いでおり一種独特な雰囲気ではある。彼女の姓は許、名を褚。字を仲康という。先ほど夏侯惇らが「敵将首を挙げた」と意気揚々と帰還してきた。許褚は曹操の、そして陣の警護が仕事だったので共に行けなかったのだ。既に戦は終わり、あとは曹操らが色々な手続きをして陳留に帰還するのみだ。そう思っていたところで、陣の外から誰かが近づいてくるのが解った。許褚は陣の入り口に立って「止まって!ここから先は許可のある人しか通れないよ!って、うわ、何この大きい馬・・・?」と叫んだ。それを聞いて、先頭の巨馬に跨った男が馬から下りて拱手をした。「これは失礼を。俺は高順。公孫賛殿の元で客将をしているものです。曹操殿に用事があって参りました。どうかお通し願いたい。」「うぇ、こ、こーそんさん?誰それ・・・?」「誰それって・・・むう、参ったなぁ・・・。」高順の言葉にハテナ顔をする許褚に、高順も困った表情を見せる。(誰か、俺の事解る人を呼んでもらうべきかな・・・。でも、いきなり惇さんいる?とか聞いても余計に不審がられるだけだよ・・・どうしたもんだか。)悩む2人の元に、曹操軍の女兵士が駆け寄ってきた。「許褚殿、曹操様がお呼びです。至急起こしになるようにと。・・・え?」その女兵士は高順の顔を見て驚いた顔つきになった。「あの、まさか・・・高順殿ではありませんか?」出し抜けに言われたので、高順は「はい?」と間抜けな声で返してしまった。「そうですけど。何故俺の事を?」「前に、大梁の黄巾討伐で高順殿の下にいました!」「・・・え、嘘。あの時に?」「はい!あの時の高順殿の雄姿・・・今でも覚えております!」「はぁ、雄姿って言うほど大して無いもしてないような・・・。」高順を見る女性兵士の目が輝いている。あの時のことを思い出しているのだろうか。「ところで、何をしに来られたのです?曹操様にお仕えしようと?」「いえ、そうではなくて、用事があって来たのです。でも、この・・・え、許褚さん?」さっきは流してしまったが、許褚?曹操の2代目親衛隊長・・・そっか、幼女なのか。いや、もう驚きませんよ。ええ、もう・・・。「えー、許褚さんに止められてしまいまして。どうしたものかと。」高順の言葉を聞いた女性兵士は「なるほど。」と言って許褚に耳打ちをした。「この方は大丈夫です。おかしなことをなさる方ではありません。保証いたします。」と。「うー・・・満寵さんがそこまで言うなら・・・解った。皆通ってもいいよ。」「そうですか、ありがたい。・・・皆、行くよってまんちょぉぉおおぉ!?」いきなり素っ頓狂な声を上げた高順に2人が驚いて後ずさった。「ふええっ!ど、どうかしましたか!?私が何か!?」「な、何?何何何!?」「い、いや・・・何でもありませんよ。何でも。あは、あははははは・・・。」満寵て。魏の名将の1人じゃないか。俺、そんな名将の上で一度だけとはいえ仕事したのね・・・。なんだか笑えないような状況だと思うのだが、自分の感情を誤魔化しておく。「で、では、許褚殿。私はこれで。」そういって満寵は去って行った。「んー。まあ良っか。じゃあ、着いて来て。」「了解。今度こそ行くよ、皆。」許褚の後ろに高順、3人娘、3姉妹、そして沙摩柯が続く。暫く歩くと幾人かが「あ、高順殿だ。」とか「あれ、どうして高順殿が?」と言っているのが聞こえた。それに感心したのか、許褚は歩きながらも高順のほうへ顔を向けた。「へぇ。おじさん、本当に曹操様の元で働いたんだ。」「おじさん・・・。ま、まあ1度だけね。」「ふぅん。・・・着いたよ。じゃあ、ボクが先に行くからね。」失礼します、と言って許褚が陣幕に入っていく。高順らは暫く待っていたが、「入りなさい」という曹操の声が聞こえたので、同じように「失礼します」と入っていった。高順に習って、着いてきた皆が拱手して入っていく。陣幕には曹操、夏侯姉妹、許褚、そして見たことのない猫耳フードらしきものを被った少女もいた。「久しぶりね、高順。元気そうで何よりだわ。春蘭、秋蘭。縄を持って来て。」「いきなり何言ってるんです貴方は!?落ち着いてください、話せば解るから!」「あら、私は激しく燃え盛る烈火の如く落ち着いているわ。昨日は春蘭に随分な恥をかかせたようじゃない?」「ちーがーうー!アレは寧ろ夏侯惇殿の方に責任が・・・」「き、貴様!私のせいだというのか!?」高順の言葉に夏侯惇が激昂して刀を抜きかける。それを曹操は片手を挙げて制した。「はいはい、原因が春蘭にあったのは解っているわ。少しからかっただけよ。それで?私に用事って何かしら?」興味深そうに曹操は高順を見る。「私に仕えにきたのかしら?それとも、本当にただの用事かしら?」「用事のほうですよ。・・・申し訳ありませんが、人払いをお願いしたい。」高順の言葉に猫耳フードの少女が怒鳴る。「あんたねぇ・・・用事があるって言うから華琳様(曹操)は特別に聞いてくださってるのよ!それを人払いですって!?ふざけないで!!」「桂花、黙っていなさい。」「で、ですが。」「私は「黙っていなさい」と言った。私の命令が聞けないの?」この言葉に、桂花と呼ばれた少女は渋々引き下がる。「ふう、悪いわね。でも、人払いをする必要は無いわ。この場所にいるのはいずれも信頼できる者たちばかり。・・・そうね、季衣(許緒)には外の警護をお願いしようかしら。」「はいっ!」と元気良く叫んで許緒は人幕の外へ出て行った。「さて、用事とは何かしら?」曹操の言葉に高順は外套を被ったままの張3姉妹を自分の横に連れてきて、外套を取る。「紹介します、張角さんとその妹達。張3姉妹です。」『!!?』高順の言葉に夏侯姉妹が武器を取る。「待ちなさい、2人とも。・・・高順、その3人が本当に張姉妹なのかしら?それを証明できる方法はあるかしら?」この言葉に高順は肩をすくめる。「さあ。本人達がそう言っているだけですからね。ただ、本当であれば価値は凄いですよ?」「?」高順は、自分が知る限りの事情を説明した。彼女らは旅芸人であり、その歌声に魅せられた人々が黄巾党の正体である事。黄巾党が戦いを引き起こした理由。唯の御輿と担がれた事。全てを喋った。黙って聞いていた曹操だったが、やがて口を開いた。「はぁ。それが本当なら私たちは完全に振り回された形になるわね。」「本当なら、ですけどね。」「で、その娘達を私に合わせてどうするつもり?私の手柄にしろとでも?」この言葉に高順は首を横に振った。「彼女達の「人を集める才覚」を、曹操殿に正しく使っていただきたい。」「へぇ・・・。それがどういう意味か解ってて言ってるのかしら?」「それは勿論。」「私がその才能を最大限利用すればどうなるのかしら?」「そりゃもう、黄巾の乱なんて目じゃない規模になるでしょうね。ですがこれは保険でもあります。」「保険?」「貴方のほかに北で力を持ちそうな人が約1名。それに対して、ですかね。」「ふぅん。そういう事?」曹操が楽しそうに眼を細める。「あなたが勝つのでしょうけどね。ですが、人の数がいなければ危ないのも事実。あなたが勝つ方が、色々と危険なのかもしれませんけどね・・・。」「・・・解ったわ。彼女達の才能。私がきっちりと使いこなして見せるわ。暴走なんてさせないから大丈夫よ。」参ったな、これもお見通しか。高順は苦笑した。曹操は北で力を持つ、ということに思い当たる人物がいたようだ。当然公孫賛ではない。その時は年代的に自分が死んでいる可能性が高いので、危険がどうとかは実際には解らない。だが、これで曹操の実力が1つどころか3つ4つ飛びぬけるのは事実だ。早まったかもしれないな・・・。「まあ、彼女らが偽者だったら煮るなり焼くなり好きなように。」高順の言葉に3姉妹が「ええっ!?」と叫ぶ。だが、これは彼女らの犯したことを考えれば安いものだと思う。「まあ、頑張って。では、用事はこれだけです。失礼致します。」高順は長居をするつもりは無いと、そのまま陣幕を出ようとする。「待ちなさい、高順。」「は?」「「また」貴方に聴きたいことがあるわ。」「・・・はぁ、解りました。」「貴方、私に仕えるつもりは無いと言っているわね?」「ええ。」「でも、貴方は結果だけ見れば、私の利益に繋がることをしていく。前の大梁のときも。そして今回も。貴方は一体何を考えているの?」「・・・さあ?確かに結果だけ見ればそうなのでしょうね。強いて言えば個人的な欲ですよ。」「欲?どういうこと?」「大梁の時は、楽進達を、そして村の人を助けるために貴方を利用した。今回は3姉妹がどうしても悪人に見えない上、官軍に突き出して死刑にするのもどうかと思いましてね。」高順の言葉を曹操は黙って聞いている。「まあ、簡単に言えば俺は偽善者なんですよ。それに、使える才能があるなら使いこなす。それが貴方の流儀でしょう?」「当然ね。」「だからこそ俺は貴方に仕えませんけどね。馬車馬は御免なんです。では。」「まだよ、用事は終わっていないわ。」「ぬぅ。」曹操は、夏侯淵に「あの二振りの剣を持ってきなさい。」と命じた。夏侯淵はその言葉に多少驚きつつ、陣幕を出て行くが、直ぐに帰って来る。夏侯淵から二振りの剣を受け取った曹操は高順に自分から剣を渡した。1本は青い鞘に、もう1本は黒い鞘に入っている。両方とも、かなりの長さだ。「この剣は?」「私が昔使っていた剣よ。青釭、そして倚天の剣。これを貴方にあげるわ。」「・・・褒美のつもりで?」「まさか、この剣だけでチャラに出来るような問題ではないわ。あくまで手付けのようなものね。いつか、きっちりと借りは返すわ。」高順はその剣を一本ずつ鞘から抜いてみる。青釭は片刃なので、剣と言うよりは刀だ。ただし、刀身が長く、反身がない。対する倚天は、どちらかといえば長剣だ。両刃で重そうに見えるが実際はそれほど重くない。「良いのですか?これ相当な業物ですよ?」「ええ、私はもう使わないもの。」「そうですか。では受け取っておきますよ。・・・3人とも、元気でね。」高順の言葉に3姉妹は「あ、ありがとうございました」と頭を下げた。死ななくてすむということが解ったのだろう。その3人の言葉に手を振って応えた後、高順は陣幕を出て行った。曹操はその後に、夏侯惇と夏侯淵に命じて張姉妹に陣幕を宛がった。2人は見張りでもある。見送った後、曹操は「ふっ・・・うふふふ。あはははは・・・。」と思わず笑い出してしまった。「華琳様?」「あら、桂花。私が笑った理由でも知りたい?言わなくても解っているとは思うのだけどね。」曹操は人前でも平気で真名を使う。桂花、と呼ばれた少女は本来は荀彧と呼ばれている。「当然解っています。あの男の言うとおり、3人が本当に張姉妹ならどれだけ多くの人を集められるか。その上、同じような事が起こっても彼女らを使えばすぐに鎮定できるでしょう。」「その通り。人、そして治安に於いても私は大きな利益を得たわ。それにしても・・・ふふ。おかしな男ね、高順は。」「本当にただおかしいだけです!あんな男・・・!」荀彧はそう言い切るが、それは当然だろう。そのまま官軍に差し出せば多大な恩賞を得られたのは間違いない。それを不意にする理由など無かったはずなのに、特に拘るでもなく曹操に引き渡したのだ。恩賞とか、その類に欲が無いにしても、これは少しおかしい。「まあ、その辺りは良しとするわ。何物にも代え難い利益があったのだから。」そう、この黄巾討伐は曹操にとって大きな飛躍のきっかけになるだろう。張3姉妹は勿論、以前の大梁黄巾もだ。彼らを早く討伐したおかげで自分達の勲功の稼ぎどころが増えた。そして高順が利に釣られる様な男ではない事も理解できた。それを外さなければ落とし処は幾らでもある。いつか、自分の前に跪かせて見せる。欲しいものを手に入れなければ気がすまない曹操の意地でもあった。曹操軍の陣を出た高順に、3人娘が次から次へと話しかけてくる。「なあ、高順にーさん。ほんまに良かったのん?」「そうなの、すっごい大手柄だったのに。」「・・・私は隊長を疑う訳ではわりませんが、たまに考えている事が解らなくなってきます。」「3人同時に話しかけなくても。これで良かったんだよ、多分。」高順はこう言うが、やはり納得は出来ないらしい。「せやけどなぁ。あの3人の首はごっつい価値あったと思うわ。それを不意にするって言うのがよぅ解らんわ。」「そうですね。彼女らの首は1つでも、相当の価値だったと思います。」「太守になれたかもしれないの。」「そんなもんになった所で堅苦しくなるだけだよ。政治的才能なんて俺にはないしね。」ま、分相応ってことですよ。と高順は未練なく言うのであった。黄巾の乱を引き起こした罪と、民衆をここまで追い詰めた後漢の罪。どちらがどう正しく、間違っているのか。力の使いどころを間違えたとか、政治の腐敗とか色々あるのだろう。だが、今の後漢が張角たちを正統な立場で処分できるのか?と聞かれれば高順は「どうだろう?」と悩んでしまう。もしも武力介入で3姉妹の活動を止めようとしたのなら、後漢朝が最初の加害者となり、黄巾党は反撃をしただけとなる。それがおかしな形で広がっていき、抑制できないのは黄巾の悪意でもある。そしてその悪意を独力で止められなかった後漢。あのまま3姉妹を官軍に引き渡せば、間違いなく処刑されて真実は闇の中へ、となるのだろう。それすら、3姉妹の言い分を信じれば、ということでしかない。どちらがどう悪いのか、などは当人達にしか解らないのだろう。そんな訳のわからない物に巻き込まれるのは御免だ、という気持ちが高順にはあった。思ったが、どうも3人娘は納得がいかないらしい。「む~~~。でも惜しいなぁ・・・。」「今回ばかりは隊長が優しいから、では納得がいきません。何故あの3人を助ける必要があったのでしょうか?」「納得いく説明を求めるの!」「まあ、私はどちらでも構わないのだがな。高順にも考えがあって曹操とやらに引き渡したのだろう。」3人娘と違って沙摩柯はどちらでも良い、という考えのようだ。それも高順を信用しているからこそだろう。沙摩柯は、高順のことを「利ではなく理。その一点だけを外さないように行動している」と見ている。時折おかしなヘマをやらかして、周りから避難されていることもあるが、基本的には義と情の人だ。それこそ「高順からの劉備への評価」と同義であり、沙摩柯もそれは理解している。1つだけ違うところがあるとすれば、劉備は立場上「利益」を見なければならないが、高順はその「利益」をそれほど考えようとしない。というよりも故意に考えないようにしているとも思える。それが素の性格なのかどうかまでは解らないのだが・・・。どちらにせよ、沙摩柯は高順の考えに異を挟むつもりは無い。拾ってもらった恩を働きで返すのみだ。その沙摩柯はともかくも、3人娘はまだ高順に文句を言っている。彼女らの言葉に、高順は少し考えて答え始めた。「な、3人とも。質問に質問で返してしまうけど、後漢朝の言ってる事が何もかも正しいと思う?」「へ?後漢?何で?」「いいから、答えて欲しいな。」高順の言葉に、3人娘は迷うことなく「否」と答えた。「だろうね。俺もそうさ。実際、黄巾に対しての話も違っただろう?黄巾党が政治結社だとか、怪しげな宗教団体とか、政府転覆を狙ったりとか、最初はそんな話だった。でも、奴らがそんな思想を持ってたかな?」「・・・持ってなかったの。」「じゃあ、そういう事さ。後漢は自分達に都合の悪い事を隠して、相手の非ばかりを説いた。考えてもみなよ?最初は3姉妹の言うとおり追っかけの起こした暴動だったとしても、その後これだけ規模が大きくなったのはどうしてだ?それだけ政治に不満を持つ人々が多いからだよ。自分達に都合の悪い事は見ないふりをしている連中の言う事など聞きたくもないね。」「では、隊長は3姉妹の事を信じておられるのですか?」「全部信じた訳じゃないよ。でも、あの娘達が政権奪取とか狙うように見えたかな?もし狙ったとしても、その後のことを考えているように思えたかな?」「それは・・・。思えませんでした。」「あの娘たちは本当に歌で国一番になる事を目指していただけだと思うよ。もう少し平和な時代に生まれていれば、本当にそうなれたかもしれないのに。」「せやけど、それだけで助けたる、ちゅーのは・・・。」「真桜の言うとおりです。それでも彼女達の罪が消えた訳ではありません。」「んー。こう考えたら納得できない?ここで死刑にされるよりも、曹操さんのところでこき使われるほうがよほど辛い、って。」高順の言葉に3人はその情景を思い浮かべる。そしてすぐに、『・・・あー。』と唸った。鮮明にその状況を想像できる分、よほど説得力があったのだろう。「あの大将に使われるのはむっちゃきついなぁ・・・。」「過労死確定なの。」「・・・確かに、解りやすい例えでしたね。」3人は「はぁ~~~・・・」と盛大なため息をついて、それ以上の追求をしてこなくなった。単純だな、と苦笑する高順だったが、他にも助けた理由はあった。簡単に言えば「同情」してしまったのだ。少し考えてみると、高順と張3姉妹の境遇は微妙に似ている。自分は転生と言う形で。3姉妹はいきなり黄巾党の首魁へ。本人達の望む望まないに関わらず今の状況に押し上げられた。高順は自分と3姉妹の辿る、或いは辿ったかもしれない運命に何か重なるものを感じていた。歌う事が好きで、その歌で国一番になりたいと夢を追い続けて、最後には賊として処刑されるなんて、あんまりではないか。自分の、そして彼女達の置かれた状況と境遇に反発した結果が、彼の取った行動だった。犯した罪の分は清算すれば良い。人を扇動していったのは彼女達ではなく彼女達を祭り上げた人々、そして今の時代を作り上げた政治なのだから。もし自分が平和な時代になるまで生き延びることが出来たなら、その時に彼女達の歌を是非とも聴いてみたいものだ。そんなことを思いつつ、高順は自身の陣へと帰っていくのだった。こうして、黄巾の乱は一応の終結を見た。張角らと「思われる」遺体を発見したのは袁紹の軍勢であり、その首を切って皇甫嵩に届けた袁紹が軍功第一とされた。他にも黄巾の将を討ち取った曹操、孫策(袁術に首を横取りされたが、孫策軍の黄蓋が厳政を討ち取ったときの音声を皇甫嵩は聴いていた)。黄巾の夜襲を防ぎ、城壁を壊すほどの猛撃を見せた公孫賛。彼らにも軍功ありと、皇甫嵩は中央に報告をするつもりのようだ。大なり小なり、この戦いに参加した諸侯は恩恵を与えられるだろう。だが、これで終わった訳ではない。これからも同じような事は起こるうる。諸侯は各々、その胸に野望を秘め帰途に着いた。時代が本格的に動き出そうとしている。高順もまた、その時代の波に嫌でも飛び込んでいかなくてはいけないのだが・・・。それは、もう少しだけ後のお話。~~~楽屋裏~~~3姉妹を助ける理由になっていません、あいつです(ぁぁ更新速度はどんな程度がいいのでしょうねえ。あまり早いとその分終わるのも早くなり、遅いとそれはそれで文句を言われそうな・・・wまた難しかったです、今回は。3姉妹が家屋で閉じこもっていたのは護衛が全員死んだからでしょうねぇ。とか、城壁ってそんな簡単に崩れるものなの?とか。まあ、今回は高順くんが自分を偽善者と言いきったり、結局自分も劉備と変わらないと自覚したりとかそんなお話。それ以上に文才の無さに作者が気づく回でした(駄目だほんと、どうしよう・・・さて、これからのお話ですが・・・高順:こうじゅん。こーじゅん。皇潤。お試し価格6300円。この先どうするのか考えるの面倒なのでなんかもう次回死にます。3人娘:楽進の気弾がうそ臭い威力だったり、李典が回転ドリルだったり、干禁の影が薄いのでもう死にます。曹操:ドリル回転髪がうざいのでもう死にます。公孫賛:どう頑張っても影が薄いのでもうなんか死にます。こんなんじゃ駄目ですか?駄目ですね。解ってるんですたまには現実逃避したいんです生きててゴメンナサイあああああああっ(涙